私と騎士様の危い愛

月野さと

文字の大きさ
4 / 48

4話

しおりを挟む
 1人の騎士が、私の鎖を持って前を歩き、後ろに2人の騎士がついて歩いた。
 逃げることは難しそうだった。街外れの、人の気配も無い場所に連れて来られて、後ろの1人が前の男に声をかける。
「おい、ジル!この奴隷、どうするんだ?」
 すると、前の騎士が立ち止まった。そして、振り向き、こう言ったのである。
「……どう、しようかな?」
 その声に、後ろに居た騎士が、笑い出した。
「プハッ!おいおい、何も考えて無かったのか?」
 前を歩いていた騎士の、その顔が、さっきとは別人のように鋭い感じも無く、困った顔をしていた。そして、笑われて恥ずかしそうに言う。
「笑うな。つい…なんとなく、ついだな!」
「ついって、なんだよ!おまえ、酔ってるんじゃないか?」
「酔ってるのは、お前達もだろう?」
「いやいや、俺たちは最初っからベロンベロンだ!だから娼館ではっちゃけようって話しになってんじゃねーか。」
 笑い転げるダンの横で、リオンが、ポンっと手を打つ。
「あ、良いこと思いつきました!この娘、どう見ても性奴隷でしょう?3人で相手してもらうってのはどうでしょう?」
 可愛らしい顔をして、とんでもない事を言う…。美玲は、戸惑った。
 3人は、改めてマジマジと美玲を見る。
「よく見たら、この娘すっごくスタイル良い。」
 そう言われると、ジルもマジマジと上から下まで眺めた。そこへ、ダンが興奮気味に言う。
「ああ、後ろから、ずっと見てて思ったんだが、凄いエロイ体してるよなぁ?酔ってるせいか、ムラムラしてきた。って言うか、なんなんだ?この服は?ん?あ、おまえ、下着も履いて無いのか?!」
 ペロンっと、私のスカート?を引っ張ってきたので、私は恥ずかしさで、カーーーっとなってしまった。
「触んないでよ!ヘンタイ!」
 バシィ!!と、ダンの手を引っ叩く。
 その瞬間、全員が笑い出した。
 吹き出して、しゃがみ込んで笑い出したのだ。
「ぶはははっ!」
「だめだ。この子、奴隷に見えないっ……クックック!」
「あはははっ!奴隷…奴隷にヘンタイ言われたっブハ!!」
「おまえなぁ、おまえ、そこで笑うか??ダメだ。もう、おかしくって笑える!」
 ……なんなのだろう?こっちは本気なのに…。いや、なんか、箸が転がっても笑える高校生か?とすら思えてきた。ただの酔っ払い??
「ダン、変態だったのか?いや、俺は前々からそうなんじゃないかって‥‥ぶはっ」
「いやん!おれってヘンタイ…って、言わせんな!つーか、おいっ女!ヘンタイだなんて酷いぞ!これでも、素敵な聖騎士様で通ってんだ!どんなご令嬢にもそんなこと言われたこと無いぞ!」
「いやいや、ダン。ヘンタイだなんて、令嬢は普通に口にしないし、普通に使われない言葉ですから!っクックック!いや、本当に、この子なに?最初から、言うことが面白過ぎ!」
 リオンの言葉に、ジルヴィスも笑いながら言った。
「確かに、奴隷制度がオカシイとか、最初から言う言葉が面白かったな。」
 ジルヴィスの言葉に、他の2人が急に沈黙した。
 急に静かになったので、私は戸惑う。
「………」
 そして、ダンがぼそりと言った。
「…ルシオと、同じこと、言うんだもんな。」
 ルシオ?
 
 暫く、3人は沈黙してから、リオンが言った。
「で?どうするんです?この娘」
「そうだな。この辺に捨ててくか?」
 え?解放してくれるって事?
「奴隷ちゃん、行く当てあるのか?」
 ダンが質問する。それに、私は首を振った。
「あの、ここは何処なのでしょうか?私は気がついたらここに居て…。この国も、この世界も、何もわからないんです!そしたら急に、奴隷にさせられて!」
 3人は、顔を見合わせる。
「この国を知らないのか?そうとうの田舎者か?」
「しかし、行く当ても無いとなると、また奴隷商人に捕まって、あそこに戻るのがオチでしょうね?」 
 そ…それは嫌だ…。
「うーん。どうせなら、奴隷として買ってあげれば?」
「俺の家は要らないぞ。使用人も充分いるしな。」
「僕の家も妻が、奴隷を嫌がるので…」
 リオンとダンが言うので、ジルに視線が行く。
「ジル。おまえ1人暮らしじゃないか。この奴隷、買ってやれよ。家事と夜伽の両方やらせればいい!」
 !?よ、夜伽??
「そうですね。ジルが連れて来ちゃったんだし。」
 はぁ~~~っと、最大にため息をついて、ジルと呼ばれた男性は、こめかみを抑えた。
 ジルヴィスは、美玲を嫌そうに見る。
 そして言った。

「分かった。ついてこい。」
  
 そう言われて、手枷を外された。
 

 
 
  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎ 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

淫紋付きランジェリーパーティーへようこそ~麗人辺境伯、婿殿の逆襲の罠にハメられる

柿崎まつる
恋愛
ローテ辺境伯領から最重要機密を盗んだ男が潜んだ先は、ある紳士社交倶楽部の夜会会場。女辺境伯とその夫は夜会に潜入するが、なんとそこはランジェリーパーティーだった! ※辺境伯は女です ムーンライトノベルズに掲載済みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

処理中です...