私と騎士様の危い愛

月野さと

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12話

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 ハンナさんの美味しい食事を、ジルさんと2人で食べた。
「ん~~♪美味しいです!ほっぺた落ちそうです~!」
 この国の食事は、イタリアンっぽい。スープもパンも日本人の味覚に合う!それが、こんなに嬉しい!
 はぁ~、ココで行きていけそう!やはり、食事は大事である。

「ふっ。おまえは、とても美味そうに食べるな。それに、食べ方が綺麗だ。」
「そうですか?食べ方は、我が家は厳しく躾けられたので、そのせいですかね~?」
「‥‥そうか。やはり、きちんとした家柄なのだな。」
「え?鶏ガラ?いいえ。このスープはブイヨンで作ってました。」
「‥‥そうか。」
 ジルヴィスは、思った。話をしていると、どうしても面白い方向に行ってしまう。可笑しくて、ずっと笑っていられる。
 どこか、抜けている感じで、どこか安心する空気をまとっている。
 人と関わるのは苦手で、家に入れるのも億劫だったが、この女は不思議だと思った。
 
「ところで、名前はなんと言った?」
 今更だけれども、名前を聞いていなかった。
「佐々木美玲です。あ、ミレイで良いです!」
 やっと、食事をたいらげて、おなかが落ち着いたので、私は彼の顔を見つめる。
「ミレイ。これからの事だが‥‥おまえは、他にどこか行く当てはないのか?」
 その言葉を聞いて、私はスプーンを置く。
 まさか、出ていけという事だろうか?やっと、ここで生きていく決心をしたばかりなのに…。
「国に帰りたいなら、詳しく教えてくれ。出来るだけのことはしようと思っている。」
 それは、ありがたいし、帰りたいよ。
 だけど、きっと、もう帰れない。勘だけど、それは分かる。事故にあって、気がついたらココだもの。きっと、私には戻る場所なんて無いだろう。
 そんなことよりも、ジルさんは、どうして、そんなこと聞くの?
 なんとなく、掃除や洗濯をしながら思ってた。この家に1人で、使用人も無く、生活していた人。本と服と剣しかない。この人は、人を避けて生きてきた人なのかもしれない。家に人がいることを嫌う人なのかもしれない。人を、煩わしく思っている人なのかもしれない。
 私なんか、追い出されてしまうのかもしれない。

「帰りたくても、帰れないんです。」
 私はハッキリと、彼の目を見て言った。
 ジルさんは、少し驚いた顔をした。
「何故だ?」
 説明しても、分かってなんてもらえない!私は焦った。ここを、追い出されるわけには行かない!この世界で、どうやって生きていけばいいのか、私には分からない。
「お願いします!私、頑張って働きますから、ここに置いてください!家事全般、きっとお気に召すよう、完璧にやります!‥あ、でも、洗濯は初めてやったから、慣れが必要ですけど!」
 洗濯機では無い洗濯は、本当に大変だったのだ。
「あ、あと、裁縫も小学生以来だし、掃除も慣れが必要だけど!」
 掃除も、掃除機なども無い。掃除用の便利グッズも、よく落ちるクレ〇ザーも、ハイ〇ーもない!だけど!
「お願いします!ここに置いてください!性奴隷としても頑張ります!何でもやります!」
 私は、立ち上がり、床に手をついて土下座した。
 人間って凄い。人生はじめての土下座をしている。生きる為だったら、何でもできるのである。背に腹は代えられないのである。
 もう2度と、あんな気持ち悪い男に買われるなんて、死んでも嫌なのだ。

「わかった!わかったから!そんなことをするな!」
 ジルさんは、私の腕を持って引き上げた。私は半泣き状態で、懇願するように彼を見つめた。すると、彼は困った顔で私を見つめて……何かに気がついた様子を見せる。

「……まずは、あれだな。」
「?」
「ミレイの服を買おう。」
 そう言われて、自分の服を見る。胸が張り裂けそうなほどに、パッツンパッツンなのである。ボタンとボタンの間から、チラリと胸の素肌が見えてしまっている…。
「……オネガイシマス。」
 そう言って、目をそらした先に、時計が見えた。
「あ!もうこんな時間ですね!お風呂に入ってください!」
 早速、仕事仕事!
 ご主人様を煩わせないように、家に置いて良かったと思われるように!私は、バスルームを準備しに走った。ジルさんが、バスルームに入ったのを確認してから、キッチンの片付けを済ませる。
 そして、ふと思った。

 そういえば。
 さっき、性奴隷としても頑張るって言っちゃったけど……。処女だった私にテクニックなんか無い。男性を満足させられることは、出来るのだろうか?
 昨日は、ジルさんはだいぶ酔ってたし、私は初めてだったから、何が何だか解らなくなってたし、ジルさんに記憶があるか謎だけど……。とにかく!そっちの奉仕も努力しなきゃだ!
「………」
 私は、しばし考える。
 目を閉じて、元の世界で見たAVビデオ、TLコミック、ネット小説、1回だけ読んだことのある官能小説。それらを、ザーーっと一通り思い出す。
 ピコーン!っと、閃いた。
 フェラだ!男性を喜ばせるのは、フェラしかない!
 やったことは、もちろん無いけれども。知識だけはある!という、変な自信だけで、自分を奮い立たせる。

 昨日のことを思い出すだけで、なんか、ドキドキしてしまう。私って、本当はエッチな人だったのかな??
 なんだか悪い大人になった気がする…。
 いや、これはココで生きていく為!! 

 女は度胸!!頑張れ私!


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