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29話
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それから、涙が止まるまで、お互いに抱きしめ合って泣いた。
ジルが泣きだして、私も悲しくなって一緒に泣いた。
もう2度と会えない家族を思って。
ジルの気持ちと、自分の気持ちを重ねて。
もらい泣きと、自分の悲しさと、ごちゃ混ぜになって。最後のほうは、私の方が涙が止まらなくなり、ジルが優しく頭をポンポンして慰めてくれた。
泣き止んだら、2人で水を飲み。なんとなく、落ち着く。
会話もなく、ダイニングテーブルを一緒に片付けで、なぜか手を繋いで、ジルの部屋に行く。
そのまま、一緒にベッドに入り、抱き合って寝た。
それが無いと、眠れないかのように、お互いの体温を抱きしめあって眠ったのだ。
◇
それから、数日ほどは、穏やかな生活だった。
ジルとの共同生活は、規則正しいものだった。
同じ時間に起きて、朝食をとって仕事に行く。私も家事に、だいぶ慣れて来た。とても時間がかかっていた家の仕事が、お昼過ぎには終わる様になり、私はジルに伝えた。
「私、仕事を探してきます!」
「……どこか、あては有るのか?」
「いいえ、全くないです!でも、町で聞いてみようと思います!」
「そうか……いや、待て。少し人づてに聞いてきてやるから、やみくもに自分で探そうとするな。」
「え?いや、大丈夫ですよ。自分でなんとかします!」
ジルの手を煩わせずに、自力でやろうと思った。しかし、ジルは首を振った。
「ダメだ。おまえは、自分のことを、もう少し客観的に見て理解する必要がある。また変な輩に捕まっても面倒だ。安全な職場を探して来てやる。」
そう言って、ジルが知り合いを当たって探して来てくれたのが、宝石店だった。
ジルが、行きつけの仕立て屋さんに聞いた所、紹介してくれたのだ。
「ウチはね、王族の方々にも贔屓にされている宝石店です。見た目とマナーは最重要!ちょっと、マナーは勉強してもらおうと思うけれど、外見は合格ね!」
そう言われて、私は宝石店での仕事が決まった。
店頭に立つこともあるけれど、殆どは貴族の家に宝石を持って行くことが多いらしい。
仕事が決まると、ジルは安心したように言った。
「そうか。そこなら安全だろう。ミレイは変な男にからまれやすい見た目だからな。」
「……なんか、けなされてる気がするんですけど‥‥。でも、ジル、ありがとうございます。まともな仕事につけて、お給料も良さそうだし、本当に感謝してます!!」
改めて、深々とお辞儀をして、お礼を伝えた。
店主も言っていたが、「あんた、見た目がゴージャスだから、貴族用のアクセサリーも似合うわ♪身につけて、お客様に宣伝するのよ♪」という、役割になった。
まぁ、平たく言うと、マスコット的な?マネキン的な存在なのかもしれない。
貴族の邸宅に、マダムと一緒に向かい、宝石を売る。自然と、見た目に気を使うようになり、髪型や服装も、変わって行った。
「あんた。仕事用の服が必要ね!私が用意してあげる。」
と言うなり、マダムは何着か服を購入してくれた。
それからの私は、とにもかくにも、一生懸命に働いた。
仕事も少しづつ慣れていき、人と関われて楽しかった。
私の仕事が始まってからは、夜の生活は自然と休みの日だけになった。
ジルからのお誘いは無いので、私からジルの部屋に向かう。
彼は、本を読んでいたり、何か書き物をしていたり、ある時は、ボーーッと星空を眺めていたので、私はジルの傍に行って、終わるのを待つ。
そのうちに、ジルの方から肩を抱き寄せてくれるので、私はそれを待ってから、彼のほっぺにキスをする。
すると、ジルは優しく微笑んでくれて、おかえしに私のほっぺにキスをくれる。
それが、2人の合図みたいになっていた。
抱きしめあって、体を重ねた。
ジルの裸体は、いつ見ても綺麗で、彫刻の様だった。動作も表情も、私を興奮させて、見惚れてしまう。
そのせいで、私はセックスをしている間は、最初から最後まで、ずっとジルを見つめている。
そのことに気がついたジルは、挿入したままで言った。
「どうして…そんなに見つめている?」
急に腰の動きを止められてしまって、私の体が勝手にビクビクする。
「んっ‥‥だって、すごく…カッコイイから…」
息も絶え絶えに言うと、ジルは少し照れた顔をした。
そのまま、覆いかぶさってきて抱きしめられ、激しく突き上げられる。
「あっ!あっ、あっん、あ!あ、待って!ダメ、イッちゃうっ」
はぁ、はぁ、と、お互いの激しい息づかいを感じる。
絶頂の後、私の体は自分のモノじゃないみたいに、ビクビクと震えて、心地良さにボウっとする。
‥‥気持ちイイ。
怖い位、癖になりそうな快感だった。
すっかり、中イキも覚えて、簡単にイかされてしまうようになっていた。
ジルとのセックスは、正常位のみで、恥ずかしすぎる体位とか、変なプレイとか、そういうのは全くない。ムリをさせられることも無い。
何も言わなくても、いつも私の体を気遣ってくれている気配がした。
いつも傍にいて、毎日話をする。
でも、本当は、もっと聞きたい事がある。
その後、仕事はどう?とか、アニエス様とは会っているのか?とか、気になっても口には出さずにいた。
彼を詮索するようなことは、しなかった。
やはり、ジルとの関係を壊したくなかったから。
そんなこんなで、
もうすぐ、仕事を始めて1ヵ月になろうとしていた。
ジルが泣きだして、私も悲しくなって一緒に泣いた。
もう2度と会えない家族を思って。
ジルの気持ちと、自分の気持ちを重ねて。
もらい泣きと、自分の悲しさと、ごちゃ混ぜになって。最後のほうは、私の方が涙が止まらなくなり、ジルが優しく頭をポンポンして慰めてくれた。
泣き止んだら、2人で水を飲み。なんとなく、落ち着く。
会話もなく、ダイニングテーブルを一緒に片付けで、なぜか手を繋いで、ジルの部屋に行く。
そのまま、一緒にベッドに入り、抱き合って寝た。
それが無いと、眠れないかのように、お互いの体温を抱きしめあって眠ったのだ。
◇
それから、数日ほどは、穏やかな生活だった。
ジルとの共同生活は、規則正しいものだった。
同じ時間に起きて、朝食をとって仕事に行く。私も家事に、だいぶ慣れて来た。とても時間がかかっていた家の仕事が、お昼過ぎには終わる様になり、私はジルに伝えた。
「私、仕事を探してきます!」
「……どこか、あては有るのか?」
「いいえ、全くないです!でも、町で聞いてみようと思います!」
「そうか……いや、待て。少し人づてに聞いてきてやるから、やみくもに自分で探そうとするな。」
「え?いや、大丈夫ですよ。自分でなんとかします!」
ジルの手を煩わせずに、自力でやろうと思った。しかし、ジルは首を振った。
「ダメだ。おまえは、自分のことを、もう少し客観的に見て理解する必要がある。また変な輩に捕まっても面倒だ。安全な職場を探して来てやる。」
そう言って、ジルが知り合いを当たって探して来てくれたのが、宝石店だった。
ジルが、行きつけの仕立て屋さんに聞いた所、紹介してくれたのだ。
「ウチはね、王族の方々にも贔屓にされている宝石店です。見た目とマナーは最重要!ちょっと、マナーは勉強してもらおうと思うけれど、外見は合格ね!」
そう言われて、私は宝石店での仕事が決まった。
店頭に立つこともあるけれど、殆どは貴族の家に宝石を持って行くことが多いらしい。
仕事が決まると、ジルは安心したように言った。
「そうか。そこなら安全だろう。ミレイは変な男にからまれやすい見た目だからな。」
「……なんか、けなされてる気がするんですけど‥‥。でも、ジル、ありがとうございます。まともな仕事につけて、お給料も良さそうだし、本当に感謝してます!!」
改めて、深々とお辞儀をして、お礼を伝えた。
店主も言っていたが、「あんた、見た目がゴージャスだから、貴族用のアクセサリーも似合うわ♪身につけて、お客様に宣伝するのよ♪」という、役割になった。
まぁ、平たく言うと、マスコット的な?マネキン的な存在なのかもしれない。
貴族の邸宅に、マダムと一緒に向かい、宝石を売る。自然と、見た目に気を使うようになり、髪型や服装も、変わって行った。
「あんた。仕事用の服が必要ね!私が用意してあげる。」
と言うなり、マダムは何着か服を購入してくれた。
それからの私は、とにもかくにも、一生懸命に働いた。
仕事も少しづつ慣れていき、人と関われて楽しかった。
私の仕事が始まってからは、夜の生活は自然と休みの日だけになった。
ジルからのお誘いは無いので、私からジルの部屋に向かう。
彼は、本を読んでいたり、何か書き物をしていたり、ある時は、ボーーッと星空を眺めていたので、私はジルの傍に行って、終わるのを待つ。
そのうちに、ジルの方から肩を抱き寄せてくれるので、私はそれを待ってから、彼のほっぺにキスをする。
すると、ジルは優しく微笑んでくれて、おかえしに私のほっぺにキスをくれる。
それが、2人の合図みたいになっていた。
抱きしめあって、体を重ねた。
ジルの裸体は、いつ見ても綺麗で、彫刻の様だった。動作も表情も、私を興奮させて、見惚れてしまう。
そのせいで、私はセックスをしている間は、最初から最後まで、ずっとジルを見つめている。
そのことに気がついたジルは、挿入したままで言った。
「どうして…そんなに見つめている?」
急に腰の動きを止められてしまって、私の体が勝手にビクビクする。
「んっ‥‥だって、すごく…カッコイイから…」
息も絶え絶えに言うと、ジルは少し照れた顔をした。
そのまま、覆いかぶさってきて抱きしめられ、激しく突き上げられる。
「あっ!あっ、あっん、あ!あ、待って!ダメ、イッちゃうっ」
はぁ、はぁ、と、お互いの激しい息づかいを感じる。
絶頂の後、私の体は自分のモノじゃないみたいに、ビクビクと震えて、心地良さにボウっとする。
‥‥気持ちイイ。
怖い位、癖になりそうな快感だった。
すっかり、中イキも覚えて、簡単にイかされてしまうようになっていた。
ジルとのセックスは、正常位のみで、恥ずかしすぎる体位とか、変なプレイとか、そういうのは全くない。ムリをさせられることも無い。
何も言わなくても、いつも私の体を気遣ってくれている気配がした。
いつも傍にいて、毎日話をする。
でも、本当は、もっと聞きたい事がある。
その後、仕事はどう?とか、アニエス様とは会っているのか?とか、気になっても口には出さずにいた。
彼を詮索するようなことは、しなかった。
やはり、ジルとの関係を壊したくなかったから。
そんなこんなで、
もうすぐ、仕事を始めて1ヵ月になろうとしていた。
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