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31話 団長の調査
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ジルヴィスは、聖騎士団団長の近辺に探りを入れていた。
隊長室には、ダンとリオンが腕を混んで難しい顔をしたまま、ソファーに座る。
ダンが、最初に口を開いた。
「戦に出る前、ロドリスの羽振りが急に良くなったそうだ。」
リオンも、口を開く。
「僕も調べてきたんですが、団長が頻繁にルシオ隊長を呼び出していたと。そして、その頃から、ルシオ隊長の様子が変わったそうです。」
「それは、いつ頃からだ?」
ジルヴィスが確認すると、リオンが言った。
「戦が始まる数か月前だったそうです。城で働く文官たちが目撃していました。」
数か月前……となると…。
「戦前だから、両国の間にきな臭さが出た頃ではあるから、まぁ、上層部が慌ただしくなるのも不思議では無いが…」
そのジルの言葉に、続けてダンが言う。
「ルシオの妻、夫人が妊娠したころと、だいたい一致する。」
ジルが眉間に皺をせよて、ダンを見つめる。しかし、低い声で続けて言う。
「憶測だが、夫人は、団長と通じてたんじゃないか?」
「馬鹿な事を言うな!!」
ジルヴィスは、否定した。
しかし、リオンも言う。
「僕もそれを疑いますね。葬儀の時に団長が言っていたという“深い関係”とは、つまりそのままの意味で、不貞行為をしていた。そして、子供ができてしまった。」
葬儀の時の会話を、ダンは廊下で聞いていたのだ。それをリオンにも情報として伝えていた。
「まだ、証拠が無い!そんなものは憶測だ!」
ジルヴィスは、必死で否定しながらも、心が揺れ動いた。
確かに、今思えば、ルシオの様子がおかしくなったのは、アニエスが妊娠したころなのだ。
あんなに溺愛していた妻の妊娠。
あいつのことだ、本当なら、両手を上げて喜んだだろう。仕事上の立場があって、俺との距離をとっていたのだとしたら、自分の子供が出来た事は、仕事とは関係が無い。いの一番に伝えに来てくれたはずだ。酒盛りをして祝っただろう。
しかし、その頃から、ルシオは完全に俺との関係を切るかのような態度をとった。
……いや、あの時のルシオは、まるで、何か闇を抱えているかのような顔で、職場以外では俺と会わなくなった。それどころか、目を合わす事も無かった。
「単純に考えて、団長との間に子が出来てしまった。あの美しい夫人を、女好きの団長が欲しいと思うのは、普通だろ?ルシオは、世間体や何かを盾に脅されて、金を渡した。そんで邪魔なルシオは、前戦に出るように仕向けられ、団長に殺された。」
ダンが低い声で憶測を言うと、リオンも頷く。
「確かに、そう考えると、全ての辻褄が合います。邪魔なルシオ隊長が居なくなれば、夫人は自分のものだ。」
ジルヴィスは、頭を抱えた。
「…待て…待ってくれ…そんな…」
そうだとは、考えたくも無い。信じたくない。
そんな、そんなことが、現実にあるか??
「そんなバカなことがあるか?アニエスは、筆頭侯爵家の令嬢だ。子供のころから知っている。そんな女ではない!清楚で完璧な淑女だった。聡明で…そんな、バカなことをするような、そんな愚かな女では無いはずだ!」
ダンは、ジルヴィスの落胆する姿から、目を反らした。
言いたくないが、事実を言うべきだと腹をくくる。
大きく息を吸って、ダンは言った。
「ジル。おまえは知らんだろうけど、世の中、不倫だ裏切りだは、日常茶飯事だ。まさかってヤツらがやってる。人間なんて、そうゆうもんだと受け入れるか、もしくは、見ないフリをするしかない。」
貴族ほど、ドロドロとした関係が、多く存在していた。まさに化かしあい。
頭を抱えたジルヴィスは、少しだけ頭を上げて、一点を見つめて言った。
「……いや、しかし、アニエスがいつ、団長と会うと言うんだ?ルシオは毎日定時には上がって、まっすぐに家に帰っていた!それに、アニエスは筆頭侯爵家の令嬢だ。侍女がついている!使用人たちの目を盗んで、そんなことが出来るわけがない!」
ダンが、可愛そうな目で、ジルヴィスを見て口を開く。
「その、アニエス夫人が、町で頻繁に目撃されている。」
「……なに?」
「最初の頃は、侍女と2人で観劇をしたり、買い物をしていたそうだ。けど、半年ほど前からは、1人で現れるようになったそうだ。一目を気にするように、質素なフードをかぶってな。」
ダンの言葉に、リオンが難しい顔をして聞く。
「どこからの情報です?」
「団長のお気に入り娼婦に会って来た。ちょっとした噂になっていたそうだ。」
ジルヴィスは、口を手で押さえる。
急に吐き気がした。
あの美しく清楚で、完璧な女性であったアニエスが……?
「ジル…?大丈夫か?」
ダンとリオンの顔を見る事が出来ず、ジルヴィスはこめかみを押さえて、必死に声を振り絞った。
「すまん…ちょっと、今日は、この話は、終わりにしてくれないか?」
声が震えてしまう。
嘘だ。何かの間違いだ。
そんなことは、あり得ない。
あの、アニエスが?!そんなバカな!
必死に言い聞かせていた。
隊長室には、ダンとリオンが腕を混んで難しい顔をしたまま、ソファーに座る。
ダンが、最初に口を開いた。
「戦に出る前、ロドリスの羽振りが急に良くなったそうだ。」
リオンも、口を開く。
「僕も調べてきたんですが、団長が頻繁にルシオ隊長を呼び出していたと。そして、その頃から、ルシオ隊長の様子が変わったそうです。」
「それは、いつ頃からだ?」
ジルヴィスが確認すると、リオンが言った。
「戦が始まる数か月前だったそうです。城で働く文官たちが目撃していました。」
数か月前……となると…。
「戦前だから、両国の間にきな臭さが出た頃ではあるから、まぁ、上層部が慌ただしくなるのも不思議では無いが…」
そのジルの言葉に、続けてダンが言う。
「ルシオの妻、夫人が妊娠したころと、だいたい一致する。」
ジルが眉間に皺をせよて、ダンを見つめる。しかし、低い声で続けて言う。
「憶測だが、夫人は、団長と通じてたんじゃないか?」
「馬鹿な事を言うな!!」
ジルヴィスは、否定した。
しかし、リオンも言う。
「僕もそれを疑いますね。葬儀の時に団長が言っていたという“深い関係”とは、つまりそのままの意味で、不貞行為をしていた。そして、子供ができてしまった。」
葬儀の時の会話を、ダンは廊下で聞いていたのだ。それをリオンにも情報として伝えていた。
「まだ、証拠が無い!そんなものは憶測だ!」
ジルヴィスは、必死で否定しながらも、心が揺れ動いた。
確かに、今思えば、ルシオの様子がおかしくなったのは、アニエスが妊娠したころなのだ。
あんなに溺愛していた妻の妊娠。
あいつのことだ、本当なら、両手を上げて喜んだだろう。仕事上の立場があって、俺との距離をとっていたのだとしたら、自分の子供が出来た事は、仕事とは関係が無い。いの一番に伝えに来てくれたはずだ。酒盛りをして祝っただろう。
しかし、その頃から、ルシオは完全に俺との関係を切るかのような態度をとった。
……いや、あの時のルシオは、まるで、何か闇を抱えているかのような顔で、職場以外では俺と会わなくなった。それどころか、目を合わす事も無かった。
「単純に考えて、団長との間に子が出来てしまった。あの美しい夫人を、女好きの団長が欲しいと思うのは、普通だろ?ルシオは、世間体や何かを盾に脅されて、金を渡した。そんで邪魔なルシオは、前戦に出るように仕向けられ、団長に殺された。」
ダンが低い声で憶測を言うと、リオンも頷く。
「確かに、そう考えると、全ての辻褄が合います。邪魔なルシオ隊長が居なくなれば、夫人は自分のものだ。」
ジルヴィスは、頭を抱えた。
「…待て…待ってくれ…そんな…」
そうだとは、考えたくも無い。信じたくない。
そんな、そんなことが、現実にあるか??
「そんなバカなことがあるか?アニエスは、筆頭侯爵家の令嬢だ。子供のころから知っている。そんな女ではない!清楚で完璧な淑女だった。聡明で…そんな、バカなことをするような、そんな愚かな女では無いはずだ!」
ダンは、ジルヴィスの落胆する姿から、目を反らした。
言いたくないが、事実を言うべきだと腹をくくる。
大きく息を吸って、ダンは言った。
「ジル。おまえは知らんだろうけど、世の中、不倫だ裏切りだは、日常茶飯事だ。まさかってヤツらがやってる。人間なんて、そうゆうもんだと受け入れるか、もしくは、見ないフリをするしかない。」
貴族ほど、ドロドロとした関係が、多く存在していた。まさに化かしあい。
頭を抱えたジルヴィスは、少しだけ頭を上げて、一点を見つめて言った。
「……いや、しかし、アニエスがいつ、団長と会うと言うんだ?ルシオは毎日定時には上がって、まっすぐに家に帰っていた!それに、アニエスは筆頭侯爵家の令嬢だ。侍女がついている!使用人たちの目を盗んで、そんなことが出来るわけがない!」
ダンが、可愛そうな目で、ジルヴィスを見て口を開く。
「その、アニエス夫人が、町で頻繁に目撃されている。」
「……なに?」
「最初の頃は、侍女と2人で観劇をしたり、買い物をしていたそうだ。けど、半年ほど前からは、1人で現れるようになったそうだ。一目を気にするように、質素なフードをかぶってな。」
ダンの言葉に、リオンが難しい顔をして聞く。
「どこからの情報です?」
「団長のお気に入り娼婦に会って来た。ちょっとした噂になっていたそうだ。」
ジルヴィスは、口を手で押さえる。
急に吐き気がした。
あの美しく清楚で、完璧な女性であったアニエスが……?
「ジル…?大丈夫か?」
ダンとリオンの顔を見る事が出来ず、ジルヴィスはこめかみを押さえて、必死に声を振り絞った。
「すまん…ちょっと、今日は、この話は、終わりにしてくれないか?」
声が震えてしまう。
嘘だ。何かの間違いだ。
そんなことは、あり得ない。
あの、アニエスが?!そんなバカな!
必死に言い聞かせていた。
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