私と騎士様の危い愛

月野さと

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41話 娼婦のミレイ

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 ミレイは、だいたい、序盤で解って来た。
 この男が、ロドリス団長で、隣に居るのが神官長。その隣も神官で、それで、私を挟んで隣にいるのが、ゼン公爵様。その隣が、ドリトラ侯爵らしい。
 
 とにかく、私は強い酒を、ロドリスとゼン公爵に飲ませまくった。
「わたくし、お酒の強い人が好き♡」
 昔見た、ぶりっ子アイドルを思い出しながら酌をする。
「団長様と、公爵様、どちらがお強いの?」
 そんな事を言って、胸をフリフリしてみれば、勝手に2人は競い合って飲んでくれた。
 脳裏をよぎったのは、こんな姿を父が見たら、卒倒するなと思いつつ。
 とにかく酔わせて、情報を聞き出そうと、様子を伺う。私は必死だった。ジルの為なら、娼婦になりきろう!
 もともと、性奴隷にされる危機を逃れてきているのだ。それを思えば、今日の数時間など、乗り切れる!…はず。

 食事が済んだ頃、ドリトラ公爵が言った。
「では、女たちは、1時間ほど席をはずしてくれないか。」
 すると、娼婦たちは頷いて立ち上がる。女たちが下がって行く中、私は、行動に出た。
「えぇ~。わたくし、ここにいてはダメですかぁ?」
 上目使いでロドリスを見る。
 すると、隣に居たゼン公爵がなだめるように言う。
「すまんなぁ。少しだけだ。あとで、たっぷり可愛がってやるから。な?」
 ‥‥うげっ、と思いつつも、寂しそうに上目遣いを続ける。
 このまま、引き下がるわけにはいかないのである。全然、何も聞き出していない!!
「わたくし、団長様と、ず~っと一緒にいたいですぅ~」
 思いきって、私はロドリスの腕に抱きつき、胸を押し付けた。
 ロドリスは、わかりやすく顔をデレデレとさせて、私の胸を覗き見る。
「おぉ、わかった。おまえはココに居て良いぞ。」
 そう言って、私の太腿に手を置き、さすさすっと撫でられる。体中に鳥肌が立ち、叫び出しそうになったけれども!!!私は必至に堪えた……。
「ロドリス殿!!」
 侯爵が異議を唱えたが、ロドリスは私を抱き寄せるようにして引き寄せ、お尻と太ももを周回させて、時折、グッと握る様に掴んだ。
「良いではないか。この娘だけだ。」
 既に、ロドリスは我慢できない程に、興奮していたのである。 

 娼婦たちが私だけを残し、部屋を出て行ったのを確認して、仕方が無いと諦めた、ゼン公爵が話し始める。 
「伺いましたぞ?団長殿。反組織と密会されてますな?」
「な!な、な、なんですと!!」
 神官長が、ひっくり返りそうになりながら驚く。
 団長は、私の肩を抱いたままで、酒を口に運び、ニヤリと笑って言った。
「えぇ。まぁ、落ち着きなさい、あなたは騒がしすぎる。」
「それで?どうゆうことなのか説明頂きましょうか?まさか、我々を裏切るわけでは?」
 ドリトラ侯爵という人が、鋭い目つきで聞く。
 悠然と団長は笑いながら言う。
「まさか!これは作戦ですよ。」
「作戦?」
「えぇ、やつらは、私がジルヴィスあの男を隊長に任命した本人だと聞きつけたのでしょう。接触してきたのです。」
「ほう。それで?」
「うまく騙してやったのですよ。『ジルヴィスあの男と話をして、その気にさせ、反組織と合流させてやる』とね。」
「引き合わせたのか!?」
「いいや。しっかり、手綱を掴んでからだ。」
「と言うと?」
ジルヴィスあの男は、賢い男だ。恐らくこの話には乗って来ないだろう。」
 団長は、葉巻を取り出した。私は、すかさず火をつけてあげる。
 満足げに口に含んで、煙を吐いてから言った。
「あいつには、隠し子がいる。」
 その言葉に、全員が驚愕した。
 私も、目をひん剥きそうになるのを、なんとか堪えた。
「なに?」
「なんと!!」
「慌てるな。手は打っている。ジルヴィスやつも子供も、消してやる。」
 私は、背中がゾワリとするのを感じた。
 ジルと、アニエス様のことだと、怖くなる。
「子を使うんだ。あの男は、我が子を守るためにも、天下取りに出ざる終えなくなるだろう。私は、仲間のフリをして全ての情報を得る。証拠と尻尾を掴んだところで、ドン!!だ。」
「謀反の罪で、捕らえるのですね?」
「その通り。」
 すうっと、葉巻を吸って、煙を吐く。
 ニヤニヤと笑い、私の尻を撫で回す。
 神官長が楽しそうに言う。
「そうなれば、ドリトラ公爵、王から褒美が頂けるでしょうな?」
 話しかけられて、ドリトラ公爵は頷く。
「反組織の存在は、かねてより頭を悩ませてきた。それを消滅させたとなれば、王はお喜びでしょう。皇太子からも、褒美をうけられるかと。」
「さすれば、団長殿!我々の手柄ではありませんか?」
 神官長は、なおも嬉しそうにロドリスに言う。
「ふん。あなたは、何もやっとらんでしょう?ったく、しょうもない人だ。」
 …よく解らんが、とミレイは思う。
 たぶん、この神官長が、一応見て見ぬふりしたり、世間的に許してくれてるから、団長も好き勝手できるのであって、まぁ、お互いに切っても切れない関係なのだろうな…と推測する。まぁ、団長にとっては、いなくても良いのだろうけど。。。。

 すると、神官長の隣に居た神官が水を差した。
「しかし、ルシオの時、失敗してますよね?今度こそ、大丈夫なんですか?」
 その言葉で、一瞬場の空気が凍りつく。
 しかし、団長は笑った。
「何を仰るか。あれは失敗ではない。返って、都合がよくなったでは無いか。」
 神官長も言う。
「そうだ!何を言う?」
「しかし、本来であれば、戦場で殺す予定だったのは、ジルヴィスあの男でした。それなのに、ルシオを殺すなんて!」
 ……え。
「黙らんか!ルシオは裏切ったんだ。あの男を誘き出せと命令したのに!約束した場所には、ルシオが居た。」
 ……え?それじゃぁ。
 ジルの親友は……もしかして、

「……ジルの代わりに…殺された?」
  私は、思わず声に出していた。
 慌てて、口に手をやる。

 すると、鬼のような形相で、団長が私を見て、私の手を掴んだ。

「おまえ、何者だ?」 




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