王様の愛人

月野さと

文字の大きさ
9 / 35

9話★

しおりを挟む
 
「愛人になります。」
 そう返事すると、陛下は綺麗な顔で微笑んだ。
 その切れ長のエメラルドの目が色っぽくて、ドキドキしてしまう。
 
 その大きな腕に抱き寄せられて、キスをする。

 ずっと・・・会いたかった。
 本当は、この人に、会いたかった。
 だけど怖くて、会いに行けなかった。会いに行って、図書室に彼が現れなかったら・・・そう思うと怖かった。会えたとしても、どう接したら良いのか分からなかった。だから、1度きりの過ちにして、忘れようと思った。でも、忘れられなかった。

 こんなふうに抱きしめられて、温かくてホッとする。つい、コテンと陛下の胸に頭を預ける。やってしまってから、妙に緊張する。
 だって、この人は王様なのだ。こんな事をして良いのかな?
 ・・・もう既に、この人に1度抱かれているくせに。どうして、こんなに恥ずかしくて緊張するんだろう。
 そんなことを考えていたら、陛下の大きな手が、私の頭を撫でた。
「・・・」
 やっぱり、この手が好きだ。この人の腕の中は、温かくて心地よくて落ち着く。ウットリと、目を閉じる。

 顎にスルリと手が添えられて、顔を上げると、もう1度キスをした。
 ・・・あぁ、私、この唇が好き。気持ちいい。
 そんな事を考えていると、ゆっくりと押し倒された。
 耳を甘噛みして、鎖骨にキスをする。両手は胸を包んで揉みしだく、その長い指も好き。ドキドキと、心臓が早鐘を打ち始めて、恥ずかしくて顔に血が上っていくのが分かる。陛下の手は慣れた手つきで、私の服をどんどん脱がせていく。

 愛人になるって・・・そうか。そうだよね。そうゆうことをする関係なんだ。そう実感してくる。

 陛下の手が、腰からお尻、それから太腿へと移動して、私の体を撫でる大きな手が、甘く優しく誘う。この手につかまってしまっては、気持ち良くなってしまうだけで、抵抗なんて出来ない。
 流れるように秘部に触れられて、声を上げる。
「あっ・・・!」
 長い指でこねられて、ぞくぞくするのと、気持ち良いのとで、変な気持ちになる。
「もう、濡れているな。体は私を覚えているようだ。」
 陛下は意地悪そうに笑って、愛液を指に絡ませると、そのまま膣内に指を入れた。
「あ・・・んっ!」  
 クチュッと水音がして、ゆっくり中をこすられ、同時に乳首も舐められて、どんどん気持ち良くなっていく。

 あぁ、ウソみたいに気持ち良い。
 どうしよう。私、エッチな気持ちになってる。クリトリスを舐められたくてウズウズする。舐めて欲しいと言ってしまいそうで、自分の口を押えた。
 心臓がバクバクとなって、息が上がって、必死で堪えている私を見ながら、陛下は膣内の入り口の上あたりを指で撫で始める。酔ったようにソフィアは言った。
「はぁ・・・きもちぃ・・・。」
 うっかり、そう言葉にしてしまうと、益々自分が興奮するのが解って、どうしようもなくなる。
「ここか?」
 陛下は、すかさず、私の気持ち良いところを刺激する。
「あんっ!・・・そこ・・・ダメ!」
 ビクッと体が震えて、でも気持ち良さに腰を震わせて目を閉じる。
「見つけた。おまえの良い所は、ここだな。」
 陛下は嬉しそうに、1点を集中して責め立てるように指を動かして、同時にクリトリスを刺激した。
「はぁぁぁあん!ダメ!ダメ!あーーーー!」  
 一気に何かが駆け上がっていって、視界がはじけ飛ぶ。

「上手にイッたな。」
「はぁっ、はぁっ、・・・もぅ、ダメ・・・。」
 呼吸を整えようとした瞬間、陛下が私の足を肩に乗せた。気が付くと、肉棒にローションを塗り、膣口に当てていた。 
「これだけ蕩けていれば、大丈夫だろう。」
「あっ・・・!待って!まだ・・・はぁああん!!」
 ヌプッと挿入された瞬間から、快感が走る。
 イッたばかりのそこに、ミチミチと大きな肉棒が入れられて、昇天しそうになる。どうにかなりそうで、自分を保とうと必死で全身に力が入ってしまう。すると、陛下が声を上げた。
「うっ!・・・あ・・・こら、そんなに締め付けるな。」
 ニュチュッニュチュッ!と、動かされて、その擦れる感じが気持ち良くて、益々力を込めてしまう。
「はぁ~~!ダメ!ダメです!中、動かさないでぇ。」
「あぁ、気持ち良い。やはり、私たちは体の相性がいいみたいだ。そんなに中をうねらせて、もっと欲しいのか?」
 その質問に、恥ずかしさとイキそうなのを必死に堪えて、耐えられなくて、首を横に振る。
 ヴィンセントは、確かめるように、ゆっくりと挿抜しながら、少しづつ奥に奥にと肉棒をすすめる。
「あぁ、まだ2度目だというのに、こんなに濡らして、おまえの中は、もっと奥に欲しいと誘い込むようだ。最奥まで入れたい。」
「あっ!ダメ・・・そこっ・・ダメ!深い!」 
 グッ!グッ!グッ!と、どんどん奥に奥にと、突き刺されるような感覚に襲われていく。
「・・・はっ、はぁっ、ソフィア。もう少し・・!」
「い・・いや!ダメ!おかしくなる!ナカ、壊れちゃう!!」
 ナカをミチミチと広げられて、熱い肉棒を無意識にギュウギュウに絞めあげて、両手で陛下の胸を押し返す。
「くっ!そんなに、きつく咥えこむな・・・はぁ。奥は・・・まだ早いか。ならば、ここか?ほら、ここがいいのだろう?」
 そう言いながら、中の感じる部分を擦られて、クリトリスを親指でグリグリとされて、あっという間に気持ち良くなる。
「ダメ!いやぁ!イクッ!ダメダメダメー!」 
 ビクビクビクッ!!と、体が震えて、電気に打たれたみたいに、体中に快感が走った。

 グッタリと、ベッドに沈み込むと、陛下が首筋にキスをして、私の顔を覗き込んでから口にキスをした。 
「んむっ・・・ダメって言ったのに・・・こんなの・・・恥ずかしい。」
 ボロボロと涙を流して、羞恥心から顔を覆う。 
 ヴィンセントは、笑ってソフィアを後ろから抱きしめた。
「可愛い。おまえは、感じやすくてイキやすいんだな。」
 そう言うと、陛下は、チュウッと首筋を吸った。
「ああんっ!」
 思わず声を上げてしまって、また恥ずかしくなる。
 陛下に抱きしめられて、甘やかされて、呼吸を落ち着かせてから、自分の痴態を思い出す。

 ううっっ・・・と、泣きながら訴えた。
「陛下・・・私、やっぱり無理です。愛人なんて、こんなこと、続けられない・・・・。」
 ヴィンセントは、上半身を起こして、ソフィアをなだめるように頭を撫でる。
「嫌だったか?」
 悲しそうな声でそう言われて、振り返る。
 陛下は、辛そうな顔で続けて言った。
「泣くほど嫌だったのか?」

 違う・・・そうじゃない。
 言葉で言うのが、恥ずかしくて、首を振る。

「?・・・では、何故ムリなんだ?私には、良さそうに見えたが。」
「なっ!何で、そんな恥ずかしいこと言うんですか!?」
「???えっ?・・・そんなに、恥ずかしい、か?」
 はぁ、と、ため息をついて、自分の気持ちを言葉にする。
「恥ずかしいです。こんな・・・あんな・・何も考えられなくなって、気持ちよすぎておかしくなっちゃう!」
 顔から火が出そうになりながら、半泣きで言う。
「こんなこと続けていたら、私、エッチな事が好きになっちゃいます!!だから、もうダメです!!」
 
 ヴィンセントは、ポカンとして・・・それから、赤面した。そんな事を言われたら、勃起するたつに決まってるだろう?!

「あ~、ソフィア。セックスが好きで、気持ちが良くなるのは悪いことではないぞ?」
「なっ!あなたにとって、そうでも!私は嫌なんです!恥ずかしくて死にます!!」
 耳まで真っ赤にして、必死に言うソフィアを見て、ヴィンセントは可愛くて可愛くて仕方がなかった。抱き潰したくなるのを必死で抑える。が、溢れる。
「私は、おまえとエッチなことがしたい。」

 色っぽく言われて、心臓が飛び出て卒倒しそうになる。ビクビクと、体の奥が反応してしまう。あ、ダメだ。わたし、バカになる!!
「やめて~!やめてください!そうゆうこと言って、からかってるんですか?やっぱりダメです!全部無かった事にしましょう?!」
 恥ずかしがって、後ろを向いてしまったソフィアを、ヴィンセントは、そのまま後ろから抱きしめて言った。 
「無かった事になど・・・もう、ならない。諦めろ。」
 乳房を鷲掴みされて、もう片方の手で秘部に触れる。
「ここも。ここも。おまえの体は、抱かれる快感も喜びも知ってしまったから、逃げても、私が欲しくなるはずだ。」
 陛下は耳元で囁てから、耳を舐める。
「ひっ・・・あっ!!」
 ゾクゾクと痺れるような感覚が首筋を走って、陛下が秘部の指を動かすと、グチュンと鳴る。
「ほら、おまえのココは、また欲しいと、こうして濡れる。逃げずに受け入れてしまえ。」
 首筋を噛まれて、乳首を転がして、膣の中をグチャグチャに指でかき回されて、翻弄される。
「あっ、あっ!入れちゃダメぇ!」 
 そのまま足を掴まれて持ち上げられて、陛下は後ろから、なんなく挿入してきた。
「はぁああん!!」
「ほら、もう入った。観念しろ。忘れたのか?私の愛人にならなければ、他の男と結婚させられるだけだぞ?」
 陛下は、何か言っているけれど、聞き取れない。
 全身に駆け巡る快感に、体をふるわせて、喘ぎ声をあげていた。
「はぅ!はぁあん!あん、あん、あん!ダメ!ぁあん!」 
「ダメじゃない。」
「ダメぇ!イッちゃう!!」

 そのまま、何も考えられなくなった。

 ビクンビクンと体が震えて、体が勝手に快感に震えるのを感じる。

 包み込むように抱きすくめられて、心地よさに目を閉じた。

 




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

エリート課長の脳内は想像の斜め上をいっていた

ピロ子
恋愛
飲み会に参加した後、酔い潰れていた私を押し倒していたのは社内の女子社員が憧れるエリート課長でした。 普段は冷静沈着な課長の脳内は、私には斜め上過ぎて理解不能です。 ※課長の脳内は変態です。 なとみさん主催、「#足フェチ祭り」参加作品です。完結しました。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

真面目な王子様と私の話

谷絵 ちぐり
恋愛
 婚約者として王子と顔合わせをした時に自分が小説の世界に転生したと気づいたエレーナ。  小説の中での自分の役どころは、婚約解消されてしまう台詞がたった一言の令嬢だった。  真面目で堅物と評される王子に小説通り婚約解消されることを信じて可もなく不可もなくな関係をエレーナは築こうとするが…。 ※Rシーンはあっさりです。 ※別サイトにも掲載しています。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

ワケあってこっそり歩いていた王宮で愛妾にされました。

しゃーりん
恋愛
ルーチェは夫を亡くして実家に戻り、気持ち的に肩身の狭い思いをしていた。 そこに、王宮から仕事を依頼したいと言われ、実家から出られるのであればと安易に引き受けてしまった。 王宮を訪れたルーチェに指示された仕事とは、第二王子殿下の閨教育だった。 断りきれず、ルーチェは一度限りという条件で了承することになった。 閨教育の夜、第二王子殿下のもとへ向かう途中のルーチェを連れ去ったのは王太子殿下で…… ルーチェを逃がさないように愛妾にした王太子殿下のお話です。

処理中です...