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4話 王位簒奪
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トントン。
扉を叩く音で目が覚める。
「殿下。お目覚めでしょうか?」
目を開けると、自室のベッドだった。
やはり、夢か。本当に、近頃、変な夢を見る。
「殿下、本日は文官のゴードンも、お見えになってます。」
ウィルが部屋のカーテンを開け、そう伝える。
「嫌な天気だな。」
どんよりとした雲で、灰色の雨が。大量に降っている。
黒い髪を1つに束ね、キツネのような顔つきの男性が入室してくる。
「殿下、ゴードンでございます。本日の会議の前に、打合せをと思いまして。」
アーサーは、話を聞きながら着替えを始める。
「本日の会議では、皇太子、叔父リンドバーグ伯、元老院たちも招集されました。」
ゴードンは、淡々と話を続ける。
「両陛下の葬儀も終わり、皇太子が即位するはずでしたが、女神の出現で国は揺れております。」
そこまで話し終えると、ゴードンは不適な笑みをこぼす。
ウィルが楽しそうに言う。
「この期を、逃すわけにはいかないでしょう?」
「ウィル、女神出現の理由だけで解決するのは危険だ。興奮しすぎるな。元々の計画を進めるのだ。」
アーサーの言葉に、2人は顔を見合わせる。
「殿下も、ご覧になったでしょう?!女神が現れたんですよ!!?」
「そうです!!私も、その瞬間を見たかったのです!!さすれば、今日の会議で使えたはず!」
「おいおい、お前たちは、伝説と王家の掟で押し切るつもりか?」
さっさと着替えを済ませながら、アーサーは笑う。
侍女に差し出された、“女神の指輪”を指にはめる。
「女神などと、信じられません。本当にここから?」
マジマジとゴードンは指輪を見る。
「はい、ゴードン様。私もただの伝説としか思っていませんでした。
ウィルがゴードンの隣に並ぶ。
「あの場に居た人間は、全員見えたんです!光の中から突然現れて、殿下の手をとったのですよ。」
ウィルも信じがたいという顔。
2人は王家の血とか伝説とか、そうゆうのはあまり信じていないタイプなのだ。
「しかし、あの娘は女神ではない。」
アーサーが腰に剣を刺しながら言った。
ゴードンが、驚いたように聞く。
「女神ではない?なぜそう思われるのですか?」
ふむ、とアーサーは少し考えて答えた。
「・・・・なんと表現して良いのか分からないが、何度も会っているのだ。」
「え?!殿下、それは、どちらで!?」
ウィルが、素っとん狂な声を上げる。
「不思議な話しなんだが、夢の中でだ。さっきも夢の中で、あの娘と話をした。夢でしか会ったことはない。」
「・・・・」
「・・・・」
2人は黙り込み、ウィルがゴードンを見る。
ゴードンは、黙り込んだまま。信じられないという顔から、少し何か考えこんだ様子だった。
そして、「少々席を外します。では城でお会いしましょう。」と言っていなくなってしまった。
一緒に登城すると思っていたウィルは、少し戸惑っていた。
◇◇◇◇◇
登城すると、錚々たる顔ぶれが会議室へと集まってきていた。
城の廊下では、たくさんの大臣たちに声をかけられた。
アーサーを支持する大臣たちは、半数いる。全員、機会を伺っていた者たちだ。中立の者も存在するので、その者たちをこちら側に、どれだけつけられるかだ。
この国は、元老院たちと協議して物事を決定することができる。これから、その会議が始まろうとしていた。
「では、本日の議題に入らせて頂きます。」
ディーダ議長は90歳近くになるが、今も現役で議長を務めている。
中立派で、古典的な人だ。
「本来であるならば、皇太子殿下が即位されるのじゃが、女神出現という我が国にとって異例の事態。また、先の王妃陛下暗殺の真相、これらについて話し合いたいと思う。」
そこへ手をあげて立ち上がったものがいる。
リンドバーグ伯爵だった。
「我々は、この目で目撃したのです。アーサー王子が王妃陛下を暗殺しました。」
ザワザワと部屋中がざわつく。
「私の調べですと、アーサー王子は国王陛下さえも毒殺したのではないか?と疑いがございます!」
議長は顔色を変えずに、アーサーに顔を向ける。
「アーサー殿下、いかがですかな?」
「全く身に覚えがありません。」
動じることなく、アーサーは低く張りのある声で続ける。
「我々が王妃の宮へ到着した時には、王妃陛下は血を吐いて倒れておられた。」
「では!なぜ王妃の宮へ兵を率いていかれたのです?!」
リンドバーグ伯爵が声を荒げる。
「叔父上、私は国王陛下の近衛隊長を言いつかっております。何者かが、国王暗殺を謀ったようでしたので、追っていたのですよ。」
伯爵が興奮気味に、バン!!!とテーブルを叩いた。
「その恐れ多くも、国王暗殺を謀ったのは、おまえではないのか!」
議長がアーサーに質問する。
「アーサー殿下、王妃陛下を弑し奉ったのは、事実か?」
アーサーは議長の方を向いて答える。
「王妃陛下は、国王陛下と同じ呪いで苦しんでおられました。国王陛下には、攻撃に対する反射魔法をかけられてありますので、国王暗殺に関与されていることが明確でした。」
その場にいた者たちが、どよめきだす。
「そして、王妃は我々に剣を向けたのです。正当防衛です。」
「証拠はあるのか?!その証拠を出せ!」
伯爵は叫び出す。
「近衛兵の証言など、信用できん!アーサー殿下の息のかかった兵ではないか!」
アーサーは、思った。黒幕は、この叔父であるに間違いない。しかし、証拠がない。
魔術を使った痕跡は、魔術師団に調べさせれば良いのだが、もう消されてしまっていた。
おそらく伯爵は、証拠を消すために、あの時あそこに駆け付けたのだろう。
これでは、水掛け論になってしまう。
ディーダ議長も、これまでという感じだった。
「しかし、アーサー!おまえは近衛兵隊長でありながら、両陛下を守れず、何の証拠も無しという無能さを恥じるべきだ!」
いちいち大声で叫ぶ叔父に、ウンザリする。
一応、反論はしておくことにする。
「確固たる証拠は、どなたかに消されたようですし、仕方がありません。しかし、叔父上の仰る通り、陛下におかれては暗殺の疑いがあるのは、確かなのです。近衛隊が動くのは、至極当然の事。あの時、叔父上が邪魔をなさらなければ、何かわかったやもしれません。」
それに、とアーサーは目を光らせる。
「こんなに早く、近衛隊と同じ情報がそちらに行くとは、どうしてなのでしょう?叔父上は暗殺されることが分かっていたかのような、迅速な行動ですね。なにか知らせでもございましたか?」
アーサー派の大臣たちがザワつく。
「いかにも。アーサー王子の仰るように、暗殺だと言っているのは、リンドバーグ伯爵だけですな。国王陛下の死因は長いこと患っていた病と公表された。近衛隊は密かに動いていたわけですからな。また王妃陛下は、今後調べを進めるということに致しましょう。」
ディーダ議長が、少しため息をつく。
「さて、次期国王陛下の決定に、うつりますぞ。本来であれば、皇太子殿下が即位されるわけですが、王家のしきたりで、聖女とご結婚する者とされておりますな。」
大臣たち、元老院たちは、ひたすらにうなずいている。
「皇太子殿下には、まだ聖女が現れておらぬ。しかし、アーサー殿下には、女神が舞い降りたとか。真相が知りたいのだが。」
一気にザワザワと、論争が始まる。
『あれは、本当に女神だった』
『指輪から現れた』
『いや、突然空から・・・』
アーサーは、この国の重要決定が、やはり神話なのかということにウンザリする。
「アドルフ皇太子殿下。あなたもご覧になったとか?」
アーサー派の大臣が質問する。
皇太子は、銀髪をかき上げて、答える。
「はい・・・そうですね。女神だったのかは分かりません。しかし、兄上の手をとり、女性が現れたのは事実です。女神の指輪が光り、一瞬のことでした。」
リンドバーグ伯爵が声を荒げる。
「確かに・・・そうだが、アーサー王子の所に、現れたわけではない!女神の指輪から、出現しただけだ!だいたい、何故アーサーが女神の指輪を所持しているのだ!皇太子殿下のものではないのか?!」
それには、すぐにウィルが返答する。
「女神の指輪は、前聖女様の物です。代々、聖女様が所有するもの。前聖女様がアーサー殿下にお渡しになったのです。本来は、王家が管理するものではなく、教会が管理するものですが。」
そして、くだらない論争が始まった。アーサーは、口を挟むのも面倒だと思った。何が女神だ、そんなことはどうでもいいのだ。
そこへ、ゴードンが現れた。
「失礼いたします。」
後ろに、魔術師と教会の司祭たちが現れる。
ディーダ議長が問う。
「何事です?今は神事ではないのですぞ?」
ゴードンは、アーサーにチラリと目を向けて、それから議長に向きなおる。
「?」
ゴードンは何をしようとしているのか、様子を伺う。
「女神の神託です。」
「なに?!」
ゴードンの発言に、その場に居た全員がどよめいた。
「神殿の者たちと、魔術により、女神を降臨させます。」
「なんじゃと!?そんなことが可能なのか?!」
ディーダ議長は、言葉の通りに腰を抜かしそうなほどの声をだした。
「どうゆう事だ!今まで、そんなことは聞いたことが無いぞ!今までは聖女様がこの国に現れるだけだ」
周囲にいた元老院から、声が上がった。
「そうですね。しかし、何故か今、聖女様は現れない。そして、女神が現れたとのこと。この現状を皆様はどう解釈されますか?」
ゴードンは質問を投げかけて、周囲を見回す。そして続けた。
「その昔、古では女神を降臨させる術があったとか。試してみてよろしいでしょうか?」
アーサーはすぐに気が付いた。ゴードンは、変な汗をかいている。
ゴードンにとっても確信が無いのだと察した。すかさず、アーサーが質問する。
「まて、古と言ったな?本当に降臨させる可能性はあるのか?」
「わかりません。」
ゴードン!!アーサーは焦った。冷や汗が背中を伝う。こんなことで、この有能な家臣を失うわけにはいかないのだ。
「この場でやることではない。下がれ。」
「いいえ殿下。これは大事な証拠です。」
アーサーの指示に従わない意向を見せる、ゴードンを睨む。ゴードンも冷や汗をかきながら、アーサーを見つめた。
「・・・ふ。ふん!やると言うのだからやって見せてもらおうではないか!しかしな、ゴードン君。君もかなり優秀な人間で時期宰相と言われているが、これで全てを失うかもしれんな!」
リンドバーグ伯爵がニヤリと笑う。
「お許しを頂いたということで、神殿へ。皆様移動をお願いいたします。」
ゴードンは深々と例をした。
扉を叩く音で目が覚める。
「殿下。お目覚めでしょうか?」
目を開けると、自室のベッドだった。
やはり、夢か。本当に、近頃、変な夢を見る。
「殿下、本日は文官のゴードンも、お見えになってます。」
ウィルが部屋のカーテンを開け、そう伝える。
「嫌な天気だな。」
どんよりとした雲で、灰色の雨が。大量に降っている。
黒い髪を1つに束ね、キツネのような顔つきの男性が入室してくる。
「殿下、ゴードンでございます。本日の会議の前に、打合せをと思いまして。」
アーサーは、話を聞きながら着替えを始める。
「本日の会議では、皇太子、叔父リンドバーグ伯、元老院たちも招集されました。」
ゴードンは、淡々と話を続ける。
「両陛下の葬儀も終わり、皇太子が即位するはずでしたが、女神の出現で国は揺れております。」
そこまで話し終えると、ゴードンは不適な笑みをこぼす。
ウィルが楽しそうに言う。
「この期を、逃すわけにはいかないでしょう?」
「ウィル、女神出現の理由だけで解決するのは危険だ。興奮しすぎるな。元々の計画を進めるのだ。」
アーサーの言葉に、2人は顔を見合わせる。
「殿下も、ご覧になったでしょう?!女神が現れたんですよ!!?」
「そうです!!私も、その瞬間を見たかったのです!!さすれば、今日の会議で使えたはず!」
「おいおい、お前たちは、伝説と王家の掟で押し切るつもりか?」
さっさと着替えを済ませながら、アーサーは笑う。
侍女に差し出された、“女神の指輪”を指にはめる。
「女神などと、信じられません。本当にここから?」
マジマジとゴードンは指輪を見る。
「はい、ゴードン様。私もただの伝説としか思っていませんでした。
ウィルがゴードンの隣に並ぶ。
「あの場に居た人間は、全員見えたんです!光の中から突然現れて、殿下の手をとったのですよ。」
ウィルも信じがたいという顔。
2人は王家の血とか伝説とか、そうゆうのはあまり信じていないタイプなのだ。
「しかし、あの娘は女神ではない。」
アーサーが腰に剣を刺しながら言った。
ゴードンが、驚いたように聞く。
「女神ではない?なぜそう思われるのですか?」
ふむ、とアーサーは少し考えて答えた。
「・・・・なんと表現して良いのか分からないが、何度も会っているのだ。」
「え?!殿下、それは、どちらで!?」
ウィルが、素っとん狂な声を上げる。
「不思議な話しなんだが、夢の中でだ。さっきも夢の中で、あの娘と話をした。夢でしか会ったことはない。」
「・・・・」
「・・・・」
2人は黙り込み、ウィルがゴードンを見る。
ゴードンは、黙り込んだまま。信じられないという顔から、少し何か考えこんだ様子だった。
そして、「少々席を外します。では城でお会いしましょう。」と言っていなくなってしまった。
一緒に登城すると思っていたウィルは、少し戸惑っていた。
◇◇◇◇◇
登城すると、錚々たる顔ぶれが会議室へと集まってきていた。
城の廊下では、たくさんの大臣たちに声をかけられた。
アーサーを支持する大臣たちは、半数いる。全員、機会を伺っていた者たちだ。中立の者も存在するので、その者たちをこちら側に、どれだけつけられるかだ。
この国は、元老院たちと協議して物事を決定することができる。これから、その会議が始まろうとしていた。
「では、本日の議題に入らせて頂きます。」
ディーダ議長は90歳近くになるが、今も現役で議長を務めている。
中立派で、古典的な人だ。
「本来であるならば、皇太子殿下が即位されるのじゃが、女神出現という我が国にとって異例の事態。また、先の王妃陛下暗殺の真相、これらについて話し合いたいと思う。」
そこへ手をあげて立ち上がったものがいる。
リンドバーグ伯爵だった。
「我々は、この目で目撃したのです。アーサー王子が王妃陛下を暗殺しました。」
ザワザワと部屋中がざわつく。
「私の調べですと、アーサー王子は国王陛下さえも毒殺したのではないか?と疑いがございます!」
議長は顔色を変えずに、アーサーに顔を向ける。
「アーサー殿下、いかがですかな?」
「全く身に覚えがありません。」
動じることなく、アーサーは低く張りのある声で続ける。
「我々が王妃の宮へ到着した時には、王妃陛下は血を吐いて倒れておられた。」
「では!なぜ王妃の宮へ兵を率いていかれたのです?!」
リンドバーグ伯爵が声を荒げる。
「叔父上、私は国王陛下の近衛隊長を言いつかっております。何者かが、国王暗殺を謀ったようでしたので、追っていたのですよ。」
伯爵が興奮気味に、バン!!!とテーブルを叩いた。
「その恐れ多くも、国王暗殺を謀ったのは、おまえではないのか!」
議長がアーサーに質問する。
「アーサー殿下、王妃陛下を弑し奉ったのは、事実か?」
アーサーは議長の方を向いて答える。
「王妃陛下は、国王陛下と同じ呪いで苦しんでおられました。国王陛下には、攻撃に対する反射魔法をかけられてありますので、国王暗殺に関与されていることが明確でした。」
その場にいた者たちが、どよめきだす。
「そして、王妃は我々に剣を向けたのです。正当防衛です。」
「証拠はあるのか?!その証拠を出せ!」
伯爵は叫び出す。
「近衛兵の証言など、信用できん!アーサー殿下の息のかかった兵ではないか!」
アーサーは、思った。黒幕は、この叔父であるに間違いない。しかし、証拠がない。
魔術を使った痕跡は、魔術師団に調べさせれば良いのだが、もう消されてしまっていた。
おそらく伯爵は、証拠を消すために、あの時あそこに駆け付けたのだろう。
これでは、水掛け論になってしまう。
ディーダ議長も、これまでという感じだった。
「しかし、アーサー!おまえは近衛兵隊長でありながら、両陛下を守れず、何の証拠も無しという無能さを恥じるべきだ!」
いちいち大声で叫ぶ叔父に、ウンザリする。
一応、反論はしておくことにする。
「確固たる証拠は、どなたかに消されたようですし、仕方がありません。しかし、叔父上の仰る通り、陛下におかれては暗殺の疑いがあるのは、確かなのです。近衛隊が動くのは、至極当然の事。あの時、叔父上が邪魔をなさらなければ、何かわかったやもしれません。」
それに、とアーサーは目を光らせる。
「こんなに早く、近衛隊と同じ情報がそちらに行くとは、どうしてなのでしょう?叔父上は暗殺されることが分かっていたかのような、迅速な行動ですね。なにか知らせでもございましたか?」
アーサー派の大臣たちがザワつく。
「いかにも。アーサー王子の仰るように、暗殺だと言っているのは、リンドバーグ伯爵だけですな。国王陛下の死因は長いこと患っていた病と公表された。近衛隊は密かに動いていたわけですからな。また王妃陛下は、今後調べを進めるということに致しましょう。」
ディーダ議長が、少しため息をつく。
「さて、次期国王陛下の決定に、うつりますぞ。本来であれば、皇太子殿下が即位されるわけですが、王家のしきたりで、聖女とご結婚する者とされておりますな。」
大臣たち、元老院たちは、ひたすらにうなずいている。
「皇太子殿下には、まだ聖女が現れておらぬ。しかし、アーサー殿下には、女神が舞い降りたとか。真相が知りたいのだが。」
一気にザワザワと、論争が始まる。
『あれは、本当に女神だった』
『指輪から現れた』
『いや、突然空から・・・』
アーサーは、この国の重要決定が、やはり神話なのかということにウンザリする。
「アドルフ皇太子殿下。あなたもご覧になったとか?」
アーサー派の大臣が質問する。
皇太子は、銀髪をかき上げて、答える。
「はい・・・そうですね。女神だったのかは分かりません。しかし、兄上の手をとり、女性が現れたのは事実です。女神の指輪が光り、一瞬のことでした。」
リンドバーグ伯爵が声を荒げる。
「確かに・・・そうだが、アーサー王子の所に、現れたわけではない!女神の指輪から、出現しただけだ!だいたい、何故アーサーが女神の指輪を所持しているのだ!皇太子殿下のものではないのか?!」
それには、すぐにウィルが返答する。
「女神の指輪は、前聖女様の物です。代々、聖女様が所有するもの。前聖女様がアーサー殿下にお渡しになったのです。本来は、王家が管理するものではなく、教会が管理するものですが。」
そして、くだらない論争が始まった。アーサーは、口を挟むのも面倒だと思った。何が女神だ、そんなことはどうでもいいのだ。
そこへ、ゴードンが現れた。
「失礼いたします。」
後ろに、魔術師と教会の司祭たちが現れる。
ディーダ議長が問う。
「何事です?今は神事ではないのですぞ?」
ゴードンは、アーサーにチラリと目を向けて、それから議長に向きなおる。
「?」
ゴードンは何をしようとしているのか、様子を伺う。
「女神の神託です。」
「なに?!」
ゴードンの発言に、その場に居た全員がどよめいた。
「神殿の者たちと、魔術により、女神を降臨させます。」
「なんじゃと!?そんなことが可能なのか?!」
ディーダ議長は、言葉の通りに腰を抜かしそうなほどの声をだした。
「どうゆう事だ!今まで、そんなことは聞いたことが無いぞ!今までは聖女様がこの国に現れるだけだ」
周囲にいた元老院から、声が上がった。
「そうですね。しかし、何故か今、聖女様は現れない。そして、女神が現れたとのこと。この現状を皆様はどう解釈されますか?」
ゴードンは質問を投げかけて、周囲を見回す。そして続けた。
「その昔、古では女神を降臨させる術があったとか。試してみてよろしいでしょうか?」
アーサーはすぐに気が付いた。ゴードンは、変な汗をかいている。
ゴードンにとっても確信が無いのだと察した。すかさず、アーサーが質問する。
「まて、古と言ったな?本当に降臨させる可能性はあるのか?」
「わかりません。」
ゴードン!!アーサーは焦った。冷や汗が背中を伝う。こんなことで、この有能な家臣を失うわけにはいかないのだ。
「この場でやることではない。下がれ。」
「いいえ殿下。これは大事な証拠です。」
アーサーの指示に従わない意向を見せる、ゴードンを睨む。ゴードンも冷や汗をかきながら、アーサーを見つめた。
「・・・ふ。ふん!やると言うのだからやって見せてもらおうではないか!しかしな、ゴードン君。君もかなり優秀な人間で時期宰相と言われているが、これで全てを失うかもしれんな!」
リンドバーグ伯爵がニヤリと笑う。
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