女神なんかじゃない

月野さと

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7話★女神の力

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 現実と夢を往復して、もう本当に分からなくなっていたんだと思う。


 何度も優しいキスをされて、胸が高鳴り、自分から抱きついていた。
 アーサーの、大きな手が体をなぞるたび、心地よくてうっとりした。

 胸に顔をうずめられて、恥ずかしさで「ムリムリ!!」と叫ぶと、アーサーが顔をあげて目が合う。その表情に色気があって綺麗すぎて、ドキリとする。零れ落ちそうな、キラキラと光をもつ青い瞳。サラリと揺れる金髪。
 両手を伸ばして、アーサーの頬に触れてみる。
「綺麗。アーサーの目って、とっても綺麗。」
 そのまま、なでなでと金髪を撫でてしまう。

「不思議な娘だな。」
 アーサーは、そう言って微笑む。
 ゆっくりと近づいてきて、深く口付けられて、息も切れ切れになり、朦朧としてくる。

 
 アーサーは思った。

 自分を呼び捨てにする娘は、この世に存在しない。
 髪を撫でるなど、そんなことをする人間は、もういない。そして、どうしてなのか?悪い気はしないのだ。不思議な娘だ。何故か強く引き付けられる。
 発せられる言葉は、いつも率直で素直で、裏が無い。
 漆黒の大きな目は、力強く感じるのに、キス1つで泣き出すほどに弱い。

 そして、もう1つ、驚くことが起こっていた。
 キスをすると、魔力が口から流れ込んでくる。それは、桃を食べているかのように、柔らかく甘い感覚だった。その味を確かめるかのように、何度もキスをしてしまう。これが、女神の力なのだろうか?

 流れ込んで来る魔力が、甘く魅惑的で、止められなくなる。

 おそらく、誰も触れた事の無いであろう蕾に触れると、ビクリと体がこわばった。この娘は、生娘なのだ。そう思うと、どうゆうわけか、ますます胸が高鳴った。丁寧にほぐしていくと、トロリと密をこぼし、息づかいが荒くなる。いっぱいいっぱいになったサラは、ため息をつく。
 その吐息に、ドクンと心臓が鳴る。
 いまだかつて、こんな衝動にかられたことがあっただろうか?女性のため息1つで、体が熱くなる。

 アーサーは、衝動を抑えきれない自分に驚きながらも、心の赴くままに愛撫した。顔が惚けて心地よさそうな、サラの様子に、もう大丈夫だろうと足を開かせて、ゆっくりと挿入していく。
 トロトロに柔らかくなった秘部に、硬くなったものを当てがわれて、サラは焦る。
「ダメダメダメダメ、待って!あ・・・あ・・!!」


 ツプリ・・・と、先端を挿入した、その瞬間だった。

 彼女の中に挿入した瞬間、自分に強い魔力が流れ込んできた。
 腹の奥底から、熱くて強い魔力が一気に流れ込んでくる。

「!!・・・くっ!!」

 アーサーは強すぎる刺激に必死に耐えた。

 なんとか呼吸を整えながら、視線を下に移すと、サラが痛みに涙を流して抱き着き、爪を立てる姿があった。
 瞬間に、少し腰を引くと、「あ・・・」と寂しそうな声を出す。抜き切る前に止めて、再度、腰を押しすすめると、慌てたようにサラが声を上げた。

「あん!・・ダメ、はぁ~・・・あ!!」

 ビクビクと体を反応させ、中は飲み込むように収縮させている。たまらずに奥まで、ゆっくり挿入する。
 悲鳴を上げるサラが、生身の人間であることを確信して、何故だかホッとする。


 何故なのだろう。

 理由もなく、ただただ可愛い。そう思ってしまう。

 
 縋りついてくるサラに、できる限りの優しいキスをして抱きしめた。


 



 その夜、サラは夢を見た。

 アーサーが王になり、美しく平和で豊かな大地が広がっている。

 遠い赤い山には、魔法陣が浮かんでいて、外側に魔獣が飛んでいる。
 広大な大地が、自然豊かに輝いている。




 ふっと、目が覚める。と、同時に息を飲む。
 金髪の超美形が目の前にいる。そして、大きな腕で私を抱え込んでいた。


 よいしょと腕を持ち上げると、アーサーの指にはめられている指輪が光っていることに気が付く。

「?!」

 ホタルの光のようにポウっと、点灯していた。


「アーサー。アーサー!見て!これ変!」

「ん・・・・。」

 少し眠そうに目を開けて、サラが指し示す、自分の指にある指輪を見る。
「あぁ、光っているな。」

 とても怠そうに眼をこすりながら、アーサーは平然と言う。
「え?これ普通なの?これ、なんか意味してるの?」

 食い入るように指輪を見るサラの顔を眺める。
 それに気が付いて、アーサーを見る。
「・・・え?なに?」
「いや、体は大丈夫か?」

 そう言われて、サラは赤面する。
 完全に雰囲気に飲まれて、自分が処女を喪失してしまったことを思い出す。

「大丈夫です・・・。」

 恥ずかしさでうつむくと、シーツに少し血がついていた。慌ててそれを布団で隠す。我慢できないほどではないけれど、初めて男性を受け入れた痛みも、違和感も残っていた。

 アーサーは体を起こし、ガウンを羽織ると、ベッド脇にあるコップに水を入れて渡してくれた。
 水を飲み終えると、コップを袖机に戻してくれて、そのまま手を取られる。何も言わずに、サラの薬指に女神の指輪をはめてくれた。

「女神の指輪は、女神が持っているといい。」
 指輪は収縮して、サラの指のサイズに変化する。
「これは魔法がかかっているんだ。持ち主のサイズに変化する」
 不思議過ぎて、まじまじと指輪を眺めてしまう。


「サラ。」
 急に、真剣な顔で見つめられる。その雰囲気にのまれて、背筋を伸ばす。

「は、はい!」

「私は、この国の王になる。その為に生きてきた。しかし、関係の無いおまえをこの世界に引き込んでしまった。元の世界に帰りたいか?」
「帰れるの?」
 少し嬉しくなってしまう。

「まだわからない。しかし、魔術師とゴードンは、お前を呼び寄せることができた。その逆ができないか調べてみよう。」
「じゃぁ、お願いします!」
 私はそう言って、お辞儀する。アーサーは表情を変えなかった。だけど、どうしてなんだろう。
 彼の瞳は、どこか寂しそう。瞳の色のせいで、そう見えるのかもしれないけど。

「分かった。元の世界に帰りたいなら、できる限りのことをしよう。しかし、もう少しの間だけ、ココに居てくれると助かるのだ。もう少しだけ、女神として私の傍にいてはくれまいか?」

 女神として?
「でも、女神としてって・・・私は何も出来ないよ?」

「何もしなくて良い。私は、はなから女神など信じていなかった。この国の大臣たち、国民が信じているから、利用させてもらう。おまえは、私の傍に居てくれるだけで良い。」

 少しの間、傍にいるだけ。それなら。
「それなら、うん。できるよ。」
 アーサーはホッとしたように笑みを見せた。

 それから、タイミングよくドアがノックされた。
「殿下、ゴードン様が執務室でお待ちでございます。」

 その声に、サラは慌てて布団に潜り込む。

「わかった。すぐに支度をする。」
 アーサーが返事をすると、扉が開いて、ウィルと女性が一人入ってきた。

 2人とも、驚いたように一瞬動きを止めたけれど、すぐに礼をとった。

 ウィルは、ソファーに立てかけてあるアーサーの剣を拾い上げる。そして、そっとアーサーの顔色を伺う。
 アーサーは、どんな女性と一緒であろうと、寝る時でさえも剣を、枕元に置いておくはずだ。いつも寝起きは良い方で、今のように少し怠そうに、剣をどこにやったのか探すなんて行動は、今までに1度も無かった人だ。

 はじめて見る、アーサーの様子に戸惑った。


 そんな戸惑っているウィルをよそに、アーサーが言った。
「魔術師団と騎士団も呼んであるのか?」

「はい。既に皆様お集まりです。」
 ウィルから剣を受け取ると、ウィルの隣に居た女性に目を移す。
「テルマだな。今日からおまえにはサラの侍女を任せる。」

テルマと呼ばれた女性は頭を下げる。
「かしこまりました。」





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