50 / 83
50話 運命のように
しおりを挟む
「・・・・今のは、何??」
ガタガタと震えながら、ルカを抱えて家の外に出る。
すると、隣に住むご夫婦が出てきていた。
「エマさん!どうしたんだい?」
「あ、人買いです!!部屋に押し入ってきて・・・。」
隣の旦那さんが、2階に上がっていく。
暫くしてから降りてきた。
「あれは・・・どうしたんだい?2人とも死んでる。」
エマは、ガクガクと震えて黙り込んだまま。
ルカは眠っている様子だった。
隣のおじさんが言う。
「あれは、魔法だ。あんたがやったのか?」
ピクリ!と、エマの体が反応する。
「・・・・魔法?」
その様子を見て、おじさんはしっかりと確信したように言う。
「ルカか?ルカがやったのか?母親を守る為か・・・。」
そして、エマの目を真っすぐに見て、諭すように言う。
「いいかい?よく聞くんだ。俺は昔、遠く離れたウォステリア王国に行ったことがある。そこでは魔術をつかう人間がたくさんいた。戦が終わったあとに通った時、あんなふうに人が死んでた。」
エマは、おじさんの顔を見る。
「この国ではまず、魔法なんか使えるやつがいない。ルカに、魔法の使い方を教えてやれるやつがいない。それに、この街にいたら、これからも人買いに怯えて暮らさないといけない。たしか、ガルーダ王国では、金髪が多いそうだ。そっちに移住してみてはどうだろう?」
隣の奥さんが、家の中へ誘う。
「とりあえず、今日はウチにおいで。ニーナさんには、言っとくからね。」
さそわれるままに、ご夫婦の家に入る。
家の扉を閉めて、隣の旦那さんが言う。
「ずっと心配していたんだよ。このままじゃ、ルカが人買いに狙われ続けるんじゃないかってな。魔法が使えるとなると、急いだ方がいい。うっかり友達を傷つけてしまったりしたら、やっかいだ。」
エマは、頭がくらくらした。
「エマさん、急に色々な事があって、パニックだよね。今日はさ、ゆっくり休んで考えるといいよ。とにかく、後の事はやっておくからね。」
奥さんが温かいお茶を出してくれる。
「じゃぁ、俺は、ニーナのとこに行ってくるよ。」
旦那さんは、そう言って家を出て行った。
エマは、頭の中の整理にとりかかった。
遠い国に、ルカと同じ人種の人間が居るということ。
魔法が、ルカは使えるということ。
これ以上、人買いに怯えて暮らしたくない。
程なくして、ニーナさんがやってきた。
「ニーナさん!」
「エマ!」
2人は抱き合った。
「無事でよかったよ。」
「迷惑ばかりかけて、ごめんなさい。」
「そんなことはいいんだよ!それより、聞いたよ。ルカは、魔法が使えるんだって?」
エマは首をふる。
「今まで1度も、そんなそぶりは・・・・。」
おじさんが、ため息をつく。
「初めて魔法を使ったのが、悪人で良かったのかもしれんな。」
ニーナさんが、エマの両肩を掴む。思い切ったように言った。
「エマ、この国を出るんだよ。」
エマは泣きそうな顔になる。
「そんな顔するんじゃないよ!あんたは、ずっと私の娘だ。またここに帰ってくればいい。今は、ルカに魔法の使い方を教えるんだよ。」
おじさんも言う。
「幸い、ウォステリアだったら、知り合いがいるんだ。そいつを頼って行けばいい。ルカが上手く魔法を使えるようになったら、また戻って来い!」
隣のおばさんも言う。
「エマちゃんに、会えないのは寂しいけど、待ってるからね!」
みんなに背中を押されて、エマは泣いた。
「こんなに迷惑かけて、何も返せて無いのに・・・・。」
「バカだね。そんなのは、持ちつ持たれつ、お互い様なんだよ。」
おばさんは、豪快に笑った。
それからは、長旅だった。
ルカの髪を茶色に染めて旅に出た。
船に乗って、馬車に乗って。
お金が無かったので、ヒッチハイクばかりだったせいか、3ヵ月かかって、ガルーダ王国についた。
ルカは、目を輝かせた。
「かーさま!かーさま!!見て見て!!」
行きかう人が、金髪碧眼だった。
エマも、胸が高鳴った。
この子の父親は、この国の人なのではないか?
どんな人だったのか?私は、ここに来たことがあるのか?
・・・何も思いだせない。
あ、夢。あのたまに見る、夢の中の男性。
もしかすると、私の記憶なのかもしれない。
「私って、意外と面食いだったのかも」
「?かーさま?」
「ううん。なんでもないわ。」
ルカは、屋台で買った肉まんを美味しそうに頬張る。
「今日はここに泊まりましょう。ウォステリアまで、もう少しだよ。」
「うん!」
ガタガタと震えながら、ルカを抱えて家の外に出る。
すると、隣に住むご夫婦が出てきていた。
「エマさん!どうしたんだい?」
「あ、人買いです!!部屋に押し入ってきて・・・。」
隣の旦那さんが、2階に上がっていく。
暫くしてから降りてきた。
「あれは・・・どうしたんだい?2人とも死んでる。」
エマは、ガクガクと震えて黙り込んだまま。
ルカは眠っている様子だった。
隣のおじさんが言う。
「あれは、魔法だ。あんたがやったのか?」
ピクリ!と、エマの体が反応する。
「・・・・魔法?」
その様子を見て、おじさんはしっかりと確信したように言う。
「ルカか?ルカがやったのか?母親を守る為か・・・。」
そして、エマの目を真っすぐに見て、諭すように言う。
「いいかい?よく聞くんだ。俺は昔、遠く離れたウォステリア王国に行ったことがある。そこでは魔術をつかう人間がたくさんいた。戦が終わったあとに通った時、あんなふうに人が死んでた。」
エマは、おじさんの顔を見る。
「この国ではまず、魔法なんか使えるやつがいない。ルカに、魔法の使い方を教えてやれるやつがいない。それに、この街にいたら、これからも人買いに怯えて暮らさないといけない。たしか、ガルーダ王国では、金髪が多いそうだ。そっちに移住してみてはどうだろう?」
隣の奥さんが、家の中へ誘う。
「とりあえず、今日はウチにおいで。ニーナさんには、言っとくからね。」
さそわれるままに、ご夫婦の家に入る。
家の扉を閉めて、隣の旦那さんが言う。
「ずっと心配していたんだよ。このままじゃ、ルカが人買いに狙われ続けるんじゃないかってな。魔法が使えるとなると、急いだ方がいい。うっかり友達を傷つけてしまったりしたら、やっかいだ。」
エマは、頭がくらくらした。
「エマさん、急に色々な事があって、パニックだよね。今日はさ、ゆっくり休んで考えるといいよ。とにかく、後の事はやっておくからね。」
奥さんが温かいお茶を出してくれる。
「じゃぁ、俺は、ニーナのとこに行ってくるよ。」
旦那さんは、そう言って家を出て行った。
エマは、頭の中の整理にとりかかった。
遠い国に、ルカと同じ人種の人間が居るということ。
魔法が、ルカは使えるということ。
これ以上、人買いに怯えて暮らしたくない。
程なくして、ニーナさんがやってきた。
「ニーナさん!」
「エマ!」
2人は抱き合った。
「無事でよかったよ。」
「迷惑ばかりかけて、ごめんなさい。」
「そんなことはいいんだよ!それより、聞いたよ。ルカは、魔法が使えるんだって?」
エマは首をふる。
「今まで1度も、そんなそぶりは・・・・。」
おじさんが、ため息をつく。
「初めて魔法を使ったのが、悪人で良かったのかもしれんな。」
ニーナさんが、エマの両肩を掴む。思い切ったように言った。
「エマ、この国を出るんだよ。」
エマは泣きそうな顔になる。
「そんな顔するんじゃないよ!あんたは、ずっと私の娘だ。またここに帰ってくればいい。今は、ルカに魔法の使い方を教えるんだよ。」
おじさんも言う。
「幸い、ウォステリアだったら、知り合いがいるんだ。そいつを頼って行けばいい。ルカが上手く魔法を使えるようになったら、また戻って来い!」
隣のおばさんも言う。
「エマちゃんに、会えないのは寂しいけど、待ってるからね!」
みんなに背中を押されて、エマは泣いた。
「こんなに迷惑かけて、何も返せて無いのに・・・・。」
「バカだね。そんなのは、持ちつ持たれつ、お互い様なんだよ。」
おばさんは、豪快に笑った。
それからは、長旅だった。
ルカの髪を茶色に染めて旅に出た。
船に乗って、馬車に乗って。
お金が無かったので、ヒッチハイクばかりだったせいか、3ヵ月かかって、ガルーダ王国についた。
ルカは、目を輝かせた。
「かーさま!かーさま!!見て見て!!」
行きかう人が、金髪碧眼だった。
エマも、胸が高鳴った。
この子の父親は、この国の人なのではないか?
どんな人だったのか?私は、ここに来たことがあるのか?
・・・何も思いだせない。
あ、夢。あのたまに見る、夢の中の男性。
もしかすると、私の記憶なのかもしれない。
「私って、意外と面食いだったのかも」
「?かーさま?」
「ううん。なんでもないわ。」
ルカは、屋台で買った肉まんを美味しそうに頬張る。
「今日はここに泊まりましょう。ウォステリアまで、もう少しだよ。」
「うん!」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる