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54話 記憶の無い再会
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アーサーは、信じられなかった。
目の前に居るのは、確かに、サラだ。確かにサラの筈だ。忘れるはずがない。間違えるわけもない。恋焦がれた人のはずなのに、その表情は、自分への警戒心を向きだしだった。
「・・・サラ?」
アーサーの口からこぼれた声は、小さく誰の耳にも届かなかった。
「あなたたちは誰?!わ・・・わたしを知ってるの?・・・ど、どうして、襲ってくるの?」
恐怖にかられた顔で、アーサーを見る。
アーサーは、そのサラの表情に、戸惑った。
「来ないで!!」
「サラ・・・」
目の前にいるサラは、サラではないのだろうか?誰とは、どうゆう意味なのか。襲う?誰が?私がか?何を言われているのか、いちいち分からなる。
「サラ」
アーサーは、サラに手を伸ばす。
その頬に触れたくて、彼女を抱きしめたくて、手を伸ばし1歩前に出る。
「来ないで!!」
エマはアーサーを睨みつけた。ガクガクと震えながら、子供を抱えて後ずさりする。ポタタっと、地面に血が落ちる。
その姿を見て、アーサーは、ハッと自分が持っている剣に気が付いて、剣を遠くへ放り投げた。
「おまえ達を、傷つけたりしないと約束する。だからそれ以上動くな。傷が広がる!」
レオンも、この状況に戸惑いつつも、焦りを隠せなかった。
彼女の服は血だらけで、出血量が多く見えた。激痛のはずなのに、子供を抱えて立っていた。
アーサーは、サラの目を見て、探るように話しかける。
「サラ?・・・私が、解らないのか?」
そう言われて、彼女は眉をしかめる。
血がポタリ、ポタリ、と落ちる。
アーサーが近づこうとすると、逃げるように後ずさりされる。
「あなたは、誰?私たちを放っておいて!!近づかないで!」
口調は強いのに、ふらりと体を揺らす。サラの体が限界なのだと解る。
「あの、傷の手当てをしましょう。血が・・・」
レオンは、ゆっくりと、説得するように話しかけてみる。傷は深く、早く止血しないと危険だった。
「来ないで!近づかないで!!」
そう声を上げた瞬間に、ズルリと崩れ落ちるように、倒れこんだ。
「サラ!!」
地面に着く寸前で、2人を宙に浮かせ、アーサーとレオンが駆け寄る。2人とも気を失っていた。レオンはルカを抱き起し、アーサーはサラを抱き起すと、即座に腹部の傷に手をかざし、治癒魔法をかける。
レオンが「陛下」と呼んだ。視線を向けると、ルカの首に、付けられている首飾りを見せる。
そこには、女神の指輪がかかっていた。
「やっと、見つけましたね。」
レオンが、ホッとしたように言った。
アーサーは、膝をついたままサラの肩を引き寄せる。確かめるように、サラの頬を撫でた。
「サラ・・・。」
生きていた。
もう、2度と会えないと思っていた。
もう、2度と触れることは無いと思っていた。こうして、抱きしめることも。
サラの頬に、自分の頬を寄せる。
温かくて柔らかい感触。
確かに、生きている。
抱きしめたまま、アーサーは静かに涙をこぼした。
誰も敵わない、強い王が、
崩れるようにして膝をついて、泣く姿を、
レオンは、静かに見守った。
目の前に居るのは、確かに、サラだ。確かにサラの筈だ。忘れるはずがない。間違えるわけもない。恋焦がれた人のはずなのに、その表情は、自分への警戒心を向きだしだった。
「・・・サラ?」
アーサーの口からこぼれた声は、小さく誰の耳にも届かなかった。
「あなたたちは誰?!わ・・・わたしを知ってるの?・・・ど、どうして、襲ってくるの?」
恐怖にかられた顔で、アーサーを見る。
アーサーは、そのサラの表情に、戸惑った。
「来ないで!!」
「サラ・・・」
目の前にいるサラは、サラではないのだろうか?誰とは、どうゆう意味なのか。襲う?誰が?私がか?何を言われているのか、いちいち分からなる。
「サラ」
アーサーは、サラに手を伸ばす。
その頬に触れたくて、彼女を抱きしめたくて、手を伸ばし1歩前に出る。
「来ないで!!」
エマはアーサーを睨みつけた。ガクガクと震えながら、子供を抱えて後ずさりする。ポタタっと、地面に血が落ちる。
その姿を見て、アーサーは、ハッと自分が持っている剣に気が付いて、剣を遠くへ放り投げた。
「おまえ達を、傷つけたりしないと約束する。だからそれ以上動くな。傷が広がる!」
レオンも、この状況に戸惑いつつも、焦りを隠せなかった。
彼女の服は血だらけで、出血量が多く見えた。激痛のはずなのに、子供を抱えて立っていた。
アーサーは、サラの目を見て、探るように話しかける。
「サラ?・・・私が、解らないのか?」
そう言われて、彼女は眉をしかめる。
血がポタリ、ポタリ、と落ちる。
アーサーが近づこうとすると、逃げるように後ずさりされる。
「あなたは、誰?私たちを放っておいて!!近づかないで!」
口調は強いのに、ふらりと体を揺らす。サラの体が限界なのだと解る。
「あの、傷の手当てをしましょう。血が・・・」
レオンは、ゆっくりと、説得するように話しかけてみる。傷は深く、早く止血しないと危険だった。
「来ないで!近づかないで!!」
そう声を上げた瞬間に、ズルリと崩れ落ちるように、倒れこんだ。
「サラ!!」
地面に着く寸前で、2人を宙に浮かせ、アーサーとレオンが駆け寄る。2人とも気を失っていた。レオンはルカを抱き起し、アーサーはサラを抱き起すと、即座に腹部の傷に手をかざし、治癒魔法をかける。
レオンが「陛下」と呼んだ。視線を向けると、ルカの首に、付けられている首飾りを見せる。
そこには、女神の指輪がかかっていた。
「やっと、見つけましたね。」
レオンが、ホッとしたように言った。
アーサーは、膝をついたままサラの肩を引き寄せる。確かめるように、サラの頬を撫でた。
「サラ・・・。」
生きていた。
もう、2度と会えないと思っていた。
もう、2度と触れることは無いと思っていた。こうして、抱きしめることも。
サラの頬に、自分の頬を寄せる。
温かくて柔らかい感触。
確かに、生きている。
抱きしめたまま、アーサーは静かに涙をこぼした。
誰も敵わない、強い王が、
崩れるようにして膝をついて、泣く姿を、
レオンは、静かに見守った。
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