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番外編_ルカ編3
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最後の自由の日を満喫した、数日後。
ルカは、城の謁見の間に来ていた。
先週は他国の姫君と、お見合いして、今日は、国内の令嬢達とのお見合いだった。
「殿下のために、刺繍をいたしましたの。」
「私は、殿下のためにスイーツをお持ちしましたの。」
「殿下、私のバイオリンをお聴かせしたくて。」
次々と、令嬢たちがルカに話しかけてくる。どの令嬢も才色兼備ばかりだったし、その父親たちは、政治的にも重要な人物ばかりだった。
ルカは、いつものようにニコニコ微笑んで話を聞いた。けれども・・・その頭の中は、ダイアナのことばかりだった。
『ルカ王子が、好き』
正直に言って、心底、戸惑った。
ダイアナを女性として見たことは1度も無かったからだ。だって、彼女が赤ちゃんの時から知っている。5歳も年下の女の子だ。妹のように思っていた。まだ12歳だ。
そもそも、彼女は婚約とか結婚の意味を理解しているのだろうか?
ダイアナは、尊敬するレオン団長の娘なだけあって、しっかり者で勉強もよくできる。少しおませさんで、早期教育の成果なのか、5歳年下というのを忘れるほどに、対等に話ができる時もあった。
でも、年相応の少女の部分も多くあって・・・。
「殿下?」
「あぁ、申し訳ありません。レディの演奏、とても美しいです。つい聴き入ってしまいました。」
バイオリンを演奏していた令嬢が、ポッと頬を染める。
そんな感じで、みんながみんなを褒めちぎり、そのお見合いは終了した。
ルカは、謁見の間を出て、長い廊下を歩いていたけれど、ふと方向を変えて、お城のバルコニーに出た。そこからは、首都を見渡すことができた。
しばらく、景色を眺めていると、後ろから声がした。
「ルカ?」
「母上。」
ルカの母親である、サラが姿を見せた。
「どうかした?ココに来る時は、何か考え事がある時じゃない?」
母上は、そう言って、俺の頭をワシワシと撫でた。せっかく整えた髪がクシャクシャになる。
「母上こそ、何かあると、このバルコニーか遠乗りでしょ?今日は何かしでかしたんですか?」
「あら、息抜きよ?ルカも根詰めないで、適度に羽目外しなさい。」
そう言って、母上は手すりに寝そべるようにする。この母は、自由奔放で、行動も発言も、普通の令嬢からは、かけ離れていた。
「そういえば、皇太子妃が決まらない~って、ゴードンさんが言ってたけど、どう?気になる女の子はいた?」
ルカは、首をふる。
「そっかぁ。まぁ、そうよね。17歳で結婚相手を決めるとか、難しいわ。」
母上は、眼下に広がる街を見渡す。
手すりに寝そべったまま、何か考えているような素振りを見せて、おもむろに顔を上げると、口を開いた。
「よし!婚約者は決めずに、立太子できるか掛け合ってみる!」
「そんな事が、可能ですか?」
それはとても助かる。この悩みから解放される!
せめて、彼女がもう少し大人になってから。
「そうだ、あと5年。5年でいいんです!待ってもらえたらっ」
ダイアナが、今の俺と同じ17歳になって、それでも同じ気持ちなら。その時は・・・。
ん?とサラは、眉をしかめた。
「5年?どうして5年なの?」
サラは、真っ直ぐに息子を見る。
とたんに、ルカは赤面した。
俺・・・どうして、ダイアナが大人になるまで待とうなんて考えた?あの子は、まだ子供で、妹だと思っていて。女性としては見ていなくって・・・。
だけど。
ダイアナだけなんだ。一緒に居て、取り繕わなくていいのも。それから、彼女は言ったんだ。
俺が、何者でもいいと。
凄く嬉しかった。
きっと、そうなんだと信じられた。
「うん。やっぱり5年でいいんです。その時、ハッキリします。5年後に決められなかったら、その時は、母上が俺の婚約者を決めてください。国の為に、一番良い縁組を選んでくれませんか?」
サラは、ウ~ンと少し考えてから、ニヤニヤして言った。
「ねぇ、何で5年なのかヒントをちょうだい?」
「嫌です。」
「えー、ケチー。お父様やゴードンさんを説得するのは私なのよ~。理由知りたかったわ。」
「母上、よろしくお願いします!」
「もぉ~、可愛い息子のためだもの。何とかするわよ。」
ブツブツ言いながら、母上はその場から去っていった。
ルカは、清々しい気持ちになった。
今まで、たくさんの令嬢と会って話をしてきた。誰にも何も思わなかった。好意を向けられても、違和感しかない。誰もが同じように思えていた。
ダイアナへの気持ちは、やはり家族に似た感情だったと思う。その気持ちが、今、分かりつつあるのを感じた。
◇◇◇◇◇
「何故5年なんです?」
ゴードンが不服そうに言う。
サラが返答する。
「いいじゃない?5年後には必ず、誰かと婚約するって言ってるんだから。」
「しかし、他国でも通例では、」
「アーサーだって、婚約もしていなかったし、結婚なんて遅かったじゃない?」
そう言われて、アーサーは飲んでいたコーヒーでむせる。
「サラ!私は皇太子にはならなかったのだ。そこは理解しているだろう?」
「そうだけど!じゃぁ、アーサーは、ルカが好きでもない子と結婚させられることになっても良いって言うの?」
アーサーに質問したのに、ゴードンが返答する。
「やむお得ないかと。王侯貴族である以上は、普通のことです。」
「私はアーサーに聞いてるの!」
アーサーは、サラに睨まれて、溜め息をつく。
「・・・ゴードン。好きにさせてやれ。」
「陛下!そう簡単には、いきません!国内外に与える影響をお考えください。」
それもそうなんだよな、と、アーサーは顎に手をやって目を閉じる。しかし、アーサーはサラとルカには弱かった。
「許可してやれ。王妃の座の争奪戦で周囲が騒がしくなるだろうが、あいつが決めたのなら、仕方あるまい。」
サラが、やったぁ~!と喜ぶ中で、アーサーが言う。
「で、何故5年なのだ?」
そこへ、サミュエルが入室してきた。
ウィルが聞く。
「あれ?レオン団長はどうしたんですか?」
サミュエルはガシガシと頭を掻きながら答える。
「それが、家でちょっとあったようです。」
エブリンの兄である、ゴードンが声をかける。
「家で?何がったんです?」
「あぁ、エブリン様に何かあったわけでは無いんです。お嬢様が、ちょっと。」
妙に歯切れの悪い言い方に、どうしたのだろう?と、考えを巡らす。
レオンさんの娘というと、長女の、確か・・・・。
「ダイアナちゃん?ダイアナちゃんに何かあったの?」
サラの声が大きくなってしまい、部屋中に響いた。
その時、廊下では、自分の話がどうなったのか気になって、部屋の様子を伺っていたルカが居た。
ダイアナという声が聞こえて、慌てて扉に耳をくっつける。
サミュエルが、戸惑い気味に言う。
「それが、2日も部屋に籠って、食事もしなかったらしいんですけど、今朝から姿が見えないらしいんです。」
「え?!大変じゃない!!ダイアナちゃんて、まだ12歳の女の子でしょう?1人で消えたっていうの?ま、まさか誘拐なんてこと・・・。」
バン!!と、執務室の扉が開いた。
全員が、扉の方を向く。
そこには、ルカが居た。
「それで、ダイアナを最後に見たのは、いつなんですか?!」
ルカのすごい剣幕に、全員が、一瞬ポカンとする。
サミュエルは、なんとか返答する。
「え、あ~、確か、昨日の寝る前に侍女が見たのが最後とか・・・。」
ルカは、思いっきり眉間に皺を寄せた。
「昨日の夜・・・それじゃぁ、昨日の夜から行方不明ってことじゃないですか!!」
険しい顔のまま、ルカは踵を返して、部屋を飛び出して行った。
サラは、慌てて、ルカを追いかける。
「ルカ!!どこにいくの?!ルカ!」
あっと言う間に、廊下を駆け抜けるルカは、叫んだ。
「ダイアナを探しに行ってきます!!」
ルカは、城の謁見の間に来ていた。
先週は他国の姫君と、お見合いして、今日は、国内の令嬢達とのお見合いだった。
「殿下のために、刺繍をいたしましたの。」
「私は、殿下のためにスイーツをお持ちしましたの。」
「殿下、私のバイオリンをお聴かせしたくて。」
次々と、令嬢たちがルカに話しかけてくる。どの令嬢も才色兼備ばかりだったし、その父親たちは、政治的にも重要な人物ばかりだった。
ルカは、いつものようにニコニコ微笑んで話を聞いた。けれども・・・その頭の中は、ダイアナのことばかりだった。
『ルカ王子が、好き』
正直に言って、心底、戸惑った。
ダイアナを女性として見たことは1度も無かったからだ。だって、彼女が赤ちゃんの時から知っている。5歳も年下の女の子だ。妹のように思っていた。まだ12歳だ。
そもそも、彼女は婚約とか結婚の意味を理解しているのだろうか?
ダイアナは、尊敬するレオン団長の娘なだけあって、しっかり者で勉強もよくできる。少しおませさんで、早期教育の成果なのか、5歳年下というのを忘れるほどに、対等に話ができる時もあった。
でも、年相応の少女の部分も多くあって・・・。
「殿下?」
「あぁ、申し訳ありません。レディの演奏、とても美しいです。つい聴き入ってしまいました。」
バイオリンを演奏していた令嬢が、ポッと頬を染める。
そんな感じで、みんながみんなを褒めちぎり、そのお見合いは終了した。
ルカは、謁見の間を出て、長い廊下を歩いていたけれど、ふと方向を変えて、お城のバルコニーに出た。そこからは、首都を見渡すことができた。
しばらく、景色を眺めていると、後ろから声がした。
「ルカ?」
「母上。」
ルカの母親である、サラが姿を見せた。
「どうかした?ココに来る時は、何か考え事がある時じゃない?」
母上は、そう言って、俺の頭をワシワシと撫でた。せっかく整えた髪がクシャクシャになる。
「母上こそ、何かあると、このバルコニーか遠乗りでしょ?今日は何かしでかしたんですか?」
「あら、息抜きよ?ルカも根詰めないで、適度に羽目外しなさい。」
そう言って、母上は手すりに寝そべるようにする。この母は、自由奔放で、行動も発言も、普通の令嬢からは、かけ離れていた。
「そういえば、皇太子妃が決まらない~って、ゴードンさんが言ってたけど、どう?気になる女の子はいた?」
ルカは、首をふる。
「そっかぁ。まぁ、そうよね。17歳で結婚相手を決めるとか、難しいわ。」
母上は、眼下に広がる街を見渡す。
手すりに寝そべったまま、何か考えているような素振りを見せて、おもむろに顔を上げると、口を開いた。
「よし!婚約者は決めずに、立太子できるか掛け合ってみる!」
「そんな事が、可能ですか?」
それはとても助かる。この悩みから解放される!
せめて、彼女がもう少し大人になってから。
「そうだ、あと5年。5年でいいんです!待ってもらえたらっ」
ダイアナが、今の俺と同じ17歳になって、それでも同じ気持ちなら。その時は・・・。
ん?とサラは、眉をしかめた。
「5年?どうして5年なの?」
サラは、真っ直ぐに息子を見る。
とたんに、ルカは赤面した。
俺・・・どうして、ダイアナが大人になるまで待とうなんて考えた?あの子は、まだ子供で、妹だと思っていて。女性としては見ていなくって・・・。
だけど。
ダイアナだけなんだ。一緒に居て、取り繕わなくていいのも。それから、彼女は言ったんだ。
俺が、何者でもいいと。
凄く嬉しかった。
きっと、そうなんだと信じられた。
「うん。やっぱり5年でいいんです。その時、ハッキリします。5年後に決められなかったら、その時は、母上が俺の婚約者を決めてください。国の為に、一番良い縁組を選んでくれませんか?」
サラは、ウ~ンと少し考えてから、ニヤニヤして言った。
「ねぇ、何で5年なのかヒントをちょうだい?」
「嫌です。」
「えー、ケチー。お父様やゴードンさんを説得するのは私なのよ~。理由知りたかったわ。」
「母上、よろしくお願いします!」
「もぉ~、可愛い息子のためだもの。何とかするわよ。」
ブツブツ言いながら、母上はその場から去っていった。
ルカは、清々しい気持ちになった。
今まで、たくさんの令嬢と会って話をしてきた。誰にも何も思わなかった。好意を向けられても、違和感しかない。誰もが同じように思えていた。
ダイアナへの気持ちは、やはり家族に似た感情だったと思う。その気持ちが、今、分かりつつあるのを感じた。
◇◇◇◇◇
「何故5年なんです?」
ゴードンが不服そうに言う。
サラが返答する。
「いいじゃない?5年後には必ず、誰かと婚約するって言ってるんだから。」
「しかし、他国でも通例では、」
「アーサーだって、婚約もしていなかったし、結婚なんて遅かったじゃない?」
そう言われて、アーサーは飲んでいたコーヒーでむせる。
「サラ!私は皇太子にはならなかったのだ。そこは理解しているだろう?」
「そうだけど!じゃぁ、アーサーは、ルカが好きでもない子と結婚させられることになっても良いって言うの?」
アーサーに質問したのに、ゴードンが返答する。
「やむお得ないかと。王侯貴族である以上は、普通のことです。」
「私はアーサーに聞いてるの!」
アーサーは、サラに睨まれて、溜め息をつく。
「・・・ゴードン。好きにさせてやれ。」
「陛下!そう簡単には、いきません!国内外に与える影響をお考えください。」
それもそうなんだよな、と、アーサーは顎に手をやって目を閉じる。しかし、アーサーはサラとルカには弱かった。
「許可してやれ。王妃の座の争奪戦で周囲が騒がしくなるだろうが、あいつが決めたのなら、仕方あるまい。」
サラが、やったぁ~!と喜ぶ中で、アーサーが言う。
「で、何故5年なのだ?」
そこへ、サミュエルが入室してきた。
ウィルが聞く。
「あれ?レオン団長はどうしたんですか?」
サミュエルはガシガシと頭を掻きながら答える。
「それが、家でちょっとあったようです。」
エブリンの兄である、ゴードンが声をかける。
「家で?何がったんです?」
「あぁ、エブリン様に何かあったわけでは無いんです。お嬢様が、ちょっと。」
妙に歯切れの悪い言い方に、どうしたのだろう?と、考えを巡らす。
レオンさんの娘というと、長女の、確か・・・・。
「ダイアナちゃん?ダイアナちゃんに何かあったの?」
サラの声が大きくなってしまい、部屋中に響いた。
その時、廊下では、自分の話がどうなったのか気になって、部屋の様子を伺っていたルカが居た。
ダイアナという声が聞こえて、慌てて扉に耳をくっつける。
サミュエルが、戸惑い気味に言う。
「それが、2日も部屋に籠って、食事もしなかったらしいんですけど、今朝から姿が見えないらしいんです。」
「え?!大変じゃない!!ダイアナちゃんて、まだ12歳の女の子でしょう?1人で消えたっていうの?ま、まさか誘拐なんてこと・・・。」
バン!!と、執務室の扉が開いた。
全員が、扉の方を向く。
そこには、ルカが居た。
「それで、ダイアナを最後に見たのは、いつなんですか?!」
ルカのすごい剣幕に、全員が、一瞬ポカンとする。
サミュエルは、なんとか返答する。
「え、あ~、確か、昨日の寝る前に侍女が見たのが最後とか・・・。」
ルカは、思いっきり眉間に皺を寄せた。
「昨日の夜・・・それじゃぁ、昨日の夜から行方不明ってことじゃないですか!!」
険しい顔のまま、ルカは踵を返して、部屋を飛び出して行った。
サラは、慌てて、ルカを追いかける。
「ルカ!!どこにいくの?!ルカ!」
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