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3章「高校卒業とダンジョンへの挑戦」
第13話「一人きりの挑戦と決意」
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#第13話「一人きりの挑戦と決意」
体力系の新宿ダンジョン、初日の成果は──35体討伐だった。
得られた魔石は35個だけ。すなわち350円だ。
受付で魔石を渡してカードをもらった。今後はこのカードに入金されるらしい。
ATMのような機械に通すと確かに350円と記録されている。
……それにしても、これだけ頑張ってこの数字。やってられない。
たしかに最初から稼げるとは思っていなかった。けれど想像以上にきつい。
このペースでレベルアップ? 裏技を試すために1万匹討伐?
一体、何日かかるというんだ。そもそも可能なのか?
1年以内に1万匹の討伐──裏技の条件は厳しすぎる。
それを狙うなら、今のペースだと毎日欠かさず通い続けるしかない。
しかもこの肉体的負担だ。
引っ越しや倉庫などのバイトで鍛えていたからよかったものの、今日だけですでにクタクタだ。この後の夜バイトのことを思うと憂鬱すぎる。
まずはもっと効率よく狩る方法を見つけなきゃ心が先に折れそうだ。もっと簡単にモンスターを倒す方法はないのか?
それでも──
俺はやると決めたんだ。
とにかく1年だけだ。たった1年。やりきってみせる。
その夜、ひよりがまた夕食を作りに来てくれた。弟と妹と一緒に、いつものように囲む食卓。ひよりの料理は今日も安定してうまい。
「35匹も!?」
俺がダンジョンでの成果を報告すると、ひよりは目を丸くした。どうやら初心者の一日目で倒すモンスターの数はせいぜいで10匹程度らしい。
「しかも草クランにも入らずに? それは……本当にすごいと思うよ」
草クラン──財閥企業系以外の、独立系ハンターが寄り集まってできたグループ──
多くの新人は、そこに入ってスタートするのが通例だ。
「でもね、レン。草クランには入った方がいいと思う」
ひよりが真剣な目で言った。
「一人で動いてると、目をつけられることもある。嫌がらせを受けることもあるかもしれない。しかも、万が一ダンジョンで危険なことがあった時に、誰にも助けてもらえないよ」
それでも──俺は首を振った。
「安全マージンは取ってるから、大丈夫。それにクランに入ったら、いろいろ制約があるだろ?俺のやり方には向いてない。ソロでやるよ」
ひよりは少しだけ寂しそうに笑った。
「……そうだね。レンは昔から、やると決めたら曲げないもんね。でも普通に考えて今のペースだと厳しいよ。1年経っても1レベルアップできるかどうかも分からない。しかも今日の報酬も数百円でしょ。何時間も働いても赤字。レンはそれを1年続けられるの?」
「確かにその通りだな。でも試してみたいこともある」
「もちろん、レンのやりたいようにやればいいけど……やっぱり私は草クランに入ることをおすすめする。あと草クランもいろいろで評判の悪いところもあるから。もし、草クランに入るならば相談してね」
その言葉に、少しだけ胸が熱くなる。
俺の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
これから先、何が待っているかなんて分からないけど──
一年後、俺は笑っていられるだろうか。
体力系の新宿ダンジョン、初日の成果は──35体討伐だった。
得られた魔石は35個だけ。すなわち350円だ。
受付で魔石を渡してカードをもらった。今後はこのカードに入金されるらしい。
ATMのような機械に通すと確かに350円と記録されている。
……それにしても、これだけ頑張ってこの数字。やってられない。
たしかに最初から稼げるとは思っていなかった。けれど想像以上にきつい。
このペースでレベルアップ? 裏技を試すために1万匹討伐?
一体、何日かかるというんだ。そもそも可能なのか?
1年以内に1万匹の討伐──裏技の条件は厳しすぎる。
それを狙うなら、今のペースだと毎日欠かさず通い続けるしかない。
しかもこの肉体的負担だ。
引っ越しや倉庫などのバイトで鍛えていたからよかったものの、今日だけですでにクタクタだ。この後の夜バイトのことを思うと憂鬱すぎる。
まずはもっと効率よく狩る方法を見つけなきゃ心が先に折れそうだ。もっと簡単にモンスターを倒す方法はないのか?
それでも──
俺はやると決めたんだ。
とにかく1年だけだ。たった1年。やりきってみせる。
その夜、ひよりがまた夕食を作りに来てくれた。弟と妹と一緒に、いつものように囲む食卓。ひよりの料理は今日も安定してうまい。
「35匹も!?」
俺がダンジョンでの成果を報告すると、ひよりは目を丸くした。どうやら初心者の一日目で倒すモンスターの数はせいぜいで10匹程度らしい。
「しかも草クランにも入らずに? それは……本当にすごいと思うよ」
草クラン──財閥企業系以外の、独立系ハンターが寄り集まってできたグループ──
多くの新人は、そこに入ってスタートするのが通例だ。
「でもね、レン。草クランには入った方がいいと思う」
ひよりが真剣な目で言った。
「一人で動いてると、目をつけられることもある。嫌がらせを受けることもあるかもしれない。しかも、万が一ダンジョンで危険なことがあった時に、誰にも助けてもらえないよ」
それでも──俺は首を振った。
「安全マージンは取ってるから、大丈夫。それにクランに入ったら、いろいろ制約があるだろ?俺のやり方には向いてない。ソロでやるよ」
ひよりは少しだけ寂しそうに笑った。
「……そうだね。レンは昔から、やると決めたら曲げないもんね。でも普通に考えて今のペースだと厳しいよ。1年経っても1レベルアップできるかどうかも分からない。しかも今日の報酬も数百円でしょ。何時間も働いても赤字。レンはそれを1年続けられるの?」
「確かにその通りだな。でも試してみたいこともある」
「もちろん、レンのやりたいようにやればいいけど……やっぱり私は草クランに入ることをおすすめする。あと草クランもいろいろで評判の悪いところもあるから。もし、草クランに入るならば相談してね」
その言葉に、少しだけ胸が熱くなる。
俺の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
これから先、何が待っているかなんて分からないけど──
一年後、俺は笑っていられるだろうか。
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