今日もダンジョンでレベルアップ!貧乏無課金でも金持ちを蹴散らし、ざまぁ復讐そしてハーレムを作る!?

まめたろう

文字の大きさ
74 / 157
8章「道場での稽古と戦いの変化」

第73話「上層のオフィスで」

しおりを挟む
#第73話「上層のオフィスで」

 朝の陽がガラス越しに差し込む。ダンジョン協会ビル上層階のオフィス。朝倉は湯気の立つマグを指で転がしながら、高階エリナに視線を向けた。

「ひより君の報告によると――またレン君が、おもしろいことを始めたみたいだぞ」

「今度は何? 正直、使役モンスターの話だけでお腹いっぱいなんだけど。それよりもわざわざ私を呼ぶほどの話があるの?」
エリナは椅子の背にもたれ、片眉を上げる。

「あのルナは知っているよな」

「ルナって、ソロで四階層のエースのことでしょう。そりゃ私でも知っているわよ。将来的にどこまでくるのか楽しみな人材ね」

「ああ、彼女は謎に包まれていたが……実家が剣術道場らしい」

「なるほどね。たいしたものだと思っていたけど……家が剣術道場なら納得ね。レベル以上の強さの秘密は剣術にありと」

「で、それがどうレンと結びつくの? まさかレンがルナに弟子入りでも頼んだの?」

「さすが勘がいいな。半分は正解に近い。――その前に、ルナがレンに「クラン結成」を呼び掛けたらしい」

エリナはびっくりして目を大きく見開いた。
「ちょっと待ってよ。あの“ソロのエース”が? レンに? 全く理解できないんだけど?」

 エリナは身を乗り出して考察した。
「もしかして、ルナがレンの将来性を嗅ぎ取ったとか?」

「いや、そうでもない。同席したひより君によると二人は“互いの今”をほとんど知らなかったそうだ。昔のオンラインゲーム仲間で、現実で会うのは初。レンは彼女の知名度も知らず、彼女もレンの現状を把握していなかった」

「……すなわち、偶然。ダンジョン外で昔の知り合いが出会っただけ、と」

「経緯としてはな。ただ、ルナには“借り”があったらしい。だからクランに誘った。――どういう借りなのかは教えてもらってないがな」

「で、二人はクランを結成するの?」
「いや、レンは断った。うちとの契約を優先したらしい。クランを結成するとどうしても使役モンスターの秘密がばれるからな。つくづく思う、レンは律儀で素晴らしい人間だ」

「ふーん……なら契約、解除してあげてもいいんじゃない? その二人が組むの、正直めちゃくちゃ面白いわよ」

「いや、今は時期尚早だろう」
朝倉は静かに首を振った。

「今の二人は実力差が大きすぎる。レンはまず実力を上げた方がいい」

「現実にレンはルナの道場に通うことになったらしい。これは正解だろう。同じ土俵に立てる実力になってからのクラン結成の方が二人にとっても有益なはずだ」

「なるほど。将来的には……おもしろい組み合わせになりそうね」

「ああ。条件が揃えば“最強のクラン”が生まれるかもしれんぞ」

 朝倉はマグを置いた。
「それまでに、我々も環境を整えたいところだな。訓練枠、保険、救助など……若手が伸びやすい土台を。今のままでは彼らのような若手が伸びない。彼らはたまたまうまくいっているだけだ」

「了解。――なら私もうかうかしてられないわね。レンは私の想像よりも早く上がってくるかもしれない。簡単には抜かれるつもりはないわよ」

「ああ、それとこれまで通りだが定期的なレンの周辺チェックも念入りに頼む。思っていた以上に重要人物になるかもしれない。あくまで“支える側”であることは忘れないで欲しい」

 エリナは立ち上がり、タブレットを抱え直した。
「分かっているわ。私もレンの今後の成長速度は興味深いからね。剣術道場に通うことによって彼の成長が加速するかどうか知りたいし、念入りにチェックさせてもらうわ」

「ああ、お願いする」

「話はこれで終わり?」

「ああ、これだけでも十分だろう?」

「そうね。かなりおもしろい話が聞けたわ」

「もちろん、この辺りの話は漏らすなよ」

「当然よ、それぐらいは分かっているわ。こんな話が漏れたら大騒ぎになるもの」

 会話はそこで切れた。上層の静けさの中お湯の沸騰する音だけが聞こえる。

 レンがどこまで伸びるのか?現時点では何も分からない。しかしながらたった1年で自分の力だけでレベル3に這い上がり更には使役モンスターと共に成長を続けている。
 それだけでも十分に注目に値する存在だったのに更に4階層のソロのエース、ルナがサポートする。どのような成長曲線を見せていくのか興味深いところだった。

 レンがこのまま単なる興味深い人間で終わるのか?それともとんでもない実力者になるのか?まだ2人には想像もできなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...