今日もダンジョンでレベルアップ!貧乏無課金でも金持ちを蹴散らし、ざまぁ復讐そしてハーレムを作る!?

まめたろう

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8章「道場での稽古と戦いの変化」

第86話「千代田ダンジョンと研究施設」

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#第86話「千代田ダンジョンと研究施設」

 数日後、俺とひよりはハンター協会・研究課が運用しているダンジョンに招待された。
 主任の榊原透子さんが一般の使役モンスターを見せてくれるという。自分以外の使役モンスターを見るのは初めてだ。正直、ちょっとワクワクしてる。

 研究用とされるダンジョンの場所は千代田区の皇居近くだった。思ったよりも凄いところにダンジョンがあってびっくりだ。
 この千代田ダンジョンは体力系ダンジョンに分類される。体力系、スピード系、技術系とある3種類の中では比較的、攻略が容易とされるダンジョンだ。

 場所が場所だけに、ダンジョンは氾濫しないよう厳重管理されているという。しかも関係者以外は立入禁止。名称はそのまま「千代田ダンジョン」とのことだった。
 すなわち千代田ダンジョンは一般のハンターは入れない。しかし今回は特別入れるらしい。これもありがたいことだ。

 最初はこの千代田ダンジョンは厳重管理されるだけだったが、せっかく厳重管理されているのだから、ついでにそこで研究もしようという流れになったらしい。
 そのためすぐ近くには研究施設もある。研究課は魔力リソースや魔石、モンスターの生態、通信環境設定などダンジョンのあらゆることをまとめて調べているらしい。ドローンなどが使えるようになったのも研究課の成果の1つとのこと。
 そして最近になり使役モンスターの研究も始めたと――それは俺の影響だった。

 もちろん今回の俺とひよりの視察は基本的に秘密、朝倉さんとエリナさんまでしか話をしてはいけないらしい。危ない危ない、一般の人が入れないダンジョンへの入場ということでつい自慢してしまいそうだ。口を滑らさないようにしないとな。

 まずは千代田ダンジョンのすぐ近くにある研究課施設へ。
 自動扉が開くと、白衣の人たちが行き交っていた。壁一面のモニターには、ダンジョン内部の定点映像、魔力の時系列グラフ、通信ビーコンの安定度などが並んでいる。凄い施設だ。

「ようこそ我が研究施設へ。どうだい?」

「はい。これは凄いですね……」

 少し会話をしながら俺とひよりが透子さんと歩いているとじっとこちらを見てくる白衣の人が多数。やはり部外者は珍しいのだろうか?

 視線を感じて振り向くと、後ろにもこちらをじっと見る研究員が何人もいた。
 そのうちのひとりが透子さんに駆け寄ってきた。

「珍しいですね。主任が人を連れてくるの、初めて見ました」

(うん? どうやら俺たちが珍しいというよりも透子さんが人を連れているのが珍しいということか? さっきからじろじろ見られてたのはそういう事情か)

 研究員は俺たちに向き直り、にこやかに言った。
「主任、人見知りなので……人を連れてくることはまず無いんです。というか他人と一緒にいることも珍しいのですよ。会話する人も……なので友達になってあげてくださいね」

「何を余計なことを!」と透子さんがぷんぷんと怒るが背が低いので全く迫力がない。まるで子供が怒っているかのようだった。

(たしかに最初会った時はおどおどしておとなしかったな。人見知り――使役モンスターにちょっと似てるかも?)

 不意に二の腕に軽い衝撃。隣の透子さんがポカスカと叩いていた。

「こらっ!レンは考えが顔に出てる」

「すみません……」

 横でひよりが小声でつつく。
「失礼なこと考えちゃダメだよ」

(どうして顔を見ただけでバレるんだ……なんとも女性は怖い)

 その後は観測室へ。案内された観測室は圧巻だった。
 複数のモニターにてダンジョン内部の様子がリアルタイムに見える。至る所に固定カメラがあるようだ。可動ドローンからの映像と思われるものもある。

 ところどころで研究課のハンターが戦闘しているが、危なげない。さすがにそれなりに強いハンターが常駐しているのだろう。

「こちらが使役モンスター運用時の映像だよ。気が付いたことがあったら何でも質問してくれていいよ」
 透子さんが別モニターを切り替える。

 映っているのは、スライム型の使役モンスター、うちのラムとちょっと似ている。しかし動作は全く違う。ぴょんぴょん飛び跳ねて落ち着きが全くない。そして指示が飛ぶと、敵に向かって一直線――人間との連携は全くない。

 確かに言われてみればスライムってこんな動きしているよな。ぴょんぴょんと縦横無尽に好き勝手に飛び跳ねている。そして人間が指示し相手が敵だと分かるや否や突っ込み倒しに行くだけ。
 主の言葉が通っていないわけではなさそうだけど、意思の疎通が滑らかとは言い難い。動きは粗くとにかく動き回っている。

「これが<FS1>の使役モンスターの一般的な挙動だよ」

 透子さんがメモを取りながら言う。

「一応、命令実行はする。でも戦術の理解とかは無理。そして連携の概念とかも基本的に無い。敵モンスターに突っ込んで倒しにいくだけだな。敵を見つけると待てと静止しても突っ込んでいくのもよくあることだ」

 俺は思わずうなった。
(これが“普通”なのか……<FS2>になっているロア、<FS4>のラム/リンとは全く別物に見える。<FS1>から<FS2>に変わるだけでも全く違うとしか言いようがないな)

「レンの使役モンスターとは、全然違うだろう?」

 透子さんに問われ、俺もひよりも頷いた。
「確かに、全然違います。自分の使役モンスターが当たり前だと思っていたので、逆に新鮮です。何というか……本当にびっくりしました」

ひよりは続けた。
「だから私も、レンの使役モンスターを最初に見た時に驚いたの。エリナさんが騒いだ理由もやっと分かったでしょ」

「ああ、これはちょっとした衝撃だ。透子さんが涙を流して感動していたのも今なら理解できる」

「馬鹿、レン!それは秘密だ」

「主任、もしかして泣いていたんですか?」と近くの研究員からするどいツッコミが入った。

 透子さんは再び俺の腕をポカスカ叩くがもう遅いよ。それなら最初に口止めしておいてほしかった。

 その後は映像だけでは限界がある――ということで、次は実際に千代田ダンジョンに入って使役モンスターを見ることになった。

 そうして透子さんと一緒に俺とひよりは特例で千代田ダンジョンに入る段取りに。初めてのダンジョンに少しワクワクする。

 透子さんが改めて説明をする。
「ここは千代田ダンジョン。様々な研究が行われている。一階ではレンの報告でスタートした使役モンスターの研究もおこなわれている。その他の研究も見たいかもしれないが今回の視察は使役モンスターの研究、すなわち一階だけになる」

「レンとひより君はここで出会う<FS1>の使役モンスターを見て気が付いたことは何でも言って欲しい。それをヒントにして新しい研究を始めるかもしれない」

(自分たちの“当たり前”が、ここでは当たり前じゃない――その差を、ちゃんと目で見てこよう)

 千代田ダンジョンへ。
 透子さんの後を追うようにして俺とひよりは千代田ダンジョンに足を踏み入れた。
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