今日もダンジョンでレベルアップ!貧乏無課金でも金持ちを蹴散らし、ざまぁ復讐そしてハーレムを作る!?

まめたろう

文字の大きさ
90 / 157
9章「使役モンスターの更なる進化」

第89話「定期報告とFS2の推測」

しおりを挟む
#第89話「定期報告とFS2の推測」

 朝倉さんのオフィスへ。今日は定期報告の日だ。

 ――ドアを開けると、やっぱり高階エリナさんがいた。(この人、ほんとよくいるな……いや余計なことは考えてはいけないのだった)
 じろり。 即座に睨まれた。……やっぱり心、読めるのでは?エリナさんの前で余計なことを考えると殺されそうだ。

 今日はもう一人、研究課主任・榊原透子さんも同席していた。
 エリナさんがじっと俺を観察する。今度は何だろう。

「本当に短期間で変わるわね、あなた」

「え?」

「強くなってるってこと。稽古、続けてるんでしょ」

「はい……ただ実感は薄くて。でも三階層は余裕になってきました。動きがスムーズになってるのは分かります」

「やっぱり。どんどん伸びてる。私もうかうかしてられないわ」

「いや、さすがにエリナさんとはまだまだ差がありますよ。無茶言わないでください」

 雑談が落ち着いたところで、透子さんが端末を開いた。
「じゃあFS遷移の途中結果を共有するね。レンが提案してくれたアンケート集計が出た。<FS2>に遷移している使役モンスターが――すでにざっと10体。アンケート回答があったはおよそ2000件だから0.5%程度は遷移していることになる」

「「10体も!?」」
 朝倉さんもエリナさんも目を見開く。俺もさすがにこの結果には驚いた。

「一般的に<FS1>のままだとばかり……」

「意外だったよ。しかも、<FS2>の全個体が“命名済み”。さらに一定以上の“接触頻度”と主との“信頼”が確認できた。
 そして“急におとなしくなる”=<FS2>化と思われるタイミングはまちまちだった。宝箱から出して即でなくても、少しずつ関係を作って到達している例がいくつかあるようだ」

 胸が熱くなる。
(これはでかい。使役モンスターを“育てる”発想が常識になるかもしれない)

 透子さんは報告を続けた。
「ただし<FS3>はゼロ。現状で報告なし。使役モンスターをスロットから出すだけで嘲笑される風潮だからね。しかも出してもせいぜいで盾代わりが普通……それでは使役モンスターのレベルアップはまずあり得ないだろう。うちでは研究のために使役モンスターの何体かをレベルアップさせたが、そんなことをする人間は皆無だから当然の結果だ。あとレベルアップだけがFS3以降遷移の条件ではないかもしれないことも付け加えておく」

「それらを総合的に考えるとFS=FriendShip(フレンドシップ)と考えるのが有力な仮説ではないかと思う。使役モンスターということで主従の関係ではあるのは間違いないだろう。そこへ更に友情や仲間という概念を組み入れることで遷移するのかもしれない」

 頷く朝倉さんが、そこで表情を引き締めた。
「この結果は当面は非公開だ。混乱を招く。十分に再現性を固め、安全指針と運用ルールもセットで整えてから、段階的に広げる」

「……公開したら“名付ければ強くなる”みたいに誤解されそうだから仕方がないわね」

「そうだ。焦らない」

 俺はすぐに公開するものだと思っていたがそうでもないらしい。誤解されても特に問題がないのでは?ちゃんと仲間にならないと数字が変わらないだけの話と思う。 
 ただ、この辺りの判断は俺レベルでは何とも言えない。透子さんも特に異論はないようだ。まあ<FS3>以降の遷移についてはあやふやだし、その辺りの条件も詰めた後の方がいいのかもしれない。

 話題は次の契約へ移った。

「それと、レン、君にはさらに半年の契約延長をお願いしたい。月額は30万→50万に上げたいのだがいいかな?」

「本当ですか。ありがとうございます」

 俺はほくほく顔で喜んでいたのだけど横から妨害が入った。

「ちょっと待って!」透子さんが椅子から半分立つ。まさか俺にお金が入るのを妨害しようとするの???と思っていたら逆だった。


「そんな安い金額でレンにここまでの協力させてるの?これ全て新しい発見だよ。世の中が変わるレ・ベ・ルの話。それをさすがにおかしいよ!少なくとも桁が1つ違う。億のお金が動いてもおかしくないはず!」

 朝倉さんは苦笑いで両手を上げた。
「ハンター協会の公務員側が個別ハンターに大金を出すと財閥企業系から勘繰られる。段階的に上げるのが限界なんだ。今はこれが上限だ」

 俺としては、月50万でも十分ありがたいのだが。

(それだけで年換算600万、ダンジョン収入と合わせれば今年も年1000万超になる。弟と妹が私立でもいけそうだ。大学もありかもしれない)

 透子さんはなおもぷりぷりしていたが、俺の満足顔を見て小さくため息をついて断念したようだ。

「……分かった。でも、レン、足元見られないように気をつけて。世の中の大人は時々、平気で姑息なことするから。自分は働かず椅子に座っているだけで利益だけ総取りしようとする大人とかね」と朝倉さんの方をじっと見る。透子さんっておとなしいと思っていたけどこういう時は怖い……。

 (横で朝倉さんが困った笑顔になっている。そういう意識が朝倉さんにもあるのかもな。でもハンター協会が個人に大金を出すのは難しいのも事実だろう。ここは十分だと思っておこう)

 こうして今回の会議は情報てんこ盛りで終わった。透子さんはさすがに研究畑の人間と言わざる得ない、短期間で凄い調べてきた。本当に凄いと思う。

 そして使役モンスター=“外れ“が常識だった今の世界が、今後は“大当たり”に書き換わるかもしれない。
 そして、その常識が覆るまで、もしかしたらそれほど時間はかからないのかもしれない。世界に新たな強者が生まれるかも。

 そう思うと、胸がわくわくした。
 ――よし俺はもっと強く、そしてもっと賢くなろう。世の中の動きに負けるわけにはいかない。

---
 一応、これが現時点でのFS2遷移の推測というか答えになります。コメントでほぼ正解を言っていたエスパーさんも何人かおられましたね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...