今日もダンジョンでレベルアップ!貧乏無課金でも金持ちを蹴散らし、ざまぁ復讐そしてハーレムを作る!?

まめたろう

文字の大きさ
150 / 157
15章「大人の世界と自分の正義」

第148話「大人への警戒」

しおりを挟む
#第148話「大人への警戒」

 ルナが仲間に加わってからというもの、成長のスピードは驚くほどだった。
 ルフ、クー、ひより、ロア――どのメンバーも経験値がみるみるうちに溜まっていく。おもしろいぐらいだ。

 おそらくルフ、クー、ひより、ロアだけでも3階層のボア相手なら、もう敵ではない。そこで更にレベル4の俺たちが補佐に付くんだから経験値が貯まるのもあっという間だ。
 みんなの連携も上がり、戦いのテンポも早くなっていた。

「もうすぐ全員レベル4だな」
俺がそう言うと、ひよりがうなずく。

「うん。私もロアもルフもクーももう少し。計画より倍以上のスピードで進んでるから、朝倉さんもきっと驚くと思うよ」

「そうだな。今度の定期報告で朝倉さんに伝えよう。透子さんも喜ぶと思う」

 もうすぐ定期報告だ。
 そのときにみんなの成長を伝えたら、さぞかし喜ぶだろう。
 ……そう思っていたところで、ルナが少し難しい顔をした。

「なあレン、ひより。ひとつ聞いていいか?」
 
「ん? どうした?」

「ちょっと言いにくい話なんだがな、その……朝倉さんって人、信用していい相手なのか?」

 思いがけない質問だった。ひよりは少し眉をひそめながらも、「大丈夫だと思うよ」と答える。まあひよりにとっては直の上司だけに悪く言われるのは嫌だろう。

「朝倉さんは別に変な要求もしてこないし、ちゃんと筋の通った人だと思うけど?」とひよりは言う。

「そうだな。俺もそう思う。それどころか随分お世話になっているんだけど……何か気になることでも?」

 ルナは少しだけ目を細めて言った。

「いや、これは感覚の話なんだが――大人ってのは、自分の正義のためなら平気で裏切ることがある。朝倉さんにはそういう雰囲気を感じたんだ。もちろん朝倉さん個人は悪くないかもしれないがその“上”が何を考えているか分からないしな」

「上、か……」

「ああ。彼らは“国”とか“組織”とか、守る範囲が広い。そして政治家とも通じているだろう。そういった人間の要求は断りづらい。だから個人の都合なんて簡単に切り捨てられる。あの人は誠実そうに見えるけど、もし何かの事情があれば、レンを利用することだって切り捨てることだってあるかもしれない」

 ひよりは少し口をとがらせた。
「そんなに疑ってたら、誰も信じられなくなるわよ」

「それも分かってる。でも“完全な善人”なんて、そうそういないんだ。私もその時々で都合よく生きてる。立場が人を変えることもある。結局は“誰をどこまで信じるか”って話さ。そして朝倉さんは間違いなく組織の人間。組織最優先で動くだろう。これは仕方がないことさ。常に注意だけはした方がいい」

 なるほど……。
 ルナの言葉は重かった。彼女は道場でもかなり上の立場だろう。いろいろな大人に揉まれて育ってきているのだろう。そして修羅場をくぐってきたのかもしれない。
 更にソロで4階層を踏破しているということで有名人にもなっているから利用されたこともあるのかもしれない。その手の話に敏感になるのも理解できる。

 「でも、今のところ朝倉さんに怪しいところはないし、利用されてる感じもしないよ」

 「まあな。けど、今後もそうだとは限らない。もし“お偉いさんと会ってくれ”とか、“特別な案件に協力してほしい”なんて言われたら注意した方がいい。その手の話には裏があることが多い」

「うーん……でもお偉いさんに会うくらいなら別にいいんじゃない?」とひより。

「いや、そういう相手こそ厄介なんだ。朝倉さんは誠実でも、その先の誰かは違うかもしれない。今後、レンは更にレベルを上げていく。どうしても注目されるようになっていくだろう。だから今のうちに注意しておいた方がいい」

「なるほどね。気をつけるよ」

「朝倉さん本人はいい人でも、彼自身が誰かに利用されたらどうしようもないからな。そして組織から命令を受けたら彼も従わざるを得ないだろう」

 ルナは続けた。
「あと、個人的な印象だけど……エリナさんの方が信頼できる気がする」

「エリナさんか。確かに正義感が強そうだな」

「とはいえ、彼女も朝倉さん側の人間だ。絶対的に信じ切るのは危険だと思うがな」

「……それを言い出したら、誰も信じられなくなるな」

「まあ、そうなんだけどね」
 ルナは少し笑った。

「他に信頼できる人はいるのか?」

「ああ、クラン『暁の牙』の黒澤さんと田嶋さんだな。俺がレベル1のころから何かと気にかけてくれてる」

「ほう……そういう人がいるなら心強い。いざとなったら、その人たちに相談するのもいいだろう」

「そうだな。朝倉さんの動きが変だと思ったら、黒澤さんに相談してみるよ」

「うん。それがいい。――できれば、そのクランの人達にも一度会わせてくれ。私の目でも判断しておきたい」

 ルナの瞳は真剣だった。
 ――彼女の警戒心は、単なる猜疑ではないだろう。俺よりも早くすでに大人の世界に入り込んでいる。そこで得た知識や経験を俺に伝えてくれているのだと思う。

 信頼と警戒、その両方を持ち合わせているからこそ、彼女は今の地位にいるのだろう。
 俺もルナと同じように有名になって利用される可能性もあるのだろうか?そう思うとちょっと憂鬱にもなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...