リクゴウシュ

隍沸喰(隍沸かゆ)

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イルヴルヴ

12

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 大地が割れ、青年の叫び声の中に人々の叫び声と建物の叫び声が混ざる。傷を負い逃げ惑う人々がアシャと聖茄を押しのけて、そして破壊されていく。アシャと聖茄は青年と同じように立ち尽くしていた。
 空から風を裂く悲鳴が響いてきて、地響きが起こる。
空を覆い隠すユヤがビルに影を落としながら現れ、緑色に輝く光線が網状から扇状に滑り発射され町を大量の光と砂塵が包む。
 町は次々と破壊され、赤い煙と黒い煙が風に攫われていった。
 アシャ、聖茄、青年。
 彼ら以外の、その場にいた人々も建物も全て消滅した。
「やあ6号。私は3号。叫ぶ者だ。名前はクィネジュ・バラン、よろしく」
「……アシャだ」
「君に名前があったのか」
 3号は真っ黒な髪と、真っ黒な瞳に、白い実験服とアンバランスな服装をしていた。彼には黒が似合いそうだ。褐色の肌が特徴的な青年だった。
「噂には聞いていた。君は相当に美しいと。……でも」
 細い目から黒い瞳孔が覗く。
「隣の子は聖茄ちゃんかな。君より価値がありそうだ」
「この子は男の子だ」
「なるほど、聖茄くんだったか……」
 3号・クィネジュが聖茄に微笑みかけるので、アシャは聖茄を背に隠す。とたん、アシャの後ろから人影が現れ、彼らに声を掛ける。
「3号。貴様はひっこんでいる筈じゃなかったのか」
「……っ!!」
 アシャは弾かれるように振り返る。
まったく気配がなかった……。
「予定では俺が6号と子をつくる筈だった。だからわざわざ迎えに行けと命令が下った」
 白い肌と、黒い髪、青い瞳が特徴的な美青年だった。
 顔立ちはルイスと似ている気がする。ルイスより少し目の端が吊り上がっていて、強い瞳でアシャたちを見ている。
 アシャにはその顔の良さが分かる、少しだけ胸を高鳴らせて訳も分からず何となく焦る。
 アシャたちのすぐ傍を緑の光線が通り過ぎていく。
 アシャは聖茄と共に光線から逃がれようとしたが、それを3号ではない青年がアシャの肩を掴んで止める。
 光線はアシャたちの一歩先を通過して行った。
 アシャは青年を見上げる。
「俺たちが地上にいる間は、ユヤの攻撃もルートが決められている。俺たちはそれを記憶している。離れるな」
「2号!! 重要な情報を与えてはダメだ!!」
「……こいつは俺の子供を産むと決まっている。ユヤの攻撃で消し飛ばされたら困るだろ」
「困るね……。でも、確かに君は候補に挙げられていたが、私がダメと言うことはないだろう?」
「…………」
 悪魔のような瞳でクィネジュを睨み付ける2号。
 不服と言いたいのがよく分かる。
「共有する気はない」
「私だってしたくはないさ」
 アシャは自分の話を蚊帳の外で話されていることに無性に腹が立った。
「私は君たちと子供など作る気はない」
「…………」
「……………………」
 アシャの言葉が届かないのか、冷酷な表情を浮かべて、二人は睨み合う。

 ――――とたん、同時に地面を蹴り、互いの距離を縮めて。

 二人は唇を引き延ばし、口を大きく開ける。

「うおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアおおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアあああああぁぁぁぁぁおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアあああああぁぁぁぁぁおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアあああああぁぁぁぁぁおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアあああああぁぁぁぁぁおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアあああああぁぁぁぁぁおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああああおおおおおおおああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあああああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアあああああぁぁああアアアアアアアアアアアアアアアアああアアあああああッ!!」

⦅おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ――――…………⦆

 二つの声が重なり不協和音が生まれる。
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