165 / 184
第十章
たまごろーってなんだろー? 2
しおりを挟む
そして、読み耽ること3時間。
紹介された本をどうにか読破することができた。
読書スペースで本を重ねて読んでいる間中、ずっと館内の人たちのざわめきが聞こえていたが、どうも周囲の注目は本人ではなく背後に向けられていたため、もう気にしないことにした。
何事も慣れである。
そういや、こうして本を重ねて読むなんて、高校の受験以来な気がする――懐かしく思いつつ、集中して疲れた目元を揉み解した。
本の中で、それらしき頁が出てくるたび、スマホで写真に収めた。
それをまとめで見返しながら、考察してみる。
気になった内容としては、大まかに7つほど――
1。この世界には、卵もどきという生き物がいるらしい。これは擬態の一種で、卵と思って捕食しにくる他の生き物を獲物として捕食するとか。
2。創世記より存在するとされる、通称、世界の卵。これは世界が創造されたとき、既に次の世界が詰まった卵が用意されているという、もはや創世神話レベルの話だ。
3。神獣と呼ばれる霊格の高い獣は、卵の状態で永い刻を過ごすため、卵の中にありながら既に自我に目覚めている場合があり、独自の行動を取ることがあるらしい。信憑性は高く、目撃情報までたまにあるとか。
4。まだ特定の姿形を持たない精神体に近い精霊が、他の生命体を依代として憑依することもあるらしい。生命でありながらまだ未熟な幼体や、時には卵であることも。
5。竜族の王の卵。古代竜種と呼ばれる高位の竜の中には、次代を担う同族の仔を、下位竜の巣に卵を置いて守護させる生態があるらしい。
6。地底に住むという妖精の亜種である地人は、太古より神より遣わされたとされている卵を、神の卵――神代として崇め、崇拝の対象としているらしい。
7。真似物と呼ばれる獣がいて、幼体期は四足歩行の猫に似た獣だが、成体となった後、身近にあるものに変態し、そのまま生を終えるという不思議な生態を持ってるいるという。
「ま、こんなところかな」
まず、2はさすがにあり得ないとしても、1だけはご遠慮したい。
せめて4か7くらいなら妥当かな、差し障りもなさそうだし。
3は、条件としてはマッチしているが、たまごろーが神獣というのは無理がありそうな。
見つけた場所が場所だけに、竜つながりで5はあるかも。地底つながりで6もありか。
ただ、どちらにせよ、知らずとはいえ、とんでもないものを持ってきたことになるので、できるなら外れであってほしい。
いろいろ考えあぐねてから、今日知りえたことを注釈添えてスマホに入力した。
妖精の司書さんにお礼を述べてから、図書館を後にする。
道すがら、人々がぎょっとした顔をしているからには、しっかりとたまごろーは付いてきているらしい。
試しに振り向くが――やはり、なにも見つからないので諦めた。
「俺に見つかったらいけない決まりでもあるんだろうか……? 自分ルールでもあったり? もしかして、気づかれていると気づいていないとか……まさかね。照れてるわけでもないだろうし。相手は卵だし、考えるだけ無駄かもしれないけど」
すでに一般的な卵として扱うには、いささか無理がある気がする。
とにかく、今回調べた内容に当たりがあるのかはわからないが、心構えだけはしておきたい。
正体がなんであれ、たまごろーはたまごろーだし、できることなら今後も含めて友好な関係でいたいものだ。
そう思いながら、店への帰路に着いたのだが、それを知るのは意外に早いような予感もしていた。
紹介された本をどうにか読破することができた。
読書スペースで本を重ねて読んでいる間中、ずっと館内の人たちのざわめきが聞こえていたが、どうも周囲の注目は本人ではなく背後に向けられていたため、もう気にしないことにした。
何事も慣れである。
そういや、こうして本を重ねて読むなんて、高校の受験以来な気がする――懐かしく思いつつ、集中して疲れた目元を揉み解した。
本の中で、それらしき頁が出てくるたび、スマホで写真に収めた。
それをまとめで見返しながら、考察してみる。
気になった内容としては、大まかに7つほど――
1。この世界には、卵もどきという生き物がいるらしい。これは擬態の一種で、卵と思って捕食しにくる他の生き物を獲物として捕食するとか。
2。創世記より存在するとされる、通称、世界の卵。これは世界が創造されたとき、既に次の世界が詰まった卵が用意されているという、もはや創世神話レベルの話だ。
3。神獣と呼ばれる霊格の高い獣は、卵の状態で永い刻を過ごすため、卵の中にありながら既に自我に目覚めている場合があり、独自の行動を取ることがあるらしい。信憑性は高く、目撃情報までたまにあるとか。
4。まだ特定の姿形を持たない精神体に近い精霊が、他の生命体を依代として憑依することもあるらしい。生命でありながらまだ未熟な幼体や、時には卵であることも。
5。竜族の王の卵。古代竜種と呼ばれる高位の竜の中には、次代を担う同族の仔を、下位竜の巣に卵を置いて守護させる生態があるらしい。
6。地底に住むという妖精の亜種である地人は、太古より神より遣わされたとされている卵を、神の卵――神代として崇め、崇拝の対象としているらしい。
7。真似物と呼ばれる獣がいて、幼体期は四足歩行の猫に似た獣だが、成体となった後、身近にあるものに変態し、そのまま生を終えるという不思議な生態を持ってるいるという。
「ま、こんなところかな」
まず、2はさすがにあり得ないとしても、1だけはご遠慮したい。
せめて4か7くらいなら妥当かな、差し障りもなさそうだし。
3は、条件としてはマッチしているが、たまごろーが神獣というのは無理がありそうな。
見つけた場所が場所だけに、竜つながりで5はあるかも。地底つながりで6もありか。
ただ、どちらにせよ、知らずとはいえ、とんでもないものを持ってきたことになるので、できるなら外れであってほしい。
いろいろ考えあぐねてから、今日知りえたことを注釈添えてスマホに入力した。
妖精の司書さんにお礼を述べてから、図書館を後にする。
道すがら、人々がぎょっとした顔をしているからには、しっかりとたまごろーは付いてきているらしい。
試しに振り向くが――やはり、なにも見つからないので諦めた。
「俺に見つかったらいけない決まりでもあるんだろうか……? 自分ルールでもあったり? もしかして、気づかれていると気づいていないとか……まさかね。照れてるわけでもないだろうし。相手は卵だし、考えるだけ無駄かもしれないけど」
すでに一般的な卵として扱うには、いささか無理がある気がする。
とにかく、今回調べた内容に当たりがあるのかはわからないが、心構えだけはしておきたい。
正体がなんであれ、たまごろーはたまごろーだし、できることなら今後も含めて友好な関係でいたいものだ。
そう思いながら、店への帰路に着いたのだが、それを知るのは意外に早いような予感もしていた。
0
あなたにおすすめの小説
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる