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第十章
たまごろーってなんだろー? 2
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そして、読み耽ること3時間。
紹介された本をどうにか読破することができた。
読書スペースで本を重ねて読んでいる間中、ずっと館内の人たちのざわめきが聞こえていたが、どうも周囲の注目は本人ではなく背後に向けられていたため、もう気にしないことにした。
何事も慣れである。
そういや、こうして本を重ねて読むなんて、高校の受験以来な気がする――懐かしく思いつつ、集中して疲れた目元を揉み解した。
本の中で、それらしき頁が出てくるたび、スマホで写真に収めた。
それをまとめで見返しながら、考察してみる。
気になった内容としては、大まかに7つほど――
1。この世界には、卵もどきという生き物がいるらしい。これは擬態の一種で、卵と思って捕食しにくる他の生き物を獲物として捕食するとか。
2。創世記より存在するとされる、通称、世界の卵。これは世界が創造されたとき、既に次の世界が詰まった卵が用意されているという、もはや創世神話レベルの話だ。
3。神獣と呼ばれる霊格の高い獣は、卵の状態で永い刻を過ごすため、卵の中にありながら既に自我に目覚めている場合があり、独自の行動を取ることがあるらしい。信憑性は高く、目撃情報までたまにあるとか。
4。まだ特定の姿形を持たない精神体に近い精霊が、他の生命体を依代として憑依することもあるらしい。生命でありながらまだ未熟な幼体や、時には卵であることも。
5。竜族の王の卵。古代竜種と呼ばれる高位の竜の中には、次代を担う同族の仔を、下位竜の巣に卵を置いて守護させる生態があるらしい。
6。地底に住むという妖精の亜種である地人は、太古より神より遣わされたとされている卵を、神の卵――神代として崇め、崇拝の対象としているらしい。
7。真似物と呼ばれる獣がいて、幼体期は四足歩行の猫に似た獣だが、成体となった後、身近にあるものに変態し、そのまま生を終えるという不思議な生態を持ってるいるという。
「ま、こんなところかな」
まず、2はさすがにあり得ないとしても、1だけはご遠慮したい。
せめて4か7くらいなら妥当かな、差し障りもなさそうだし。
3は、条件としてはマッチしているが、たまごろーが神獣というのは無理がありそうな。
見つけた場所が場所だけに、竜つながりで5はあるかも。地底つながりで6もありか。
ただ、どちらにせよ、知らずとはいえ、とんでもないものを持ってきたことになるので、できるなら外れであってほしい。
いろいろ考えあぐねてから、今日知りえたことを注釈添えてスマホに入力した。
妖精の司書さんにお礼を述べてから、図書館を後にする。
道すがら、人々がぎょっとした顔をしているからには、しっかりとたまごろーは付いてきているらしい。
試しに振り向くが――やはり、なにも見つからないので諦めた。
「俺に見つかったらいけない決まりでもあるんだろうか……? 自分ルールでもあったり? もしかして、気づかれていると気づいていないとか……まさかね。照れてるわけでもないだろうし。相手は卵だし、考えるだけ無駄かもしれないけど」
すでに一般的な卵として扱うには、いささか無理がある気がする。
とにかく、今回調べた内容に当たりがあるのかはわからないが、心構えだけはしておきたい。
正体がなんであれ、たまごろーはたまごろーだし、できることなら今後も含めて友好な関係でいたいものだ。
そう思いながら、店への帰路に着いたのだが、それを知るのは意外に早いような予感もしていた。
紹介された本をどうにか読破することができた。
読書スペースで本を重ねて読んでいる間中、ずっと館内の人たちのざわめきが聞こえていたが、どうも周囲の注目は本人ではなく背後に向けられていたため、もう気にしないことにした。
何事も慣れである。
そういや、こうして本を重ねて読むなんて、高校の受験以来な気がする――懐かしく思いつつ、集中して疲れた目元を揉み解した。
本の中で、それらしき頁が出てくるたび、スマホで写真に収めた。
それをまとめで見返しながら、考察してみる。
気になった内容としては、大まかに7つほど――
1。この世界には、卵もどきという生き物がいるらしい。これは擬態の一種で、卵と思って捕食しにくる他の生き物を獲物として捕食するとか。
2。創世記より存在するとされる、通称、世界の卵。これは世界が創造されたとき、既に次の世界が詰まった卵が用意されているという、もはや創世神話レベルの話だ。
3。神獣と呼ばれる霊格の高い獣は、卵の状態で永い刻を過ごすため、卵の中にありながら既に自我に目覚めている場合があり、独自の行動を取ることがあるらしい。信憑性は高く、目撃情報までたまにあるとか。
4。まだ特定の姿形を持たない精神体に近い精霊が、他の生命体を依代として憑依することもあるらしい。生命でありながらまだ未熟な幼体や、時には卵であることも。
5。竜族の王の卵。古代竜種と呼ばれる高位の竜の中には、次代を担う同族の仔を、下位竜の巣に卵を置いて守護させる生態があるらしい。
6。地底に住むという妖精の亜種である地人は、太古より神より遣わされたとされている卵を、神の卵――神代として崇め、崇拝の対象としているらしい。
7。真似物と呼ばれる獣がいて、幼体期は四足歩行の猫に似た獣だが、成体となった後、身近にあるものに変態し、そのまま生を終えるという不思議な生態を持ってるいるという。
「ま、こんなところかな」
まず、2はさすがにあり得ないとしても、1だけはご遠慮したい。
せめて4か7くらいなら妥当かな、差し障りもなさそうだし。
3は、条件としてはマッチしているが、たまごろーが神獣というのは無理がありそうな。
見つけた場所が場所だけに、竜つながりで5はあるかも。地底つながりで6もありか。
ただ、どちらにせよ、知らずとはいえ、とんでもないものを持ってきたことになるので、できるなら外れであってほしい。
いろいろ考えあぐねてから、今日知りえたことを注釈添えてスマホに入力した。
妖精の司書さんにお礼を述べてから、図書館を後にする。
道すがら、人々がぎょっとした顔をしているからには、しっかりとたまごろーは付いてきているらしい。
試しに振り向くが――やはり、なにも見つからないので諦めた。
「俺に見つかったらいけない決まりでもあるんだろうか……? 自分ルールでもあったり? もしかして、気づかれていると気づいていないとか……まさかね。照れてるわけでもないだろうし。相手は卵だし、考えるだけ無駄かもしれないけど」
すでに一般的な卵として扱うには、いささか無理がある気がする。
とにかく、今回調べた内容に当たりがあるのかはわからないが、心構えだけはしておきたい。
正体がなんであれ、たまごろーはたまごろーだし、できることなら今後も含めて友好な関係でいたいものだ。
そう思いながら、店への帰路に着いたのだが、それを知るのは意外に早いような予感もしていた。
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