異世界で俺探しの旅

MAKO

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#6 ウシ 1

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俺はこの世界で目覚めてから、いろんな魔物を見てきたつもりでいた。

ゲームの様に最初は弱いモンスターから始まり主人公のレベルに合わせて相手の強さも変わってくる、そんなどこか、舐めきった考え方をしていたのかもしれない。

今、目の前にいる奴はそんな、生易しい考え方を一瞬にして変えた。


俺はさっきまでの楽しかった時間を思い出していた。


ーーーーーーーーーー

「ここか!」

「ここでクエストが受けれるんだね」

ロビーにはいかにもな連中が群がっていた

「クエスト受けたいんですけど!」

「はーい!三名ですか?」

「そうです」

「魔導師の方はパーティーにいますか?」
 
「いません!」

「そうですか、でしたらレベル1のクエストをおすすめします。」
魔導師は回復魔法も使えるから基本、パーティーに、一人はいるみたいだ。

「私たちの実力ならレベル3くらいはいけるぞ!」


レベル3がどのくらいなのか、わからないが
ルルがこんな自信満々なのだからいけるのだろう。

「よし!レベル3でいこう」

「おお、翔もヤル気満々だな!」

「そうね、レベル3で一気に稼ぎましょ!」


「本当に大丈夫ですか?」

........この時に受付の女の人の言う事を聞いておくんだった。

ーーーーーーーーー



俺たちは、レベル3のクエストで民家に住みついた魔物、キレザル討伐を受けた。

例の家に着き、俺が一番に入った



その家に入った瞬間にヤバさに気づいた。


ドアを開けて目に飛びこんできたのはキレザルの死体だった...

多分俺は初めてあんな、自分の叫び声をきいた。
ナイフ片手に部屋の階段を駆け上がり、ベッドに何かが寝ているのをみつけた。

牛の様なそいつの心臓あたりを、多分ナイフで刺した。

多分と言うのは次の瞬間、俺は外で空を見上げていたからだ。

「ガハッ(血?)」
一体何が起きたんだ。


「お前達は、俺の眠りを邪魔した。その
  命に代えて償ってもらう」



(リリカとルルはどこに行ったんだ?あいつが、あの牛の化け物が持っているのはなんだ?)

「うわーーーー!!」



化け物が持っていたのは足だった。
それがルルの足だというのは、ルルが付けていた脚力強化の機械でそうだとわかった。



俺は逃げた。


「楽にしてやろう」


「来るな!こないでくれ」


え!?何かに追い抜かれた?
何だあれ、下半身だけ....
ハハ、あれは俺の下半身だ
俺の上半身は?
そっか体が真っ二つに分かれたのか.....
何で逃げたんだろ、リリカ、ルル、ごめん。


..........


俺は死んだ




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