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第3章 蠢動
14:王 伝竜
恭司はホテルのティールームで「王」と待ち合わせていた。
この話を持ち込んできたのは手枷足枷の桔梗ママだった。
話を承諾したのは、桔梗ママの必死さに恭司が何かを感じて協力してやろうといういう気になったからだが、その気の中に、王という人物への興味や女装遊びへの未練があったのも確かだ。
恭司はいつものスキニーパンツ姿で、一方、王は仕立てのよいグレーのスーツを寸分の隙もなく着こなしていた。
「王伝竜」というのが彼の名前だった。
ワン・デンリュウ・・・おそらく名は日本読みで、本国の中国式の発音ではそうならないのだろうが、日本ではそれで通しているのだろう。
彼の名は耳では聞いていたが、文字で読むのはこれが初めてだった。
渡された名刺には『大阪華商会 代表』と記されていた。
『大阪華商会』とは何を業務にしているんだろう……、と恭司が名刺を眺めていると、「まあ表向きは金融コンサルタントと不動産売買かな。華僑って知ってる?君にはそっちの方が判りやすいかな」と、王がにっこりと笑顔を見せた。
王という男は到底、実直な実業家や謹直な銀行員風には見えない。
今日は上品なスーツを着ているが、その上品さが似合っていなかった。
どう見ても堅実な勤め人には見えない。
恭司に優しげな笑顔で話しかけてくるが、ひどく精悍な顔立ちだ。
年齢は50を越えているだろう。
だとすると、自分の父親と変わらないぐらいの年頃だ、と恭司は考えていた。
しばらくの間、王は当たりさわりのない話題に終始した。
王は実に流ちょうな日本語で話した。
どうしても出てくる筈の母国語のアクセントもない。
ワン・デンリュウという読ませ方も含めて、この男の持っている、日本で生きる為の覚悟のようなものを恭司は感じた。
ここら一帯には新しいビルができて、そこには有名ブランド店のテナントが入るとかいった話題だ。
大阪駅前の大規模な再開発には興味こそあるが、地元に近いこの周辺にさしたる関心のない恭司は、ただ相手に合わせるために懸命に相槌をうつだけだった。
そんな緊張感のなかで、恭司はふと、王と自分はまわりの人々にはどのように見えるのだろう?と思った。
上司と部下なのか、そんな事はあるまい。
何か一族の用事で待ち合わせた、叔父と甥……。
「それじゃ、食事に行こう」と王が言い、断る理由もないまま恭司は従った。
恭司は地下のパーキングでシルバーグレイのメルセデスの助手席に乗せられた。
車は少しの間走り、とあるビルの地下駐車場に入った。
エレベーターで地上に出ると、そこは高級飲食店の立ち並ぶ一角だとわかった。
恭司のような若者が客として来る界隈ではない。
そこは、恭司が入ったこともないようような料亭で、二人は奥のほうの個室に案内された。
落ち着いた和室には鍋料理の用意が整っている。
すると、これは予約されていたことになる。
「すみません、僕がこんなごちそうしてもらえるなんて……」と、恭司は困惑をあらわにした。
さすがに俺とは言えなかった。
「遠慮しなくてもいいさ。この前、私の目を楽しませてくれた御礼だと思ってくれたらいい。」
実を言えば、恭司は桔梗ママに頼まれるままに、女装姿を手枷足枷に訪れた王の前で披露している。
あのタコ焼きを届けた夜の日のすぐ後の事だった。
その後、桔梗ママと王の間にどんなやりとりがあったのか恭司は知らない。
王は恭司に酒をすすめた。
未成年だからと断る自分でもないし、そんな相手でもないことは判っていた。
「それで、君は本格的に女装しようとは思わないのかい?」
王は今日出会ってから、初めて彼にとっての核心といえる話題を持ち出してきた。
「はい。あれは遊びだし、今、僕の面倒見てくれてる人は、そういうの嫌がってるし、父親にはもちろん内緒ですから……」
「ほう……」
女装の遊びからは、暫く遠ざかるつもりでいた。
まほろば食堂で今やっている事が楽しいし、もしかしたら、自分が進むのは飲食の道なのかも知れないと恭司は自分に言い聞かせていた。
王は、ほう、そうかね?という眼差しを恭司に投げかけている。
「きみは女装するのを止めた、なるほど、世間からは後ろ指をさされかねない趣味から、きっぱりと絶縁してまっとうな人間になるわけだ。将来は結婚して子供をつくって、まともな社会人、家庭人になろうとしているわけだね。だが、もしそうなら、どうして、ここで私と会っているのかね?私と会って、私と食事しているのは何故だね?」
王の目はそう語っていた。
王に、自分では気付かない心の奥の、すべてを見透かされているように恭司は思った。
料亭を出ると、王は客待ちしているタクシーに恭司を乗せた。
食事をしただけで別れる、という雰囲気ではなくなっていた。
何か必然的な流れのようなものができていて、恭司は王とともにタクシーの後部座席に座った。
王が行き先を告げる。
恭司は身を固くしていた。
これはいつもやっていたような女装姿での悪戯めいた遊びとは違う。
恭司の胸の裡の緊張と動揺、心拍の増大は、後から思えば、彼の人生の重大なターニングポイントのちょうどその地点にいたからだとわかる。
けれども、そのとき、恭司はただ自分の心臓のバクバク感を堪えているだけだったのだ。
タクシーは少し走り、キャバクラや飲み屋などが密集する大衆繁華街のけばけばしいネオンに彩られた通りの手前で止まり、そこで恭司は王に促されて降りた。
王は勝手知ったるようすで歩き、それに付いていくだけの恭司は、これからどこに行くのだろう?と不安でいっぱいになっていた。
狭い路地に入り、右に左に曲がっていく。
ネオンが届かず薄暗く、ゴミのポリ容器が並んでいる。
小さな雑居ビルの階段をのぼって2階に上がると、そのドアには小さな銘板が貼られているだけだった。
『蠱惑』
妖しい響きの名前に、恭司はいよいよドキドキしてきた。
でもこの底に流れる雰囲気は「手枷足枷」に良く似ている。
中に入ると、「あーら、ワンさん、いらっしゃい」と華やいだ声がかかる。
その声は女を装っているが、明らかに男の声だった。
声とともに濃密な脂粉の香りが漂ってくる。
それは「手枷足枷」と同じ出迎えだった。
栗色の長い髪を優雅な巻き毛にした女性が王と恭司をこぼれる笑顔で迎えた。
丸顔で目と口が大きくてほお骨が出ている。
笑うと愛らしいのに、そうでないときはゴージャスな美しさを見せる顔だ。
もちろん、本物の女ではない。
ここの女将で、「婉(エン)」という名だと王が恭司に紹介する。
「まあ、ワンさんったら、そのコ、生け捕りにしてきたの?」と言って、婉は恭司のほうを眺め、「このコ、細身だし、美人になりそうねえ」と、婉は、ふふふ、と魅惑的に微笑むのだった。
その言い草は、桔梗ママに良く似ていた。
婉は胸元の深く刳りこんだドレスを身にまとっているので大きな乳房の山がほとんど見えている。
目鼻立ちが大きくまとまった美人顔に厚化粧、露出している肩や腕の肌は驚くほど白い。
もう30代ではなさそうだ。
そこを越えている、しかし、年齢を想像するのは難しい。
年齢不詳の年増の女装麗人といったところか。
ここはオカマというより、いわゆるニューハーフよりの店なのだろうか?
カウンターがあり、ボックス席が3つ、4つあり、美しく着飾った女装者たちが客の相手をしているのが見えた。
「このコは女になったとき、キョウという名前になるんだ。京都の京と書く、日本的な良い名前だね。」
そういう風に手枷足枷の桔梗ママが、王に恭司を紹介したのだ。
王はそれを踏襲している。
「あら、女装の経験があるのね」
婉に見つめられて、恭司は顔が赤らむのを感じた。
「ワンさんったら、こういうコを見つけてくるのが上手なんだから」
「婉、このコをきれいな娘に変身させてくれないか?」
「今?」
「そう。今、すぐに」
「ワンさんは昔からわがままなんだから」
婉は恭司に、「じゃ、キョウちゃん、って呼ぶわね、それでいいんでしょ?」と言った。
恭司は頷いた。
この話を持ち込んできたのは手枷足枷の桔梗ママだった。
話を承諾したのは、桔梗ママの必死さに恭司が何かを感じて協力してやろうといういう気になったからだが、その気の中に、王という人物への興味や女装遊びへの未練があったのも確かだ。
恭司はいつものスキニーパンツ姿で、一方、王は仕立てのよいグレーのスーツを寸分の隙もなく着こなしていた。
「王伝竜」というのが彼の名前だった。
ワン・デンリュウ・・・おそらく名は日本読みで、本国の中国式の発音ではそうならないのだろうが、日本ではそれで通しているのだろう。
彼の名は耳では聞いていたが、文字で読むのはこれが初めてだった。
渡された名刺には『大阪華商会 代表』と記されていた。
『大阪華商会』とは何を業務にしているんだろう……、と恭司が名刺を眺めていると、「まあ表向きは金融コンサルタントと不動産売買かな。華僑って知ってる?君にはそっちの方が判りやすいかな」と、王がにっこりと笑顔を見せた。
王という男は到底、実直な実業家や謹直な銀行員風には見えない。
今日は上品なスーツを着ているが、その上品さが似合っていなかった。
どう見ても堅実な勤め人には見えない。
恭司に優しげな笑顔で話しかけてくるが、ひどく精悍な顔立ちだ。
年齢は50を越えているだろう。
だとすると、自分の父親と変わらないぐらいの年頃だ、と恭司は考えていた。
しばらくの間、王は当たりさわりのない話題に終始した。
王は実に流ちょうな日本語で話した。
どうしても出てくる筈の母国語のアクセントもない。
ワン・デンリュウという読ませ方も含めて、この男の持っている、日本で生きる為の覚悟のようなものを恭司は感じた。
ここら一帯には新しいビルができて、そこには有名ブランド店のテナントが入るとかいった話題だ。
大阪駅前の大規模な再開発には興味こそあるが、地元に近いこの周辺にさしたる関心のない恭司は、ただ相手に合わせるために懸命に相槌をうつだけだった。
そんな緊張感のなかで、恭司はふと、王と自分はまわりの人々にはどのように見えるのだろう?と思った。
上司と部下なのか、そんな事はあるまい。
何か一族の用事で待ち合わせた、叔父と甥……。
「それじゃ、食事に行こう」と王が言い、断る理由もないまま恭司は従った。
恭司は地下のパーキングでシルバーグレイのメルセデスの助手席に乗せられた。
車は少しの間走り、とあるビルの地下駐車場に入った。
エレベーターで地上に出ると、そこは高級飲食店の立ち並ぶ一角だとわかった。
恭司のような若者が客として来る界隈ではない。
そこは、恭司が入ったこともないようような料亭で、二人は奥のほうの個室に案内された。
落ち着いた和室には鍋料理の用意が整っている。
すると、これは予約されていたことになる。
「すみません、僕がこんなごちそうしてもらえるなんて……」と、恭司は困惑をあらわにした。
さすがに俺とは言えなかった。
「遠慮しなくてもいいさ。この前、私の目を楽しませてくれた御礼だと思ってくれたらいい。」
実を言えば、恭司は桔梗ママに頼まれるままに、女装姿を手枷足枷に訪れた王の前で披露している。
あのタコ焼きを届けた夜の日のすぐ後の事だった。
その後、桔梗ママと王の間にどんなやりとりがあったのか恭司は知らない。
王は恭司に酒をすすめた。
未成年だからと断る自分でもないし、そんな相手でもないことは判っていた。
「それで、君は本格的に女装しようとは思わないのかい?」
王は今日出会ってから、初めて彼にとっての核心といえる話題を持ち出してきた。
「はい。あれは遊びだし、今、僕の面倒見てくれてる人は、そういうの嫌がってるし、父親にはもちろん内緒ですから……」
「ほう……」
女装の遊びからは、暫く遠ざかるつもりでいた。
まほろば食堂で今やっている事が楽しいし、もしかしたら、自分が進むのは飲食の道なのかも知れないと恭司は自分に言い聞かせていた。
王は、ほう、そうかね?という眼差しを恭司に投げかけている。
「きみは女装するのを止めた、なるほど、世間からは後ろ指をさされかねない趣味から、きっぱりと絶縁してまっとうな人間になるわけだ。将来は結婚して子供をつくって、まともな社会人、家庭人になろうとしているわけだね。だが、もしそうなら、どうして、ここで私と会っているのかね?私と会って、私と食事しているのは何故だね?」
王の目はそう語っていた。
王に、自分では気付かない心の奥の、すべてを見透かされているように恭司は思った。
料亭を出ると、王は客待ちしているタクシーに恭司を乗せた。
食事をしただけで別れる、という雰囲気ではなくなっていた。
何か必然的な流れのようなものができていて、恭司は王とともにタクシーの後部座席に座った。
王が行き先を告げる。
恭司は身を固くしていた。
これはいつもやっていたような女装姿での悪戯めいた遊びとは違う。
恭司の胸の裡の緊張と動揺、心拍の増大は、後から思えば、彼の人生の重大なターニングポイントのちょうどその地点にいたからだとわかる。
けれども、そのとき、恭司はただ自分の心臓のバクバク感を堪えているだけだったのだ。
タクシーは少し走り、キャバクラや飲み屋などが密集する大衆繁華街のけばけばしいネオンに彩られた通りの手前で止まり、そこで恭司は王に促されて降りた。
王は勝手知ったるようすで歩き、それに付いていくだけの恭司は、これからどこに行くのだろう?と不安でいっぱいになっていた。
狭い路地に入り、右に左に曲がっていく。
ネオンが届かず薄暗く、ゴミのポリ容器が並んでいる。
小さな雑居ビルの階段をのぼって2階に上がると、そのドアには小さな銘板が貼られているだけだった。
『蠱惑』
妖しい響きの名前に、恭司はいよいよドキドキしてきた。
でもこの底に流れる雰囲気は「手枷足枷」に良く似ている。
中に入ると、「あーら、ワンさん、いらっしゃい」と華やいだ声がかかる。
その声は女を装っているが、明らかに男の声だった。
声とともに濃密な脂粉の香りが漂ってくる。
それは「手枷足枷」と同じ出迎えだった。
栗色の長い髪を優雅な巻き毛にした女性が王と恭司をこぼれる笑顔で迎えた。
丸顔で目と口が大きくてほお骨が出ている。
笑うと愛らしいのに、そうでないときはゴージャスな美しさを見せる顔だ。
もちろん、本物の女ではない。
ここの女将で、「婉(エン)」という名だと王が恭司に紹介する。
「まあ、ワンさんったら、そのコ、生け捕りにしてきたの?」と言って、婉は恭司のほうを眺め、「このコ、細身だし、美人になりそうねえ」と、婉は、ふふふ、と魅惑的に微笑むのだった。
その言い草は、桔梗ママに良く似ていた。
婉は胸元の深く刳りこんだドレスを身にまとっているので大きな乳房の山がほとんど見えている。
目鼻立ちが大きくまとまった美人顔に厚化粧、露出している肩や腕の肌は驚くほど白い。
もう30代ではなさそうだ。
そこを越えている、しかし、年齢を想像するのは難しい。
年齢不詳の年増の女装麗人といったところか。
ここはオカマというより、いわゆるニューハーフよりの店なのだろうか?
カウンターがあり、ボックス席が3つ、4つあり、美しく着飾った女装者たちが客の相手をしているのが見えた。
「このコは女になったとき、キョウという名前になるんだ。京都の京と書く、日本的な良い名前だね。」
そういう風に手枷足枷の桔梗ママが、王に恭司を紹介したのだ。
王はそれを踏襲している。
「あら、女装の経験があるのね」
婉に見つめられて、恭司は顔が赤らむのを感じた。
「ワンさんったら、こういうコを見つけてくるのが上手なんだから」
「婉、このコをきれいな娘に変身させてくれないか?」
「今?」
「そう。今、すぐに」
「ワンさんは昔からわがままなんだから」
婉は恭司に、「じゃ、キョウちゃん、って呼ぶわね、それでいいんでしょ?」と言った。
恭司は頷いた。
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