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14 穴慣らし※

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 侯爵様は手の平を上にして、挿れた中指の腹でそこを弄った。

「ここが男の良い所だ。ここで感じれるようにならないと、私が君に挿れても君は楽しめない」
「僕の楽しみなんて、別にいいのに」
折角せっかく体を重ねるなら、相手にも気持ち良くなって貰いたいからね」

 ずっと中指の腹で前立腺を弄られていたけど、特に何も感じなかった。
それでも侯爵様は弄り続けていて、僕のそこを弄りながら自分で自慰をした。
射精すると満足したようで、僕の額にキスをして、終了になった。




 その次の日、また僕の穴を侯爵様は弄った。気持ち良いと言われる場所をただ指で弄る。でもやっぱり僕は何も感じなかった。
ただ、指を挿れられる度に、排出欲は凄くあった。挿れられるとすぐ出したくなる。
力を入れてるわけじゃないのに、押し出して叱られてしまった。

 変化があったのはその次の日だった。
いつものように中指の腹でそこを弄られていると、背筋がぞわぞわした。肩がぶるっと震えて、それでも中で指が蠢く。何かが僕の奥の方からじわっと溢れそうな感覚になった。

「侯爵様、何か、変です……っ!」
「……!! そのまま自分の感覚に逆らうな」

 僕は頷いて目を瞑った。ヘッドボードを背に、上半身を起こしたままM字開脚している自分、侯爵様は寝転がって僕のそこに指を挿れて弄っていた。

「ああ、ルイスの汁が溢れて来ている……」

 そう言ったかと思うと、ぱくりと僕の物を咥えてしゃぶりだした。

「あぅうっ!」

 思わず声が出た。それを見てくすりと笑う侯爵様。
穴の中は中指の腹で感じる部分をとんとんと刺激され、肉棒は侯爵様の口内に収まり、いやらしい水音をじゅぷじゅぷ立てている。左手では玉袋を優しくマッサージされて、気持ち良くて頭の中が朦朧としてきた。

 視線を感じて見ると、侯爵様がこちらをじっと見ている。その深紅の瞳は僕の心の中を見透かしてるようだった。
気持ち良くなってるの、ばれちゃってる……。

「射精する時は『イク』と言ってイクんだ、分かったな?」

 僕は頷いて侯爵様にされるがままになっていた。
侯爵様の口の中、ぬるぬるして、あったかくて気持ちいい。お尻の方もとんとん刺激されるたびに背筋がぞくぞくして堪らなかった。
精液が僕の中から湧いて溢れそうになってた。

「だめ、でちゃう! 侯爵様! イクっ、イキますっっ!!」

 はぁはぁ、呼吸が荒れて、侯爵様を見るとまだ僕の物を咥えていた。そして口の中にいれたまま、舌先で尿道の入り口をぐりぐりと責める。

「だめっ! もうイッたからっ! それ以上無理っ!! あああっ!!」

 侯爵様はにやりと笑って、僕に口の中を開けて見せた。どろっとした白濁の液が口の中を占めていた。そして満足気な顔でそれをごくりと飲み込んだ。
指をするりと抜くと、使っていた指サックをゴミ箱に捨てて、寝台を降りた。
チェストに行って、また何かを持って来た。

 それは細身の男性器の形をした物だった。侯爵様の指より少し太いくらいのと、それより少し大きめの物。長さはそんなにない。10センチも無いと思う。7センチ位か?

「これは張型と言ってな、男性器の形を模している。女の穴や男の穴に使われる、大人の玩具だ。今日からこれを使う」

 僕は頷いた。
僕に拒否権なんて無い。厭だと言えば愛人契約は即解約だ。
そんな事になったら生活出来ない。

 細い方の張型に潤滑ゼリーを塗り、どろどろに濡れたそれを僕の入り口に押し込んだ。さっきまで指が挿っていたせいか、僕の入り口はそれをするっと飲み込んだ。
中に入って行く所を自分の目で見ていて驚いた。

「軽く飲み込んだな。次のサイズにしよう」

 侯爵様が興奮したように微笑を浮かべた。折角挿れたそれを抜いて、もう少し大きな張型を僕に挿れた。それも割りとすんなりと僕の穴は飲み込んだ。

「ふふっ、こんなに拡がってる」

 僕の入り口を見て微笑む侯爵様。
さっきより大きい物を挿れられて、きつくて下っ腹が苦しい。出したくて出したくて堪らない。

「こんなの挿れてるの無理っ! お尻から出そう……、出ちゃう!」
「我慢して咥え込んでるんだ。絶対出すな。暫くそのままでいるんだ」

 まるで排便を我慢してる感覚だ。出したいのに出せない。
僕は涙目で侯爵様を見た。

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