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18 久しぶりの家
しおりを挟む終春節は終了し、僕は侯爵様の屋敷から自宅に帰った。
明日から6月、また学校が始まる。
久々に家に帰ると驚いた。セドリックの背が凄く伸びている。10センチ位伸びてるんじゃなかろうか?
「ただいま、セドリック」
「兄さん! お帰りなさい!」
ぎゅううっと抱きしめられて背骨が痛い。
「ちょ、セドリック、痛い」
「あっ、ごめん、つい」
「セドリック、凄く背が伸びたね。僕は何で伸びないんだろう……。セドリックが羨ましいよ」
「兄さんは小さい方が可愛いよ」
「え? それ気にしてるのに言うかなぁ~?」
「ご、ごめんなさい」
「冗談だよ」
僕はセドリックの頭をくしゃくしゃっと撫でた。
「兄さん! 僕寂しかった!」
またぎゅっと抱きついてくる。
「身体はでかくなっても、セドリックはまだ子供だなぁ……。ご飯は食べたのかい?」
「まだ」
「じゃ、何か作るよ」
僕が卵焼きを焼いていてもセドリックがくっついて離れない。
「セドリック、料理中はくっついたら危ないよ? ちゃんと離れて? あとで好きなだけくっついていいからさ」
「ん、わかった」
セドリックは大人しく食卓テーブルの席に着いた。
夕食はパンと卵焼きと野菜のスープを食べた。
「やっぱり兄さんの作った料理が一番美味しい!」
「あ、そういえば側使いの人が来てたんだよね? どんな人だった? 意地悪されなかった?」
「優しい人だったよ、家の中も凄く綺麗になってるでしょ? その人があちこち拭き掃除してくれたんだ」
「そっか、優しい人で良かった」
「兄さんは? 仕事どうだったの?」
仕事と言っても男の人に抱かれてお金を貰うだけだ。何の苦労もしてない。
……いや、よく考えたら侯爵様のあんな大きなブツを突っ込むために穴をめちゃめちゃ慣らした。あれは努力だ。僕は頑張った。
しかも、ちゃんと終春節の間に侯爵様のブツを自分の中に挿れるという目標も達成したし! 僕、頑張った。
「仕事の内容は言えないんだけど、目標は達成出来たよ。僕は頑張ったと思う」
「そっか。お仕事お疲れ様でした」
食事を終えるとセドリックが一緒にお風呂に入ろうと言い出して来た。でも、僕はお屋敷でお風呂を済ませて来たし、セドリックが大きくなりすぎて、あの身体じゃ二人で盥になんて入れない。
「僕はお屋敷でお風呂に入ってきちゃったから、セドリック一人で入っちゃいな。僕は先に寝てるよ」
「え? どうしてお屋敷のお風呂に兄さんが……?」
「あ、えっと、あちこち掃除して汗を掻いたんで、執事さんに匂いが気になるから入りなさいって言われたんだ」
「そっかー」
ごめん、セドリック。弟に嘘を付いて、ちょっと罪悪感が湧いた。
僕が布団の中でうとうとしてると、風呂から上がったセドリックが寝台に上がった。
いつもセドリックが壁際だから、わざわざ僕の後ろにまで回って壁際に行った。
横にごろんと寝転がると僕に抱きついてきた。
「兄さん……」
「……んん? ……どうした? 甘えたくなったのかい?」
「うん、僕、甘えたくなった。さっき、兄さんがあとで好きなだけくっついて良いって言ってたし、いいよね?」
「いいけど、あまり力入れないでね? セドリックは力持ちだから……僕の骨が折れちゃいそうだよ」
「うん、気をつける。……兄さん?」
「ん?」
「大好き!」
セドリックが後ろから抱き付いて、僕の顔を自分に向けた。そしてそのまま唇を重ね合わせて来た。セドリックがたまにしてくる遊びのキスだ。
セドリックは小さな頃からこんな風に僕にキスしてきた。
でも、今日はいつもと違って舌が入って来た。入ってきた舌は僕の舌に絡めつけられ、情熱的に吸い上げられる。
「んんっ!?」
さんざん口の中をべろで掻き回すと、満足したのかセドリックは唇を離した。
「セドリック? こういうことに興味がある年頃なのは分かるんだけど、兄ちゃんで試しちゃだめだよ?」
「……怒った?」
「こんな事くらいで怒らないよ。ちょっとびっくりしただけ」
「ホントに怒ってない?」
「うん」
「兄さん大好きっ!」
またセドリックはぎゅっと僕に抱きついた。気のせいか胸の辺りをさわさわと手で触られた気がしたけど、気のせいだよね。
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