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21 何だか弟がおかしい
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家に帰ると何故か弟が僕に至れり尽くせりだった。
料理もいつもなら僕が作るのに、セドリックが作ってくれて、美味しかった。
「料理が出来ると思ってなかった」
「この前来てた側仕えさんに教えて貰ったんだ。僕が料理出来たら兄さんも少し楽でしょ?」
「セドリックも体だけじゃなく、ちゃんと成長してるんだね」
「そうだよ、だからもう子供扱いしないでね?」
「僕からみたらまだ子供だよ?」
「兄さんより僕の方が大きいのに?」
「むううう、それ言うかぁ? 気にしてるのにさぁ」
「ごめんごめん、怒っちゃやだよ?」
「怒ってない。拗ねただけ」
頬を膨らますと、セドリックが俯いて口を押さえていた。
『兄さん……可愛すぎ……』
小声で何か呟いたけど、僕には聞こえなかった。
料理をセドリックに作って貰ったから皿洗いは僕がやった。洗ってる最中にまた『兄さ~ん』と甘えた声を出して後ろから抱き付いてくる。弟との身長差はもう15センチくらいの差になっていた。僕がそのまま天井を向くように顔を上げるとセドリックが僕の顔を覗きこんだ。凄い近い。
「本当に、でかくなっちゃったよね。顔もちょっと縦に伸びたね? 幼い感じが抜けてる」
「大きい僕は嫌い?」
「嫌いじゃないけど、制服買いなおさないとね、普段着もだ」
「ごめん、お金掛かるよね」
「大丈夫だよ、お金ならまだあるから。心配すんな」
僕が笑うとセドリックはまた唇を重ねてきた。この前注意したせいか舌は入ってきていない。
「兄さん、大好きだよ!」
「兄ちゃん子も大概にしとかないと、彼女出来なくなっちゃうよ?」
「僕は兄さんさえいれば、それでいいもん。彼女なんて出来なくてもいいもん」
そのでかい図体で『~もん』なんて言葉使ってるから、何だか笑えてしまう。
「洗い物も終わったみたいだし、お風呂に一緒に入ろうよ!」
「二人で? セドリックの体がそれだけ大きくなっちゃうと、二人であの盥に入るのはきついよ?」
「じゃあ、今度もうちょっと大き目の盥を買いに行こう?」
「一人で入るって選択肢は無いわけ?」
「僕はお兄ちゃん子だからね!」
「あ~そういう、話をずらす時だけ可愛い弟ぶって……まったくもう」
「呆れても兄さんは一緒に入ってくれるよね? いつも優しいもん。僕に甘い」
「はいはい、分かったよ、入るよ」
いつもの如く各自自分で体を洗ったあと、背中は洗いっこした。先に僕がセドリックを洗ってやった。弟が僕の背中を洗う時、背中を見て言った。
「兄さん、背中擦れててちょっと血が出てるよ!?」
「あ~押し倒された時、結構な衝撃だったから、その時に擦っちゃったか? どうりで沁みると思った」
『ヒール!』
「別に回復魔法掛けるほど痛くないよ?」
「兄さんは肌が白いから目立つんだよ。とても痛そうだったし、放っておいたら跡が残っちゃうでしょ?」
「傷跡は男の勲章だよ?」
「そんな勲章はゴミ箱行きでいいんです!」
セドリックは僕の背中を手で丁寧に洗った。水桶で背中を流したあと、今度は僕が盥に注いだ水を『ファイア』の魔法で焼く。水の表面をちょっと焼いたらぬるま湯になった。
丸い形をした盥に先に弟が入って座り、弟の前に僕が座る。相変わらず腰までしか水がこない。湯船に浸かってる気分には全くなれない。
僕は侯爵様のところでたまにお風呂に入れるけど、セドリックはもう暫くちゃんとした湯船に浸かってない。
ちゃんとしたお風呂に入らせてやりたいな……。
「どうしたの? 兄さん、何か考え事してる?」
「ああ、ちゃんとした湯船が欲しいなって思ってさ」
「兄さん、お風呂好きだもんね」
「僕の為じゃなくて、お前が暫くお風呂に入ってないのが気になったんだよ」
「お金が無いもん、仕方ないよ」
「湯船っていくらするんだろう……? 高いのかな?」
「お風呂があったら、兄さん嬉しい?」
「そりゃ、こんな小さい盥に図体のでかいお前と入るよりは、広い湯船でゆったり二人で入る方がいいだろ?」
「お風呂が大きくなっても二人で入ってくれるんだ!?」
「え? 厭なら止めるけど、セドリックの事だから、一緒に入ろうって言うかと思ってた」
「言う! 絶対言う!」
気のせいか、僕のお尻の割れ目辺りに何か硬い物が当たっていた。
料理もいつもなら僕が作るのに、セドリックが作ってくれて、美味しかった。
「料理が出来ると思ってなかった」
「この前来てた側仕えさんに教えて貰ったんだ。僕が料理出来たら兄さんも少し楽でしょ?」
「セドリックも体だけじゃなく、ちゃんと成長してるんだね」
「そうだよ、だからもう子供扱いしないでね?」
「僕からみたらまだ子供だよ?」
「兄さんより僕の方が大きいのに?」
「むううう、それ言うかぁ? 気にしてるのにさぁ」
「ごめんごめん、怒っちゃやだよ?」
「怒ってない。拗ねただけ」
頬を膨らますと、セドリックが俯いて口を押さえていた。
『兄さん……可愛すぎ……』
小声で何か呟いたけど、僕には聞こえなかった。
料理をセドリックに作って貰ったから皿洗いは僕がやった。洗ってる最中にまた『兄さ~ん』と甘えた声を出して後ろから抱き付いてくる。弟との身長差はもう15センチくらいの差になっていた。僕がそのまま天井を向くように顔を上げるとセドリックが僕の顔を覗きこんだ。凄い近い。
「本当に、でかくなっちゃったよね。顔もちょっと縦に伸びたね? 幼い感じが抜けてる」
「大きい僕は嫌い?」
「嫌いじゃないけど、制服買いなおさないとね、普段着もだ」
「ごめん、お金掛かるよね」
「大丈夫だよ、お金ならまだあるから。心配すんな」
僕が笑うとセドリックはまた唇を重ねてきた。この前注意したせいか舌は入ってきていない。
「兄さん、大好きだよ!」
「兄ちゃん子も大概にしとかないと、彼女出来なくなっちゃうよ?」
「僕は兄さんさえいれば、それでいいもん。彼女なんて出来なくてもいいもん」
そのでかい図体で『~もん』なんて言葉使ってるから、何だか笑えてしまう。
「洗い物も終わったみたいだし、お風呂に一緒に入ろうよ!」
「二人で? セドリックの体がそれだけ大きくなっちゃうと、二人であの盥に入るのはきついよ?」
「じゃあ、今度もうちょっと大き目の盥を買いに行こう?」
「一人で入るって選択肢は無いわけ?」
「僕はお兄ちゃん子だからね!」
「あ~そういう、話をずらす時だけ可愛い弟ぶって……まったくもう」
「呆れても兄さんは一緒に入ってくれるよね? いつも優しいもん。僕に甘い」
「はいはい、分かったよ、入るよ」
いつもの如く各自自分で体を洗ったあと、背中は洗いっこした。先に僕がセドリックを洗ってやった。弟が僕の背中を洗う時、背中を見て言った。
「兄さん、背中擦れててちょっと血が出てるよ!?」
「あ~押し倒された時、結構な衝撃だったから、その時に擦っちゃったか? どうりで沁みると思った」
『ヒール!』
「別に回復魔法掛けるほど痛くないよ?」
「兄さんは肌が白いから目立つんだよ。とても痛そうだったし、放っておいたら跡が残っちゃうでしょ?」
「傷跡は男の勲章だよ?」
「そんな勲章はゴミ箱行きでいいんです!」
セドリックは僕の背中を手で丁寧に洗った。水桶で背中を流したあと、今度は僕が盥に注いだ水を『ファイア』の魔法で焼く。水の表面をちょっと焼いたらぬるま湯になった。
丸い形をした盥に先に弟が入って座り、弟の前に僕が座る。相変わらず腰までしか水がこない。湯船に浸かってる気分には全くなれない。
僕は侯爵様のところでたまにお風呂に入れるけど、セドリックはもう暫くちゃんとした湯船に浸かってない。
ちゃんとしたお風呂に入らせてやりたいな……。
「どうしたの? 兄さん、何か考え事してる?」
「ああ、ちゃんとした湯船が欲しいなって思ってさ」
「兄さん、お風呂好きだもんね」
「僕の為じゃなくて、お前が暫くお風呂に入ってないのが気になったんだよ」
「お金が無いもん、仕方ないよ」
「湯船っていくらするんだろう……? 高いのかな?」
「お風呂があったら、兄さん嬉しい?」
「そりゃ、こんな小さい盥に図体のでかいお前と入るよりは、広い湯船でゆったり二人で入る方がいいだろ?」
「お風呂が大きくなっても二人で入ってくれるんだ!?」
「え? 厭なら止めるけど、セドリックの事だから、一緒に入ろうって言うかと思ってた」
「言う! 絶対言う!」
気のせいか、僕のお尻の割れ目辺りに何か硬い物が当たっていた。
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