魔術師長様はご機嫌ななめ

鷹月 檻

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第三章

25閑話 紳士同盟 シエラ視点

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 わたくしはシエラ=リッツ、8歳です。
アルフォード公爵様の領地のお城【グレーロック城】に来て、もう2週間と少しになります。お姉さま方がいらっしゃらないので、毎日のんびりしています。それに、ここには毎日目が覚めるとコモン様がいらっしゃるのです! なんて素敵な事でしょう!

 でも、楽しい事ばかりではありません、わたくしは今メルヴィンと光の誓約の間というお茶会室で二人でお茶をしています。
本来であれば使用人とお茶会など致しません。ですがメルヴィンはわたくしを小さい頃から育ててくれた……母親の様な存在の方です。
性教育のお勉強をお茶を飲みながらすることに致しました。これはわたくしが決定した事です。メルヴィンは真面目人間ですので、シエラ様とお茶をするなど畏れ多いと言って嫌がりました。城の管理をしているエドアルドにこのお茶会室を二人で使いたいと言うと、何も知らずにそれを見た人がメルヴィンの事を、わたくしの愛人だと勘違いするかも知れないのでお茶会室に鍵を掛けることを勧められ、わたくしは鍵を掛けました。
わたくしはコモン様の婚約者ですから、執事が愛人などという噂は困るのです。

「で、今回の質問は何ですか?」

 メルヴィンはにっこり私に聞きます。

「メルヴィンは嘘付きですね。殿方は硬くなったら出すって言いましたでしょ? コモン様は出さないのですが? ……もしかしてわたくしに魅力が無いのでしょうか?」

 メルヴィンは飲んでいたお茶を噴出しました。

「……え~と、シエラ様? そんなにざっくり言われても私は状況を把握しかねます。その出さない前後の状態を説明して頂けますか?」

 わたくしは頷いてコモン様の事を話し出しました。一緒にお風呂に入るようになった事、コモン様の大きく硬くなった物をわたくしのお股に挟んで寝た事、でも胸しかさわらずわたくしのお股を触らないこと、コモン様のあれにも触らせてくれない事などを話しました。

「こんな状態ですから、わたくしまだコモン様に射精もして貰えてませんの」

 頬に手を当ててはぁ……とため息をしたらメルヴィンが少し怒ったようにわたくしに言いました。

「シエラ様は股を触られたり、射精をして貰いたいという事なのでしょうか?」
「えっ!? ……」

 わたくしは思わず黙ってしまいました。自分を振り返ってみたのです。
そして分かってしまいました。わたくしはコモン様にもっといやらしく淫らな事をして欲しいと思っていたのです。なんて下品な女なのでしょう……わたくしは。

「なんて下品なのでしょうね? わたくしは……」

 わたくしはお茶を飲みました。心を落ち着けるためにです。

「下品では……ないですよ。誰しも人を想えばその様になりたいと思う物です」

 メルヴィンの少し苛立つような雰囲気が幾分柔らかくなりました。

「で、どうするのです? コモン様におっしゃるのですか? 【射精してください】と?」

 その言葉は聞いているだけで恥ずかしくなります。

「その言葉は直接的過ぎますわ。アリア様にご相談したら、やはり本人と話し合う場を設けたほうが良いとおっしゃられました。お話をすると言っても、言うにも迷う内容ですが……」
「アリア様は他に何とおっしゃったのですか?」
「え~と……【あなたの液を出させて下さい】とか【あなたを気持ちよくさせたいの】とか【わたくしに掛けて】とか言うと良いのでは? と言われましたわ?」

 メルヴィンがまたお茶を噴出ふきだしました。お行儀が悪いですこと。

「まさか、その様に言うおつもりですか?」
「いえ、そのように言うつもりは……それがどうかして?」

 メルヴィンは何故か不安そうな顔をしていました。

「いえ……」
「わたくしはいつになったらここを触って貰えるようになるのかしら? やはり魅力に欠けるのかしら……」

 わたくしがドレスの上からそこを押さえるとメルヴィンが怒ったように口を開きました。

「そんなに触って頂きたいのですか? そこを」

 メルヴィンが何故かわたくしを睨みます。お下品な発言をしたからでしょうか?

「だ……誰にでもと言うわけではありませんよ?」
「シエラ様は自分で自分をお慰めになった事は……?」

 そう聞かれてわたくしは顔が熱くなりました。実は有るのです……。
一人で弄って何回も気持ち良くなってしまいました。
それを覚えたのはつい最近です。エリザベス様とアリア様と私でお茶会をしたあと……。わたくしは極みに興味を持ってしまいました。

 そして、一番下のお姉さまが【ここを弄れば極みへの扉が開くわ】とおっしゃったのです。わたくしはその誘惑に負けて自分で弄ってしまいました。
メルヴィンは確かめるようにわたくしの顔を見ます。
わたくしはメルヴィンが育ててくれた様な物です。蝶よ花よと大事にされ汚い大人の世界からも隔離され彼は大事に大事にわたくしを育ててくれました。
なのに……わたくしはメルヴィンを裏切ってこんな爛れた手遊びを覚えてしまったのです。

「……ある……のですね?……」

 メルヴィンの顔が一気に失望の顔色に変りました。

「あの下品な姉達か!? 私のシエラ様を穢すような事を教えて!! 私が今までどれだけ貴方を綺麗に……綺麗に大事に育てて来たかっ!! それをあいつらはっ……!!」

 メルヴィンは拳を握りテーブルをダン! と叩きました。

「ごめんなさい!! ごめんなさい……メルヴィン…わたくし……気持ち良くって……つい…ごめんなさい! 悪い事だと知らなかったの!」
「気持ち良いだと!? シエラ様……あなたは私を煽っているのかっ?」

 煽っている? わたくしは意味が分かりませんでした。
すると、メルヴィンはわたくしの腕を引っ張り椅子から立たせてそのまま床に押し倒しました。腕で支えられていたのでどこも痛くは無いですがメルヴィンに伸し掛かられて、わたくしはとても驚いています。

「シエラ様、貴方は私の気持ちなど、これっぽっちも分かってません。……コモン様は今シエラ様を【預かり子】にしようと書類を整えています。この城から屋敷へ帰る頃には……もう書類が整っているかも知れません」

 わたくしはそれを聞いて驚きました。コモン様からそんな話は全然聞いていません。

「貴方がエルサレム伯爵家に行ってしまったら……私は一緒に付いて行くことなど出来ないのです……! ……貴方はお嫁に行く様なものですからね……」

 メルヴィンは寂しく笑いました。

「シエラ様、貴方無しで生きて行くなど、私には出来ません!! ……貴方を……愛しています」

 メルヴィンはそう言うとわたくしにキスをしました。コモン様の優しいキスとは違う、荒々しいキス。口の中一杯にその舌を入れられ息が苦しくて心臓がどきどきします。そう、これは苦しいからどきどきしてるだけで、メルヴィンのせいなんかじゃありません、絶対違います。
メルヴィンはわたくしにキスをした後、わたくしをぎゅっと抱きしめてから一人、バルコニーへ行きました。わたくしは飛び起きてメルヴィンを追います。
でも一足遅かったのです。

「貴方を忘れない」

 そう言ってメルヴィンはバルコニーから城の周りにある堀に飛び込みました。
その堀は湖の様に広くて、泳げないメルヴィンでは危険なのはすぐ分かりました。
わたくしは急いで部屋の鍵を開け扉を開けると何故かそこに閨番でこの城に付いてきた側仕えのベティがいます。

「どうされました? シエラ様」
「メルヴィンが………バルコニーから落ちてしまったの!! 誰か人を呼んで! メルヴィンは泳げないの!!」
「食堂に行きましょう。エドアルドがいます。彼なら何とかしてくれるでしょう」

 私とベティは急いで食堂へ行きました。
そこにはエドアルドだけでなくコモン様もいてお茶を飲んでいました。

「どうした? 何を慌ててるんだい? シエラ」
「コモン様、メルヴィンが! ……メルヴィンが堀に落ちちゃって……!!」
「何ですって?」

 エドアルドがそう言って驚いています。
普通にしていれば落ちる場所ではないからです。

「メルヴィンは泳げないの……助けて! ……お願い! 何でもするから、メルヴィンを助けて!!」

 私がそう言うとコモン様は頷いて走り出しました。そして中庭で召喚獣の青い竜を出すとその場でホバーリング。

「どっちだ!?」

 大きな声で聞かれてわたくしは東の方を指差しました。
コモン様は東の方角を睨み、そのまま竜で飛び立ちました。
中庭の芝生にへたりと座り込んだわたくしにベティが声を掛けて来ました。

「今はコモン様を信じて待つしかございません」

 わたくしは頷きました。




 暫くしてコモン様の青い竜が戻ってきて中庭に着地しました。
いつもはわたくしが乗る鞍にメルヴィンが横たわっています。コモン様はメルヴィンを中庭の芝生に寝かせました。コモン様は体が細身なのにメルヴィンを軽く抱き上げて芝生に降ろしたので驚いてしまいました。肉体強化の魔法をいつも掛けたままにしているとおっしゃったのでまた驚いてしまいました。
メルヴィンは意識がないようでしたがベティが頬をぺちぺちと打つと目覚めた様です。我に返って言った一言にわたくしは悲しくなりました。

「私は死ぬ事が出来なかったのか……」

 それを聞いたコモン様はメルヴィンを右の拳で目一杯殴りつけました。

「お前は何を考えている!? 死にたいのなら一人でこっそりと死ね! シエラの前で死ぬな!」

 私は驚きました。普段はよくふざけてばかりのコモン様が真面目に怒っているのです。

「どうしてだ、メルヴィン。お前がシエラを置いて一人で先に死ぬなど……そんな事考える奴じゃないだろ?」
「私は……もう執事としてはいられません!! 主に対して酷い裏切り行為をしてしまったのです」

 メルヴィンが言っているのは、さっきわたくしにしたキスの事だと分かりました。
その場を冷静にするかの様にベティが咳払いをしました。

「コモン様、ここでは両伯爵家の恥が晒されてしまいます。お部屋で話し合いをお願い致します」

 辺りを見るとハンス様とユリウス様がこちらを遠目で見ていました。
わたくし達は西の棟の薔薇の間に戻りました。部屋に入るとベティがお茶の用意を始めました。応接セットの長椅子に私とコモン様が座り、個人椅子にはメルヴィンが座っています。ベティはお茶を入れたあとそのまま立っています。

「で、何故死のうとした?」

 コモン様は鋭い目つきでメルヴィンを睨みます。その目を見て観念したのかメルヴィンはコモン様に話し始めました。

「シエラ様と一緒にいられないのなら生きていても意味がないのです」

 その言葉を聞いてコモン様はきょとんとしました。

「何で一緒にいられないんだ?」
「そ、それは……コモン様が預かり子制度でシエラ様を引き取る予定でいらっしゃいますよね? 私はリッツ伯爵家の執事です。シエラ様に付いて行きたくても行けません」
「ではリッツ伯爵家の執事は辞めるといい」
「えっ?」

 わたくしが疑問に思って発した言葉にコモン様は説明を始めました。

「今、俺には陞爵しょうしゃくの話が来ている。侯爵にと」
「「ええっ!!」」

 わたくしとメルヴィンが一緒に驚きました。

「魔道具研究が認められたんだ。ガブリエル王に。それでタウンハウスを買ったからシエラと一緒に住みたいと思って、預かり子制度の申請をした。多分婚約もしているし城から屋敷に戻る頃には申請許可が下りていると思う」

 そこでコモン様はメルヴィンを見ました。

「その新しいタウンハウスの屋敷にはメルヴィン、お前にも来て貰うつもりでいた。シエラにとってお前は無くてはならない存在だということは知っているからな」

 メルヴィンは信じられないという顔でコモン様を見つめます。

「でも、……私はシエラ様の事を……」
「分かってる。お前はシエラが好きなんだろう?」

 メルヴィンはまだ信じられないという顔をしています。そして落ち着こうとしてお茶を飲み始めました。

「そこまで、私の気持ちを知っていて、何故シエラ様のお側にいさせるのですか? 私は今日……シエラ様に口付けしてしまいました。普通ならクビです! それでもまだ私を雇う気ですか!?」

 わたくしは不思議でした。メルヴィンはわたくしに口付けをしたと言ったのです。なのにコモン様は怒るでもなく微笑みを浮かべていました。

「俺がさ、シエラの下に触らなかったのは……まぁ、シエラが大事だってのもあるんだけど、それよりも大きい原因はお前なんだ。メルヴィン」
「「ええ?」」

 わたくしとメルヴィン二人で意味がわかりません。ベティは突っ立ったまま何の話を聞いても顔色一つ変えるでもなくその場に佇んでいます。

「コモン様? それはどういう意味なのでしょうか? もしかして……メルヴィンの事を好きに?」
「シエラ、勘弁して。俺は超女好きだから。そうじゃなくてさ? リッツ伯爵家の他の娘達を見れば育て方が良かったってすぐ分かるだろう?」

 メルヴィンは黙ってコモン様の言葉に耳を傾けていました。

「メルヴィンがこれまで心血注いで蝶よ花よと育てた女の子を俺が奪うんだぜ? そりゃ悪いなって思うだろ。ましてや、メルヴィンはシエラの事が好きだし。途中から出て来た俺がさぁ、メルヴィンの好みに育てた理想の女をさ? なんだか凄く悪い気がしてさ……。そりゃシエラは好きだし、手を出したいとは思ってたけど、お前の事がちらついてダメだった」

 わたくしはそのようにコモン様が考えていると知らず驚きました。そして、コモン様はわたくしやメルヴィンが思いも寄らなかった事を言い出しました。

「メルヴィン、お前、シエラの愛人になれ」
「「はぁっ!?」」

 わたくしとメルヴィンが同時に声を上げました。

「シエラは気付いてないかも知れないけど、シエラもメルヴィンの事が好きだと思うぞ? さっき何でもするからメルヴィンの事を助けてくれと言ったじゃないか」
「シエラ様、そんな事を……?」

 メルヴィンが私を振り向き驚いた顔をしています。
わたくしはコモン様の言葉に動揺しました。開いてはいけない扉を開きかけた気がしたからです。

「あの時は一生懸命でつい……でもそれは母親のような感覚でいるからで……」
「シエラ、誤魔化すな。メルヴィンはどう見ても男だよ。君はメルヴィンの事を好きだと自覚したくなくて逃げてるだけだ」
「そ、そんな事ないです……」
「それに、さっき俺に言っただろ? 何でも言う事を聞くって」

 コモン様がわたくしを睨みました。

「そ、そんなぁ……」
「じゃあ、メルヴィンが堀の匂いが酷いから皆で風呂にでも入ろうか。西の棟の風呂でいいね? 近いし。ベティも行くか?」
「私は結構です」
「じゃ用意だけしてくれ三人で行く」
「承知しました」

 コモン様はそう言うと静かにお茶を飲み始めてしまいました。メルヴィンは戸惑っているし、それはわたくしも同じです。
ベティがそれぞれに着替えを渡し、わたくし達は西の棟のお風呂に行きました。
立て札についている鍵を取り、脱衣所に入ってからコモン様は鍵を掛けました。
そしてその鍵を自分の着替えの籠へ。
さっさと洋服を脱ぎ素っ裸になってわたくしとメルヴィンを待っています。でも、わたくし達二人はもじもじと着替えられないでいます。

「どうした? 二人共早く服を脱げ」
「こ、ここで脱いでしまったらシエラ様に私の肌を晒すことになります!」
「ん~シエラは大丈夫だろ? 俺の物を毎日見てるし、それにお前の物も見せたことがあるんだろう?」

 その言葉を聞いてメルヴィンがぎろりとわたくしを睨みました。

「シエラ様、私との秘密を言ったのですか!?」
「わ、わたくし言ってません!」
「あ。引っ掛けただけなんだけど、君達やっぱり、そういう仲だったんだ?」
「違います! 誤解ですコモン様! わたくしはコモン様の事が……!」

 コモン様はわたくしの頭を撫でました。

「大丈夫、俺は怒ってないよ? こんなに可愛いシエラだもんな。そりゃ見せたくもなるだろう? なっ、メルヴィン?」
「違います、前見せたのは性教育の一環です。授業でただ見せただけに過ぎない」

 コモン様は私を捕まえてドレスの後ろボタンを外していきました。
ドレスが乾いた音を立てて脱衣所の床に落ちました。私はコルセットとシュミーズと紐ショーツ姿になりました。この姿をメルヴィンはまだ見た事がありません。

「なっ……!」
「ほら、見ていろメルヴィン、お前の見たかったシエラの裸だ」

 コモン様はコルセットの紐を緩めて外し、シューミズを脱がせ紐ショーツを解きました。わたくしは二人の前で生まれたままの姿になっています。心もとないので手で上と下を隠したのですが、ちゃんとメルヴィンに見せろと言われて両手を掴まれてしまいました。

「シエラが脱いでお前に見せたんだから、お前も脱げ。いつまでもうじうじ男らしくないぞ?」

 コモン様はそう言ってメルヴィンを煽りました。
メルヴィンは思い切って脱ぐことにしたようです。執事服のネクタイを外しました。そして上着を脱ぎ、ベスト、シャツ、ズボンを脱ぐと下着になりました。
それ以上に脱ぐのは葛藤があるようで始終わたくしをちらちらと見ます。わたくしが見るから脱ぎにくいのでしょうか? わたくしは目を瞑りました。

「メルヴィン、お前、毛は剃ったほうがいいぞ?」

 コモン様がそう言ったので、ついわたくしは目を開けてしまいました。メルヴィンの青い毛の生えたあれが見えます。

「そう言えば、コモン様は剃られていますが?」

 メルヴィンが不思議そうに聞きました。

「衛生のためにここは剃ったほうがいい。身分の高い者がここを剃るのは常識だ。上流貴族の者は皆剃っている。お前もこれから侯爵邸の執事になるんだからきちんと剃れよ?」
「……はい」
「今日は俺がシエラと手伝ってやるよ。確か棚に剃刀が置いてあったはずだ」

 コモン様は棚の袋からT字型の剃刀を2本出し、1本をわたくしに渡しました。
そして3人で浴室へ。
メルヴィンは浴室のマットに寝かせられ、両脇にわたくしとコモン様が座りました。

「取り敢えず石鹸で泡を付けないと剃る時滑りが悪いからな」

 コモン様は石鹸を取って泡立ててメルヴィンの股間を泡だらけにしました。そして左側に座り、ゆっくりと丁寧に剃り始めます。わたくしもメルヴィンの右側に座り、右側を剃ります。気のせいでしょうか? メルヴィンの右手がわたくしの股間に当たります。

「うん、俺は綺麗に出来た! シエラはどうだ?」

 そう言ってわたくしの手元を見ますがあまり進んでいません。メルヴィンの手がわたくしの股間に当たって気になってしまって………。

「メルヴィン、そこを触るのは剃り終ってからにしてやれ。さっさと終わらせよう。お楽しみはこれからだぞ?」
「さ、触ったわけではございません! 当たっていただけです! …… 申し訳ございません!」

 メルヴィンはわたくしとコモン様に謝りましたが、コモン様は全然気にする様子も無くて、自分の体を先に洗っていました。わたくしはメルヴィンの毛を剃ろうと頑張っていますが竿が邪魔します。仕方が無いのでそれが倒れ込んで来ないように手で押さえながら剃っていると段々とそれは硬くなって来ました。
完全に立ったので倒れる事もないし、わたくしはその物から手を離しました。
そしてやっと剃り終ったと思ったらコモン様は一人で湯船に浸かっています。

「君達二人はお互い洗いっこでもしてから湯船に浸かるといい。少しは仲良くなれるんじゃないか?」

 コモン様はまるで人事のように湯船の中からそう言いました。わたくしがメルヴィンと洗いっこ? コモン様とは良くやりますが……。

「メルヴィン、貴方がわたくしにそうするのは抵抗が有りそうですから、わたくしがあなたを洗いますわ? バスチェアに座りなさい」
「……でも、シエラ様……」
「いずれは主人になる方の命令よ? 聞けないの? それとも…貴方はわたくしに付いてこないつもりなの? …別にいいのよ、貴方なんか付いてこなくても!!」

 わたくしは何故か苛立ちました。もう、言う事を聞くしかないと言うのにまだ抵抗するメルヴィンが憎たらしく思えたのです。わたくしの事を好きなら良いじゃない。
何故抵抗するんですの? わたくしはどうやらコモン様に感化された様でした。
わたくしはメルヴィンを泡の付けた手で洗いました。もちろん股間の一物もきちんと綺麗に洗いました。あとはお湯を流して終了です。わたくしが湯桶で湯を汲みに行くとコモン様がわたくしの顔を見て言いました。

「吹っ切れたようだね」

 わたくしは頷きました。お湯を汲んでメルヴィンにかけて泡を流しました。
すると、コモン様が湯船から上がりました。

「じゃあ、シエラは俺とメルヴィン、二人で洗おう」

 わたくしはコモン様がおっしゃるようにマットの上に立ちました。
表をメルヴィンが、裏側をコモン様が洗ってくれます。メルヴィンは観念したようできちんとわたくしを洗ってくれました。わたくしの股間は後ろからコモン様がにゅっと手を突っ込んで洗いました。

「メルヴィン、お前も洗っていいんだぞ? 触りたかったんだろ?」
「でも、私は……」
「ホントにお前は真面目だな」

 コモン様が呆れたように言いました。わたくしはコモン様に泡を流され、湯船に浸かりました。そしてメルヴィンも湯船に浸かります。コモン様もまた湯船に入って来ました。そして私を抱き上げて、湯船の中で膝に乗せました。メルヴィンはそれをじっと見ています。コモン様は湯の中でメルヴィンの方に向かってわたくしの足を開かせ、わたくしの大事な所を見せ付けました。
メルヴィンの物が湯船の中でも大きくそそり立ったのがわかりました。わたくしがコモン様を見上げるとコモン様は小声でわたくしに囁きました。

「三人で閨事をするよ。いいね?」

 わたくしは頷きました。




 わたくし達は薔薇の間へ戻りました。部屋のカーテンが全て閉められ、薄暗くなった部屋でベティが待っていました。ベティは肘掛けも布で出来ている一人用の布製のイージーチェアに深く座り、寝台を後ろ背にしています。閨番の準備でしょう。
コモン様は部屋着を脱ぐと裸になりました。用意された着替えの中には下着が入って無かったのです。わたくしも続いて部屋着を脱いで裸になりました。
コモン様は寝台に上がり、わたくしに手を伸ばしました。
わたくしはコモン様に抱きしめられました。胡坐を掻いたその脚の上に座らされ両脚をメルヴィンに向かって広げさせられました。

「シエラが来いと言ったらメルヴィンは来るよ。君の許可が必要なんだ」

 コモン様は小さな声でわたくしにそう囁きました。
そして、コモン様は初めてわたくしの蕾に触れられたのです。メルヴィンは寝台の外、正面でそれを見ています。わたくしの大事な所を弄られる姿をメルヴィンは食い入る様に見つめています。貫頭衣タイプの部屋着の股間部分がもっこりと盛り上がっているのがわたくしにも分かりました。

「ほら、メルヴィンを呼んでごらん」

 コモン様がわたくしに優しく囁きます。
わたくしは目の前であそこをそそり立たせているメルヴィンに優しく言いました。

「メルヴィン、こちらへ……いらっしゃい。そして、わたくしに触れて……」

 メルヴィンは心を決めたようで、部屋着を脱ぎ寝台に上がって来ました。

「…ほ……本当に私が触れても良いのでしょうか……?」

 戸惑うように確かめられるその顔はわたくしではなくコモン様に向けられていました。

「ああ、許す。俺だけじゃなく、シエラも許している。何の問題もない」

 コモン様は約束するようにメルヴィンに頷きました。

「……これは夢ではないのですか……?」
「大丈夫、夢ではないわ」

 わたくしがそう言うとメルヴィンは両手で私の頬を包みキスをしました。メルヴィンの大きな舌が、うねる様に入り込んで来て私の全てを吸い尽くす勢いでした。

「それではシエラが息できないな」

 コモン様はそうおっしゃりながら、わたくしの小さな蕾を人差し指と親指で摘み弄びます。わたくしはキスとその刺激で秘所が潤って来たのを感じました。
メルヴィンは舌の感触に満足したのか、わたくしの乳房を両手で揉み拉き乳首に吸い付いて来ました。コモン様はわたくしの背筋を舌で下から上にすうっとなぞります。ぞわぞわとする感覚がわたくしの中でありました。とろりと秘所から雫が垂れたのが自分でも分かり、恥ずかしくなりました。

「良い感じで濡れて来た。メルヴィン、シエラの両腕を持ってくれ」

 メルヴィンがわたくしの両腕を持ちます。

「そっちに引っ張って引っくり返してくれ」

 コモン様もわたくしの両脚を持ち、わたくしは二人に引っくり返され、寝台の足側に頭を向け、仰向けに寝ている状態です。そしてコモン様は私の両脚を引っ張り上げ足を折ったまま開かせました。M字開脚状態です。
わたくしの股の間にコモン様の美しい顔が押し込まれその舌がわたくしの秘所や蕾を舐め回します。

「はっ、あっ、んん」

 メルヴィンはわたくしの乳房を執拗に弄り乳首を吸います。上も下も気持ち良くされてわたくしは頭の中がぼうっとして来ました。

「んんっ」
「シエラは感じてる様だけど、お前が教えたのか? メルヴィン」
「まさか! 私が教えるはずがありません。あの姉達に色々教わって、自分で弄る事を覚えてしまったのです。シエラ様は」
「なんだと? ではシエラはもう、閨事は気持ち良いという事を知っているのか」
「そうなりますね」
「俺が教えたかったんだけどなぁ」
「コモン様、それは私も同じ気持ちです」

 コモン様とメルヴィンが仲良くお話をされています。わたくしが一人で弄って喜びを得ていた事もコモン様にばれてしまいました。

「シエラにはちょっとお仕置きが必要だな。自分でするより俺やメルヴィンとした方が気持ち良いことを分かって貰おうか」

 コモン様がいたずらっぽく言います。
コモン様に反して、メルヴィンはちょっと反応が怖かったように思います。

「では私はあんな馬鹿姉達の言う事を聞いて手遊びを覚えてしまったシエラ様に罰を与えましょうか」

 そう言ってメルヴィンは私の口に自分の物を突っ込んで来ました。

「手で扱きながら、歯を立てないで優しく舐めて下さいね」

 わたくしはメルヴィンのそれを優しく舐めて手で扱きました。それを見ていたコモン様が興奮してわたくしの股に一物を挟んで腰を動かします。蕾が皮を剥かれて弄られたまま、そうするのでコモン様の物にわたくしの蕾が擦れて痺れたような感覚が蕾から広がって行きます。

「んんっ!」

 メルヴィンの肉棒が口に入っているので声が言葉になりません。

「ああ、シエラ、喜んでくれているんだね! 俺も気持ちが良いよ! 嬉しい!」

 コモン様の腰の動きが激しくなって、わたくしの蕾がより一層擦られてじんじんしていきます。
ああ、もうだめ! 気持ち良いぃ…一人でするよりずっといい!

「ぁあああああ゛!!」
「あああ、シエラ様! シエラ様! あなたを愛しています!イクっうううう!!」
「俺も、俺も愛してる!! シエラ!! イクよっ!!」

 ああ、わたくしも………いっちゃう!お股がじゅんじゅんして気持ちいぃ!!

「いぐぁあああ!!」

 メルヴィンの肉棒を激しく擦っていると、口の中で暴れて苦い液をわたくしの口の中に射精しました。わたくしはそれを飲み込みました。喉一杯まで肉棒を突っ込まれていたのです。飲むしかありませんでした。
コモン様はわたくしのお腹の上に射精してその白濁の液を散らばせました。
わたくしがぐったりしているとコモン様はアクアウォッシュを掛けました。魔法であんなにべとべとだったわたくしの体が一瞬にして綺麗になったのです。
そしてこう言いました。

「まだ終わりじゃないよ? シエラ」

 え?

「メルヴィンがまだ君の蕾を味わってないじゃないか」

 そういうとコモン様がメルヴィンと場所を変りました。

「では、次は私がシエラ様のここにお仕置きをしましょう」
「じゃあ、俺はこちらで罰を与えようか?」

 コモン様はにこっと笑ってさっきのメルヴィンの様に私の口の中に肉棒を挿入して来ました。先程わたくしのお腹に精を出されたばかりで、ちょっと柔らかかったそれはわたくしの口の中に入ると途端に元気になり始め、亀頭からは少ししょっぱい先走り汁が出ています。
コモン様の味。メルヴィンより苦くはありませんでした。

「シエラ、メルヴィンが弄る蕾にばかり集中が行き過ぎだ。君の婚約者は俺だよ?俺の事も大事にして欲しいなぁ、舌先を使って亀頭を舐めたり吸ってみたりするんだよ」

 わたくしは言われた通りに舌先でぺろぺろとキャンディを舐めるように舐め、口一杯にちゃぷちゃぷと吸い込みました。

「シエラは意外と口が大きいな。びっくりだ。上手いよ。陰茎は扱いたままで、たまに玉も優しく揉んでくれ」

 わたくしはコモン様の玉を優しくもみもみしました。

「ああ、上手だ。気持ち良いよ、シエラ」

 下半身に強い刺激を感じてわたくしはメルヴィンを見ました。
最初は指で蕾を弄っていたメルヴィンでしたが、口で味わいたくなったみたいでわたくしの秘所を舌で舐め回していました。蕾の皮も捲られ直接刺激されます。蕾がちゅうちゅうと吸われてびくんと体が震えました。

「シエラ、俺が疎かになってるよ? 婚約者より執事を優先させるなんて、本当にシエラは悪い子だね」

 そう言われてしまってわたくしは戸惑いました。
わたくしが一番大切に、大事に思っているのはコモン様です。
わたくしはコモン様の肉棒を口一杯に含み扱き上げました。

「んっ、ふぅ、シエラは俺の事を大切に……思ってくれてるんだね……?」

 ええ、あなたは一番大切な人です。わたくしの王子様。
わたくしはコモン様に口の中に射精して貰おうと刺激を与え続けています。

「私は……私はあなたにとってどんな存在なのでしょうか……?」

 メルヴィンが硬く尖らせた舌で蕾を刺激します。自分でするのとは全く違う刺激。
コモン様とは違ってそれはたどたどしく不器用ですが…とても愛情を感じます。
どんな存在? あなたはわたくしに無くてはならない存在。何があっても当たり前にそこにいる。それじゃ、だめなのかしら?
わたくしはメルヴィンの頭をわたくしの股間に押さえつけました。抵抗すれば撥ね退けられてしまう程度の力です。
メルヴィンは頭を押さえつけられる事によって答えを導き出したのでしょう。
私を達しさせようと蕾を強く強く吸い上げ、自分の物を右手で激しく擦っています。

「ああ、シエラ、射精すよ? 君の中に!」

 その言葉を合図にメルヴィンは激しく自分の一物を擦り上げわたくしの蕾は激しく動く舌に翻弄され大きな波がわたくしにズンと打ち付けてきます。
ああ、また、また甘い痺れがわたくしの全身を包みイッてしまいそうでした。
もうだめ、我慢できない!

「んぁぁあああ!!」
「ああ、シエラ!! うっ!」
「シエラ様! 私はあなたの物です! イクっ! イクっぅううう!!」

 メルヴィンが叫ぶと同時にわたくしの口の中にはコモン様の精液が注がれ、わたくしはそれをごくりと飲み干し口を開けて何もない事をコモン様に見せました。

「うん、良く出来たね。シエラは良い子だ」

 コモン様はわたくしの頭を優しく撫でました。わたくしのお腹をみると散らばった白濁の液がわたくしの首元まで飛んでいました。メルヴィンはすぐさまアクアウォッシュをし、わたくしを綺麗にしました。
わたくしを間に挟んで三人で横になるとコモン様とメルヴィンが話を始めました。

「俺とメルヴィンで同盟を組まないか?」
「同盟?」
「ああ、シエラに関する紳士同盟だ」
「紳士同盟?」
「まずひとつめ、シエラの蜜花は成人するまで奪わない」
「……それは当然です」
「ふたつめ、シエラが嫌がる事は絶対しない」
「……それも当然ですね」
「みっつめ、俺達以外の男は絶対だめだ。俺はメルヴィンだから……シエラをここまできちんと育てたお前だから許した。他の男はだめだ」
「……それも当然です。私もあなた以外の男に心も体も許すシエラ様など見たくもありません」
「じゃあ、紳士同盟は決定だな?」
「ええ、そして私の忠誠もコモン様、あなたとシエラ様に……捧げます」
「そうか、ありがとうメルヴィン」
「いいえ! むしろお礼を言いたいのは私です……夢のようでした」

 二人は固い握手を交わして話を終わらせました。
二人の手がわたくしのお股を弄ります。コモン様がベティに声を掛けました。

「ベティ、夕食の時間になったら起こしてくれ。少し眠る」
「承知しました」

 わたくしは二人に股を弄られたのでお返しに二人の柔らかくなった一物を握りました。右手にコモン様のを、左手にはメルヴィンのを。そして眠りにつきました。




 夕食の時間だとベティに起こされ、二人はささっと手際良く着替えたのですが、わたくしはベティに手伝って貰っても着替えがまだ終わりません。

「先にお二人で行っていて下さる? 着替えたらすぐにベティと向かいますから」
「ああ、じゃあ待ってるよ」

 コモン様はメルヴィンと一緒に薔薇の間を出て行きました。
ベティは私のコルセットをぎゅうぎゅうに締め付けています。わたくしは壁に手をついてきつく締め上げるそれを我慢していました。

「ねぇ、ベティは何も言わないのね? この事をお母様やお父様に報告するの?」

 わたくしがそう言うとベティは目を見開きました。

「私事なので、言う必要もないかと思っておりましたが言いますね。私はリッツ伯爵邸での仕事を辞めました。あそことはもう何の関係もありません。一応報告しろと言われているので、当たり障りのない事を報告しますけどね」
「え?」
「閨番の書類をまとめる時にコモン様にスカウトされたのですよ。新しい侯爵邸の使用人がいないから、侍従長で来ないかと。地位もお給料も上がりますから。断るわけがございません。リッツ伯爵様には申し訳なかったですが」
「そうでしたの……」

 わたくしは、ベティはリッツ伯爵家の使用人だとずっと思って接していました。

「シエラ様が言いたいのは三人で閨事をして、こんな不健全な事をして常識では考えられない事を親に言われたくないという心持だと思いますが?」
「……ええ、出来れば誰にも知られたくないと思います」
「わたくしは閨番ですよ? この仕事はお給料も良いですが命も掛かってます。他に漏らせば魔法契約なので有無を言わせず即死ですよ。言うわけがございません」

 わたくしは頷きました。それは説明で聞いたことがございます。

「私が思うに、あのお二人はどちらもシエラ様が大好きですよ。そしてシエラ様はあのお二人が大事でしょ?」
「……ええ」
「愛し合うのは一対一なんて誰が決めたのです? いいじゃないですか二対一でも。
愛なんて色々な形が有って当然です。人間は一人じゃなくて大勢いるんですから。色々有って良いんですよ」

 わたくしはコルセットを閉められながらその言葉に目から鱗が落ちた感覚を受けました。思わず振り向いてベティを見てしまいました。
ベティは邪気なくニッと笑っていました。
わたくしは自分のしている事は間違っていないと言われた様で嬉しく感じました。

「ありがとう、ベティ」

 コルセットを閉めて、ウエストを細く絞り薔薇色のプリンセスドレスを着ました。
胸元にはコモン様から頂いたアクアマリンのペンダントが輝いています。

「素敵です。あの二人に見せ付けると良いですよ。貴方様の美しさを」

 ベティがわたくしの手を取り、食堂へ導きました。西の棟の薔薇の間から、食堂は中庭沿いのベランダ廊下を通って階段を降りたらすぐです。
わたくしは先程二人に愛された事を思い出しました。そしてやはり二人共大事な存在である事を実感し、二人を受け入れる覚悟を決めました。
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