魔術師長様はご機嫌ななめ

鷹月 檻

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第三章

28ティオキア舞踊の夜 前編

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 今日の私は朝とっとと起きてレイジェス様に手紙を書いている。

「えっと、朝食を食べに行って、それから大広間に行きます。と、これでよし!」

 私が居なくなるとレイジェス様がしょんぼりするからね。
私は手紙を応接セットのテーブルに置いて朝食を取りに食堂へ行った。
と、言っても朝はあんまり食欲がないので、トウミを2切れ紅茶に入れてもらって終了だ。
食堂へ行くとまだ誰も来てなかった。

「おはようございます、エドアルド」
「おはようございます、姫様」
「いつものトウミ紅茶をお願いね」
「承知しました」

 エドアルドが厨房に行って、今度はセバスが出て来た。

「おはようございます、姫様」
「おはよう、セバス。最近はセバスと話す機会が減って寂しいですわ? いつも裏方でお仕事をしてるんですもの」
「まぁ、終春節なので人手が足りませんから仕方がないです。もうあと一週間もすればお屋敷に戻る事になりますし、グレーロック城での生活を楽しんで下さい」

 セバスはそう言うと軽く微笑んだ。赤い瞳が細くなる。

「そう言えば、タウンハウスに来る前はセバスも此処で働いていたんですよね?」
「ええ、この南の領地の城の家令をやっていました。でも、今もですよ? 家令兼、タウンハウスの執事です」
「忙しくないですか? それって……」
「忙しいのでエドアルドと相談していたのです」

 エドアルドは北の領地の城で家令をやっている。こちらには終春節のお手伝いで来ただけのはずだった。

「え、もしかしてエドアルドが南の領地の家令になるの?」
「いえいえ、違います。彼も、無表情で顔には出にくいですが、忙しいと言っておりましてね。で、後進を育てようという話になりまして、北の方は元神殿長の領地でしたからエドアルドはやる気が無かったようですが、旦那様が領主になってからやる気が出たようで、育てていたメイドとフットマンを譲ってくれるという話になったのですよ」

 私は北の領地に行った時の事を思い出した。
確かに皆さんプロに徹していて、私やレイジェス様の事もそ知らぬ風にしてくれた。あれはエドアルドの教育だったんだ~と感心した。

「確かに、北の領地へ行った時、使用人達が素晴らしかったですわ」
「なんでも、領地途中のカントリーハウスのお屋敷の従業員は、全員辞めさせたそうですけどね」
「ああ、あそこの人達はちょっと酷くて、レイジェス様が怒ってしまわれたのですよ」
「ええ、エドアルドに聞きました。こちらに来る前に募集を掛けたそうで、北の領地のお屋敷は6月から新たに改革して行くと言ってますね」
「おお、凄いですね、エドアルドは」
「タウンハウスのお屋敷も助かりますよ、本当に、旦那様が使用人を殆ど辞めさせてしまって雑用係が少なくなっていましたからね」
「申し訳ありません、わたくしのせいで……」
「決して姫様のせいじゃありませんよ? 誤解なさらないで下さい」

 セバスは真剣な顔で私を見た。
私は何故かセバスの顔を直視出来ずに目を逸らした。
そうしていると、エドアルドが朝食用の紅茶を持って来た。

「では、姫様、私はもう失礼いたしますね」
「えっ」
「私が来たのは姫様のお顔を拝見したくて、……仕事を抜けて来たのですよ。もう戻らなくては」

 そう言われてどきっとした。

「セバスはレイジェス様みたいな事はしないと思っていました」
「……グレーロック城に来てからは、中々姫様のお顔を見ることがございませんからね。私も寂しいと思っていたのです、許してください」

 セバスは苦笑いして厨房へ消えて行った。
エドアルドがゴホンと咳払いをする。

「あなたは罪なお方だ。あんな真面目なセバスまでその魅力の元に惹き付けて置くとは」

エドアルドにそう言われてむっとした。自分でやろうとして魅了を使ってる訳じゃない。勝手に発動してるし、止められないし、私だって困ってる。
なのに……罪深いとか言われて酷くないですか?

「仕様がないじゃない! わたくしだって好きでこのスキルを発動してるわけじゃないんです!」

 ぷちっと切れて強めの口調で言うとエドアルドがびっくりしていた。

「どうしたんです? いきなり」

 エドアルドが言うけれど、どうもこうもない。

「わたくしの特殊スキルについて言うからですよ。どうにも出来ないのに」
「……姫様、何の事でしょう?」

 あれ? なんかずれてる。

「わたくしの特殊スキルの【無自覚の魅了】の事で言ったのでは?」
「……そんな特殊スキルを持ってらっしゃったのですか? ……それは失礼しました。私はてっきり普通に姫様の魅力にセバスが捕われているのかと思っていました」

 え、私の魅力に捕われてる?

「何を言ってるの? エドアルド、セバスは普通の立派な大人よ? 幼女趣味ではないわ? セバスみたいな人がわたくしに魅力を感じるなんて……特殊スキルじゃなきゃ有り得ないわ。だって、わたくしは……子供ですもの」
「しかし、私にはまったく姫様の魅了が効いていないのは何故でしょうか?」
「ええっ!? 本当に?」

 私は目をぱちぱちした。
効かない人っているんだ。全員にかかる訳じゃないんだ?

 「もしかして、エドアルドが男色家って事はないですよね~?」

 何気に言った一言でエドアルドが固まった。

「誰にも言っていないのに……何故分かったのですか?」

 うわ~まじかあぁぁ! この世界、男色家率高くない?
私も歩けば男色家に当たる……って位当たってるような気がする。

「なるほど、姫様の魅了は男色家には通じないのですね」
「ええ、わたくしが男にならなければ大丈夫です」
「は? 男になる?もしかして、男になれるのですか?」

 あ、それでこの前、王都に行く時に食堂で男になった時にじろじろと見られていたのか……と一人納得。
エドアルドが訝しげに私を見た。

「なれるけど……周りの人には言わないでね。内緒にしてね」
「はぁ……男になった姫様を見てみたいと思いますが……ダメですか?」
「あのね? エドアルドはとっくに、もう見ているのですよ? この前王都に行く時に男になりましたの。エドアルドがじろじろ見てたから、性別を変えたのがバレたかと思いましたわ?」

 エドアルドは自分の記憶を探っていた様だった。そしてぽんと掌を打った。

「あの時ですかっ! なんだかいつもよりアリア様が眩しく見えた……」
「魅了に掛かると、なんとなく輝いて見えるらしいですから……」

 エドアルドは暫く考えてから無表情で私に言った。無表情すぎて何を考えているのか全く分からない。

「もう一度、私の前で男になって貰えませんか?」
「エドアルドは男色家だからダメに決まってるでしょ。男色家じゃなかったら別に良いのですけどね。申し訳ありません」
「いえ、神とは不思議ですね」

 エドアルドは無表情にそう言うと、厨房で誰かに呼ばれて行ってしまった。
私はとっくに朝食のトウミ入り紅茶を飲み終わってたのでご馳走様をして大広間へ向かった。

 実は今日、何故早く起きて一人で此処へ来たかというとダンスの練習をしたかったからだ。ダンスと言ってもワルツじゃなくて、ベリーダンス。
音楽隊バンドCUTEのメンバーでリーダーのランが言うにはあれは【ティオキア舞踊】と言うそうだ。二十年ほど前に滅んだ国の名前が【ティオキア】で、そこではあのベリーダンスが踊られていた。主に後宮に仕える女達が王様を楽しませるために踊った踊りが発祥だそうな。




 私が北の領地で見た踊りはちょっと動きがカクカクし過ぎだったので滑らかに踊るようにしたらカッコイイんじゃないか? ってたまに時間を作ってはこうして練習をしていた。今日も神呪で着衣の呪文を唱える、するとドレスがスカート付きのレオタードになった。
私は大広間奥の隅にある大きな鏡で自分の動きを確認しながら踊った。
曲が無くて無音状態の中、頭の中に音楽を響かせる。あの時北の領地で聞いた、多分あれもティオキアの音楽。打楽器が多く使われていてテンポとリズムが良い。弦楽器も何か分からないけど使われていた。北の領地で聞いた時は音楽は魔道具で円盤CDを入れて鳴らしていたので、生演奏ではないから楽器までは分からなかった。
多分、音楽隊のランに聞けば分かると思う。

 それは【ティオキア舞踊】ですよと、教えてくれたのがランだったからだ。ティオキアの国や踊りの発祥についても教えてくれたのはランだった。
一人鏡を見ながら踊っていると大広間の扉を開ける音がした。
振り向くとレイジェス様がいた。眉間に皺が寄っている。

「黙って出て来てないですよ? 書き置きをしましたでしょ?」
「ああ、だからここへ来た。行くのはいいのだが、護衛を連れて行ってくれ。リアが一人でいるのは気が気じゃないのだ」
「だって、こんな朝早くにお願いするのも申し訳ないかな? なんて思って………」
「彼らはそれが仕事で金を得ている、付いて来いと言ってもいいんだ。嫌なら護衛の仕事など辞めるだろう?」
「わかりました、今度からは言います」

 私がそう言うとレイジェス様は納得した後、私を頭の天辺からつま先まで見下ろす。

「そのはしたないカッコは?」
「ああ、これはレオタードと言います。スカート付きです」

 私はスカートをひらひらさせるとレイジェス様がいきなり怒り出した。

「何をしているんだ!?」
「え? 大丈夫ですよ? これ、レオタードと繋がっているから、ショーツは見えませんよ?」
「そういう問題じゃない! ……今は私だけだからいいが……他人が来たらどうするつもりだ? 君はもう少し危機感を持って行動をした方が良い」

 説教されてしまった。

「じゃあ、練習はもうしません。今日本番をやって終了にします」
「本番?」
「ええ、ティオキア舞踊を踊ります。観客は……レイジェス様だけですよ?」
「ほぅ……」
「衣装が大胆ですからね、他の方には見せられません」
「じゃあ、わたくしは汗を掻いたのでちょっとお風呂に行ってきますね」
「では私も風呂へ行く」
「ええぇぇ……」

 ぎろりとレイジェス様に睨まれた。

「なんだ、私と入るのは嫌なのか?」
「嫌じゃないんですけどぉ……ゆっくりしたかったというか……」
「私と一緒だとゆっくりできないと言うのか?」
「だってぇ……あちこち触るじゃないですかぁ……」
「うっ、そ、そうだが……」

 レイジェス様が見るからにしょんぼりして可哀想だったので、私はレイジェス様と一緒にお風呂に入る事にした。

「仕様がない人ですね」

 私はレイジェス様の手を取った。大きな手ですぐ握り返されて、私の手はレイジェス様の掌の中に納められた。

「お部屋に着替えを取りに行きましょうか?」

 レイジェス様は頷いて手を握ったまま秋桜の間へ向かった。
部屋で着替えを取って西の棟のお風呂に行くと丁度コモン様とシエラ様、そして何故か執事のメルヴィンもお風呂から出て来た所だった。
メルヴィンの髪も濡れていた所を見ると三人で入っていた? 私は驚いてしまった。
ここのお風呂は大浴場と違って湯浴み着推奨じゃない……。

「ごきげんよう、アリア様」
「ご、ごきげんよう、シエラ様」
「アリア様もこちらのお風呂に入られるのですね」
「ええ」
「とても良い湯でしたわ? わたくしも温泉が欲しくなりました」

 シエラ様はそれだけ言うと私とレイジェス様に会釈をして通り過ぎた。
私が気になってその後姿を見送っていると、シエラ様は振り向いて両手の人差し指を交差して口元に×を作った。
それは『あなたが悟った事を言ってはだめよ?』という事だと私は思った。
私が立ち止まっていたので不審に思ったのだろう、レイジェス様が私に声を掛けた。

「どうした? 何かあったか?」
「いいえ、何でもありません」




 私は湯船の中でレイジェス様に抱っこされていた。
ただ抱っこされているだけじゃなくて、胸を揉みしだかれて、お股も蕾を執拗に弄られる。そんな風にされるから感じてしまって、声が出そうになるのを堪えてレイジェス様を睨む。

「ん?」

 いつもの様に何処吹く風の様な顔で言うから腹が立つ。

「のんびりお風呂に入りたかったのですけど?」

 私がじと目で後ろを見上げるとレイジェス様は爽やかににっこり笑った。

「私といるだけで、のんびりできるだろ?」

 ……貴方、全然分かってないですよ。

「全然落ち着かないのですが?」

 私が睨むと、どれ? と言って心臓に手を当てられた。
鼓動がより一層早くなる。

「ふむ、本当だな。鼓動が早い」

 それ、貴方のせいですから、まったく。
でも、されるがままに体を弄られる。
だって私は結局、この人の紫色の瞳には逆らえない。
暫く体を弄られているとのぼせて来たのかぼうっとする。

「リア?」

 レイジェス様は私を湯船から上げて床マットの上に横たわらせた。

「のぼせたか?」
「ええ、少しぼうっとしただけです、大丈夫」

 レイジェス様は私の頬を撫でた。
キスをして、その唇が私の乳首を優しく吸う。
膨らみの殆ど無い乳房を揉みしだきながら、這いずる舌は私の臍を舐めて蕾へ辿り着いた。すぅっと息を吸って舌先を尖らせて蕾を弄ぶ。
コリコリとしたそれを突く様に舌先で責められて、思わず声が出そうになる。
私は両手で口を押さえた。
レイジェス様が私を一瞥し、小さな蕾を口に含んで飴のようにゆっくりしゃぶられると、気持ちが良過ぎてため息が出た。
じわっと愛液が溢れてくるのが自分でも分かる。
さっき部屋で着替えを取りに行った時に私の中は空にしておいた。
それを知っていたレイジェス様は、空間収納からゼリーと指サックを出して嵌めた。
ゼリーを取って手に出して、自分の肉棒に塗りつけたあと、またゼリーを少し取り出して私の菊に塗り付けた。
レイジェス様の手はゼリーでぬるぬるしていて人差し指を私の菊に挿入するとすんなりと入った。

 あんまりすんなり入ったせいかレイジェス様は少し驚いていた。続けて中指を挿入ようとして一度人差し指を抜いた。そして、中指と人差し指を絡めて菊の入り口に押し充てる。ぐいっと押し込まれて、少し入ったその状態を暫く維持するとレイジェス様は奥には入れずに指を広げた。さっきまでお風呂に入っていたせいか自分の菊の開きが良い事がすぐ分かった。レイジェス様は右手で菊を開いたままそこに左手でゼリーを直接塗り付けた。菊の穴にゼリーがとぷんと入り込んで気持ちが悪い。

 それでもまだ指は目一杯開かれてその開いた所から空気が入り込んでちょっと乾燥した様な気がした。同じ事をレイジェス様も思ったのか、菊の中をかき混ぜてまた指を目一杯開く。こんな状態なら………もう一本指が入るんじゃ………? って私が思った時、レイジェス様が私に入っていた指を全部抜いた。

 そして自分の肉棒を私の菊に充てた。
私はレイジェス様を見た、ちょっと待って! まだ三本目の指も入ってないのに!
と焦った。
でも、レイジェス様は自分の肉棒を菊の入り口に充てて入れようとしていて、私の顔なんて見てはいない。
ぎゅっと押し込まれて亀頭の半分が私に入ったけど、これ以上は痛いんじゃない?
さすがに自分でもキツキツなのが分かる。それでもレイジェス様はゆっくりと腰を進める。ミチミチと入り口の皮膚が軋んで音を立てている様に感じた。
私はレイジェス様の肩を叩いた。

「レイ………ジェス………様ぁ、も、無理ぃ」

 レイジェス様は一瞬私を見たけれど目の視点が合って無かった。赤黒く濁っているわけじゃないけど、なんだかお酒に酔いすぎた様な状態になっていて、どう見ても正気には見えなかった。
これはまずい状況なのでは? 焦る自分に反してレイジェス様はどんどん腰を進めて来る。ギチギチと軋む私。

「……待って! 正気に戻って、レイジェス様!」

 全然正気に戻らない。私はレイジェス様の胸をバシバシ叩いた。それを左手で押さえつけられてしまった。正気に戻ったかと思って表情を見たけど、まだその目は視点があってなくて虚ろだった。また腰を進められてギチギチと体が軋む。
皮膚に裂けるような痛みが走って、酷い痛みで顔が歪んで目がチカチカする。

「痛っ!! 痛いの!! やめて!」

 レイジェス様の反応が全くない。

「痛いよぅ……!! ……嫌ぁあ!! レイジェス様ぁ!!」

 余りの痛さに涙が零れた。
私がバシバシと手を動かして抵抗していると、私の指輪がレイジェス様の頬に当たって少し切れた。すぅっと血が流れて、その痛みのせいかレイジェス様が正気に戻った。

「はっ!? 私は何を……!?」

 涙をぼろぼろ流している私と、自分の亀頭が半分以上私の菊に入ってる事に驚いているレイジェス様。一瞬固まって、すぐに抜こうとして私はその腕を掴んだ。

「そのまま……いて」

 レイジェス様が険しい顔をする。

「痛いんだろう? すぐに抜いた方が良い」
「ちが……急に……抜いたら……そっちの……方が痛いから……ちさくして……それから」

 レイジェス様は頷いてから私にヒールをした。軋む様な痛みが引いていったら少し楽になった。
レイジェス様はそれから動かないでずっと私を抱きしめていた。だからかレイジェス様のあれが小さくなるのには時間が掛かりそうだった。

「リア……すまない、本当に申し訳ない。言い訳に聞こえるかも知れないが、私はどうかしていた…君を傷つけるなど………!! なのに……どうしようも無く喜びが湧き上がってくる……」

 私はレイジェス様を涙目で睨んだ。

「もぅ……馬鹿ぁ……!」

 私がそう言うと縮みかけたあれがまた大きくなった。私はまた涙目で睨む。

「そう睨むな、小さくなるように努力するから……」

レイジェス様は深呼吸をして息を整えながら微笑んで私を見つめた。

「……急がない…で?」
「それは……分かっている、本当にすまなかった」

 レイジェス様は私をぎゅっと抱きしめて謝った。
暫くただ抱きしめられているとレイジェス様のあれは大人しくなった。
なので私から出て行って貰った。名残惜しそうにされるとちょっと心が痛むけどまた大きくなられると私の体が持たない。
ヒールで痛みが治まったって事は、どこかが怪我していたって事で、要するに切れてたって事だよね? どうりで我慢してたけど、滅茶苦茶痛かったはずだ。

 でも、私には痛いだけじゃなくて喜びがあった。
それはレイジェス様の物が自分の菊に入ってる所がちょっと見えちゃって、亀頭の半分以上入っていた事。指が二本であれくらいまで行けるなら、指三本が入ったらレイジェス様の物が全部私の中に入りそうな気がしたから、ちょっと嬉しくなった。
目標が出来たみたいな感じ? あともうちょっと! 的な。
こんな事で喜んでいる私って、馬鹿だなぁと心底思う。
その後、お昼を食べてから、エドアルドに音楽隊のランを秋桜の間に呼んで貰った。




 コンコンと扉をノックする音が聞こえたので、入って貰う。部屋に入って来たのは音楽隊のランだった。この部屋には今現在、レイジェス様と私、護衛の二人とハンスがいる。
レイジェス様は応接セットの長椅子に座っていて、その隣に私が座っている。ランにはテーブルを挟んだ個人椅子に座ってもらった。護衛の二人は私の後ろで立っていて、ハンスは私のすぐ隣に丸椅子を持って来て座り、デッサンをしている。

「姫様、どうされたんですか? 急に私を呼ぶなんて?」
「前にティオキア舞踊をやりたいって言ったでしょ?」
「ああ……言ってましたね?」
「演奏して頂けないかしら? 踊りたいの」
「ん~使える楽器の問題もあるので、それっぽい音楽って感じにしかなりませんが……それでもいいですか?」
「雰囲気がそれっぽければ大丈夫! どんな感じになるのか聞きたいのだけど、これから演奏して貰って良いかしら?」
「もちろん! 私達はその為に呼ばれてるわけですから! 折角仕事で呼ばれたにも関わらず、コモン様以外の方にはあまりお呼ばれされませんからね、暇だったのですよ」

 ランが嬉しそうに話した。

「コモン様が音楽隊を?」
「シエラ様とダンスする為ですよ。お二人ともダンスがお好きですから。最近は執事の方と側仕えの方も一緒にコントルダンスで踊っていますね。代わる代わるお相手を替えて」
「へ~」
「じゃあ、行きましょうか?」

 私が言うとレイジェス様まで立った。

「レイジェス様は来ちゃダメですよ? 夜に貸切状態で一人で見るんですから。楽しみが無くなっちゃう」
「ふむ……出来るだけ早く戻って来なさい。私が暇だ」

 私はこめかみを押さえた。

「ハンス、レイジェス様の相手をして差し上げて?」
「私はアリア様を描かなければいけませんから、そんな時間ないですよ」

 ハンスはレイジェス様に冷たかった。

「じゃ、アーリン……」
「無理です! 私は姫様の護衛ですから!」

 即答だった。

「じゃあ、アラン……と言いたい所ですが、アランはダメです!」
「何で俺はダメなんだ? 公爵様の相手なら喜んでするってのに」

 だからダメなんでしょ!

「と言う事で、レイジェス様はお一人で散歩なり読書なり、お友達と遊ぶなり、していて下さいませ」

 レイジェス様は私をじと目で見た。

「仕方がない……ユリウスの部屋にでも行って来るかぁ……」
「では、わたくしはもう行きますね」

 私は大広間へ先に行った。護衛の二人とハンスも私の後を付いて来る。
ランは音楽隊の仲間を呼んでくると使用人宿泊棟に向かった。

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