12 / 14
第12話 黒の病気
しおりを挟む
「緊急です、貴方の知恵をお借りしたい」
何時もの様にギルドで3人揃って良さげな依頼を物色して居た所、来客ですとギルド職員に捕まり、あれよあれよと言う間にギルマス部屋に通された。
「お待ちして居ました」
何時もの役人さんだった、何時も割の良い高難度依頼と言うか、自分以外では何をどうしろと言う仕事を持って来てくれるので、少し身構える。
最初の時の殺気は何処に行ったのやらと言うほのぼの具合でちょくちょく見かける様に成って居たのだが、どうやら切羽詰まって居るのか、顔つきに余裕が無い。
「何かありましたか?」
エリスが先に口火を切った。
「今回は病気に付いて聞きたい事が有ります、黒皮病と言う物を知って居ますか?」
「いいえ? どんな症状の病気です?」
黒死病かと思ったが、少し違う様だ。
「先ずは首の横が腫れます、そして、手指が真黒く染まり、高熱を出し、肺炎や咳を伴い、酷くなると全身が真っ黒に成り死に至ります」
ペストかな? 黒死病かと思ったら黒死病だったでござる・・・
(EX、聞いた分だけで分析した場合、出て来る病名は?)
小声で話しかける。
(手指が黒く染まる時点で黒死病、ペストと見るが、専門外だから何とも言えんのでは無いか?)
予想通りの答えを返して来る。
何だかんだで、EXの定位置はエリスの杖に巻き付く謎の蛇の様な装飾と成って居て、話しかけると色々と要らん事を含めて答えてくれる。
灯の要求によって取り込んだスマホのデータを公開されたりするので、油断も隙もありゃしない。
尚、装飾の振りをしているだけで必要な時は自立稼働するので、極めて怪しい物体であるが、言う程人から突っ込まれる事は無い。
更に言うと、こいつは蛇のような恰好をしているだけで、良く見ると百足やヤスデの様に足が生えているが、どっちにしても飾りなので突っ込むのにも飽きている。
技術LVに干渉するのは問題だと言ってあまり答えてくれないのだが、ロボット3原則を盾に交渉し、EX実験の最終目標に必要な資材の提供や、資源の候補地探しを交換材料にして、色々便利に使う事を受け入れさせたのだ。
「聞いた分だけで判断すると、ペスト、こっちの故郷では黒死病と言われていた病気だと思いますが・・・・」
「良かった、では特効薬を作れますか?」
此方の返答に対して役人が露骨に安堵した表情を浮かべる。
「特効薬を作るのは難しいのですが、伝染させないようにする事なら出来ない事も無い感じですね」
「其れでも此方としては希望が見えました」
「実際の患者を見ない事には如何とも言えませんけどね?」
予防線を張って置く。
「では、依頼を出させていただきます。着手金、前金として大金貨で10枚、この伝染病を収められたら更に追加で100枚でお願いできますか?」
中々愉快な金額が出て来た。
「こっちも命懸けに成るんで・・・」
此方の台詞に、灯とエリス、横で聞いて居た義父上もぎょっと目を剥く。
「分かって居ます、治療法の論文と薬も付けて頂きたいですけど、報酬倍額で良いですか?」
予想通りと言う様子で追加分を積み上げて来た、横で見て居る面々が更に目を剥く。
恐らく最初から予定していた金額がこっちだ、成程、狐だな・・・
「中々上手いですね?」
褒めて見る。
「現状不治の病です、治療も出来ずに村単位、町単位、下手すると領地単位所か国単位でボロボロ死んで居ます、これ位なら安いものですよ」
ニコニコと笑って居るが、良く見ると目の下にクマが見える、流石にコレ以上は吊り上がら無い様だ。
「成程、感染場所は?」
「隣の領地です、この領地では驚くほど感染が広がって居ないんですけど、心当たりは?」
義父上を通り過ぎて此方に質問が飛んで来る。
「確証は有りませんが、草原の主が頑張ってくれて居るからですね?」
確証は無いが、恐らくその線で良いのだと思う。
「ほう?」
この土地では、猫系の生き物が矢鱈と多い、しかも良く見るとイエネコ系では無くワイルドキャット系、明らかに虎やらライオンやらジャガーやらチーターやら何やらな系列の幼体が当然の顔してうろうろして居るのだ。
冬場に人の家に上がり込む冬越し猫と言うこの地のみの風習らしいが、恐らくそのせいで吸血ノミを運搬する宿主である鼠が居ないのだろう。
因みに、猫はペスト耐性が有るので発症しないが、感染はするので噛まれると怖い。序に言うと、猫の場合は暫くすれば勝手に治癒するらしい、人間相手にのみ致命傷の細菌である。
「まあ、詳しい事は後程聞きましょう、受けてくれますね?」
今更拒否権は無さそうだった。
「分かりました、しかし、冒険者の仕事では有りませんね?」
思わず呟く。
「冒険者は何でも屋ですから、そしてこの地のギルドは全ての経済活動の拠点です、何の問題も有りませんよ」
役人はほっとした様子で笑って居た。
何時もの様にギルドで3人揃って良さげな依頼を物色して居た所、来客ですとギルド職員に捕まり、あれよあれよと言う間にギルマス部屋に通された。
「お待ちして居ました」
何時もの役人さんだった、何時も割の良い高難度依頼と言うか、自分以外では何をどうしろと言う仕事を持って来てくれるので、少し身構える。
最初の時の殺気は何処に行ったのやらと言うほのぼの具合でちょくちょく見かける様に成って居たのだが、どうやら切羽詰まって居るのか、顔つきに余裕が無い。
「何かありましたか?」
エリスが先に口火を切った。
「今回は病気に付いて聞きたい事が有ります、黒皮病と言う物を知って居ますか?」
「いいえ? どんな症状の病気です?」
黒死病かと思ったが、少し違う様だ。
「先ずは首の横が腫れます、そして、手指が真黒く染まり、高熱を出し、肺炎や咳を伴い、酷くなると全身が真っ黒に成り死に至ります」
ペストかな? 黒死病かと思ったら黒死病だったでござる・・・
(EX、聞いた分だけで分析した場合、出て来る病名は?)
小声で話しかける。
(手指が黒く染まる時点で黒死病、ペストと見るが、専門外だから何とも言えんのでは無いか?)
予想通りの答えを返して来る。
何だかんだで、EXの定位置はエリスの杖に巻き付く謎の蛇の様な装飾と成って居て、話しかけると色々と要らん事を含めて答えてくれる。
灯の要求によって取り込んだスマホのデータを公開されたりするので、油断も隙もありゃしない。
尚、装飾の振りをしているだけで必要な時は自立稼働するので、極めて怪しい物体であるが、言う程人から突っ込まれる事は無い。
更に言うと、こいつは蛇のような恰好をしているだけで、良く見ると百足やヤスデの様に足が生えているが、どっちにしても飾りなので突っ込むのにも飽きている。
技術LVに干渉するのは問題だと言ってあまり答えてくれないのだが、ロボット3原則を盾に交渉し、EX実験の最終目標に必要な資材の提供や、資源の候補地探しを交換材料にして、色々便利に使う事を受け入れさせたのだ。
「聞いた分だけで判断すると、ペスト、こっちの故郷では黒死病と言われていた病気だと思いますが・・・・」
「良かった、では特効薬を作れますか?」
此方の返答に対して役人が露骨に安堵した表情を浮かべる。
「特効薬を作るのは難しいのですが、伝染させないようにする事なら出来ない事も無い感じですね」
「其れでも此方としては希望が見えました」
「実際の患者を見ない事には如何とも言えませんけどね?」
予防線を張って置く。
「では、依頼を出させていただきます。着手金、前金として大金貨で10枚、この伝染病を収められたら更に追加で100枚でお願いできますか?」
中々愉快な金額が出て来た。
「こっちも命懸けに成るんで・・・」
此方の台詞に、灯とエリス、横で聞いて居た義父上もぎょっと目を剥く。
「分かって居ます、治療法の論文と薬も付けて頂きたいですけど、報酬倍額で良いですか?」
予想通りと言う様子で追加分を積み上げて来た、横で見て居る面々が更に目を剥く。
恐らく最初から予定していた金額がこっちだ、成程、狐だな・・・
「中々上手いですね?」
褒めて見る。
「現状不治の病です、治療も出来ずに村単位、町単位、下手すると領地単位所か国単位でボロボロ死んで居ます、これ位なら安いものですよ」
ニコニコと笑って居るが、良く見ると目の下にクマが見える、流石にコレ以上は吊り上がら無い様だ。
「成程、感染場所は?」
「隣の領地です、この領地では驚くほど感染が広がって居ないんですけど、心当たりは?」
義父上を通り過ぎて此方に質問が飛んで来る。
「確証は有りませんが、草原の主が頑張ってくれて居るからですね?」
確証は無いが、恐らくその線で良いのだと思う。
「ほう?」
この土地では、猫系の生き物が矢鱈と多い、しかも良く見るとイエネコ系では無くワイルドキャット系、明らかに虎やらライオンやらジャガーやらチーターやら何やらな系列の幼体が当然の顔してうろうろして居るのだ。
冬場に人の家に上がり込む冬越し猫と言うこの地のみの風習らしいが、恐らくそのせいで吸血ノミを運搬する宿主である鼠が居ないのだろう。
因みに、猫はペスト耐性が有るので発症しないが、感染はするので噛まれると怖い。序に言うと、猫の場合は暫くすれば勝手に治癒するらしい、人間相手にのみ致命傷の細菌である。
「まあ、詳しい事は後程聞きましょう、受けてくれますね?」
今更拒否権は無さそうだった。
「分かりました、しかし、冒険者の仕事では有りませんね?」
思わず呟く。
「冒険者は何でも屋ですから、そしてこの地のギルドは全ての経済活動の拠点です、何の問題も有りませんよ」
役人はほっとした様子で笑って居た。
0
あなたにおすすめの小説
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる