貞操逆転世界の温泉で、三助やることに成りました

峯松めだか(旧かぐつち)

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第225話 番外 社員旅行(彩羽視点)

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『うぇ~い、見てる~?』
 例のヤタさんが翡翠さんといちゃついてる画像。
『今日のアレ』
 寝起きに戦闘態勢している例の画像。
『定時連絡』
 美味しそうにご飯を食べている画像。
『今日も元気です』
 爽やかな朝に、外を走って来たのか、汗だくな様子の画像。
『何してても映えますよね?』
 自然な様子で、本とか読んでる横顔。
『結構動いてくれます』
 ビリヤードとか卓球とか、とにかく動いてる、真面目な表情の……
 しかし、笑顔よりおすましモードの方が多いんだなあ……
 あのちょっとだけぎこち無い笑みとか可愛いのに。

 そんな感じに、通信アプリの嫁グループチャットには、連日連夜、知らん奴からしたら、金を払ってでも、殺してでも奪い取る位の、それこそ値千金のデータが山と積まれていた。
 ある意味、コレだけでも求婚したかいが有ると感じる位に。
 まあ、自分以外のイチャツキ画像なんて、NTR(ネトラレ)を感じて脳を焼かれる訳だが。
 ナニする時にはめっちゃ捗るのだが。

 因みに、例の雑誌は保存用と使う用で2冊買ったし。
 例のユーテーバーなカワセミさんは嫁として速攻登録した。
 めっちゃ捗ったし、惚れ直した。

 分かったのかって?
 嫁グループの連絡網で筒抜けだし、あの顔もあの声も忘れるはずも無いし、見逃すはずも無いじゃんって事で。

 問題は、夫婦別居の状態なので、少なくとも初夜予定で社員旅行の時まで合う事も出来ない事だが。
 まあ、何故か翡翠さんとの関係を会社に報告したら一緒について来た、訳知り顔で例の本家の関係者なヒヨヒヨ社長が、百合フレ的な物に成ったので、恐らく足掛けと言うか踏み台とか、出汁にされるのだろうなあと思いつつ、それなりに充実した日々を送って居た。

 そして………

「うだぁ………」
 そんな声が漏れる程には、グダグダだった。
 社員旅行の日程が決まり、出欠の確認をして。
 今回は男性、翡翠さんと言うか、カワセミさんの中身に逢えるかもと言う話が、それとなく、非公式に、噂と言う体で流れ……
 いつの間にか、出席予定者の比率が、驚異の参加100%に……
 通常時は良い所6割とかなのに、性欲って凄いなあって、半ば他人事の様に感心して。
 旅程の前に、詰まり気味の予定なお仕事を前倒しで片付けて……

 コレで安心して行けると、皆が笑顔を浮かべた辺りで。
 切羽詰まった様相のお得意様から、特急、いや、強制超特急案件が急に差し込まれ……

「間に合うかボケー!」

 と、職場全員で怨嗟の声を上げながら、半泣き徹夜で全社出勤な案件と成り……

 旅行の前日と言うか、当日の未明に最終チェック、客先提出となるギリギリ加減で……

 そんな時間の転送直後に。有り難うございますと即レスポンスが返ってくると言う、それはそれでホラーな一幕があり……

 どうせ温泉宿なんだから、着替えの浴衣は出て来るんだし、その間にクリーニング頼めば良いよねと、色々捨てた感じの開き直りが有り……

 前日泊まり込みと言うか、連日泊まり込みの、揃いも揃って着の身着のまま、チャーターしたバスに乗り込んで。

 観光バスの、微妙に狭い座席で、全身に根っこが生えた様に、ほぼ全員動けず、死んだように、気絶する様に眠りについた……

 間のサービスエリアで、昼間のゾンビ見たいな一団が目撃されたのは笑い話だと思いたい。


 ぷしゅぅ

 バスのドアが開く音が響く。
「はい、到着致しました、私も一緒に宿泊で、バスはここに置いておくので、荷物の忘れ物は、後から取りに戻れるので、今は兎も角、足元に注意して………」
 到着を告げる、運転手さんのアナウンスが響くが、誰も動けなかった、反応すらできなかった。
「いやあ、本当にお疲れな様子ですね?」
 一拍おいて、呆れ気味な台詞が続いた。
(ええ、お疲れなのです)
 声に出せず、内心だけで返事をする。
 聞こえて居るのだが、身体がついて行かない。


「コレですね? んじゃ、失礼しますよって」
 ちょっと低めの聞き覚えのある声と、トントンと、軽快な足音と、乗り込んでくる気配、不意に、ふわりと覚えのある匂いが……
「は?」
 誰かの声が響いて。
 皆の目が、ギョッと見開かれた。
「マイクは、コレで? 操作方法は? はいはい、大体同じですね?」
 私も、必死に目を開けた、凄い距離感で運転手さんにマイクの説明を受ける翡翠さんと、物凄く真っ赤に成って居る運転手さんが見えた、同性だから分かる、ガチ恋距離である、絶対落ちただろアレ……
「折角の温泉なんですから、先にチェックインして、温泉入ってからお休みした方が良いですよ? エコノミークラス症候群とか怖いですから、ね?」
 魔性の笑みだった、皆がこくこくと、一糸乱れずに頷く。
「大丈夫そうですね? じゃあ後で」
 ひらひらと手を振って、バスを降りていった。
 一瞬目が合って、ニコって笑われた、危ない危ない、惚れ直すところだった。

「……何アレ?」
 誰かが呟く。
「この温泉宿、本館の看板息子と言うか? 何と言うか? マスコット的な?」
 しどろもどろに解説する。
「因みに、翡翠さんか、様か、呼び方はご自由に」
 私の旦那様とは、未だ言えないだろう、絶対に燃える。
 このタイミングで言った場合、生贄と言うか、活餌にされる。
 いや、古き良き時代な話のエピソードなら、周りに居るだけでもちょっとしたおこぼれは有ったりしたとか言うし……
 琥珀様時代は、宴会に顔見せして、お酌してくれたとか、何とか。
 だから、夜の宴会の時とかにバレるかも。
 そう言う事で、バレるにしても今じゃない!
 未だちょっと寝たいし!
 そんな微妙に後ろ向きな決意をして、横を見る、直ぐ横に座っていたヒヨヒヨと目線が合って、分かってると、二人で小さく頷いた。
 最前列、この席順は幹事席と言うヤツだ、表向き他意は無い。
 因みに、私等の手は寝ている内に、無意識に重なっていた。
 他の奴らにバレる前に離しておこう。

 その前に! 多分ファーストアタックボーナスが!

 有ったり無かったりするはず!

 そんな全力の性欲でギラっと目を剥いて、起き上がった。
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