71 / 81
第69話 沈む島
しおりを挟む
島の主であるクトルーが打ち取られた影響か、ルルイエの島全体が沈み始めた。
ゴゴゴゴゴゴゴと気持ち悪い地震の様な微振動を繰り返し、寄せては返す波の位置が段々と陸上を浚う範囲が広がって行く。
葛様が良く寝たと言う感じにのんびり伸びをして起き上がる。
「えっとこれ、どうするんです?」
もう要済みじゃなとばかりに小狐丸を収納した葛様に合わせて、咄嗟に預かって居た鳴狐を葛様に返しつつ聞く。
「どうにもならん、先刻海面を跳んで来た時に見た通り、岩礁と浅瀬だらけで、船で迎えは来れん、海流も酷いもんじゃし、距離的にも泳いで船まで戻るにも1㎞は有るから先ず無理じゃ」
慌てる必要は無いとばかりに落ち着き払って居るが。
「詰んでません?」
「まあ、岩礁もこの島も沈み切れば海流も落ち着くし、この程度の沈下速度ならタイタニック号の乗客みたいな海流に巻かれてバラバラに成る様な事も無いじゃろう」
死にはしないとあっけらかんと言う。
「来た時みたいにハスターで跳んで行くのは?」
「蜂蜜酒のドーピングはあの一撃で切れとるからな、未だお主が開眼状態なら見て見れば納得したじゃろうが、クトルー相手の一撃で全部使ったからすっからかんじゃ」
「蜂蜜酒の在庫はもう無いんですか?」
「アレ結構な貴重品じゃからな? 命の危険も無い全部済んだ帰り道に使うには勿体無いし、そもそも在庫は無いぞ?」
そんな事を言いながら空間収納の荷物を漁り出す。
「そんな訳で……」
「そんな訳で?」
「ゆっくり浮かんで待つとしようか?」
救命用のライフジャケットと浮き輪、序に水着が出て来た。
「用意周到ですね?」
「着衣水泳は効率が良くないからな?」
絵的にも映えんしと小さく聞こえた。
「其処で頑なに女物な辺りにはツッコミを入れても無駄なんですね?」
パットとサポーターがしっかりついたセパレートビキニだった。
「そもそもお主、男物着ると色々憑りつかれて体調崩すじゃろうが、パレオついて居る事に温情を感じても良いぞ?」
「アリガトウゴザイマス」
思わず棒読みで礼を言いつつ着替えて、散々からかわれつつ写真撮影された。
小一時間程水面でぷかぷか浮かんでいると、船と言うか巨大な白いオオカワウソが迎えに来た。一三さんが操る管狐の水中形態らしい。
「ワハハハハハハハハ」
獣とは思えない笑う様な鳴き声にびくりと退く。
「思ったより早かったな?」
葛様は驚いた様子も無くオオカワウソに跨る。
「ほれ? 来い」
予定調和と手を伸ばして来るので、迷わず掴み返すと、するんと持ち上げられた。
抱えられる様にタンデムする。
何時もの感触とは違う、柔らかいモノが首の後ろに当たって居た。
「毛皮をしっかり掴め、じゃあ、頼んだぞ?」
葛様が勝手知ったると言った調子で巨大オオカワウソに指示を出す。
「ワハハハハハハハハ」
了解とばかりに笑う様な鳴き声を上げると、凄い速さで泳ぎ出した。
「ご無事で何よりです」
船に戻ると、何だかんだで疲れた様子の部長が出迎えてくれた。
甲板に深き者共の死体が山と成って居た。
巨大オオカワウソが深き者共の死体を齧り出した、未だ活きが良いらしく、血が飛び散る、食事風景がひたすら悪者っぽい。
「キングオオカワウソモード解除、省エネモード」
ぐったりとした様子で甲板の椅子に寝転んでいた一三さんが指示を出すと、オオカワウソが分離して何時もの大きさの小さなオコジョに戻るが、其のまま噛り付いて居るので白い毛皮が真っ赤に成って居た。
「流石に疲れました」
げんなりといった調子で一三さんが呟く。
「はしゃぎ過ぎたか? 蜂蜜酒入れて限界稼働は反動がきついじゃろう?」
「この子達の全力稼働は私には荷が重いです」
「まあ、多少は慣れておけ、その内又出番があるかもしれんからな?」
葛様が苦笑しつつ一三さんを労う様に頭を軽く撫でている。
「変なフラグ立てないで下さいよ‥‥‥」
「まあ、其の内じゃ、今直ぐじゃ無いから安心せい」
曖昧な返事に改めて一三さんが恨みがましい目を向けつつぐったりと倒れ伏す、占いの時に変なモノでも見ていたのだろうか?
「今運転すると飲酒運転になっちゃうので、今は休ませてください」
言葉を止めて何とも言えない表情で此方を見る。
「……言うまでも無くバカンス準備完了してるみたいですけど」
当然だが、揃って水着のままだった。葛様に押し付けられた、セパレートビキニである、ビキニでは有るが若干骨ばる部分をカバーする形に布地は多く、あつらえたようにぴったりで今更違和感は感じない。
因みに、葛様の方も水着に成って居る、目が覚める様な紅に白の縁取りのされたビキニだった、着替えるシーンが無かったので、恐らくちゃんとした服では無く、巫女服と同じく化けの方なのだろうが、最早突っ込むだけ無駄だと思うので「よく似合いますね」としか言えなかった、露出は激しいのだが、堂々とし過ぎてエロス的な感じは無く、只健康的に見惚れるほど奇麗で眩しいだけだ。
「何なら水着貸すか? サンオイルと日焼け止めどっちが良い?」
葛様に堪えた様子は一切無く、いっその事バカンスモードに引きずり込む気だ。
「日焼け止めでお願いします」
諦め気味に水着と日焼け止めを受け取って、着替える為か船室の方に引っ込んで行った。
「流石に男物は無いぞ?」
「男なんて上着脱ぐだけで十分です」
特に残念な様子も無く上着を脱いだ、改めて見るとこの部長、ムッキムキである、男として内心羨ましく思いつつ、ぼんやり眺める。
「何でサイズあってるんですかと言うか、何で此処迄準備を‥‥」
一三さんが腑に落ちない様子で水着に着替えて戻って来た。
割と露出が激しい紐ビキニだった。
服の上からは判りにくかったが、結構鍛えて居る様子で、良く引き締まった格好良い身体をしていた。
「良く似合いますね」
思わず褒め言葉が出て。
「ありがとうございます、陽希さんも良くお似合いで、可愛いですね」
打ち返された言葉で思わずがくりと崩れ落ちる。
葛様がお腹を抱えて大笑いしていた。
そんな訳で、仕事終わりにバカンスの如く日光浴をする羽目に成った。言うまでも無く、全員力尽きていたので、其のまま甲板で寝ていただけなのだが。のんびりとして居てよい時間だったと思う。
後日、飛行するポリプ相手に一三さんが七尾の狐で空戦する羽目に成るのは、この時点ではまた別の話だ。
追伸
まあ、変なネタをばら撒き気味に挟みますが、回収せずにそろそろ終わるつもりですので、余りお気になさらず笑っといて下さい。
ゴゴゴゴゴゴゴと気持ち悪い地震の様な微振動を繰り返し、寄せては返す波の位置が段々と陸上を浚う範囲が広がって行く。
葛様が良く寝たと言う感じにのんびり伸びをして起き上がる。
「えっとこれ、どうするんです?」
もう要済みじゃなとばかりに小狐丸を収納した葛様に合わせて、咄嗟に預かって居た鳴狐を葛様に返しつつ聞く。
「どうにもならん、先刻海面を跳んで来た時に見た通り、岩礁と浅瀬だらけで、船で迎えは来れん、海流も酷いもんじゃし、距離的にも泳いで船まで戻るにも1㎞は有るから先ず無理じゃ」
慌てる必要は無いとばかりに落ち着き払って居るが。
「詰んでません?」
「まあ、岩礁もこの島も沈み切れば海流も落ち着くし、この程度の沈下速度ならタイタニック号の乗客みたいな海流に巻かれてバラバラに成る様な事も無いじゃろう」
死にはしないとあっけらかんと言う。
「来た時みたいにハスターで跳んで行くのは?」
「蜂蜜酒のドーピングはあの一撃で切れとるからな、未だお主が開眼状態なら見て見れば納得したじゃろうが、クトルー相手の一撃で全部使ったからすっからかんじゃ」
「蜂蜜酒の在庫はもう無いんですか?」
「アレ結構な貴重品じゃからな? 命の危険も無い全部済んだ帰り道に使うには勿体無いし、そもそも在庫は無いぞ?」
そんな事を言いながら空間収納の荷物を漁り出す。
「そんな訳で……」
「そんな訳で?」
「ゆっくり浮かんで待つとしようか?」
救命用のライフジャケットと浮き輪、序に水着が出て来た。
「用意周到ですね?」
「着衣水泳は効率が良くないからな?」
絵的にも映えんしと小さく聞こえた。
「其処で頑なに女物な辺りにはツッコミを入れても無駄なんですね?」
パットとサポーターがしっかりついたセパレートビキニだった。
「そもそもお主、男物着ると色々憑りつかれて体調崩すじゃろうが、パレオついて居る事に温情を感じても良いぞ?」
「アリガトウゴザイマス」
思わず棒読みで礼を言いつつ着替えて、散々からかわれつつ写真撮影された。
小一時間程水面でぷかぷか浮かんでいると、船と言うか巨大な白いオオカワウソが迎えに来た。一三さんが操る管狐の水中形態らしい。
「ワハハハハハハハハ」
獣とは思えない笑う様な鳴き声にびくりと退く。
「思ったより早かったな?」
葛様は驚いた様子も無くオオカワウソに跨る。
「ほれ? 来い」
予定調和と手を伸ばして来るので、迷わず掴み返すと、するんと持ち上げられた。
抱えられる様にタンデムする。
何時もの感触とは違う、柔らかいモノが首の後ろに当たって居た。
「毛皮をしっかり掴め、じゃあ、頼んだぞ?」
葛様が勝手知ったると言った調子で巨大オオカワウソに指示を出す。
「ワハハハハハハハハ」
了解とばかりに笑う様な鳴き声を上げると、凄い速さで泳ぎ出した。
「ご無事で何よりです」
船に戻ると、何だかんだで疲れた様子の部長が出迎えてくれた。
甲板に深き者共の死体が山と成って居た。
巨大オオカワウソが深き者共の死体を齧り出した、未だ活きが良いらしく、血が飛び散る、食事風景がひたすら悪者っぽい。
「キングオオカワウソモード解除、省エネモード」
ぐったりとした様子で甲板の椅子に寝転んでいた一三さんが指示を出すと、オオカワウソが分離して何時もの大きさの小さなオコジョに戻るが、其のまま噛り付いて居るので白い毛皮が真っ赤に成って居た。
「流石に疲れました」
げんなりといった調子で一三さんが呟く。
「はしゃぎ過ぎたか? 蜂蜜酒入れて限界稼働は反動がきついじゃろう?」
「この子達の全力稼働は私には荷が重いです」
「まあ、多少は慣れておけ、その内又出番があるかもしれんからな?」
葛様が苦笑しつつ一三さんを労う様に頭を軽く撫でている。
「変なフラグ立てないで下さいよ‥‥‥」
「まあ、其の内じゃ、今直ぐじゃ無いから安心せい」
曖昧な返事に改めて一三さんが恨みがましい目を向けつつぐったりと倒れ伏す、占いの時に変なモノでも見ていたのだろうか?
「今運転すると飲酒運転になっちゃうので、今は休ませてください」
言葉を止めて何とも言えない表情で此方を見る。
「……言うまでも無くバカンス準備完了してるみたいですけど」
当然だが、揃って水着のままだった。葛様に押し付けられた、セパレートビキニである、ビキニでは有るが若干骨ばる部分をカバーする形に布地は多く、あつらえたようにぴったりで今更違和感は感じない。
因みに、葛様の方も水着に成って居る、目が覚める様な紅に白の縁取りのされたビキニだった、着替えるシーンが無かったので、恐らくちゃんとした服では無く、巫女服と同じく化けの方なのだろうが、最早突っ込むだけ無駄だと思うので「よく似合いますね」としか言えなかった、露出は激しいのだが、堂々とし過ぎてエロス的な感じは無く、只健康的に見惚れるほど奇麗で眩しいだけだ。
「何なら水着貸すか? サンオイルと日焼け止めどっちが良い?」
葛様に堪えた様子は一切無く、いっその事バカンスモードに引きずり込む気だ。
「日焼け止めでお願いします」
諦め気味に水着と日焼け止めを受け取って、着替える為か船室の方に引っ込んで行った。
「流石に男物は無いぞ?」
「男なんて上着脱ぐだけで十分です」
特に残念な様子も無く上着を脱いだ、改めて見るとこの部長、ムッキムキである、男として内心羨ましく思いつつ、ぼんやり眺める。
「何でサイズあってるんですかと言うか、何で此処迄準備を‥‥」
一三さんが腑に落ちない様子で水着に着替えて戻って来た。
割と露出が激しい紐ビキニだった。
服の上からは判りにくかったが、結構鍛えて居る様子で、良く引き締まった格好良い身体をしていた。
「良く似合いますね」
思わず褒め言葉が出て。
「ありがとうございます、陽希さんも良くお似合いで、可愛いですね」
打ち返された言葉で思わずがくりと崩れ落ちる。
葛様がお腹を抱えて大笑いしていた。
そんな訳で、仕事終わりにバカンスの如く日光浴をする羽目に成った。言うまでも無く、全員力尽きていたので、其のまま甲板で寝ていただけなのだが。のんびりとして居てよい時間だったと思う。
後日、飛行するポリプ相手に一三さんが七尾の狐で空戦する羽目に成るのは、この時点ではまた別の話だ。
追伸
まあ、変なネタをばら撒き気味に挟みますが、回収せずにそろそろ終わるつもりですので、余りお気になさらず笑っといて下さい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる