異世界坊主の成り上がり

峯松めだか(旧かぐつち)

文字の大きさ
78 / 274
3章 活躍する坊主

第77話 都合の良い協力者

しおりを挟む
先の2話の前です。順番がたがたですいません。


 エリスが引き付けを起こしそうな様子で震えていたので、引き寄せて膝の上に乗せて抱きしめ、落ち着くように背中を撫でる。

 灯も心得ていますという様子で一緒にエリスの頭を撫でている。

「その娘は?」

 落ち着きを取り戻したらしいアカデさんが、察した様子で聞いて来る。

「ゴブリンの母体にされそうな処を私が助けました、それ以来懐いてくれています。」

 この場にはアカデさんとギルマスしか居ないので話しても大丈夫だろう。

「そう、助かったんですね・・・」

 眩しい物を見る様子でエリスを見る。

「助かる人が増えるのなら、私たちができる範囲なら協力しますよ。」

「さっきの理屈、浄化で助けられるのなら此奴はうってつけだ、教会の人間じゃないが、強力な浄化が使える、冒険者としての戦闘力も折り紙付きだ、次回ゴブリンの殲滅任務があれば真っ先にこいつを入れる、それで実際に母体に成って居るものを助けられると実証出来ればギルド側からも証明書を書いてやろう。それで良いか?」

 ギルマスが今後の方針を提案する。

「渡りに船です、是非、お願いします。」

 アカデさんがこちらに向かって来る。

 立ち上がる動きをすると、察した様子でエリスが立ち上がって膝から降りる、どうやら落ち着いたようだ。

「よろしくお願いします。」

 立ち上がって握手を交わした。



「そして、あの絵の通りに組み立てるとこんな感じですね。」

 アカデさんが灯のスケッチを頼りに全身骨格を復元する、概ねあの時に見たままの形になった。

「ドラゴンとしての死因はこの辺ですかね?頭蓋骨が陥没しています、他の部分は再生した様子はありませんが、此処だけ破片の部分が少しだけですが再生したような跡があります。」

 頭蓋骨に罅が入っている様子で拉げていた。接合部とは違う様子だ。

「他の部分の傷は細い棒で死んだ後に殴ったような傷ですね。骨蛭を討伐した時のものと言う事で?」

「コレですね?」

 いつも持っている金属製の方の槍を見せる。アカデさんが納得した様子で頷く。

「頭は丸太や棍棒と行ったところですね。」

「前回のゴブリン殲滅戦でキングが持っていたのが棍棒と丸太だったって報告が合った。その線だろう。

 だが、このサイズのドラゴンがキングとはいえゴブリンに負けるのか。」

 復元されたのは体長5mで体高2m程。前回の丸太キングが体高3mほどだから無理な線ではないだろう。

「因みに前回のキング2匹はどうせだから氷室で凍結魔法使って保管してある、折角だから確認しよう。」

 ギルマスが提案してきた、どうやらアカデさんが来るのを心待ちにしていたらしい。

「是非。」

 アカデさんも乗り気の様だ。



「で、この二体がこの和尚が一人で前回討伐して来たキングだ。」

 氷室から運び出された凍り付いている二体のキングの死体に、興奮した様子のアカデさんが駆け寄る、

「溶ける前に触るなよ?皮がへばり付いて剥げるぞ?」

 ギルマスが脅しのような警告を発する、どうやらかなりの低温に成って居るらしい。

 アカデさんがびくりと伸ばしかけた手を引っ込めた。

「こっちの小さいのが良く報告にある通常のキングですよね?」

「ああ。そっちが通常だ・・・」

 ギルマスがそうなるよなあと言う様子で肯定する。

 最初に居た物、体高2m程のこん棒を持って居た物だ。

「となるとこっちの大きいのはキングと言うには大きくないですか?」

「そうなんだ、通常のキングより明らかにデカイ、別種と言っても良い位だ。」

 後から出て来た丸太持ちのキングだ。体高3m程ある。

「顔つき同じだから同種では?」

 取り合えず聞いてみる。体格と角と牙が大型化しているがまあ許容範囲内だ、大型小型のヒラタクワガタやノコギリクワガタの大あごの形状の違い程度だと思えばそんなものだ。

「同じゴブリンだろうが、クラスが違うな、変異種としても極端すぎる。」

 確かに1.5倍は少し極端だが、通常の小型種とキングで既に2倍である。許容範囲で行ける行ける。

「伝説と言うか、噂話の域の筈のチャンピオンで良いのでは?」

「そっちで報告すると明らかに一騒ぎに成るからな。未だ中央にそのドラゴンも報告入れていない。」

「勿体無い・・・これだけでも追加予算取れますよ?」

「こいつ、和尚を下手に目立たせると中央と教会にかっさらわれる可能性が有る、目立たせたくないから未だに下級冒険者のままだ。」

「昇級試験受けさせてないんですか?」

「こっちの一存で中級に上げる事は出来る程度に実績は付いてる、上級も推薦は出せる、だがランクアップさせると上に書類で把握されるし、上級の昇級試験は中央の王都だからな、王都の中央で強制的に召し上げられるとか言われると面倒にも程が有る。」

「こっちで飼い殺しするのもどうかと・・・」

「やかましい、家の婿殿を囲って何が悪い。」

「あ、何でも無いです。」

 察したらしい。アカデさんが引き下がった。

「何だか神託使って援護する準備はあるらしいですよ?」

 一応言ってみる。

「中央の利権争いに利用される落ちが見えるから未だ止めとけ。」

 予想通り止められた、この世界でも其処等は碌な物では無いらしい。エリスもそれはやめてほしいと言う様子で顔をフルフルと横に振りながら腕にしがみついていた。

 自分自身それは止めて置きたいので、意見が揃って居るのは良い事だと思う。



しおりを挟む
感想 256

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】

kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。 ※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。 『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。 ※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

悪徳領主の息子に転生しました

アルト
ファンタジー
 悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。  領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。  そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。 「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」  こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。  一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。  これなんて無理ゲー??

処理中です...