異世界坊主の成り上がり

峯松めだか(旧かぐつち)

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3章 活躍する坊主

第84話 フラグを回避しよう 灯視点

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 前回はお風呂とトイレネタで遊んでしまいましたけど、多分あんまり余裕ないんですよねえ・・・
 内心げんなりする、多分、このフラグは今すぐと言う物では無いと思うが、多分其処まで余裕が有る物では無い。
 和尚さんが見た夢の話、あの人は虚空の蔵の記録版、アカシックレコードに接続しているのだ、過去から未来まで宇宙の全てが記録されていると言われるアカシックレコード、混線して夢の中で未来が見えたりしても可笑しくは無い筈だ。
 と、中二病を発症していた友人なら言うのだろう。
 其処まで言わなくても、夢で見た時点でフラグは成立しているので、大山鳴動して鼠一匹になる程度には準備しないといけないと思う。

「お義父様、ちょっと良いですか?」
 義父さんが帰って来ていたので、改まって話しかける。
「珍しいな、俺に話しかけるなんて?」
 確かに、私が話しかけるパターンは珍しい、そもそも接点在りませんし。
「話半分で良いですけど、真面目な話です。聞くだけ聞いておいてください。」
 私の顔が真面目なのが判ったらしく、義父さんが居住まいを正す。
「どうした?改まって?」
「和尚さんが変な夢を見たそうです、何かの群れに囲まれて延々と防衛戦の最前線で戦っていたそうです。多分ですけど、予知夢の類です。」
「偉い飛躍するな、只の夢だろう?」
 義父さんが苦笑いを浮かべる。
「あの人の夢は多分当たります、話半分で良いので、防衛戦用の塀と空堀の強化をそれとなく準備して置いて下さい。」
 こちらが真面目な顔をしているのが伝わったのか、笑みが消えた。
「それと、新兵器を準備していますので、投石器、スリングの類の準備をお願いします。」
 黒色火薬のサンプルは和尚さんと準備中だ、今の所お椀の様な物で丸めて投げるタイプを考えている、上手く行ったらギルド側で量産の手配を頼もう。
「ああ、武器屋に発注はしておく。だが、その群れは何時頃来る予定だ?」
「私とエリスちゃんが強くなった頃だそうです、多分、近い内だと思いますよ?」
 私たち二人があの人を助けに群れの中に割り込むイメージ、多分其処が本命だ、放っておくと、思い出した瞬間にああ、之か・・ってなる程度のイメージだと思うが、準備だけはしておかないといけない・・・

 ギルマス視点。
 ゴブリンキング改めゴブリンクイーンの発見から暫く経った。急いで各地に緊急通達した所、何処に居たのかと言う位に各地に大量の巣が発見された。内地の人間は対処を知らないので下手に手を出す前に教育が必要だと言う事でギルド職員と中級冒険者を送り出した、結果として和尚達居残り組に負担をかける事に成ったのは済まないと思う。
 しかし、首の皮一枚で人間が残って居る様な状態だ、あのタイミングで婿殿が娘のエリスを助けて、エリスがここに婿殿を案内して居なかったら、恐らく沼のドラゴン級サラマンダーもドラゴンゾンビと骨蛭、水質汚染も、次のゴブリンの殲滅も、ゴブリンキングもクイーンも、各地で発見された巣の対処も全く対応できなかったと思われる。
 恐らく嫁の妊娠も婿殿からの良い影響が有ったのだろう。感謝してもしきれない。
 そんな最中に嫁殿の灯が深刻な顔で魔物の群れが来ると言われてしまった、話半分で良いと言うが、明確に対処準備をと、此処まで来ると予言の類なのだろう、起こると言う事は確定したものとして話している、村の外壁と空堀、投石器か、もうすぐ秋も終え冬に成る、冬場は魔物も粗方冬眠に入り、起きて居る物も動きが鈍くなるので、恐らくそれが猶予期間と言った所か、そろそろ外に派遣していた職員と冒険者も戻って来る、人足は其処から賄えば如何にか成るだろう。
「そういえば、予定日は?」
 灯殿のお腹もまだ小さいが、良く見ると気が付く程度に目立ってきた。
「此処に来たのが4月頃でしたっけ、十月十日(とつきとうか)で・・・多分、2月3月って所ですか、エリスちゃんは其の少し後、義母さんがその後ですから順調に行けば、夏までには全員集合って所ですね。」
 今は10月、婿殿達が来てから既に半年か、突然家族が2人増え、そして更に半年後には子供と孫が3人増えると、少し前までは考えつかなかった状況だ。
「楽しみだ・・・」
 しみじみと思う、これが幸せと言う物なのだろう。
「あ・・・」
 灯殿がしまったと言う様子で呟いた。
「どうした?」
「すいません、そのセリフは凄く危険な前振りです、絶対にいざという時には護衛着けて前線に出ないで下さい。」
 突然不思議な事を言い出した。
「大げさな、この足で前線出てれる筈が無いだろう?」
 うわあ・・・と言う様子で頭を抱えている。
「リーチです、言う事は聞いて下さい、これ以上言っても悪化するので、此処で終わりです、注意してください。」
 焦った様子で会話を切り上げて行った、だが最後のは何だったのだろう?
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