異世界坊主の成り上がり

峯松めだか(旧かぐつち)

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3章 活躍する坊主

第85話 爆発物を作ろう

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「エリス、一寸良い?」
 エリスがピクリとこちらを見て首をかしげる、灯とエリスは一緒に火薬の準備でそれぞれ炭と硫黄を乳鉢で磨り潰していた。当然だが火気厳禁である。舞い散る粉が怖いのでマスクも着用済みだ。
「何です?」
「この粉を入れるのに焼き物の容器が欲しいんだけど、この辺で売ってる所有る?窯持ってる所が良いのだけど。」
 んーという様子で少し考えて。
「安いのと高いのどっちで?」
「一番安いの。」
 二か所あるらしい、使い捨てなので一番安いのが欲しい。
「はい、案内します。」
「私も行きます、飽きました。」
 灯も来るらしい、そもそも休みの日は実質3人一緒が基本なので置いて行くのはほぼ無かったりするが。

「ある程度深さの有る丸い容器有ります?ティーカップとかティーポットの失敗作で割って無い奴と破片が欲しいのですが。」
 取り合えず焼き物屋の店主を捕まえて聞いて見る。
「何でそんなゴミを?」
 店主が訝しげな眼でこちらを見る。
「色々使うのです、食器としてじゃないから土に埋まってても良いですよ?」
「まあ、捨てるもんだから良いですけどね・・・」
 裏にある窯の横に陶器の割れた破片が山と積まれていた。どうやら罅が入って居るものも細かく砕かずに積み上げているようなので、そのまま使えそうだ。
「こういうので良いんですか?」
「こういうのが欲しかったのです。お幾らで?」
「一山丸ごと銀貨一枚で良いです。」
 呆れ気味に投げやりな値段を付けて来る。
「それじゃあこれで。」
 銀貨を取り出して払う。
「毎度。運び出しは自分でやってくださいね?」
「大丈夫です。袋在りますので。」
 袋を出して見せる。
「用意の良い事で、店に出ているので帰る時に一声お願いします。」
「はい。」
 ある程度袋に収めて、残りは虚空の蔵に全て納めた。
「片付きました、ところで、こういうの作って欲しいんですが、一先ず100個ほど・・・」
 注ぎ口の無い急須やティーポットの様な物を書き込んだデッサンを見せる、導火線も出来れば加工無しで付けたいので蓋に切り欠きも入れてある。
「いったい何に使うんです?」
 更に訝しげだ。
「魔物に薬品入れてぶつける予定です。」
「なるほど、使い捨て・・・」
「そんな訳で釉薬無しの素焼きで、全部同じ奴を型取りして量産してくれると嬉しいです。お幾らで?」
「大銀貨3枚で、次回は100個で2枚で良いです、納期はは1ヶ月って所ですね。」
「じゃあお願いします。出来上がったらギルマス邸に連絡お願いします。」
 どうやら値引き交渉も要らないらしい。素直にギルド証から大銀貨を取り出して払う。
「はい、大丈夫です、毎度ありがとうございました。」

「さてこれで用事済んだけどどうする?」
「後欲しいのなんでしたっけ?螺子釘と導火線?接着剤と固定用の紐でしたっけ?」
 灯が物騒な事を言って居るが。今回の飛び散る中身は陶片だけで十分だ。
「螺子釘は今回無しで、必要なのは巻き付け固定用の紐だけだな、導火線も自作だしな。」
「はーい。それじゃあ、紐買ったら改めてお散歩にしましょう。」
 灯が俺の腕を取り、エリスも反対側の腕を取る、荷物は既に虚空の蔵に収納したので手ぶらで安心だ。久しぶりに三人でゆっくり散歩した。

「そういえば、義父さんが盛大に死亡フラグの地雷原を踏みつけてしまったのですが、どうにかなりませんか?」
 灯は死亡フラグを気にしすぎる所が有るようだ。
「何をどう言うセリフで?」
「孫と子供の生まれるのが楽しみだって泣きそうな目で凄くしみじみと・・・」
「・・・・それは凄く危険な。」
 確かに上位に来る奴だ。
「危ないんですか?」
「俺たちが居るから大丈夫だ。」
 エリスが不安気に俺の腕を強く抱える。気にするなとだけ言っておく。
「具体的には何しましょう?」
「身代わり地蔵、木彫りの仏で地蔵菩薩を掘って持たせてみよう。」
 気休めでも其れで落ち着かせて置こう。

「がっかりした、めーそめそした、どーうしたのかー・・・・」
 灯が忍〇太郎のOPを口ずさみながら器に火薬と陶片を紙でくるんで詰め込み、紐で巻いて固定して居る。そういえば宝禄火矢・焙烙玉と言えば之だったな。
「月の様に笑う、君ーは此処かい?」
「おーうおう。」
 取り合えず歌詞に相の手を入れると上機嫌で次を歌って居る、こちらの世界でも妖怪ジャスラが怖いのか替え歌であるが・・・
 因みに導火線は紐に水で溶かした火薬を染み込ませている、これで多少の湿気は大丈夫だろう、流石に暴発が怖いので、作ったはしから虚空の蔵に収めている。これで湿気る事も無い筈だ。

 一先ず完成、後で実験して義父上に見せた上で説得の後に量産してもらうとしよう。
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