会社では無能、家では妹に「ダサい社畜」と見下される俺。実は世界を熱狂させる神配信者につき。

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第3章:傲慢な妹の陥落

第26話:【契約成立】今日からお前は妹じゃない。俺の配信を支える『所有物(奴隷)』だ(※拒否権はありません)

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警察署を出ると、外はすっかり日が暮れていた。 俺の後ろを、莉奈がトボトボとついてくる。 釈放された安堵よりも、これから始まる未知の生活への恐怖が勝っているようだ。

「ほら、さっさと歩け。タクシー代がもったいないから電車で帰るぞ」

「えっ……? お兄ちゃん、スポーツカーは?」

「あれは俺の車だ。奴隷を乗せる助手席はない」

俺は冷たく言い放ち、駅へと向かった。 莉奈はボロボロの服のまま、俯いて俺に従うしかなかった。

都心のタワーマンション、最上階。 俺の新居兼、事務所に到着した頃には、莉奈は疲労困憊していた。

「す、すごい……! ここが新しい家……?」

玄関を開けた瞬間、広がる大理石の廊下と、リビングの窓一面に広がる夜景を見て、莉奈の目が一瞬輝いた。 長年の夢だった「タワマン生活」。 彼女の単純な脳みそが、一瞬だけ現実を忘れて浮き足立つ。

「やったぁ! 私、今日からここに住めるんだ! ねえ、私のお部屋はどこ? やっぱり夜景が見える側がいいな!」

靴を脱ぎ捨て、リビングへ駆け込もうとする莉奈。 その襟首を、俺は背後から無造作に掴んだ。

「ぐえっ!?」

「勘違いするなよ」

俺は彼女を冷たい床に引き戻した。

「お前は『同居人』じゃない。『住み込みの使用人』だ。……お前の部屋はあっちだ」

俺が指差したのは、廊下の突き当たりにある、飾り気のない小さなドアだった。

「え……?」

莉奈がおそるおそるドアを開ける。 そこは、窓が一つもなく、掃除用具や段ボールが詰め込まれた、三畳ほどの狭い納戸だった。 空気が淀んでおり、布団を敷くスペースすら怪しい。

「こ、ここ……? ここで寝るの……?」

「文句があるなら刑務所に戻るか? あっちは冷暖房完備らしいぞ」

「い、嫌です! ここがいいです!」

莉奈は慌てて首を振った。

「よろしい。……それと、これを着ろ」

俺は段ボールから一着の服を取り出し、莉奈に投げつけた。 それは、フリルがついた黒いメイド服だった。

「え……コスプレ……?」

「俺の配信のアシスタントも兼任してもらうからな。画面に映る以上、汚いスウェットでうろつかれると迷惑だ。……それに、それがお前の『制服』だ」

俺はソファに座り、彼女を見下ろした。

「いいか、よく聞け。今この瞬間から、お前は『高橋莉奈』でも『妹』でもない。俺の所有物であり、借金返済のための労働力だ」

「そ、そんな……」

「呼び方も改めろ。『お兄ちゃん』は禁止だ。これからは『ご主人様』、あるいは配信中は『ゼウス様』と呼べ」

莉奈の顔が屈辱に歪む。 実の兄に向かって「ご主人様」。 そんな漫画のようなセリフを、現実で強要される屈辱。 だが、彼女の首には、300万円という借金と、俺が握っている「警察沙汰の弱み」という見えない首輪がかかっている。

「……返事は?」

俺が低く唸ると、莉奈はビクリと震え、消え入りそうな声で答えた。

「は、はい……ご主人様……」

「声が小さい」

「はいっ! わかりました、ご主人様!」

莉奈は涙目で叫び、その場で着替え始めた。 プライドも羞恥心もかなぐり捨て、メイド服に袖を通す。 サイズはあつらえたようにぴったりだ。かつて彼女が「一番可愛い」と自慢していた容姿は、今や俺のために消費されるだけの記号となった。

着替え終わった莉奈――いや、奴隷1号は、スカートの裾を掴み、ぎこちなく頭を下げた。

「に、似合いますか……ご主人様……」

「まあまあだな。中身が腐ってるのが玉に瑕だが」

俺は鼻で笑い、テーブルの上の埃を指でなぞった。

「さて、仕事の時間だ。まずはこの広いリビングの床、全面雑巾掛けだ。……もちろん、手でな」

「えっ、全部!? 掃除機じゃなくて!?」

「夜遅いから近所迷惑だろ。朝までに終わらせろ。それが終わったら洗濯と、明日の朝食の仕込みだ。寝る時間があると思うなよ?」

俺は寝室へと向かいながら、背越しに手を振った。

「あ、サボったら借金に延滞金追加するからな。時給換算で50年が60年に伸びるぞ」

「ひぃっ! や、やります! すぐやります!」

背後で、慌ててバケツと雑巾を用意する音が聞こえる。 かつては「爪が割れるから家事はしない」とほざいていた女が、今は必死の形相で床を這いつくばっている。

俺は寝室に入り、ふかふかのベッドにダイブした。 防音の効いた部屋からは、莉奈のすすり泣く声は聞こえない。

「……いい夢が見られそうだ」

俺は満足げに目を閉じ、深い眠りについた。
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