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第1話 21(トゥエンティ・ワン)
5 ラーメン屋
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「やっぱ、ラーメンは麺が命だよな」
あれから十一年。尊敬すら寄せていた一つ年上の幼なじみは今、実に幸せそうな顔をして、俊太郎の前でラーメンをすすりこんでいた。
時の流れの残酷さに、呆れるを通りこして一種の無情さすら感じていた俊太郎に、友部はふと割り箸を動かす手を休めると、にやにやして彼を見た。
「何だよ? 俺の美貌に見とれてるのか?」
「そんなに顔に自信があるんなら、もっとまともな格好したらどうだ?」
俊太郎は露骨にそっぽを向いた。
「ばっかだなー。顔に自信があるからこんな格好してるんじゃないかー。素材で勝負だぜ、俺は」
――昔はこんなんじゃなかった。
俊太郎は再び、深い悲愴感に浸った。
あの後、小学校の前で京子と別れ、近くのこのラーメン屋に入った。昼をかなり過ぎているので、客はまばらである。この後、小学校周辺を見回って、夕方から小学校に張りこむ予定だ。
妖魔が出没するのは、主に真夜中から未明にかけてだが、それまで宿で悠長に待つのは彼らの主義ではない。自らの存在によって妖魔を誘い出し、それを狩るのである。
並みのハンターがおよそ半月をかけてようやく一匹の妖魔をしとめるのに比べ、この方法は危険きわまりなかったが、しとめるのは早かった。
ただし、それはあくまで腕のよいハンターの場合に限る。〝早い・うまい・安い〟がよい食い物屋の条件だが、妖魔ハンターの場合は、〝強い・早い・だから高い〟なのであった。
「どうした? 食欲ないのか?」
さっきからあまり口を動かしていない俊太郎に、友部がやや心配そうに訊ねてきた。
「そういうわけじゃないけど……おまえ、あの子の父親はどうなったと思ってるんだ? 妖魔に食われて、とりこまれてるんじゃないのか?」
「何考えてんのかと思ったら……そんなこと、俺に訊くなよ。俺は千里眼じゃない」
言いながら、友部はレンゲでスープを飲んだ。
「だったら、どうして急にあの教室に目をつけたんだ?」
「言ったろ。とりあえず、だ。関係がありそうなところは、とにかく荒らしておいたほうがいいだろ」
「それはまあ、そうだけど……」
俊太郎は困惑して、少し伸びはじめてきた麺を、割り箸でくるくると回していた。
と、その手が止まった。
「友部」
「わーってる。来たな」
友部は顔も上げずに、残りの麺をすすっていた。
「気が早いな。こんなに早く来るとは思わなかった」
「のんきなこと言ってないで、他の客巻きこまないようにとか考えろよ」
「たとえ巻きこまれても、俺らのせいだとはわからない」
妖魔ハンターにあるまじきことを友部が呟いたのとほとんど同時。
入口横の窓ガラスが派手な音を立てて砕け散り、何か黒いものが店内へと躍りこんできた。
俊太郎たちは奧の席にいたのでその被害は受けなかったが、運悪く、そこでは薄汚れた格好をした男が競馬新聞を片手にラーメンを食べていた。当然、男はまともにガラスの破片を浴びてふっとんだが、血だらけになってもなお新聞だけは離さなかった。
この非常識な客に、店員を含めた四人は恐怖の叫びを上げた。急いで外へ逃れようとしたが、その客に入口を塞がれていて出るに出られない。仕方なく、カウンターの奧の厨房になだれこむようにして逃げこんだ。
来訪者は、床でひくひくしている競馬新聞男に少し気をとられた。――血塗れだったからだ。
「俊太!」
友部の声より一瞬早く、俊太郎は来訪者に続けざまに鉄串を放った。それらはすべて深々と突き刺さり、来訪者はとても文字にはできない叫びを上げて、その獅子のような体を蛸のようにくねらせた。
いま放った鉄串には特別な細工がしてあって、一度刺さったら抜けないばかりか、もがけばもがくほど体の中へと潜りこんでいく。町長室で俊太郎が友部に放った鉄串は、いちばん威力のないもので、これとは比較にもならない。来訪者は体中に鉄串を生やしたまま、己が蹴破った窓から外へと飛び出した。
「包丁貸せ!」
真っ青になって震えている初老の店主に、友部が怒鳴りつけた。
「あ……あいよ!」
わけもわからず、店主は手近にあった巨大な中華包丁を友部に差し出した。友部はそれをひったくるようにしてつかむと、壊れた窓ガラスを飛び越え、人通りのない道をひた走っていく来訪者へ、ブーメランの要領で投げつけた。
包丁は包丁であるとわからないほどの速さで唸りを上げて飛び、来訪者の体を上下真っ二つにしてアスファルトに突き刺さった。来訪者はその場で崩れ落ちた。
「やったか?」
友部と同じように窓ガラスを飛び越えて、俊太郎は友部に声をかけた。
「見てのとおりだ」
淡々と友部は言い、来訪者の近くへ行った。
来訪者はすでに息絶えていた。しかし、友部は無表情のまま、俊太郎に顎をしゃくってみせた。
来訪者の分かれた二体に、駄目押しとばかりに俊太郎は鉄串の雨を降らせた。死んだと思えた来訪者は、断末魔の叫びとともに体を反り返らせた。だが、ついに力尽き、乾いたアスファルトにおびただしい黒い血を吸わせながら、急速に縮んでいった。
普段は仲の悪い二人だが(と人には思われていると俊太郎は思っている)、ひとたび仕事となると非常に息が合った。単独でやるより組んでやるほうがずっと能率がいいというのも、俊太郎は認めたくないが、否定できない事実なのである。
「あんたたち……」
車に突っこまれでもしたかのようなラーメン屋から、店主を先頭にして、客たちがこわごわと出てきた。
「まさか……あんたたち……」
「そう」
得意げに笑って、友部は俊太郎の肩を抱き寄せた。
「できてます」
俊太郎は友部の後頭部を思いっきり腕で殴ってから、恐縮して人々に軽く頭を下げた。
「すみません。妖魔ハンターです」
「じゃあ、例の妖魔を狩りにきたのか」
「え、だったら今のが?」
「でもよ、今昼間だぜ? 妖魔ってのは、夜にしか出ねえもんじゃねえのか?」
客たちは口々に囁きあう。
「まー、どっちにしろ、これで一安心てなわけだな?」
さっきまでの青い顔が嘘のように店主は豪快に笑ったが、友部の返答を聞いて硬直した。
「残念ながら、まだだ」
俊太郎に殴られた頭をさすりながら、友部はアスファルトに突き刺さっている包丁を引き抜く。
「これは奴の一部だよ。さすが十人近く食ってるだけのことはある。しかも、昼間であれだけ動けるとはな」
「〝エセ妖魔〟か」
招かれざる来訪者――妖魔のなれの果てに目をやって、俊太郎は苦く呟いた。
「そういうこと。……悪いね。この包丁、ダメにしちまった。でも、『妖魔課』でDNA鑑定してもらうから、このままもらってくよ。請求書は町長にお願い」
友部は陽気に笑って、ボロボロの中華包丁を振り回した。
「そりゃあ、ええけど……エセって? ありゃ妖魔じゃなかったのかい?」
「妖魔にも、実は二種類あるんだよ」
悪戯っぽい顔で友部は説明する。
「一つは昔ながらのもともとの妖魔。こいつは夜にしか動かない。そして、もう一つが後から妖魔になった奴。今じゃこっちのほうがずっと多い。こいつも動くのは夜だが、今みたいに昼に動けないこともない。でもって、そういう妖魔は……」
友部は腕組みして、妖魔の死体を見やった。
「たいがい、元人間さ」
人々はあっと声を上げた。
黒い血だまりの中にあったのは、もはや闇の忌まわしい生き物ではなく、俊太郎の鉄串で針鼠のようになっている人間の腕の二枚おろしだったからだ。だが、それはすぐに砂のように崩れて消えてしまった。
「ところで」
驚きに目を見張る人々に、友部はにこやかに言った。
「いいかげん、救急車呼んでやったら?」
店内では、人々にその存在を忘れ去られていた競馬新聞男が、床に転がったまま呻き声を上げつづけていた。
あれから十一年。尊敬すら寄せていた一つ年上の幼なじみは今、実に幸せそうな顔をして、俊太郎の前でラーメンをすすりこんでいた。
時の流れの残酷さに、呆れるを通りこして一種の無情さすら感じていた俊太郎に、友部はふと割り箸を動かす手を休めると、にやにやして彼を見た。
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「そんなに顔に自信があるんなら、もっとまともな格好したらどうだ?」
俊太郎は露骨にそっぽを向いた。
「ばっかだなー。顔に自信があるからこんな格好してるんじゃないかー。素材で勝負だぜ、俺は」
――昔はこんなんじゃなかった。
俊太郎は再び、深い悲愴感に浸った。
あの後、小学校の前で京子と別れ、近くのこのラーメン屋に入った。昼をかなり過ぎているので、客はまばらである。この後、小学校周辺を見回って、夕方から小学校に張りこむ予定だ。
妖魔が出没するのは、主に真夜中から未明にかけてだが、それまで宿で悠長に待つのは彼らの主義ではない。自らの存在によって妖魔を誘い出し、それを狩るのである。
並みのハンターがおよそ半月をかけてようやく一匹の妖魔をしとめるのに比べ、この方法は危険きわまりなかったが、しとめるのは早かった。
ただし、それはあくまで腕のよいハンターの場合に限る。〝早い・うまい・安い〟がよい食い物屋の条件だが、妖魔ハンターの場合は、〝強い・早い・だから高い〟なのであった。
「どうした? 食欲ないのか?」
さっきからあまり口を動かしていない俊太郎に、友部がやや心配そうに訊ねてきた。
「そういうわけじゃないけど……おまえ、あの子の父親はどうなったと思ってるんだ? 妖魔に食われて、とりこまれてるんじゃないのか?」
「何考えてんのかと思ったら……そんなこと、俺に訊くなよ。俺は千里眼じゃない」
言いながら、友部はレンゲでスープを飲んだ。
「だったら、どうして急にあの教室に目をつけたんだ?」
「言ったろ。とりあえず、だ。関係がありそうなところは、とにかく荒らしておいたほうがいいだろ」
「それはまあ、そうだけど……」
俊太郎は困惑して、少し伸びはじめてきた麺を、割り箸でくるくると回していた。
と、その手が止まった。
「友部」
「わーってる。来たな」
友部は顔も上げずに、残りの麺をすすっていた。
「気が早いな。こんなに早く来るとは思わなかった」
「のんきなこと言ってないで、他の客巻きこまないようにとか考えろよ」
「たとえ巻きこまれても、俺らのせいだとはわからない」
妖魔ハンターにあるまじきことを友部が呟いたのとほとんど同時。
入口横の窓ガラスが派手な音を立てて砕け散り、何か黒いものが店内へと躍りこんできた。
俊太郎たちは奧の席にいたのでその被害は受けなかったが、運悪く、そこでは薄汚れた格好をした男が競馬新聞を片手にラーメンを食べていた。当然、男はまともにガラスの破片を浴びてふっとんだが、血だらけになってもなお新聞だけは離さなかった。
この非常識な客に、店員を含めた四人は恐怖の叫びを上げた。急いで外へ逃れようとしたが、その客に入口を塞がれていて出るに出られない。仕方なく、カウンターの奧の厨房になだれこむようにして逃げこんだ。
来訪者は、床でひくひくしている競馬新聞男に少し気をとられた。――血塗れだったからだ。
「俊太!」
友部の声より一瞬早く、俊太郎は来訪者に続けざまに鉄串を放った。それらはすべて深々と突き刺さり、来訪者はとても文字にはできない叫びを上げて、その獅子のような体を蛸のようにくねらせた。
いま放った鉄串には特別な細工がしてあって、一度刺さったら抜けないばかりか、もがけばもがくほど体の中へと潜りこんでいく。町長室で俊太郎が友部に放った鉄串は、いちばん威力のないもので、これとは比較にもならない。来訪者は体中に鉄串を生やしたまま、己が蹴破った窓から外へと飛び出した。
「包丁貸せ!」
真っ青になって震えている初老の店主に、友部が怒鳴りつけた。
「あ……あいよ!」
わけもわからず、店主は手近にあった巨大な中華包丁を友部に差し出した。友部はそれをひったくるようにしてつかむと、壊れた窓ガラスを飛び越え、人通りのない道をひた走っていく来訪者へ、ブーメランの要領で投げつけた。
包丁は包丁であるとわからないほどの速さで唸りを上げて飛び、来訪者の体を上下真っ二つにしてアスファルトに突き刺さった。来訪者はその場で崩れ落ちた。
「やったか?」
友部と同じように窓ガラスを飛び越えて、俊太郎は友部に声をかけた。
「見てのとおりだ」
淡々と友部は言い、来訪者の近くへ行った。
来訪者はすでに息絶えていた。しかし、友部は無表情のまま、俊太郎に顎をしゃくってみせた。
来訪者の分かれた二体に、駄目押しとばかりに俊太郎は鉄串の雨を降らせた。死んだと思えた来訪者は、断末魔の叫びとともに体を反り返らせた。だが、ついに力尽き、乾いたアスファルトにおびただしい黒い血を吸わせながら、急速に縮んでいった。
普段は仲の悪い二人だが(と人には思われていると俊太郎は思っている)、ひとたび仕事となると非常に息が合った。単独でやるより組んでやるほうがずっと能率がいいというのも、俊太郎は認めたくないが、否定できない事実なのである。
「あんたたち……」
車に突っこまれでもしたかのようなラーメン屋から、店主を先頭にして、客たちがこわごわと出てきた。
「まさか……あんたたち……」
「そう」
得意げに笑って、友部は俊太郎の肩を抱き寄せた。
「できてます」
俊太郎は友部の後頭部を思いっきり腕で殴ってから、恐縮して人々に軽く頭を下げた。
「すみません。妖魔ハンターです」
「じゃあ、例の妖魔を狩りにきたのか」
「え、だったら今のが?」
「でもよ、今昼間だぜ? 妖魔ってのは、夜にしか出ねえもんじゃねえのか?」
客たちは口々に囁きあう。
「まー、どっちにしろ、これで一安心てなわけだな?」
さっきまでの青い顔が嘘のように店主は豪快に笑ったが、友部の返答を聞いて硬直した。
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「〝エセ妖魔〟か」
招かれざる来訪者――妖魔のなれの果てに目をやって、俊太郎は苦く呟いた。
「そういうこと。……悪いね。この包丁、ダメにしちまった。でも、『妖魔課』でDNA鑑定してもらうから、このままもらってくよ。請求書は町長にお願い」
友部は陽気に笑って、ボロボロの中華包丁を振り回した。
「そりゃあ、ええけど……エセって? ありゃ妖魔じゃなかったのかい?」
「妖魔にも、実は二種類あるんだよ」
悪戯っぽい顔で友部は説明する。
「一つは昔ながらのもともとの妖魔。こいつは夜にしか動かない。そして、もう一つが後から妖魔になった奴。今じゃこっちのほうがずっと多い。こいつも動くのは夜だが、今みたいに昼に動けないこともない。でもって、そういう妖魔は……」
友部は腕組みして、妖魔の死体を見やった。
「たいがい、元人間さ」
人々はあっと声を上げた。
黒い血だまりの中にあったのは、もはや闇の忌まわしい生き物ではなく、俊太郎の鉄串で針鼠のようになっている人間の腕の二枚おろしだったからだ。だが、それはすぐに砂のように崩れて消えてしまった。
「ところで」
驚きに目を見張る人々に、友部はにこやかに言った。
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