悪役令嬢の許嫁は絶倫国王陛下だった!? ~婚約破棄から始まる溺愛生活~

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
65 / 76

67.

しおりを挟む
今日はウンディルネという町で祭りがあるのですから、私はウディルをお誘いする事に致します。
朝食を済ませて身支度を整えた後部屋を出ると、そこには何故か陛下がいらっしゃいます。
私は呆気に取られて立ち止まっていると、陛下が近付いて来て私の手を取って言います。
「一緒に行こうか」
「……はい?」
(え? 何で?)
と思いつつも返事をする私に陛下は満足そうな顔をして私をエスコートして下さるのでした。
何故陛下が居るのかわかりませんでしたが、まぁ、いっかと思って町へと向かいました。
町の入口まで来ると、警備兵の方が出迎えてくださいました。
その方達にも陛下と一緒に行くことが知れ渡りました。どうやら、皆知っているみたいですね、
そう思う私なのでした。
祭りは大通りで行われていて屋台も出ていた。そこでウディルは何か買おうとしていた。
何をと思ったけど私も同じものを食べたくなったから二人で買いに行った。
食べ終わる頃には陽が暮れていたので広場の噴水で二人並んで腰掛けて夜空に浮かぶ星を見ながら過ごしました。
その日はとても楽しかったのでまた、来たいと思える程に。
翌日私は仕事の為朝早くから城に向かう為準備をしていました。そこへウディルも訪ねて来たので、
まだ時間もありますし、お話くらいしてあげてもバチは当たらないだろう思い招き入れます。
お茶を飲みながら少しだけ話すことにしました。
内容はやっぱり昨日のことでした。どうやら気になっていたようで、しつこく聞いてくるんです。
仕方ないので、私も楽しく過ごせたと言う事を素直に話ししたら、ホッとしたような顔をしたのでした。
私が城を発つ時は、陛下と別れを惜しみながらも馬車に乗り込む。
窓から手を振ってくれる陛下に、振り返すとウディルが乗り込んできました。
何事!?︎
と思っていると、そのままウディルの腕が私に伸びて抱きしめてきます。
私はウディルの行動がわからず、困惑してしまいました。そんな私の耳元でウディルは囁くように言うのです。
「今夜、お前を抱くから、そのつもりでいろ」
と、私は真っ赤になり何も言えなくなりました。
それからウディルが馬車に乗っていくのを見送ってから城の扉を閉めます。
ウディルに抱かれると聞いて、私、ちゃんとお手入れしないといけないなと思いました。
(だって、あんなに素敵な男性に抱かれに行くんですもの)
そんな事を思ってしまう自分が少し可笑しいけれど、とても楽しみでした。
ウディルは約束通り夜の9時頃にやってきました。
いつものように食事をして、その後はウディルの部屋でくつろぎます。
ウディルは私の髪に触れて、口づけをしてから、耳元で囁くように言います。
「今夜は覚悟しろよ」
それだけ言って、私を抱いてきました。私はウディルに抱かれている間、ずっと幸せを感じておりました。
ウディルが帰ろうとした時、私はウディルを呼び止めて抱きつきます。すると、
ウディルは私を抱き寄せてくれました。
「どうした?」
「もうちょっと、このままで居たい」
「わかった」
と言ってくれたので、私はウディルの胸に顔を埋めたままでいる事にするのでした。
暫くそうしていると、私が落ち着きを取り戻した頃合いで、
「お前、俺の事好きすぎだな」
「うん」
「即答かよ」
「だって、好きなんだもん」
「……そうか」
「ウディルは?」
「俺も好きだよ」と、言って私の額に口付けを落とすのでした。
こうして、私の初めては無事に終わりを迎えることが出来たのでした。
翌朝、目が覚めると隣にウディルの姿がありました。
私は思わず抱きついて胸元に頬擦りします。
すると、ウディルは起きて私の頭を撫でてくれる。
それが気持ち良くて、もう少しこうしていたいと思うのでした。
そんな風に過ごしていたらノックが聞こえてきた。私は慌てて離れるとドアを開ける。
そこに居たのは陛下だった。
私は焦った。まさか、陛下が来るなんて思ってもいなかったから。
だけど陛下は何も言わずに部屋に入ってくると、ソファーに座って寛いでしまう。
私はオロオロしながらもウディルを起こします。
すると、眠たそうにしてるウディルは目をこすりながら体を起こして欠伸を一つ漏らすのでした。
その姿が可愛らしく見えてしまったのは内緒です。
それから三人で朝食を食べてから執務室に向かいます。その間も陛下は無言のままでした。
そして、執務室に辿り着くと、陛下は書類に目を通してサインを書いていきます。
それを横目に見つつ私は自分の仕事をする為に机に向かってペンを走らせていく。
それから数時間後、私の仕事が一段落ついた時に陛下が声をかけてきました。
それは、昨日のことに関する事でした。
私は黙って聞いていました。
全てを聞き終えたあと、私は立ち上がります。
陛下は私を見つめて言いました。
やはり、許せないか、と。
私は首を振ります。
許せる訳がないじゃないですか。私は言ったはずですよ、次は許さないって。
私は言いました。今度のことは見逃してあげるって。
その代わり条件が有るって事も。
それは、今度からは私の意思を尊重して欲しいって事だけでした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

結婚式に結婚相手の不貞が発覚した花嫁は、義父になるはずだった公爵当主と結ばれる

狭山雪菜
恋愛
アリス・マーフィーは、社交界デビューの時にベネット公爵家から結婚の打診を受けた。 しかし、結婚相手は女にだらしないと有名な次期当主で……… こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載してます。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

処理中です...