王子様が私の全てを奪っていく

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
16 / 30

16.

しおりを挟む
「アシェリアさんとは親しくさせて頂きたいと思っていたんですよ。ありがとうございます」
と言われてしまうのだった。そうして別れてから更に数時間が経ち夜を迎えると二人は城に戻っていた。そして次の日の朝の出来事となる。目覚めてから部屋を出る前に服を着替えようとしたときにアシェリアは見てしまう。下着が自分のものではなくなっており王子の身につけているものであるということが否応なく伝わってくる。それから 王子の部屋で朝食を摂った後にアシェリアは部屋に戻ろうと歩き出すが王子に引き留められてしまう。
「昨日は楽しかったな」
と、バッデスド王子は言ってきてその後に
「なあ、お前は俺の妻にならないか」
と、突然告げられていた。あまりに唐突なことだった為に戸惑いながらも言葉を返していく。
「……」
黙ってしまった。だけども、それからアシェリアは勇気を振り絞るようにバッデスド王子に自らの想いを告げる。
「私はあなたのことを……」
と言うと、 王子は答えを口にする
「知っているよ」
と。そこでアシェリアは何も言わなくなるのであった。それから暫くして、
「どうやら君は悪役令嬢になりたいようだね」
と、バッデスド王子は言う。するとアシェリアは首を縦に振る。そして、こう話し始めるのであった。
「だってそうしないと物語が進みにくいでしょう?
私は邪魔者なのでしょうし……それに、あなたに振り向いて欲しくない訳でもないので」
と、言われるとバッデスド王子は
「じゃあ君を悪役にする代わりにこっち側に引き込む事にしよう」
と、意味深なことを言いだしていた。それに対してアシェリアは少し焦った様子で反応を見せ始めた。
そして、
「どうして私がそのような扱いを受ける事になるのですか!?
確かに乙女ゲームならそうした展開はありますが、これ現実ですよね!!
それともやっぱり小説のような感じになってしまうのでしょうか……それならば絶対に嫌ですよ!!」と。
こうして二人の話し合いが始まった。
その結果として王子はアシェリアを抱き抱えると寝所に向かい アシェリアが何も抵抗できない状態になってから服を脱がしていき そのまま組み敷いて襲っていく。それから正常位で交わっている最中にアシェリアが王子の肩を掴むとその勢いを止めようとしていた。
そこで王子は動きを止めると、アシェリアの方を向いて声を掛ける。
その時の様子だが、
「なぁお前はいつも自分を抑えつけて本心を偽ってきただろう?
だから今度は自分の気持ちに素直になって正直に生きるんだ」
と、 王子から言われて戸惑っていたものの ゆっくりと小さくうなずくとアシェリアは彼に身を預けることにしたのである。
それを受けてから バッデスド王子はアシェリアに優しく微笑みかけると腰を動かし始めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

悪役令嬢の大きな勘違い

神々廻
恋愛
この手紙を読んでらっしゃるという事は私は処刑されたと言う事でしょう。 もし......処刑されて居ないのなら、今はまだ見ないで下さいまし 封筒にそう書かれていた手紙は先日、処刑された悪女が書いたものだった。 お気に入り、感想お願いします!

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

婚約破棄してくださって結構です

二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。 ※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています

処理中です...