勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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彼らは俺を見ると、怪訝そうな表情を浮かべたが、すぐに興味を失ったようで、去っていく。
その様子を見ながら、俺は思う。
(なんだか落ち着かないな)
今まで、こういった場所に来たことがなかったので、どうすればいいのかわからないのだ。
とりあえず、適当に歩き回ってみることにする。
しばらく歩いていると、いい匂いが漂ってきた。
そちらに目を向けると、食堂があった。
店の前には大きな看板が置いてあり、そこには料理の絵が描かれている。
「魔王・リュート様」
と書かれているのを見て、思わず苦笑してしまう。
それから、店内に入ると、空いている席に座る。
メニュー表を手に取り、眺める。
そこには様々な料理の名前が並んでいるが、どれがいいのかよくわからない。
仕方なく、オススメと書かれたセットを頼むことにした。
しばらくすると、店員がやってきて注文した品を持ってくる。
テーブルの上に並べられたのは、パンとスープ、サラダだった。
さっそく食べてみる。
どれも美味しかった。
あっという間に平らげてしまう。
そして、会計を済ませると、外に出た。
それから、街を散策することにした。
色々な店を回りながら、街の様子を観察する。
この街は活気に満ち溢れていた。
「平和だな……」
ついそう呟いてしまうほど平和な光景が広がっている。
だがしかし……それは表面上だけのものであることを俺は知っている。
何故なら俺はこの世界の真実を知っているからだ。
だからこの景色を見ても特に何も感じないし感動もしないし興奮もしないし恐怖すらしない。
ただ無関心のまま通り過ぎるだけだ。
それが正しいことだと思っているし間違っていないとも思っている。
だからこそ俺がここに来た理由は一つしかない――暇つぶしである。
ただそれだけの理由だ。それ以上でもそれ以下でもないのだから……。
そんなことを考えながら歩いていたらいつの間にか街の外れまで来ていたようだ。
そこから少し歩くと大きな屋敷が見えてきた。
「ここは……」
俺はなんとなくだがここに誰が住んでいるのか予想がついた。
おそらくだけど、ここが魔王城なのだろう……多分。
そう結論付けた俺はゆっくりと扉を開いた。
扉を開けると目の前には長い廊下が続いていた。
左右を見渡すが誰もいない。
人の気配もないことから無人のようだ。
俺はそのまま廊下を進み奥の部屋へと入っていく。
部屋の中は広くて綺麗に整頓されていた。
どうやらこの部屋は応接室のようでソファーやテーブルが置かれていてくつろげる空間になっているようだった。
俺はソファーに腰掛けると大きく息を吐き出した。
ここまで歩いてきたからか緊張していたのかもしれない。
そんなことを考えていると突然扉が開き誰かが入ってきた。
「あら?もしかしてお客様かしら?」
そう言って現れたのはとても綺麗な少女だった。
見た目年齢は16歳くらいだろうか。
身長はそれほど高くないが胸はかなり大きい方だと思う。
髪は銀色で腰まであるロングヘアー。
肌の色は白く透き通るような美しさを持っていた。
俺はその容姿に見蕩れてしまっていた。
「あの……何か?」
そう言われて我に帰ると慌てて謝罪する。
「す、すみません!あまりにも綺麗だったので見惚れてしまっていました」
そう言うと少女は顔を真っ赤にしながら照れているようだった。
「そ、そんなことありませんよ……」
小さな声で呟きながら俯く姿がとても可愛らしいと思った。
「えっと、貴女は一体……?」
「ああ、ごめんなさい。私はクロードと言います。見ての通りのハーフデビルです」
クロードと名乗った少女の頭には角が生えていた。
そして背中には蝙蝠のような羽がある。
確かにその姿は人ではないのだろうと思わせるものだった。
彼女は俺の隣に座りながら話しかけてくる。
俺はそれに相槌を打ちながら話を聞いていた。
「それでですね、私が聞きたいのはどうしてあんなところにいたのかということなんですが」
その言葉にドキッとする。
まさか本当のことを言うわけにはいかないだろう。
どうしたものかと悩んでいると、彼女はとんでもないことを言い出した。
「あ、言いたくないのなら無理に言う必要はないですよ」
その言葉にホッとする。
「ですが、その代わりと言っては何ですけど私のお願いを聞いてもらえませんか?」
「え?何ですか?」
聞き返すと彼女は笑顔を浮かべながら言った。
「実は、私をあなたの弟子にしてもらえないでしょうか」
突然の申し出に驚いてしまう。
いきなり何を言い出すのだろうか。
困惑する俺に彼女は続けて言った。
「実は、強くなりたいんです」
彼女の目は真剣そのものだ。
その目を見て俺は決意を固める。
そして、答えた。
「わかりました」
こうして俺と彼女は師弟関係を結ぶことになったのだった。
それから俺たちは旅に出ることにした。
まずは隣町を目指すことにする。
「それでは行きましょうか」
彼女は微笑みながらそう言った。
そして、二人は並んで歩き出す。
森の中を歩きながら、これからのことについて考える。
(これからどうしようかな)
今のところは特に目的もなく旅をしている状態だ。
とりあえず、隣町に行けば何かしらの情報が得られるかもしれないと思い、そこへ向かうことにした。
道中で魔物に襲われている人を見かけたので助けることにした。
相手はオーガで、数匹の群れで行動しているようだ。
見たところそれほど強くはないようだが、数が多いので厄介そうだ。
なので、二人で協力して戦うことにした。
まず最初に動いたのはニーナだった。
彼女が放った矢が次々と命中していく。
「グオオオォッ!」
オーガたちは雄叫びを上げながら向かってきた。
そして、手に持った棍棒を振り下ろす。
俺はそれを躱すと、剣を振り下ろして首を刎ね飛ばした。
さらに、別の個体には掌底を叩き込んで吹き飛ばしていく。
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