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魔王リュートはもういないと言われて、人間落ちした俺に何の魅力も感じなくなっていたこと、
父と相対しようとしない、魔王の座をかけての勝負から逃げた俺に、彼女はもう限界を感じていたことなどなど、俺が答えれば
「魔王って話は本当だったんですね、人間になったから、聖剣が使えるようになったんですか、ってことは、もう、魔族の魔法は」
「多分使えない、父さんに施された、魔族化の秘術は効果が下がっている様で、俺は、今は魔族の魔法が唱えれるかどうかも怪しい」
「魔族の魔法って、確か」
「暗黒魔法だな」
俺の言葉に頷いた彼女は、少し考える素振りを見せた後で言った。
「そうですか、とりあえず、これからどうしますか?」
そう聞かれた俺が答えるよりも早く、部屋のドアがノックされる音が聞こえてきた。
その音を聞いて、慌てて服装を整えた俺が返事をすると、そこに現れたのはリリアだった。
彼女はこちらを見るなり笑顔を浮かべて近づいてくると、俺の手を取った。思わずドキっとしてしまったのは内緒だ。
そんなことを考えている間に、リリアはこちらに詰め寄ってくると、顔を近づけてきて耳元で囁いた。
「久しぶりね、会いたかったわ、ずっと待ってたのに、なんで会いに来てくれなかったのよ」
怒った様な口調だが、その瞳は潤んでおり今にも泣き出してしまいそうだ。
「リリア、勇者パーティのお前が何の用だ、俺は魔王じゃない、何のために来た」
「あら、アレクもいるわよ」
そう言いながら入ってきたアレクに俺は緊張して剣に手を添える。
「まま、戦う気は無いぞ、元・魔王様」
笑いながら言う彼を睨みつけていると、マリアが入ってくるのが見えた。
「あ、やっと見つけた! こんなところにいたんだね!」
彼女は嬉しそうに声を上げると駆け寄ってくる。マリアはそんな俺たちを見て苦笑いを浮かべながら口を開く。
「まあ、いいわ、それより、リュート、私と旅しない?」
突然の提案に驚いていると、彼女は続ける。
「母さん、なんでって勇者パーティーに居たんだっけ」
「父さんとは交流できているの」
「出来る訳無いでしょう、あっちは現魔王、以前より、合図らくなったわよ、で、アンタを探していた訳」
と俺の手を引いていく。
俺はそのままついて行くことにした。
道中で話を聞くと、どうやらマリアは勇者パーティーを辞めたらしい。
それで俺を探しに来たそうだ。
それから数日後、俺たちは旅に出ることになった。
目的地は特に決まっておらず、適当にブラついているだけだ。
途中で寄った村で宿泊したりしながらのんびり過ごしている。
そんな中、ある森の奥で一軒の家を見つけた。
それは森の中にあるとは思えないほど立派な建物だった。
どうやら誰かが住んでいるらしい。気になった俺たちは中に入ることにした。
玄関を開けて中に入ってみると、そこは広々とした空間になっていた。
まるで高級ホテルのようだと思った俺はキョロキョロと見回していると、
不意に声をかけられた。
「何でここにいるんだ」
「あら、貴方がなかなか来ないから、親子水入らずに成ってあげたんじゃないの」
(き、気まずい)
父親とは、魔王城で決別して以来なのだ。
し、自然に振舞うんだ。
「や、やぁ、父さん元気かい」
「……」
なんか圧がすごい、どうして?
(……もしかして怒ってる? 俺が追放されたことを恨んでいる?)
どうしよう? 怖い、けどここで逃げちゃだめだ。勇気を出せ! 俺は心の中で自分を鼓舞すると、思い切って話しかけた。
「あの、さ、この前はごめん、俺が、間違ってたよ、だからさ、もう一度やり直さないか、俺と、俺と家族になってくれ!」
その瞬間、時が止まったかのような感覚に襲われた。
しばらく沈黙が続いた後、やがて彼は重い口を開いた。
「もう遅い、今更やり直しても遅いんだよ、お前の顔を見るだけで虫唾が走る」
そう言って立ち去ろうとする彼に俺は必死になって呼びかけた。
「待ってくれ! 父さん、俺達は親子たろう? 母さんの気持ちを無碍にするのかよ、このダメ親父」
「……、マリア、少しこいつ借りてもいいか?」
俺の言葉に一瞬躊躇した様子だったが、意を決したのかこちらを向いて問いかけてきたので頷くと、俺を立たせてくれたので立ち上がる。
そしてそのまま腕を掴まれると引っ張られるようにして連れて行かれてしまったのだった。
しばらく歩いて行くと、小さな小屋のような場所に辿り着いた。
そこで立ち止まると振り返ってこう言ったのだ。
「ここ覚えているか? お前が勇者と密会しているんではと話になって、俺がお前を初めて罰したところだよ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は青ざめた。
かつて俺は、この男から暴力を受けていた時期があったのだ。
ある日のこと、父が仕事に出ている間にこっそり家を出て遊んでいた時に偶然にも女性といるところを目撃してしまったのだ。
しかもその女性は、父の幼馴染だった。
俺はショックを受けながらもその場から逃げ出した。
家に戻ると、父は俺の様子がおかしいことに気づいて問いただしてきたので、正直に話すと頬を叩かれた。
痛かったが我慢した。
そしてその夜、俺は父に呼び出された。
嫌な予感を感じながらも部屋に行くと、そこには案の定、あの女がいた。
父と相対しようとしない、魔王の座をかけての勝負から逃げた俺に、彼女はもう限界を感じていたことなどなど、俺が答えれば
「魔王って話は本当だったんですね、人間になったから、聖剣が使えるようになったんですか、ってことは、もう、魔族の魔法は」
「多分使えない、父さんに施された、魔族化の秘術は効果が下がっている様で、俺は、今は魔族の魔法が唱えれるかどうかも怪しい」
「魔族の魔法って、確か」
「暗黒魔法だな」
俺の言葉に頷いた彼女は、少し考える素振りを見せた後で言った。
「そうですか、とりあえず、これからどうしますか?」
そう聞かれた俺が答えるよりも早く、部屋のドアがノックされる音が聞こえてきた。
その音を聞いて、慌てて服装を整えた俺が返事をすると、そこに現れたのはリリアだった。
彼女はこちらを見るなり笑顔を浮かべて近づいてくると、俺の手を取った。思わずドキっとしてしまったのは内緒だ。
そんなことを考えている間に、リリアはこちらに詰め寄ってくると、顔を近づけてきて耳元で囁いた。
「久しぶりね、会いたかったわ、ずっと待ってたのに、なんで会いに来てくれなかったのよ」
怒った様な口調だが、その瞳は潤んでおり今にも泣き出してしまいそうだ。
「リリア、勇者パーティのお前が何の用だ、俺は魔王じゃない、何のために来た」
「あら、アレクもいるわよ」
そう言いながら入ってきたアレクに俺は緊張して剣に手を添える。
「まま、戦う気は無いぞ、元・魔王様」
笑いながら言う彼を睨みつけていると、マリアが入ってくるのが見えた。
「あ、やっと見つけた! こんなところにいたんだね!」
彼女は嬉しそうに声を上げると駆け寄ってくる。マリアはそんな俺たちを見て苦笑いを浮かべながら口を開く。
「まあ、いいわ、それより、リュート、私と旅しない?」
突然の提案に驚いていると、彼女は続ける。
「母さん、なんでって勇者パーティーに居たんだっけ」
「父さんとは交流できているの」
「出来る訳無いでしょう、あっちは現魔王、以前より、合図らくなったわよ、で、アンタを探していた訳」
と俺の手を引いていく。
俺はそのままついて行くことにした。
道中で話を聞くと、どうやらマリアは勇者パーティーを辞めたらしい。
それで俺を探しに来たそうだ。
それから数日後、俺たちは旅に出ることになった。
目的地は特に決まっておらず、適当にブラついているだけだ。
途中で寄った村で宿泊したりしながらのんびり過ごしている。
そんな中、ある森の奥で一軒の家を見つけた。
それは森の中にあるとは思えないほど立派な建物だった。
どうやら誰かが住んでいるらしい。気になった俺たちは中に入ることにした。
玄関を開けて中に入ってみると、そこは広々とした空間になっていた。
まるで高級ホテルのようだと思った俺はキョロキョロと見回していると、
不意に声をかけられた。
「何でここにいるんだ」
「あら、貴方がなかなか来ないから、親子水入らずに成ってあげたんじゃないの」
(き、気まずい)
父親とは、魔王城で決別して以来なのだ。
し、自然に振舞うんだ。
「や、やぁ、父さん元気かい」
「……」
なんか圧がすごい、どうして?
(……もしかして怒ってる? 俺が追放されたことを恨んでいる?)
どうしよう? 怖い、けどここで逃げちゃだめだ。勇気を出せ! 俺は心の中で自分を鼓舞すると、思い切って話しかけた。
「あの、さ、この前はごめん、俺が、間違ってたよ、だからさ、もう一度やり直さないか、俺と、俺と家族になってくれ!」
その瞬間、時が止まったかのような感覚に襲われた。
しばらく沈黙が続いた後、やがて彼は重い口を開いた。
「もう遅い、今更やり直しても遅いんだよ、お前の顔を見るだけで虫唾が走る」
そう言って立ち去ろうとする彼に俺は必死になって呼びかけた。
「待ってくれ! 父さん、俺達は親子たろう? 母さんの気持ちを無碍にするのかよ、このダメ親父」
「……、マリア、少しこいつ借りてもいいか?」
俺の言葉に一瞬躊躇した様子だったが、意を決したのかこちらを向いて問いかけてきたので頷くと、俺を立たせてくれたので立ち上がる。
そしてそのまま腕を掴まれると引っ張られるようにして連れて行かれてしまったのだった。
しばらく歩いて行くと、小さな小屋のような場所に辿り着いた。
そこで立ち止まると振り返ってこう言ったのだ。
「ここ覚えているか? お前が勇者と密会しているんではと話になって、俺がお前を初めて罰したところだよ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は青ざめた。
かつて俺は、この男から暴力を受けていた時期があったのだ。
ある日のこと、父が仕事に出ている間にこっそり家を出て遊んでいた時に偶然にも女性といるところを目撃してしまったのだ。
しかもその女性は、父の幼馴染だった。
俺はショックを受けながらもその場から逃げ出した。
家に戻ると、父は俺の様子がおかしいことに気づいて問いただしてきたので、正直に話すと頬を叩かれた。
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