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驚きつつも何の用なのかと思っているとどうやら俺達を探していたらしく
急いでついてきてほしいと言われて慌ててついていく羽目になったわけだが、到着した先は何と玉座の間だったのだから余計に驚いてしまったわけ
なのだがそこで待っていた人物がいたことにはもっと驚いたね。
何せその人物というのが国王陛下だったからだからな。
しかも何故かニヤニヤ笑っているもんだから不気味すぎて逃げ出したくなったくらいだぜ!
「いやいや、そう怖がらなくてもいいよ。別に怒ったりしないからさ、取り敢えず座ってくれないかな?」
と言われたので渋々従うことにしたんだ。
そして、促されるままに椅子に腰掛けたんだが、その瞬間に全身に電流が流れたかのような衝撃を受けて
思わず悲鳴を上げちまったよ!そしたらそれを聞いた王様は慌てて駆け寄ってきたんだけど
心配そうに声をかけてきたので何とか大丈夫だと答えたものの正直言ってあまり余裕がなかったんで内心
ヒヤヒヤしてたんだがどうやら気づかれなかったみたいでホッとしたぜ。
それからしばらく経って落ち着いた頃に質問を投げかけられたので答えられる範囲で答えたんだがその中でも特に興味を
持たれたのが例の魔道具に関することだったんだ。
まぁ当然と言えば当然だわな。
「ふむふむなるほどねぇ……」
顎に手を当てながら考え込む素振りをしている彼女を見守っているうちにふと気になったことがあったので
尋ねてみる事にしたんだがこれがいけなかったらしい。
なぜなら彼女がとんでもない爆弾発言をかましてくれたからさぁ大変ってわけだよ!
俺は恐る恐る聞いてみたところあっさりと認めた挙句にこんなことを言ってきたんだぜ?
まったくもって呆れたもんだと思わないか?
いやまあ確かにその通りだとは思うんだけどさ、だからって簡単にバラすなよって思うんだよな、まあいいけどさ
それから暫くして話が終わったところで帰ろうと思ったその時だった。
不意に声をかけられたかと思うと目の前にいたのはこの国のお姫様だったわけでかなり焦ったのは
言うまでもあるまい。
「あら、お帰りですか?」
そう言いつつ微笑んでくる姿にドキッとしながらもなんとか平静を装っていると突然腕を掴まれたので何事かと思って
見てみると彼女が手を握ってきて、そしてこう言ったのである。
「良かったらこの後一緒にお茶でもいかがですか? お話したいこともあるので」
そう言って微笑みかけてくる彼女の顔はとても可愛らしく見えたものの、それと同時に嫌な予感を覚えたのも事実であった。
とは言え断るのも失礼だと思ったので承諾することにしたのだが、連れてこられたのは応接室のような部屋であり中に入るなり
ソファーに座るよう言われたので素直に従ったところ隣に座ろうとしてきたのを見てギョッとしたが、さすがにそこまではしないだろうと
思っていた時期が俺にもありましたよ。
ええ。ところがどっこい、なんとそのままくっついてきやがったんだ!
これには流石に慌てたけど何とか冷静さを取り戻しつつ話しかけることにしてみた。
すると彼女の方から話しかけてきたのでそれに応えると、何やら考え込んでいる様子であることが分かった。
どうしたんだろうと思いつつ見ていると不意に目が合った瞬間にっこりと微笑まれてドキッとしたのを覚えている。
その後も色々話したりしているうちに仲良くなっていった俺達は、お互いに惹かれあうようになっていったのだが、そんなある日の事だった。
突然彼女がやってきて俺に話があると言ってきたのだ。
一体何だろうかと思いつつ話を聞いてみるとその内容というのは意外なもので驚きを禁じ得なかったが、それでも決意は変わらないようで、
それどころかより一層強く想っている様子だったので、俺もその気持ちに応えることにした。
「じゃあ行ってくる」
彼女は小さく頷くと、静かに目を瞑った。
その姿を見ていると胸が締め付けられるような感じがしたが、意を決して唇を重ね合わせた。
初めてのキスの味は少し苦かったがそれ以上に幸福感の方が勝っていたように思う。
唇を離すと照れくささが込み上げてきたが、それも心地良い感覚であった。
(やっと結ばれたんだな)
そう思うと感慨深いものがあったが、今は感傷に浸っている場合ではないと思い直し、
気持ちを切り替えてから彼女に声を掛けた。
すると彼女は笑顔で応えてくれたのでホッとしたが、同時に不安もあったため
思い切って訊ねてみると意外にもあっさりと答えてもらえて拍子抜けした気分になったが、
それと同時に嬉しさが込み上げてきたのもまた事実であった。
「さてと、そろそろ行くか……」
そう呟き立ち上がると部屋を出ることにした。
向かう場所は決まっていたので迷うことはなかったが、
その前にやっておくことがあったので一旦立ち止まることにする。
というのも出発前に準備しておくべきものがいくつかあったからだ。
例えば食料であったり装備品であったりといったものがそれに当たるわけだが今回はそれらに加えてある物を用意する
必要があったのだ。
そのある物とは何かと言うと魔法の小瓶である。
これはいわゆるポーションと呼ばれる類のものであり飲むことで傷や体力を回復することが
できる代物なのだそうだ。ちなみにこれを手に入れた経緯については後で話すことにしようと思う。
そんなわけで早速中身を飲み干すことにする事にしたのだがここでちょっとした
問題が持ち上がったため困ってしまったのだ。
「あれ、蓋がないじゃん!?」
そう、中身が入っていなかったのである。
ということはつまりただの空き瓶を持って歩いていた事になるわけだ。
そりゃ当然の如く怪しまれるわけで……案の定呼び止められてしまった。
しかもよりによって受付嬢にな……はぁ……ついてないなぁと思いながら仕方なく返事をする事にしたのだった。
急いでついてきてほしいと言われて慌ててついていく羽目になったわけだが、到着した先は何と玉座の間だったのだから余計に驚いてしまったわけ
なのだがそこで待っていた人物がいたことにはもっと驚いたね。
何せその人物というのが国王陛下だったからだからな。
しかも何故かニヤニヤ笑っているもんだから不気味すぎて逃げ出したくなったくらいだぜ!
「いやいや、そう怖がらなくてもいいよ。別に怒ったりしないからさ、取り敢えず座ってくれないかな?」
と言われたので渋々従うことにしたんだ。
そして、促されるままに椅子に腰掛けたんだが、その瞬間に全身に電流が流れたかのような衝撃を受けて
思わず悲鳴を上げちまったよ!そしたらそれを聞いた王様は慌てて駆け寄ってきたんだけど
心配そうに声をかけてきたので何とか大丈夫だと答えたものの正直言ってあまり余裕がなかったんで内心
ヒヤヒヤしてたんだがどうやら気づかれなかったみたいでホッとしたぜ。
それからしばらく経って落ち着いた頃に質問を投げかけられたので答えられる範囲で答えたんだがその中でも特に興味を
持たれたのが例の魔道具に関することだったんだ。
まぁ当然と言えば当然だわな。
「ふむふむなるほどねぇ……」
顎に手を当てながら考え込む素振りをしている彼女を見守っているうちにふと気になったことがあったので
尋ねてみる事にしたんだがこれがいけなかったらしい。
なぜなら彼女がとんでもない爆弾発言をかましてくれたからさぁ大変ってわけだよ!
俺は恐る恐る聞いてみたところあっさりと認めた挙句にこんなことを言ってきたんだぜ?
まったくもって呆れたもんだと思わないか?
いやまあ確かにその通りだとは思うんだけどさ、だからって簡単にバラすなよって思うんだよな、まあいいけどさ
それから暫くして話が終わったところで帰ろうと思ったその時だった。
不意に声をかけられたかと思うと目の前にいたのはこの国のお姫様だったわけでかなり焦ったのは
言うまでもあるまい。
「あら、お帰りですか?」
そう言いつつ微笑んでくる姿にドキッとしながらもなんとか平静を装っていると突然腕を掴まれたので何事かと思って
見てみると彼女が手を握ってきて、そしてこう言ったのである。
「良かったらこの後一緒にお茶でもいかがですか? お話したいこともあるので」
そう言って微笑みかけてくる彼女の顔はとても可愛らしく見えたものの、それと同時に嫌な予感を覚えたのも事実であった。
とは言え断るのも失礼だと思ったので承諾することにしたのだが、連れてこられたのは応接室のような部屋であり中に入るなり
ソファーに座るよう言われたので素直に従ったところ隣に座ろうとしてきたのを見てギョッとしたが、さすがにそこまではしないだろうと
思っていた時期が俺にもありましたよ。
ええ。ところがどっこい、なんとそのままくっついてきやがったんだ!
これには流石に慌てたけど何とか冷静さを取り戻しつつ話しかけることにしてみた。
すると彼女の方から話しかけてきたのでそれに応えると、何やら考え込んでいる様子であることが分かった。
どうしたんだろうと思いつつ見ていると不意に目が合った瞬間にっこりと微笑まれてドキッとしたのを覚えている。
その後も色々話したりしているうちに仲良くなっていった俺達は、お互いに惹かれあうようになっていったのだが、そんなある日の事だった。
突然彼女がやってきて俺に話があると言ってきたのだ。
一体何だろうかと思いつつ話を聞いてみるとその内容というのは意外なもので驚きを禁じ得なかったが、それでも決意は変わらないようで、
それどころかより一層強く想っている様子だったので、俺もその気持ちに応えることにした。
「じゃあ行ってくる」
彼女は小さく頷くと、静かに目を瞑った。
その姿を見ていると胸が締め付けられるような感じがしたが、意を決して唇を重ね合わせた。
初めてのキスの味は少し苦かったがそれ以上に幸福感の方が勝っていたように思う。
唇を離すと照れくささが込み上げてきたが、それも心地良い感覚であった。
(やっと結ばれたんだな)
そう思うと感慨深いものがあったが、今は感傷に浸っている場合ではないと思い直し、
気持ちを切り替えてから彼女に声を掛けた。
すると彼女は笑顔で応えてくれたのでホッとしたが、同時に不安もあったため
思い切って訊ねてみると意外にもあっさりと答えてもらえて拍子抜けした気分になったが、
それと同時に嬉しさが込み上げてきたのもまた事実であった。
「さてと、そろそろ行くか……」
そう呟き立ち上がると部屋を出ることにした。
向かう場所は決まっていたので迷うことはなかったが、
その前にやっておくことがあったので一旦立ち止まることにする。
というのも出発前に準備しておくべきものがいくつかあったからだ。
例えば食料であったり装備品であったりといったものがそれに当たるわけだが今回はそれらに加えてある物を用意する
必要があったのだ。
そのある物とは何かと言うと魔法の小瓶である。
これはいわゆるポーションと呼ばれる類のものであり飲むことで傷や体力を回復することが
できる代物なのだそうだ。ちなみにこれを手に入れた経緯については後で話すことにしようと思う。
そんなわけで早速中身を飲み干すことにする事にしたのだがここでちょっとした
問題が持ち上がったため困ってしまったのだ。
「あれ、蓋がないじゃん!?」
そう、中身が入っていなかったのである。
ということはつまりただの空き瓶を持って歩いていた事になるわけだ。
そりゃ当然の如く怪しまれるわけで……案の定呼び止められてしまった。
しかもよりによって受付嬢にな……はぁ……ついてないなぁと思いながら仕方なく返事をする事にしたのだった。
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