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俺が見た感じだと非常に複雑に入り組んだ迷宮のようなものになっていた。
とはいえ、それも最初だけだったが。
しばらく歩いていると、
「おかえり、タクミ 、無事に帰ってきてくれて嬉しい!早速、私の家に行こう、まずはゆっくり休もう」
「ただいま、アーリア。そうさせて貰うよ。疲れているしな」
「うん、来て! みんなも待っています! あ、私の家で色々と聞きたい事があるかもですけど、それはあとにして下さいね。
まだちょっと、私の家は人が住めるような状態じゃないのですよ。
それに、他にも話さないいけない事もあるので、とにかく一度家に行きましょう! 」
そう言った後、彼女は俺の手を掴む。
そして引っ張るようにして歩き出す。
手を繋いでいるが、
「あ、手を繋ぐのはいいが少し速度を落として歩いてくれないか? もう少しゆっくり行かないと付いていけそうに無いんだが……。」
と、言いつつもついていく。
確かにこのスピードだと流石について行くのはキツそうだな。
まぁ別に急ぐ理由もないし問題は無いだろう。
しばらく歩き続けていると、目的地に着いたようだ。
「着きました、私達の住まいは此処になります。」
と、言って指差したのは洞窟だった。
どう見ても、入り口は人が通るのにギリギリの大きさである。
「狭いから皆で入るのは無理そうですね。まぁそれは置いといて、この奥には空間があるんですよ。そこならこの人数も余裕で入れる広さがあります。
だから、さぁ入ってください。ちなみに、この通路は外からは見えないようになっているので安心して入っちゃって大丈夫なんです。」
そう言われると俺は躊躇なくその小さな穴を潜って入った。
そこは俺の予想を遥かに超える大きさの空洞になっていた。
そして、この集落で暮らしている種族もかなりの数がいた。
俺が住んでいる場所がこの世界では、
結構小さい部類に入るのだということを改めて実感させられる程の規模だ。
さらに驚いたことに、この世界に暮らす者達の中には亜人や魔族といった、いわゆる人種と分類される者以外にも獣人とか竜人も存在していた。
この世界では差別の対象とされている存在なのに普通に生活している事に少し違和感を覚える。
しかし、よく考えてみれば当たり前の話だった。
この世界では、人種差別などというものは存在しないに等しい。
なぜなら、この世界には人間以外にも多くの存在がいるからだ。
特に人口が多いと言われているのはこの世界に存在する魔族と呼ばれる種族。
それと魔物に分類される生物が存在している。
魔族に関しては、人間と同じように性別があり見た目も人間に似ているため見分けるのは簡単で、特徴的なのはそれぞれの種族ごとに異なった容姿をしているという特徴があげられるだろう。
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