新米社長の蕩けるような愛~もう貴方しか見えない~

一ノ瀬 彩音

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どうしてここに居るのかと思っていると、彼が立ち上がりこちらに歩み寄ってくるのです。
「どうしてここにいるんですか? 篠宮さん?」
そう聞くと、彼は笑顔で答えるのです。
そして、私の肩に手を置くなり、耳元で囁くようにして言うのです。
「実はね、君のために新しい部署を作ったんだよ、だから君は今日からここに配属される事になるんだ、よろしくね」
そう言われた瞬間、頭が真っ白になりました。
まさか、そんな事になっているとは思いもしませんでしたから、驚きのあまり言葉を失ってしまいました。
そんな私を他所に話はどんどん進んでいき、いつの間にか話がまとまってしまったようです。
私は、何も言えずに呆然としていると、肩を抱かれた状態で部屋を追い出されてしまいました。
それから、私は、一人寂しく帰路につくことになりました。
(これからどうなるんだろう)
不安でいっぱいになりながらも、なんとか自宅まで辿り着きましたが、玄関の前で立ち尽くしていました。
暫くの間、考え事をしていたのですが、結局答えは見つかりませんので諦めてドアを開けることにしたのです。
中へ入ると、母が出迎えてくれたので挨拶をしてから自室へと向かいました。
部屋に戻った後は、スーツを脱いで私服へ着替えることにしました。
クローゼットの中からお気に入りの服を選んで身につけた後は、姿見の前に立ち自分の姿を確認します。
鏡に映る自分は、どこからどう見ても普通の女の子にしか見えなくてなんだか不思議な気分になります。
そのままの姿でいると、突然、部屋のドアがノックされました。
慌てて返事をしますが、返事の前にドアが開かれてしまいます。
そこにいたのは、私の恋人でもある篠宮さんでした。
彼は、私の姿を見るなり驚いた表情を浮かべていましたが、すぐに笑顔になって私に抱きついてきます。
突然のことに驚いて固まってしまっていると、彼は嬉しそうにしながら、私にキスしてきます。
しかも、舌まで入れてきて、激しく求められてしまっています。
「んっ……ふぅ……はぁ……んんっ……」
(ダメぇ……こんなの耐えられないよぉ……)
そう思っていても、抵抗できずにされるがままになってしまう自分が情けなく思えてくるけど、
それ以上に幸せを感じていたりするわけで……。
やがて満足したのか、ようやく解放してくれた頃には息も絶え絶えになってしまっていて、
まともに立つことすらできなくなってしまっていた。
それでも、まだ足りないとばかりに、今度は首筋を舐められて、背筋がゾクゾクとした感覚に襲われる。
その感覚に身を震わせていると、再び唇を重ねられる。
舌を入れられ、
「んむっ……ちゅぷ……」
舌を絡め取られ、唾液を流し込まれると、それを飲み込まされる。
ゴクリと音を立てて嚥下すると、満足そうに微笑まれた。
「篠宮さんがどうしてここに? それに私は家族と暮らしているので」
「ああ、それなら心配いらないよ、君のご両親には許可をもらってあるからね、
もちろん妹さんも一緒だよ」
そう言って笑う彼の表情は、とても嬉しそうで、まるで宝物を見つけた子供のように無邪気な顔をしていた。
それを見てしまうと、怒る気になれなくなってしまうのだから不思議だ。
だけど、このまま流されっぱなしではいられないから、きちんと言わなければと思うのだけど、うまく言葉が出てこない。
そんなことを考えている間に、抱き上げられてしまい、ベッドの上に降ろされると、そのまま押し倒されてしまった。
「何をするのですか、やめて、家族がいるし……」
「大丈夫だよ、ちゃんと話を通しておいたから、安心してくれ」
そう言われてしまっては何も言えないではないか、確かに両親からは好きにしていいと言われているけれど、
やはり恥ずかしいものは恥ずかしくて仕方がないのだ。
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