新米社長の蕩けるような愛~もう貴方しか見えない~

一ノ瀬 彩音

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私が黙っているのをいいことに、篠宮さんはキスをしてくるのです。
「んんッ!?」
唇を塞がれて、口内に侵入してきた舌が歯列をなぞるように動き回り、
上顎や頬の内側など弱い部分を的確に攻め立てられていくうちに、抵抗する気力を奪われていく。
それどころか、もっとして欲しいと思ってしまうほどに頭の中が蕩けていき、
何も考えられなくなるほど夢中になっていく自分に驚くと同時に興奮していくのがわかった。
唇が離れた時には、名残惜しさを感じながらも物足りなさを感じてしまい、
無意識のうちに自分からキスを強請ってしまいます。
そうすると、それに応えるように優しく応えてくれる彼に嬉しくなって、つい甘えてしまう自分を抑えきれなくなり、
自ら求めてしまうようになりました。
「どうしたんだい? 咲良、キスをもっとしたいのか?」
「はい……」
素直に頷くと、彼は嬉しそうな顔をしてくれました。
そして、ゆっくりと顔を近づけてきました。
私も目を閉じて受け入れようとします。
「ちゅっ……」
軽いリップ音と共に、柔らかい感触が唇に触れ、離れていくのを感じて目を開けてみると、彼の顔がありました。
その顔はどこか満足げな表情をしていて、見ているだけで幸せな気持ちになれるような、そんな顔です。
(やっぱりかっこいいなぁ……)
そんなことを思いながら見つめていると、彼が口を開きました。
「……どうしたんです?」
そう尋ねると、彼は少し照れたような表情で答えます。
その表情に胸が高鳴るのを感じた次の瞬間、抱きしめられて耳元で囁かれました。
それだけで顔が真っ赤になってしまうくらい恥ずかしかったですが、同時に嬉しさが込み上げてきました。
だって、好きな人に抱きしめてもらえたのですから、嬉しいに決まっているじゃないですか!
でも、流石にそろそろ恥ずかしくなってきたので離れようとしたのですが、
「もう少し、こうしていたい」
と言われてしまい、断れなくなってしまいました。
仕方なく、暫くそうしていることにしたのですが、篠宮さんの体温を感じていると、
不思議と安心できて、ずっとこうしていたいとさえ思ってしまいます。
暫くの間、抱き合っていた私達は、どちらからということもなく、自然と離れていきました。
そして、見つめ合い、微笑み合った後、篠宮さんに手を引かれて、ベッドへ向かい、横になると、
彼は、私の頭を撫でてくれます。
それが心地よく、思わず、目を細めてしまう。
それから、暫くお互いに無言のまま時間だけが過ぎ去っていく。
私は、この時間が、永遠に続けばいいのに、なんて、柄にもないことを思ってしまう。
しかし、それは、叶わない願いだとわかっているからこそ、余計に切なくなるのだ。
だが、今は、今だけは、この温もりに包まれていたかった。
そう思いながら、彼の胸に顔を埋め、背中に腕を回し、抱きつくようにして、彼の匂いに包まれる。
彼の鼓動、息遣い、肌の感触、全てが心地良く、安心する。
そして、私は、彼に身を委ね、目を閉じた。
「咲良、そろそろ帰るな、明日また会社でな」
そう言うと彼は私の額に軽く口付けをして帰って行った。
彼が帰った後の部屋は、いつもより広く感じて寂しく感じるのだった。
そんなことを考えていたら、急に寂しさが溢れてきて涙が溢れ出してきた。
止めようと思っても止まらない涙は頬を伝っていく。
しかし、このままじゃ良くないと思い、気を引き締めて寝る事にしたのです。
明日は休みだからゆっくり休もうと思ったのですが、なかなか寝付けないのです。
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