新米社長の蕩けるような愛~もう貴方しか見えない~

一ノ瀬 彩音

文字の大きさ
17 / 44

17.

しおりを挟む
てっきりホテルにでも行くものだと思っていたので、正直意外でした。
(まあ、その方が助かるけどね)
なんて思いながら、促されるままに中へ入って行くと、ロビーは落ち着いた雰囲気に包まれており、
受付にいる女性達が笑顔で迎えてくれて、それだけで幸せな気分になれました。
そして、手続きを済ませた後にエレベーターに乗り込み、最上階にあるスイートルームへと案内された。
中に入ると、そこは広く豪華な造りになっていて、思わず目移りしてしまいそうになるほどだった。
だが、いつまでも立ち尽くしている訳にもいかないので、とりあえず荷物を置くために寝室へと向かう事にしたのだが、
その際に後ろから付いて来ていた彼に呼び止められた。
何事かと思って振り返ると、彼は真剣な眼差しでこちらを見つめており、その視線に射抜かれて動けなくなってしまった私に近付いてくると、
そっと手を取って優しくエスコートしてくれたのだ。
たったそれだけの事なのに、まるでお姫様になったような気分になって、つい浮かれてしまった私は、
彼の腕に抱きついて甘えてしまいましたが、それを嫌がる素振りも見せず、
それどころか嬉しそうに笑ってくれたのを見て、ますます好きになってしまいました。
(あぁ、この人になら何をされてもいいかも……)
そんな事を考えているうちに、いつの間にかベッドまで辿り着いていたらしく、そのまま押し倒されてしまいました。
そこで我に返った私が慌てて離れようとすると、強引に押さえ付けられてしまい、身動きが取れなくなってしまいます。
それでも諦めずに藻掻いていると、不意にキスされて力が抜けてしまいます。
そのせいで完全に抵抗する気力を失ってしまった私の耳元に顔を寄せた彼は、優しい声音で囁いてきました。
それを聞いて嬉しくなった私は、素直に従う事にしました。
再び唇を重ねられてしまい、
「んんっ!?」
驚いて声を上げようとした瞬間、口の中に侵入してきた舌によって阻まれてしまいました。
さらに、そのまま口内を蹂躙されてしまい、頭がボーッとしてきて何も考えられなくなるほど気持ち良くて、
気がついたら自分からも舌を絡めていました。
暫くそうしていると、満足したのか解放されたので、名残惜しい気持ちになりながらも、なんとか平静を装って返事をします。
しかし、内心ではドキドキしており、心臓の音がうるさく感じるほどでしたが、幸い気付かれなかったようです。
「咲良、もっとキスしたい」
「いいですよ……私もしたいですから」
(やった!)
心の中でガッツポーズを決めつつ、早速おねだりしてみると、すんなり了承してもらえたので、
遠慮なくさせてもらうことにしました。
まずは軽い口付けから始まり、徐々に深くなっていくにつれて、お互いに貪るように求め合い、
唾液を交換し合うような激しいものに変わっていきました。
そして、十分に堪能した後、どちらからともなく離れると、銀色の糸を引いているのが見えました。
その光景を見て恥ずかしくなりつつも、もう一度して欲しいと思っている自分がいることに気付いて愕然とすると共に、
興奮してきてしまった私は、無意識のうちに太ももを擦り合わせてしまっていたのですが、それに気付いた彼がニヤリと笑ったかと思うと、
「もしかしてキスだけで感じているのか?」
「そ、そんな事ないです!」
咄嗟に否定したものの、本当はその通りだったので、余計に恥ずかしくなってしまう結果になってしまい、
真っ赤になって俯いてしまったところを彼に見られてしまい、笑われてしまいました。
それが悔しくて睨み付けていると、宥めるような口調で謝られた後、優しく頭を撫でてくれて、何だか嬉しくなりました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

それは、ホントに不可抗力で。

樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。 「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」 その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。 恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。 まさにいま、開始のゴングが鳴った。 まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。

ズボラ上司の甘い罠

松丹子
恋愛
小松春菜の上司、小野田は、無精髭に瓶底眼鏡、乱れた髪にゆるいネクタイ。 仕事はできる人なのに、あまりにももったいない! かと思えば、イメチェンして来た課長はタイプど真ん中。 やばい。見惚れる。一体これで仕事になるのか? 上司の魅力から逃れようとしながら逃れきれず溺愛される、自分に自信のないフツーの女子の話。になる予定。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

6年分の遠回り~いまなら好きって言えるかも~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
私の身体を揺らす彼を、下から見ていた。 まさかあの彼と、こんな関係になるなんて思いもしない。 今日は同期飲み会だった。 後輩のミスで行けたのは本当に最後。 飲み足りないという私に彼は付き合ってくれた。 彼とは入社当時、部署は違ったが同じ仕事に携わっていた。 きっとあの頃のわたしは、彼が好きだったんだと思う。 けれど仕事で負けたくないなんて私のちっぽけなプライドのせいで、その一線は越えられなかった。 でも、あれから変わった私なら……。 ****** 2021/05/29 公開 ****** 表紙 いもこは妹pixivID:11163077

先輩、お久しぶりです

吉生伊織
恋愛
若宮千春 大手不動産会社 秘書課 × 藤井昂良 大手不動産会社 経営企画本部 『陵介とデキてたんなら俺も邪魔してたよな。 もうこれからは誘わないし、誘ってこないでくれ』 大学生の時に起きたちょっとした誤解で、先輩への片想いはあっけなく終わってしまった。 誤解を解きたくて探し回っていたが見つけられず、そのまま音信不通に。 もう会うことは叶わないと思っていた数年後、社会人になってから偶然再会。 ――それも同じ会社で働いていた!? 音信不通になるほど嫌われていたはずなのに、徐々に距離が縮む二人。 打ち解けあっていくうちに、先輩は徐々に甘くなっていき……

求婚されても困ります!~One Night Mistake~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「責任は取る。僕と結婚しよう」 隣にイケメンが引っ越してきたと思ったら、新しく赴任してきた課長だった。 歓迎会で女性陣にお酒を飲まされ、彼は撃沈。 お隣さんの私が送っていくことになったんだけど。 鍵を出してくれないもんだから仕方なく家にあげたらば。 ……唇を奪われた。 さらにその先も彼は迫ろうとしたものの、あえなく寝落ち。 翌朝、大混乱の課長は誤解していると気づいたものの、昨晩、あれだけ迷惑かけられたのでちょーっとからかってやろうと思ったのが間違いだった。 あろうことか課長は、私に求婚してきたのだ! 香坂麻里恵(26) 内装業SUNH(株)福岡支社第一営業部営業 サバサバした性格で、若干の世話焼き。 女性らしく、が超苦手。 女子社員のグループよりもおじさん社員の方が話があう。 恋愛?しなくていいんじゃない?の、人。 グッズ収集癖ははない、オタク。 × 楠木侑(28) 内装業SUNH(株)福岡支社第一営業部課長 イケメン、エリート。 あからさまにアプローチをかける女性には塩対応。 仕事に厳しくてあまり笑わない。 実は酔うとキス魔? web小説を読み、アニメ化作品をチェックする、ライトオタク。 人の話をまったく聞かない課長に、いつになったら真実を告げられるのか!?

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

処理中です...