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28.
私は急いで現場に向かうように命令を下した。
陛下も慌てて執務室を出て行く。
「陛下」
私は陛下の背中を追いかけるようにしてついていく。
陛下は何だい?とこちらを振り返ってくるが、今は説明している暇がない。
だから私は一言だけこういった。
お気をつけてくださいと。
陛下はそんな私の言葉を聞くと微笑んで返してくれた。
そして、走り出すのだった。
しばらくすると現場にたどり着いた。
そこには大勢の兵士が集まっており、破壊された壁から中の様子を伺っているようだった。
私達はその集団に近づいていくと、彼らに話しかけた。
すると、彼らは一斉に私達の方を向いて敬礼をしてきた。
彼らの姿を見て私はほっと乳房を撫で下ろすが、すぐに気持ちを引き締める。
私と陛下は彼らを指揮する人物の元へと向かった。
その人物は男性で、年齢は四十代半ばぐらいだろうか。鋭い目つきをした人だった。
彼は私に気づくと、一歩前に出て口を開いた。
「これは陛下にアリスティア様。このような場所にいらっしゃるということは……例の件ですかな?」
その言葉を聞いた瞬間、私は彼が誰なのかを思い出した。
彼はこの国の宰相を務めている人物であり、名前は―――えっと……。
私は慌てて名前を思い出そうとするが、なかなか出てこない。
そんな様子を見かねてか、陛下が代わりに答えてくれた。
彼は私達が生まれる前から王宮で働いている古株の人物だそうだ。
陛下は彼のことを信頼しているらしく、私に何かあったら彼に相談するようにと言っていた。
陛下は彼に今回の事件について尋ねると、彼は詳しい話を始めた。
それによると、昨日の夜のこと、突如として現れた黒い鎧を身に纏った人物が破壊行動を行い
始めたというのだ。
最初はその人影を見たという証言があったものの、やがてその目撃情報はぱたりと途絶えてしまった。
そのことから、もしや魔物が化けているのではないかと疑われたが、調査の為に近づいた兵士達を
容赦なく惨殺していったことで
正体不明の存在ということが判明した。
その後、事態を重く見た国王陛下は私兵を集めて討伐隊を編成。
そのメンバーには騎士団長である彼の姿もあった。
彼は他の兵士達とは比べ物にならないほどの実力を持っており、並みの兵士では束になっても
敵わないほどだという。
そんな彼が率いる部隊ならば、例え相手が魔王軍の幹部であったとしても勝てるだろうというのが
周囲の考えだった。
だが、いくら彼が率いているとはいえ相手の正体が分からない以上、
無闇に攻撃を仕掛けるのは危険だと考えた国王陛下は部隊を二つに分けることにしたのだという。
一方には彼を筆頭とした精鋭部隊を配置して敵の足止めをし、もう一方にはそれ以外の兵士達を
率いて王都内に潜入して情報収集を行うように指示を出した。
彼はまず、精鋭部隊が動き出したのを見計らうと、単身で王城に乗り込み調査を行った結果、
城内に侵入に成功したのだという。
「まさか、あの警備が厳重な城に潜入できるなんてな……。正直、今でも信じられん」
そう言いながら男は首を振る。
「しかも、城の敷地内を探索してみたが、誰もいなかったのだ」
「どういうことだ? 奴らはどこに消えたんだ?」
男の言葉にその場にいた全員が首を傾げた。
「とにかくだ……」
男は再び口を開くと、説明を続けた。
調べたところによると、どうやら城の中に潜んでいた者達は全員どこかへ姿を消してしまったようだ。
おそらく、その隙を狙って脱出したのではないかと思われる。
陛下も慌てて執務室を出て行く。
「陛下」
私は陛下の背中を追いかけるようにしてついていく。
陛下は何だい?とこちらを振り返ってくるが、今は説明している暇がない。
だから私は一言だけこういった。
お気をつけてくださいと。
陛下はそんな私の言葉を聞くと微笑んで返してくれた。
そして、走り出すのだった。
しばらくすると現場にたどり着いた。
そこには大勢の兵士が集まっており、破壊された壁から中の様子を伺っているようだった。
私達はその集団に近づいていくと、彼らに話しかけた。
すると、彼らは一斉に私達の方を向いて敬礼をしてきた。
彼らの姿を見て私はほっと乳房を撫で下ろすが、すぐに気持ちを引き締める。
私と陛下は彼らを指揮する人物の元へと向かった。
その人物は男性で、年齢は四十代半ばぐらいだろうか。鋭い目つきをした人だった。
彼は私に気づくと、一歩前に出て口を開いた。
「これは陛下にアリスティア様。このような場所にいらっしゃるということは……例の件ですかな?」
その言葉を聞いた瞬間、私は彼が誰なのかを思い出した。
彼はこの国の宰相を務めている人物であり、名前は―――えっと……。
私は慌てて名前を思い出そうとするが、なかなか出てこない。
そんな様子を見かねてか、陛下が代わりに答えてくれた。
彼は私達が生まれる前から王宮で働いている古株の人物だそうだ。
陛下は彼のことを信頼しているらしく、私に何かあったら彼に相談するようにと言っていた。
陛下は彼に今回の事件について尋ねると、彼は詳しい話を始めた。
それによると、昨日の夜のこと、突如として現れた黒い鎧を身に纏った人物が破壊行動を行い
始めたというのだ。
最初はその人影を見たという証言があったものの、やがてその目撃情報はぱたりと途絶えてしまった。
そのことから、もしや魔物が化けているのではないかと疑われたが、調査の為に近づいた兵士達を
容赦なく惨殺していったことで
正体不明の存在ということが判明した。
その後、事態を重く見た国王陛下は私兵を集めて討伐隊を編成。
そのメンバーには騎士団長である彼の姿もあった。
彼は他の兵士達とは比べ物にならないほどの実力を持っており、並みの兵士では束になっても
敵わないほどだという。
そんな彼が率いる部隊ならば、例え相手が魔王軍の幹部であったとしても勝てるだろうというのが
周囲の考えだった。
だが、いくら彼が率いているとはいえ相手の正体が分からない以上、
無闇に攻撃を仕掛けるのは危険だと考えた国王陛下は部隊を二つに分けることにしたのだという。
一方には彼を筆頭とした精鋭部隊を配置して敵の足止めをし、もう一方にはそれ以外の兵士達を
率いて王都内に潜入して情報収集を行うように指示を出した。
彼はまず、精鋭部隊が動き出したのを見計らうと、単身で王城に乗り込み調査を行った結果、
城内に侵入に成功したのだという。
「まさか、あの警備が厳重な城に潜入できるなんてな……。正直、今でも信じられん」
そう言いながら男は首を振る。
「しかも、城の敷地内を探索してみたが、誰もいなかったのだ」
「どういうことだ? 奴らはどこに消えたんだ?」
男の言葉にその場にいた全員が首を傾げた。
「とにかくだ……」
男は再び口を開くと、説明を続けた。
調べたところによると、どうやら城の中に潜んでいた者達は全員どこかへ姿を消してしまったようだ。
おそらく、その隙を狙って脱出したのではないかと思われる。
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