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ペンタグラム・サミットⅠ

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 あれから昼飯を終えて、ルミエールは大満足してくれた。五芒星会議ペンタグラム・サミットが開かれるのは本日の17時とのことだった。こんなに悠長にしていてもいいのか? と思っていたが――。

「え? こんなにゆっくりしていて間に合うのかって? 大丈夫だよ。五芒星会議ペンタグラム・サミットが開かれる場所に強制転移テレポートされるんだ」

「ん? それはどういう仕組みだ? 俺は初対面だぞ? 会ったこともないのに、強制転移テレポートできるのかよ?」

「からくりは私も知らないが、オストロン連邦国の龍族、青龍リオ・シェンランがやっているというと、何か納得できるでしょ?」

「確かに。どうせ究極の阻害者アルティメット・ジャマー付いているだろうし俺が見るよ」

「そのときは私とクロノスにも共有してね」

「おう」

 と、いうやりとりをして今いる場所――。

 漫画や映画とかで偉い人達が密談をするような場所だ。薄暗い部屋の中央のドンと存在感を放つ円卓のテーブル。そして、今日は席は10席あるが今日は使われることはないだろう。と、いうのも国主は俺を入れて6人だ。恐らく付き人は立たされるのだろう。別に座ってもいいじゃんとか思うけどな。

 そして、一番目立つのがこのホログラム。異世界ファンタジーだと思っていたのに、急に世界観が変わって俺は思わず苦笑いしていた。

「久しいな。ナリユキ殿」

 そう声をかけてきたのはレンファレンス王だ。俺としたことがホログラムに気をとられて挨拶が遅れてしまった。ルミエールとクロノスはとっくに済ませているようだ。

「申し訳ございません。ご挨拶が遅れました」

 俺がそう頭を下げると、「ふっ」と笑っていた。

「遜るな。よもや、ナリユキ殿はアードルハイム帝国の闇の歴史に終止符を打った男だ。楽にしてくれてよい」

「ありがとうございます」

「カーネル王から聞いていると思うが、今回はナリユキ殿と――。今更だが、付き人ではなくそこの女子おなごはもしかしてミク・アサギか?」

「はい。宜しくお願い致します」

 ミクちゃんがそう頭を下げると、レンファレンス王はどこか驚いていた。

「成程。可愛らしい顔で腕が立つと聞いていたが――。転生者は頼もしいな。宜しく」

 そう言った後にレンファレンス王は続けた。

「ところでカーネル王、情報はまとめているんだろうな?」

「ええ。実は今回の件はナリユキ閣下が、このような物を冒険者パーティーに渡していたようでして」

 そう言ってルミエールが出したのは、ボールペン型のカメラ8本だ。

「それは?」

「これは一見変わった筆ですが、冒険者パーティーが見た光景が全てここに記録されているのです」

「成程。これも元の世界の知恵か?」

 レンファレンス王はそう言って俺を見て来た。

「そうですね」

「凄い代物だな。映像は皆が揃ってからであれば、、事実上ベースで話が進むからスムーズだな。これなら他の3人も納得するだろう」

 と、レンファレンス王は頷いていた。

「来たようです」

 レンファレンス王の付き人がそう言った。王の付き人は闇森妖精ダークエルフのジュリアという方だ。念波動、念話、転移テレポート、結界無効などの闇森妖精ダークエルフ特有のスキルは一通り持っている。念波動の数値は4,400とフィオナに劣る。まあ昔なら驚いていたかもしれないけど、今は全然怖くないな。

 そして姿を現した6人。まず1人はベルティア連邦国の国主だ。見た目は50~60の間。レンファレンス王より若い。黒いスーツに黒のサングラスという出で立ちは完全に裏の世界の人を彷彿させる。そしてネクタイは赤色の白人。ここでもまた世界観を壊しに来た。



■名前:ヴェストロ・アルマーレ
■性別:♂
■種族:人族
■称号:ベルティア連邦国の元首
■勲章:☆☆☆
■MP:8,000,000
■強さ又は危険度:S
■念波動戦闘値:5,000

■パッシブスキル
物理攻撃無効Ⅴ:物理攻撃と認識できる攻撃全てを無効にして、ダメージを0として扱う。
狙撃手Ⅴ:銃を扱っているとき、狙いたい場所に必中する。尚、防衛系のスキルや、ガードをされた場合はこのスキル効果は無効となる。
自動回復Ⅴ:体力が減少する度に自動回復を行う。回復速度は状況により異なる。
鑑定士Ⅴ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができる。
精神作用無効Ⅴ:あらゆる精神的ダメージを無効にする。
銃弾強化Ⅴ:銃弾の威力、貫通力を200%アップする。
爆破強化Ⅴ:爆破現象が起きるスキル、武器の火力を150%アップする。
爆破範囲強化Ⅴ:爆破現象が起きるスキル、武器の爆破範囲を150%アップする。
究極の阻害者アルティメット・ジャマー:アクティブスキル、鑑定士の効果を完全に無効化する。
不老不死:スキル獲得時の若さを保ち、寿命での死を迎えない。

■アクティブスキル
身体向上アップ・バースト:自身の身体能力を向上させる。尚、所有者の実力によって上昇率は異なる。

■ユニークスキル
雷撃槍サンダー・スピア:雷の槍をあらゆる形状に変え、自在に操ることができる。

■アルティメットスキル
雷の処刑場サンダー・カルヴァリー:雷を一人の対象者に落とす。尚、防衛スキルとスキルを無効化にするスキルを無効化にし、対象者に攻撃を行うことができる。



 ――。S級でアクティブスキルを1つなんて初めて見たな。てことは、基本的には銃と雷撃槍サンダー・スピアで戦うのか。スキルを見る限りじゃマカロフ卿のほうが圧倒的に強いのに、念波動での数値が同じってことは相当頭が良いってことなのか? いずれにせよすげ~強いな。



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