桜ヶ丘総合病院

マロ

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主治医の加藤先生⑤

光太郎side


奥の方で加藤先生がカチャカチャと検査の準備をしている音がする。俺はバスタオルに潜り壁の方をずっとみていた



「……失礼します」



ドアを開ける音と声が聞こえる。どうせ俺を抑える人が来たんだろ、


そう思うとバスタオルを握る手にさらにぎゅっと力を込めた


「……たろ…こうたろ……光太郎」


だれだよ……うるさいな


俺はバスタオルから顔を出して声をかけてきた人物に文句を言おうとした


「…うるさいなッ…聞こえてッ…えっ?坂口?」


「やっほ~、やっと顔見せてくれた」


「ッ……なんで…いるの?全く病院にいなかったじゃんかよ」


坂口……坂口は俺が知る限り2週間以上病院に来ていない。俺が入院してちょうど2週間。俺をずっと担当してくれているから入院した時会わないはずがない。それに外来だって基本いるのに会わなかった…



彩葉もしばらく見てないって言ってたし噂では別の病院に行ったとか聞いた



「久しぶり、なんでって俺この病院の看護師だよ?それに光太郎のね」


安心したようなでも会えなかったことに対して少し怒りも感じた


「そんな怒った顔するなよ、ちょっとだけ別の病院のお手伝いに行ってただけだから。もうあっちに行くことはほとんどないと思うから安心しろ」


坂口に会えたのは嬉しいけど俺を抑えに来たと思うと複雑な気持ち


「ほらちゃっちゃと終わらせて部屋に帰ってゆっくり休もうな。一緒に頑張るよ」


俺は坂口のペースに巻き込まれ言う通りに準備させられ、とうとう加藤先生がカテーテルをもって俺のモノを丁寧に消毒していた


「光太郎ごめんな、ちょっと足抑えるぞ。」


坂口は申し訳なさそうに言って俺の足を竹崎君っていう最近俺を担当してくれている看護師の二人で抑えた


そして加藤先生はぶつぶつと小言を言ってきた


「ほらさっき光太郎ちょんちょんって消毒してただろ?こうやって丁寧に消毒しないとまた感染するぞ。光太郎が俺に会いたいって言うなら話は別だけどさ」


ッ……痛い…消毒丁寧にしすぎて染みる


「ッ……会いたくねぇし…さっきから痛いってッ染みる。下手くそ」


俺は壁側を向いてぎゅっと力を込めて痛みに耐えた


「本当に光太郎お口が悪いね~、まっいいけど笑、下手くそじゃなくて上手の間違いね♪」


加藤先生のペースに巻き込まれたら疲れるだけ。ろくな事がない。俺は先生を無視した。そんな俺を坂口はとんとんと落ち着かせるように肩を撫でてくれた


「よし、じゃあカテーテル挿れていくよ。わかってると思うけど危ないから動かないでよ。あまりにも抵抗するなら拘束するからね。先生もできれば使いたくないから頑張るよ」


加藤先生がそういうと坂口と竹崎の抑える力も強まった。俺が覚悟を決めた瞬間カテーテルは奥へ奥へと入ってきた


ッ……痛い痛い痛い


言葉が出ないぐらい痛い。ひりつく痛みと染みる痛み、擦れる痛み、全てが同時に襲いかかってくる。


俺は全身に力を込めて痛みに耐えた。


「痛いな、光太郎偉いぞ、頑張れ」


坂口がそう声をかけてくれる。竹崎君も「偉いよ、すごい強いな」って声をかけてくれる


「光太郎、今からさらに痛くなるよ、動くなよ頑張れ」


加藤先生がそう言った瞬間痛みのレベルが段違いに上がった。燃えるような痛み


「ッ……痛い痛い!もう無理抜いてッ…それ以上挿れるな!あぁッ痛いって言ってんだろッ…ヒクッ」


俺がそう言ってもカテーテルは奥へ奥へと進められた。


「よしもう終わるぞ。頑張った。あとは溜まってた尿抜くだけだからな」



加藤先生はそう言って溜まっていた尿を抜いたあと、スーッとカテーテルを一気に抜いた



俺は痛みによる生理的な涙をパジャマの袖で拭いた


坂口と竹崎君が頑張ったと俺の肩を撫で声をかけてくれる


「光太郎痛かったな、頑張った。強くなったな、昔ならもう大暴れだったし」


坂口そう言ってにこっと笑いながらも昔と変わらない大きな手で俺の頭をよしよしと撫でてくれた。


その奥で加藤先生はまたカチャカチャと次の検査の準備をしていた。次は内視鏡検査。これも痛いんだよな…


俺は不安が顔いっぱいに表れていたらしい


坂口が「大丈夫すぐ終わるから。頑張るぞ」と声をかけてくれた


しばらく俺は黙って天井を見つめていると加藤先生が声をかけてきた。準備が出来たらしい……



「光太郎、これ頑張ればもう終わり。さっきのカテーテルより少し太めだけど頑張るぞ」


そう言って加藤先生は俺の膝をポンポンと軽く撫でた


「大丈夫。一緒に頑張ろうな」


坂口はそう言ってにこっと笑った







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