桜ヶ丘総合病院

マロ

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カテーテル検査②




「…………ちゃん……いろ……ちゃん……いろちゃん……」





んぅ……誰?声がする





そう思って目を開けると私の担当看護師石川さんがいた。石川さんは私が赤ちゃんの時からずっと担当してくれている。





「いろちゃん、おはよ~、ごめんね寝てるところを起こしちゃって。そろそろ先生が診察に来てくれるから準備しよっか」






石川さんはそう言って私を起こしてくれた。






私あの後寝てたんだ……







石川さんは私を起こしたあとそのままるりちゃんも起こしてる。なんかちょっと苦戦してそうだけど苦笑





まだ眠いし、もう少し寝ようかな





そう思って二度寝しようとしたところで九条先生がやってきた





「おはよう」




タイミング悪いよ




そう思いながらもちいさな声で「おはようございます」と返した





先生は私に体温計を渡してテキパキと診察を進めた




ピピッ




何度だろう……36.8




なんかいつもより高い気がする




そう思いながら体温計を見ていると先生に取られた




「調子はどうだ?いつもと変わりないか?」





とくに今のところないかな、あったところで検査がなくなりますってわけじゃないし




「…………ない」




そう言うと先生は診察の続きをした。胸の音を聞いたり色々確認してた




「今日の検査9時から予約してる。それまで絶飲食。といってもあと30分ぐらいだから大丈夫か。部屋に迎えに来る。逃げるなよ」



9時ってあと30分もないじゃん。逃げれるなら逃げてるよ




「うん、わかってる……ねぇ…先生……」



「なんだ?」




先生はいつも通りの無表情でこちらを見てきた




この顔されると言いづらいんだよね……





「何も無いならもう行くぞ」





「……昨日の…約束」





検査頑張ったら外に行ってもいいよっていう約束。この約束がなかったら検査は頑張れない。多分逃げ出してる




「それは今日の彩葉次第だな。じゃあまた後で来る」




先生はそう言って私の頭をぽんぽんと撫でて部屋を出た行った






はぁ…………、検査嫌だな





また悪くなってるかな、?多分、いや悪くなってるはず。だって良くなってるは絶対にないから



トントン

「入るよ~」



この声瀬戸先生だ。瀬戸先生の優しくて明るい声



瀬戸先生は部屋に入ってくると私に気づいてすぐに声をかけてくれた




「いろちゃんおはよう~」



「瀬戸先生おはようございます」



瀬戸先生はにこっと笑って手を振ってるりちゃんの方へ行った。るりちゃんはまだ半分以上眠ってそうな感じかな?石川さんが頑張ってというか半分諦めてそのままの状態で体温とかバイタル測ってる





このまま部屋にいる気になれなくてそっと誰にも気づかれないように部屋を出た



向かうのは今朝と同じ場所



部屋にいろって言われたけどこれぐらいいいよね、逃げたわけじゃないし



そう思いながらソファーに座ってまた外を眺めた



この場所はプレイルームからは反対でナースステーションからも少し離れているし小児科だけど少し静かな場所




ただ何も考えずに病院に来る人、出て行く人を見た



































感想 9

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