異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

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足腰ガクブル★死神の吐息編

コージという少年

…その日は最初からついていなかった。

朝食は逃すし、盗んだ宝もちゃちなものばかり。歩いていたら子供に号泣された。決め付けは部下の1人が騎士団のクソ共に捕まり、仮拠点を吐かせられたらしく、100人程のクソ共がいきなり押し掛けて来た事。
応戦したが、常駐していた部下の数は50人程。基本能力はうちの方が高かったが、多勢に無勢。少ししてから退避を命じた。
しかし相手の指揮官が無能だったようで、引き際をわきまえずに騎士団に後追いをさせてきやがった。おかげでこっちもあっちも大損害。部下は先に逃がせたが、騎士団長と一騎討ちにまで持っていかれた。
相手も予想外だったようで、指揮官の名前を怒鳴っていたのは面白かったが、状況は最悪だった。


……まさに激戦。
俺も向こうも致命傷。魔力はもう無く、騎士団のクソ共から身を隠す為に、『惑わしの霧』に飛び込んだ。


死ぬと、思ったんだ。
このクソみてぇな最高で最悪の人生に、終わりが来たんだと。
今まで殺してきた奴等に、地獄に引きずり込まれると信じて疑わなかった。
死にたくは無かったが、どうしようもない。
これが俺の人生なんだ。薄暗くて寒い。光の当たる所へは、どんなに願ったってもう行けない。
…つまりは、諦めてたんだ。生も、光も、温もりも。

だが、惨めにダラダラと苦しみながら死ぬのは嫌だった。自害しようにも剣は一騎討ちで折れたし、自分の魔法では自分を傷付ける事は出来ない。
どうしようかと考えていた時に、あの少年…コージに出会った。
驚いてつい攻撃してしまったが、コージには加護が付いていたので、当然跳ね返される。想定外だったが理想でもあった。
これで怒ったあいつに攻撃されれば、すぐに死ねる。そんな事を思っていたのに……。

コージは、俺を助けた。

加護があったからそんな事が出来たんだろうが、あいつは俺が暗黒魔法師と知ってもなお、手を差し伸べたんだ。
バカかこいつ…。と思って鑑定してみると、あり得ないもんが次々と出てきた。
レベルはたった4の癖に、スキルの量が尋常じゃない。しかもその1つ1つがとんでもなく使えるもので、内心ビビりまくり。それに万能属性とか言う馬鹿げた属性。よく鑑定すれば、全属性が使えるようだった。そして何よりヤバかったのは称号だ。『神の愛し子』。これも鑑定してみると、この称号はコージしか持っておらず、出てきた神はあの創造神ゼロア。

腰が抜けるかと思ったが、気合いで耐えた。

聞くと、コージは異世界人。クエスト中にわけも分からず『惑わしの霧』に拐われて来たらしい。

興味を持った俺は、助けてくれた礼だと言ってコージを王都まで送る事にした。
勿論、優しい人を装って。
正体はバレていたが、コージは純粋そうだったので演技してみた。面白いくらい簡単に引っ掛かって、思わず笑ってしまった。

「おいっ、笑うなよぉ! 俺だってびっくりしたんだからな!?」

コージは俺が笑ったのを、肉を食べて仮昇天したと知って笑われたと思ったらしい。
プンプン! という擬音が似合って可愛い。

まぁ…コージには同情する。
異世界から来て1日で処女をぶち破られた挙げ句、たっぷりと中出しされたらしいからな。

普通ならトラウマものだがコージは違ったようだ。むしろ、「ま、まぁ気持ち良かったけど…」と顔を赤くして言ってる。
いくら強制的に発情させられてたからって、処女喪失で感じるのはおかしい。
今まで性奴隷として処女を散らされてきた男たちは多く見たが、誰1人として勃っていなかった。
恐らく、コージには才能があるからなのだろう。

つまりは淫乱。

今までで2回犯されたと言っているが、どっちも気持ち良かったみたいだから、俺ともヤってくれんのかな…、とか思ってたら、2回目も不本意な行為だったらしい。
……………いや、レイプで感じられるドMなコージなら、無理矢理犯しても平気か…? と考えたが、それだとコージが俺を拒否する可能性が高くなる。せっかく見付けた面白可愛い奴なのに、自ら手放すような真似はしたくない。


…え? コージを素直に王都まで送り届けるのかって?
…………いや………実のところ、迷っている。
王都の方へ向かってはいるが、途中通る地底遺跡には『死神の吐息』の仮拠点が存在する。恐らく、あの戦いで逃がした部下達はそこにいる。
戦い方はよく知らないようだし、手持ちの『魔法封じの鎖』に繋げば、魔法も撃てない。
側に置いておく事が出来る。


………けれど、コージの笑顔を崩したくはない。泣く姿も可愛いのだろうが、コージには笑顔が1番似合う。
さて、笑顔のまま俺のものにするにはどうすれば良いのか……。



………そこまで考えて、俺はハッとした。

「…? ガレ? どうした?」

コージがいきなり立ち止まった俺を不思議そうに見る。きょとんと首を傾げる様子は、もはやキスしてと言っているようにしか見えない。

「……何でもない。もう少し先に俺の仮拠点の1つがあるんだ。今日はそこで夜を越そう」

…自覚した。
いくら凄い奴でも、コージじゃなければ俺は案内なんかせずにとっとと去っていたところだろう。ましてや、いくら気に入ったとは言え無理矢理犯すなんて普段なら面倒臭いと思い付きすらしなかった筈だ。
惚れていたと考えれば、俺の不可思議な思いや行動に説明がついた。



(……初恋だ。何としても実らせたい)


笑顔のまま、側にいて貰うには…?
やはり正当に告白してお付き合い……?
でもやり方が分からん…。断られたら傷付いて無理矢理閉じ込めるくらい夢中になっている自信はある。
どうにかこっちの恋情を悟られずに一緒にいてもらう方法…。
………オトモダチ、から始めるしかないか…。
家に帰りたそうな事を言っているが、本当にヤンデレ強姦魔の所に帰るとは思えない。
これは……またとないチャンスだ。誘うなら誰にも邪魔されない今しか……。

「…………このまま俺と旅するか?」

隣を歩いていたコージが驚いたように俺を見詰める。



こいつを手に入れるのは、俺だ。









************************




引っ越しのゴタゴタで遅れましたすみません…。


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