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ツンデレガチ勢★聖騎士団編
フラグ1級建築士、爆誕!
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「……? どうした。良い事でもあったのか?」
「ふふっ、まぁちょっとな」
「…妙な奴だな。昼食は屋台で食べる。ああ、それと第2の壁の外にも行くので、フードを被れ。いつあの男に見付かるか分からんからな」
「あの男?」
「ここに来る途中、お前に話し掛けたギルドの男だ」
ああ、あの眠そうな若者! 確かに、まだいるかもな。
俺はちゃっちゃと読んでいた本を棚に戻し、カイルから手渡された白いマントを羽織った。フードは第2の壁を出た時に被る。
カイルと兵舎の廊下を歩きながらの会話。
このフロアの半分以上がカイルの部屋になっているので、人影は無し。
「一応、ミゲルとスティーブが側に付く。城下町の祭りに行った後、第2の壁の外へ行く。庶民街で警戒するのは当然だが、城下町にも質の悪い貴族はいるので、迷子には気を付けろよ」
「そんなラノベじゃあるまいし、迷子になんてなるわけないだろ?」
「『らのべ』? 何かは知らんが…まぁ、気を付けていれば特に問題は無いだろう」
…………あれ、なんだか今、フラグが立ったような…?
********************
やぁ皆さん。
城下町、スゴいです。
豪華なお洋服を来たお上品なお爺さんやお兄さんやお子さんがふふふはははってお上品に楽しんでおります。
俺も、楽しそうな人達を見るの、好きです。
………………迷ってなかったらの話だけどな!!
もう…何なんだよ…。こんな綺麗にフラグ回収しなくても良いじゃん!
人の波に流された俺も悪いけどさ! カイルもミゲルさんもスティーブさんも全員同時に俺を見失うってどういう事よ!!
ああもう…どうしよ…。人混みでぐるんぐるん回転させられたから来た道分かんねぇ…。
しかも…なんかスッゲー注目されてんだけど…。ちょっと歩けばお上品なお爺さんお兄さんお子さんたまにお姉さんが談笑止めてスッゲー見てくるんですけど!
ごめんなさい場違いなのは分かってるからそんなに見ないでー! 俺注目されんの苦手なんだー!
と、早足でその場を立ち去ろうとしたら…。
どんっ
「ふぎゃっ」
何かにぶつかってしまった。
ここで巨乳お姉さんのボインなんかにバイン出来ればビンタでもなんでも受け入れよう…。だが、俺がぶつかったのはぶにぶにの何かだった。
「いたた……あの、すみませ………」
「なんだ貴様! この僕にぶつかっておいて……。……ほ、ほほう…! 中々優れた容姿を持っているではないか…!」
小肥り貴族。
そんな言葉が一番しっくりきた。12~3歳くらいだと思う。
そして、小肥り貴族を見て、お上品な通行人の方々が小さく悲鳴をあげた。
…………いやいやいや…! 城下町で迷ってぶつかったのが悪質そうな貴族って…! どこのラノベのヒロインだよ…!! しかもなんか変態臭するような事言ってるし!
「…えー…ぶつかってすみませんでした。それじゃ!」
「え。ま、待てっ! 僕は伯爵家次期当主だぞ! お前、僕の側室にしてやる!」
あぁぁそんなこったろうと思ったぜぇ…。
うーん、伯爵家次期当主……。見えんな。三男坊くらいにしか見えん。
金髪は綺麗なのにキノコヘアーで台無しだ。顔も痩せたらかっこいいんだろうなぁ、痩せたら。デブではない。でもムチムチしてる。
上から目線も含め、全体的に勿体無い人だ。
「エー、ワタクシノヨウナショミンニハオソレオオイデスゥー」
「ふふん! 身をわきまえるのは良い事だ。だがこの僕が直々に誘っているのだぞ!」
「………すみません、俺には心に決めた人がいるんです」
地球にだけど。もう失恋したんだけど。俺の親友の事が好きだったらしいけど。俺が死んでちょっと嬉しかったらしいけど。
「!? う…、ぼ、僕の誘いを断るというのか…!?」
THE・ショック! って表情で俺の顔を見る金髪キノコ。断られる事を想定してなかったのか…。伯爵家の子供らしいな…。
あ、でも、伯爵家が偉いのは分かるけど…俺、階級制度よく分からないんだよね…。
※※※※※※※※※※※※※※※
公爵…偉
侯爵
伯爵
子爵
男爵…凡
※※※※※※※※※※※※※※※
「そ、それなら正妻でも良いぞ!? 庶民などと、父上は反対するだろうが……お前の容姿を見れば父上、母上…祖父母とて喜んで受け入れる!」
グイグイ来る金髪キノコ。
こういう時、ラノベなら逆ギレして『やっちまえ!』みたいな展開が王道だから、ちょっと拍子抜けした。
そして思い出したスティーブさんの言葉。
───『それに、うちの団長は見た目だけは良いしなぁ。勝率0って考えるのが普通だ。んで、聖騎士団が属している教会は、国境を超える。たまたまこの国に本部があるだけで、その存在は余程の大国か連合国でも無い限り恐怖の対象だ』
…つまり、貴族じゃ聖騎士に敵わない。
「あー………いや……今、迷子なんです。聖騎士の人達と一緒にいた筈なんですけど…」
「………!!!」
金髪キノコもびっくりした様子だったけど、何よりボディーガード? みたいな黒服2人が心底驚いた様子で動揺していた。
「……せ、聖騎士なら父上の知り合いに教会関係者がいる! 屋敷もすぐ側にあるから、そこでゆっくりと休むが良い!」
まだ来るかこのキノコ! 屋敷とやらで手ぇ出して責任取りますって魂胆が丸見えだぞ!
「お気遣い、ありがとうございます。しかし、向こうもこちらを探しているでしょうし、この祭りのどこかにいる筈ですので、俺は大丈夫です」
「………良いから、来い!」
逆ギレはしなかったけど、言い訳が思い付かなかったのか、金髪キノコは強引に俺の腕を掴み、ぐいぐいと引っ張ってきた。
12~3歳と言えど、かなり力が強い。勿論抵抗するけど、更に強く掴まれ、黒服達に退路を絶たれてしまった。
「は、なしてくださ…!」
「庶民が僕に逆らうな!」
俺、この横暴なセリフに、カチンときました。
「うっさい若年性キノコ! 離せって言ったら離せよ小肥り! 人を拉致しようとして何が次期当主だ!」
俺以外の全員がポッカーンって顔をした。
いざとなれば魔法を駆使して逃亡しようと思ってた……けど、言ってからカイルやルークさんに迷惑かかんないかな…って心配になった。
そして、若年性キノコにつぼったのか、所々ぶふっwwと笑い出す声が聞こえてきた時。
金髪キノコが涙目でぷるぷると震えながら、俺に怒鳴り出した。
「な、何故そこまで拒絶するんだ!! 客に股を開くのがお前らの仕事だろう!!」
………ん?
金髪キノコの言葉が理解出来なくて数秒…。
──……何を言いたいのかが分かった俺は、激怒した。と、同時に絶望もした。
「…………俺は、男娼じゃなくて冒険者なんだが?」
「「「……………えっ」」」
金髪キノコだけじゃなかった。
通行人の方々も、黒服も、同時に『えっ』て言った。
その様子に、俺の怒りは最高を100として、85くらいまでに高まった。
「なぁ教えてくれ金髪キノコくん。………俺の、どこを見て男娼だと判断した……?」
「ひっ…! だ、だって…そんな容姿で、そんな庶民のような格好なら…どう見ても休暇中の男娼だろ……。それに、冒険者がそんなひょろい訳が…!」
「…あ゛?」
「ひぃぃっ…!」
激怒中の俺から真っ青な顔で後ずさる金髪キノコ。年下にこんな事するのは非道だと思うが、今の俺にはそんな余裕はない。
今なら三島にビッチ呼ばわりされて椅子を振り回した女の子の気持ちが分かるよ、うん。尻軽呼ばわりは誰だって嫌なもんだ。
「駆け出しの魔法特化の奴でもみんな1人残らずムキムキだってか?」
「うっ……。…ご、ごほん……冒険者だったとは…し、失礼した。だが! それなら僕の正妻になっても良いだろう!?」
「良くない。俺は男に興味無い。……でも、お前で俺に求婚してきた男は7人目だよ」
「庶民ばかりだろう!!」
「まぁな。ギルドマスターとか天才料理人とか極悪人とか、『ムキムキのイケメンな大人』ばっかりだったよ」
つまりは、お前とは正反対って事だ金髪キノコめ。せめて標準体型になってから出直して来い。
「僕の妻になれば欲しいものは何だって手に入るし、何でも出来るぞ! 気に入らない奴を痛めつけたりだって…!」
「権力を盾にか? 俺が1番嫌いな喧嘩の仕方だ」
「う、うぅぅぅ……」
ますます涙目になる金髪キノコ。黒服はおろおろしてるが、俺が手を出した訳ではないので行動に移せないらしい。
「コージ!!!」
通行人の方々が固唾を飲んで見守る中、白い鎧に腰までのサラサラ銀髪が視界に入った。
「カイル…!」
駆け寄って来たカイルに抱き付けば、カイルは見て分かるほど動揺し、固まった。
抱き付いたのは、金髪キノコに見せ付ける為だ。俺にはこんなイケメンが付いてるんだぞーって。
そして、涙目金髪キノコを見たカイルが仕事人の顔付きになり、金髪キノコの前に一礼をした。
「お初目にかかります。サイラス・リオ・ロワナ様。私は聖騎士団団長のカイル・マンハットと申します。………私のコージが、何かご無礼を?」
さっすが仕事人カイル! 言葉の端々に殺意が滲み出てるな!
というかこの金髪キノコ…サイラス・リオ・ロワナって言うんだ…。……無駄にかっけぇ。
「聖騎士団…団長…」
カイルの殺意をまともに受けて、サイラスは怯えた様子で俺に視線を移す。
「………どうしたって…僕の、妻にはなってくれないのか…?」
いくら小肥り金髪キノコと言えど、相手は年下。うるうるの目で見詰められたら、弟にするみたいな感じでなでなでしたくなってしまう。
「………無理だ。男の恋人は作りたくないから。………でも…権力も、魅力の1つだし、お前せっかく素材は良いんだから、痩せて筋肉質の紳士になってその髪型を止めれば…多分、俺なんかより良い人、たくさん寄ってくると思うぞ」
アドバイスはしといてやろう。次期当主だとか言うコイツを今のうちに矯正しとけば、この国が将来良い国になるかもだし。
「…………………」
ついにぽろぽろと涙を溢したサイラス。その周りでおろおろしながらハンカチを差し出す黒服。
そんな奴らをガン無視してスタスタ俺を引っ張るカイルと、サイラスの様子を気にかけながらカイルに付いて行く俺。……そしていつまで経っても驚愕の表情の通行人の方々…。
城下町にあるまじきカオスだった。
え? その後?
勿論、スティーブさんに叱られミゲルさんに抱き締められカイルに強制べろちゅーされました。
********************
「……………………ふふふ」
「……レオナルド様、いかがなされましたか?」
「いや…、愛らしい少年がロワナの子供に絡まれていたから、助けてあげようと思ったんだけど…、少年の方がロワナの子供を言い負かしちゃって……。若年性キノコって言ったんだよ? なのに去り際にはフォローするし……スゴい子だなぁって」
「左様で御座いましたか」
「でも結局、聖騎士団の団長が少年を連れ帰っちゃった。………ふぅん、『コージ』くんねぇ…。……本当に可愛い子だったなぁ…。あの子……欲しいなぁ…」
「…調べますか?」
「…………そうだね…。暗部に最優先で動いて貰ってよ」
「御意」
********************
はぁい(* ̄∇ ̄)ノ
メルです。
明けましておめでとう御座います!
今年もよろしくお願いします!
「ふふっ、まぁちょっとな」
「…妙な奴だな。昼食は屋台で食べる。ああ、それと第2の壁の外にも行くので、フードを被れ。いつあの男に見付かるか分からんからな」
「あの男?」
「ここに来る途中、お前に話し掛けたギルドの男だ」
ああ、あの眠そうな若者! 確かに、まだいるかもな。
俺はちゃっちゃと読んでいた本を棚に戻し、カイルから手渡された白いマントを羽織った。フードは第2の壁を出た時に被る。
カイルと兵舎の廊下を歩きながらの会話。
このフロアの半分以上がカイルの部屋になっているので、人影は無し。
「一応、ミゲルとスティーブが側に付く。城下町の祭りに行った後、第2の壁の外へ行く。庶民街で警戒するのは当然だが、城下町にも質の悪い貴族はいるので、迷子には気を付けろよ」
「そんなラノベじゃあるまいし、迷子になんてなるわけないだろ?」
「『らのべ』? 何かは知らんが…まぁ、気を付けていれば特に問題は無いだろう」
…………あれ、なんだか今、フラグが立ったような…?
********************
やぁ皆さん。
城下町、スゴいです。
豪華なお洋服を来たお上品なお爺さんやお兄さんやお子さんがふふふはははってお上品に楽しんでおります。
俺も、楽しそうな人達を見るの、好きです。
………………迷ってなかったらの話だけどな!!
もう…何なんだよ…。こんな綺麗にフラグ回収しなくても良いじゃん!
人の波に流された俺も悪いけどさ! カイルもミゲルさんもスティーブさんも全員同時に俺を見失うってどういう事よ!!
ああもう…どうしよ…。人混みでぐるんぐるん回転させられたから来た道分かんねぇ…。
しかも…なんかスッゲー注目されてんだけど…。ちょっと歩けばお上品なお爺さんお兄さんお子さんたまにお姉さんが談笑止めてスッゲー見てくるんですけど!
ごめんなさい場違いなのは分かってるからそんなに見ないでー! 俺注目されんの苦手なんだー!
と、早足でその場を立ち去ろうとしたら…。
どんっ
「ふぎゃっ」
何かにぶつかってしまった。
ここで巨乳お姉さんのボインなんかにバイン出来ればビンタでもなんでも受け入れよう…。だが、俺がぶつかったのはぶにぶにの何かだった。
「いたた……あの、すみませ………」
「なんだ貴様! この僕にぶつかっておいて……。……ほ、ほほう…! 中々優れた容姿を持っているではないか…!」
小肥り貴族。
そんな言葉が一番しっくりきた。12~3歳くらいだと思う。
そして、小肥り貴族を見て、お上品な通行人の方々が小さく悲鳴をあげた。
…………いやいやいや…! 城下町で迷ってぶつかったのが悪質そうな貴族って…! どこのラノベのヒロインだよ…!! しかもなんか変態臭するような事言ってるし!
「…えー…ぶつかってすみませんでした。それじゃ!」
「え。ま、待てっ! 僕は伯爵家次期当主だぞ! お前、僕の側室にしてやる!」
あぁぁそんなこったろうと思ったぜぇ…。
うーん、伯爵家次期当主……。見えんな。三男坊くらいにしか見えん。
金髪は綺麗なのにキノコヘアーで台無しだ。顔も痩せたらかっこいいんだろうなぁ、痩せたら。デブではない。でもムチムチしてる。
上から目線も含め、全体的に勿体無い人だ。
「エー、ワタクシノヨウナショミンニハオソレオオイデスゥー」
「ふふん! 身をわきまえるのは良い事だ。だがこの僕が直々に誘っているのだぞ!」
「………すみません、俺には心に決めた人がいるんです」
地球にだけど。もう失恋したんだけど。俺の親友の事が好きだったらしいけど。俺が死んでちょっと嬉しかったらしいけど。
「!? う…、ぼ、僕の誘いを断るというのか…!?」
THE・ショック! って表情で俺の顔を見る金髪キノコ。断られる事を想定してなかったのか…。伯爵家の子供らしいな…。
あ、でも、伯爵家が偉いのは分かるけど…俺、階級制度よく分からないんだよね…。
※※※※※※※※※※※※※※※
公爵…偉
侯爵
伯爵
子爵
男爵…凡
※※※※※※※※※※※※※※※
「そ、それなら正妻でも良いぞ!? 庶民などと、父上は反対するだろうが……お前の容姿を見れば父上、母上…祖父母とて喜んで受け入れる!」
グイグイ来る金髪キノコ。
こういう時、ラノベなら逆ギレして『やっちまえ!』みたいな展開が王道だから、ちょっと拍子抜けした。
そして思い出したスティーブさんの言葉。
───『それに、うちの団長は見た目だけは良いしなぁ。勝率0って考えるのが普通だ。んで、聖騎士団が属している教会は、国境を超える。たまたまこの国に本部があるだけで、その存在は余程の大国か連合国でも無い限り恐怖の対象だ』
…つまり、貴族じゃ聖騎士に敵わない。
「あー………いや……今、迷子なんです。聖騎士の人達と一緒にいた筈なんですけど…」
「………!!!」
金髪キノコもびっくりした様子だったけど、何よりボディーガード? みたいな黒服2人が心底驚いた様子で動揺していた。
「……せ、聖騎士なら父上の知り合いに教会関係者がいる! 屋敷もすぐ側にあるから、そこでゆっくりと休むが良い!」
まだ来るかこのキノコ! 屋敷とやらで手ぇ出して責任取りますって魂胆が丸見えだぞ!
「お気遣い、ありがとうございます。しかし、向こうもこちらを探しているでしょうし、この祭りのどこかにいる筈ですので、俺は大丈夫です」
「………良いから、来い!」
逆ギレはしなかったけど、言い訳が思い付かなかったのか、金髪キノコは強引に俺の腕を掴み、ぐいぐいと引っ張ってきた。
12~3歳と言えど、かなり力が強い。勿論抵抗するけど、更に強く掴まれ、黒服達に退路を絶たれてしまった。
「は、なしてくださ…!」
「庶民が僕に逆らうな!」
俺、この横暴なセリフに、カチンときました。
「うっさい若年性キノコ! 離せって言ったら離せよ小肥り! 人を拉致しようとして何が次期当主だ!」
俺以外の全員がポッカーンって顔をした。
いざとなれば魔法を駆使して逃亡しようと思ってた……けど、言ってからカイルやルークさんに迷惑かかんないかな…って心配になった。
そして、若年性キノコにつぼったのか、所々ぶふっwwと笑い出す声が聞こえてきた時。
金髪キノコが涙目でぷるぷると震えながら、俺に怒鳴り出した。
「な、何故そこまで拒絶するんだ!! 客に股を開くのがお前らの仕事だろう!!」
………ん?
金髪キノコの言葉が理解出来なくて数秒…。
──……何を言いたいのかが分かった俺は、激怒した。と、同時に絶望もした。
「…………俺は、男娼じゃなくて冒険者なんだが?」
「「「……………えっ」」」
金髪キノコだけじゃなかった。
通行人の方々も、黒服も、同時に『えっ』て言った。
その様子に、俺の怒りは最高を100として、85くらいまでに高まった。
「なぁ教えてくれ金髪キノコくん。………俺の、どこを見て男娼だと判断した……?」
「ひっ…! だ、だって…そんな容姿で、そんな庶民のような格好なら…どう見ても休暇中の男娼だろ……。それに、冒険者がそんなひょろい訳が…!」
「…あ゛?」
「ひぃぃっ…!」
激怒中の俺から真っ青な顔で後ずさる金髪キノコ。年下にこんな事するのは非道だと思うが、今の俺にはそんな余裕はない。
今なら三島にビッチ呼ばわりされて椅子を振り回した女の子の気持ちが分かるよ、うん。尻軽呼ばわりは誰だって嫌なもんだ。
「駆け出しの魔法特化の奴でもみんな1人残らずムキムキだってか?」
「うっ……。…ご、ごほん……冒険者だったとは…し、失礼した。だが! それなら僕の正妻になっても良いだろう!?」
「良くない。俺は男に興味無い。……でも、お前で俺に求婚してきた男は7人目だよ」
「庶民ばかりだろう!!」
「まぁな。ギルドマスターとか天才料理人とか極悪人とか、『ムキムキのイケメンな大人』ばっかりだったよ」
つまりは、お前とは正反対って事だ金髪キノコめ。せめて標準体型になってから出直して来い。
「僕の妻になれば欲しいものは何だって手に入るし、何でも出来るぞ! 気に入らない奴を痛めつけたりだって…!」
「権力を盾にか? 俺が1番嫌いな喧嘩の仕方だ」
「う、うぅぅぅ……」
ますます涙目になる金髪キノコ。黒服はおろおろしてるが、俺が手を出した訳ではないので行動に移せないらしい。
「コージ!!!」
通行人の方々が固唾を飲んで見守る中、白い鎧に腰までのサラサラ銀髪が視界に入った。
「カイル…!」
駆け寄って来たカイルに抱き付けば、カイルは見て分かるほど動揺し、固まった。
抱き付いたのは、金髪キノコに見せ付ける為だ。俺にはこんなイケメンが付いてるんだぞーって。
そして、涙目金髪キノコを見たカイルが仕事人の顔付きになり、金髪キノコの前に一礼をした。
「お初目にかかります。サイラス・リオ・ロワナ様。私は聖騎士団団長のカイル・マンハットと申します。………私のコージが、何かご無礼を?」
さっすが仕事人カイル! 言葉の端々に殺意が滲み出てるな!
というかこの金髪キノコ…サイラス・リオ・ロワナって言うんだ…。……無駄にかっけぇ。
「聖騎士団…団長…」
カイルの殺意をまともに受けて、サイラスは怯えた様子で俺に視線を移す。
「………どうしたって…僕の、妻にはなってくれないのか…?」
いくら小肥り金髪キノコと言えど、相手は年下。うるうるの目で見詰められたら、弟にするみたいな感じでなでなでしたくなってしまう。
「………無理だ。男の恋人は作りたくないから。………でも…権力も、魅力の1つだし、お前せっかく素材は良いんだから、痩せて筋肉質の紳士になってその髪型を止めれば…多分、俺なんかより良い人、たくさん寄ってくると思うぞ」
アドバイスはしといてやろう。次期当主だとか言うコイツを今のうちに矯正しとけば、この国が将来良い国になるかもだし。
「…………………」
ついにぽろぽろと涙を溢したサイラス。その周りでおろおろしながらハンカチを差し出す黒服。
そんな奴らをガン無視してスタスタ俺を引っ張るカイルと、サイラスの様子を気にかけながらカイルに付いて行く俺。……そしていつまで経っても驚愕の表情の通行人の方々…。
城下町にあるまじきカオスだった。
え? その後?
勿論、スティーブさんに叱られミゲルさんに抱き締められカイルに強制べろちゅーされました。
********************
「……………………ふふふ」
「……レオナルド様、いかがなされましたか?」
「いや…、愛らしい少年がロワナの子供に絡まれていたから、助けてあげようと思ったんだけど…、少年の方がロワナの子供を言い負かしちゃって……。若年性キノコって言ったんだよ? なのに去り際にはフォローするし……スゴい子だなぁって」
「左様で御座いましたか」
「でも結局、聖騎士団の団長が少年を連れ帰っちゃった。………ふぅん、『コージ』くんねぇ…。……本当に可愛い子だったなぁ…。あの子……欲しいなぁ…」
「…調べますか?」
「…………そうだね…。暗部に最優先で動いて貰ってよ」
「御意」
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はぁい(* ̄∇ ̄)ノ
メルです。
明けましておめでとう御座います!
今年もよろしくお願いします!
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