異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

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死闘続発★ホモら共存編

一方その頃王城では

 
 
「こっ国王との面会許可が下りました! セイ殿、オウ殿、どうぞお進みください!」

「もぉ~遅いっつーの! 普通5分以内に終わるだろ! 何で30分もかかったんだよ! ノロマかよ化石になるところだったわ!」

顔色の悪い衛兵に、オウがブツブツと文句をぶつけて、俺達は城に足を踏み入れた。
セキに『お前は煽られればほぼ確実に戦闘に入るだろう』と言って連れてこなかった分、高圧的な態度の衛兵を数人吹っ飛ばした身として、セキに何か奢ってやる必要がありそうだ。
オウも、我らを『ホラ吹きの下賤な者共』呼ばわりした衛兵の頭を握り潰した手前、『セキになんて言い訳しよう』と頭を悩ませている。

……それにしても。
人間というものは、ここまで愚かな生き物だっただろうか?
いや、コージやその周囲の人間達であれば、力はあれど面識の無い他者をここまで貶める事はしない。
我らを貶めようとした馬鹿共は、恐らくこの城を自分達のテリトリーと思い、強気に出たのだろう。『自分には、いざという時に参戦してくれる仲間がいる』と思い込んで、我らを侮辱した。
相手の力も見極めずに。

体に付着した返り血を魔法で落とし、怯える案内役を横目に、我らは豪華絢爛な道を進む。
着いたのは、謁見の間ではなく、それなりに豪勢な客間だった。

「このような部屋で対応させて頂く事を詫びよう」

落ち着いた色合いのローテーブルを挟んだソファの横に、1人の男が立っていた。

「構わぬ。それより、急な訪問を許せ」

王と思わしき威厳を纏った初老の男と、ソファの後ろに控える逞しい体つきの男を鑑定し、我とオウはソファに座った。それに続き、王もソファに腰掛ける。

「我らの正体は既に知っているだろうが…。世界序列92位、青古龍代表のセイだ」

「はいはーい! 世界序列93位で、黄古龍代表のオウだよ~。よろしくねぇ~」

「お初にお目にかかる。グリス王国第58代国王、バージル・A・ガーディアンと申す。後ろの者は…、…王国騎士団長を務める世界序列100位の、アルバート・ビーターだ」

王国騎士団の赤をベースとした鎧とマントを纏う逞しい男が、我らに軽く会釈した。
仏頂面のこの男こそ、人類が『切り札』として扱う序列入り。
100位と言えど、人の身で世界序列に食い込むなど…、知った時は驚いたものだがこの男の様子を見る限り、確かに序列100位にふさわしいと言えるだろう。

「お前の噂は聞いてるよ! まさかヒトが序列入りになるなんて信じられなかったけど…、うん、まぁ流石に強そうだね~!」

オウがそう褒めても、アルバートは小さな声で感謝を述べて終わり。
強者には変わり者も多いので、さして気にせずに我らは王に向き直った。

「さて…、何故我らがここに来たのか、見当は?」

「…不甲斐ないが、ハッキリとは」

「だろうな。別に期待はしていない。気にするな。我らがお前達のナトリ領という場所で暴れていた理由だが…、……この国の騎士の鎧を纏った者が、我らの同胞の子を拐ったのだ」

「………そんな、バカな」

王が目を見開き、狼狽えた。が、すぐに威厳ある姿に戻り、我らの話をよく聞こうと身を乗り出す。

「知らなくとも問題は無い。我らがあるじとその周囲のヒトによって、『帝国』の仕業ではないかと結論が出た」

「…………そうか…、そうか…」

目を伏せ、苦々しく呟く様子を見ると、この王も『帝国』には苦労させられているようだな。

「我らの願いは『帝国』が我らの子を拐った証拠を掴む前に『帝国』に報復措置を取るな、という事だ。先走ると国に被害が及ぶのだろう?」

「あぁ。心遣い、感謝する。『帝国』に直接攻撃をしないのは、やり過ぎると管理者が来てしまうからか」

「んー、それもあるけどぉ~、俺らのあるじってさぁ、平和主義って言うか…殺生嫌い? だからさ、俺らも嫌われたくないし、我慢してるって言うか~」

コージの話を聞けば、コージが平和主義の優しい子供という事は容易に分かる。
もし、我とオウが威圧的な王国騎士達を殺したと知られれば…。……嫌われてしまうかもしれない。

「オウ、ダメだ。コージにはナイショだ」

「セイって頭良いくせに言葉足りない事多々あるよな~。何がナイショ? 変に秘密を作ればまた契約解除を切り出されかねないじゃん?」

「ヒトを殺したとバレれば、契約解除の可能性が高まる。絶対に知られぬようにしなければ」

「あー…、確かに。……という事で王様さん。俺らのあるじには、俺らがヒトを殺した事、ナイショな?」

「…承知した」

世界序列100位のこの男がいるのであれば、我らとコージが契約した際に、この男もコージの本名を知った筈だ。そして、王に報告したのだろう。
それはつまり、王がコージの存在を認識したという事。
恐らくではあるが、コージのもとに、視察が向かった。…セキを残してきているので、今頃は捕まっているだろうがな。

「……貴殿らのあるじについて、聞いても?」

「我らの答えられる範囲でなら」

「では率直に。………何者なんだ?」

「お前にそれを教える訳にはいかない」

軟弱なヒトは、力を欲す。
自国に世界をひっくり返す程強力な者がいると知れば、どんな行動を取るか分からない。
利益の為に囲おうとするか、害を及ぼすと危険視するか、争いの火種になると始末するか。

コージが自らの目的の為に接触したセキはともかく、我とオウは完全に我らだけの意志でコージと契約を結んだ。

………守らなければ、いけないのだ。

我とオウのワガママに付き合い、従魔契約を結んでくれた、あの子を。創造主の愛し子を。


コージの幸せは、このの総意だ。







********************





「お前は歴代稀に見る賢王だと聞いていたのだが…、部下への管理が行き届いていない以上、期待外れと言う他あるまい。そのような者に、我があるじについて教えるつもりはない」


ソファに座る青古龍…、いや、セイ殿の言葉に、私は頭の中で小さく舌打ちをした。
セイ殿の言う事は、何一つ間違っていない。実際、セイ殿とオウ殿はガラの悪い衛兵に侮辱され、その衛兵達は無惨に死に絶えた。
私が逆の立場でも、『教育が行き届いていない』と相手を信用しなかった事だろう。

近頃、兵の不足が続き、採用条件を引き下げて募集し、やっと数を補えたばかりだったのだが…。やはり、数より質を重視するべきであったか。
兵が足りなくなった理由として、古龍討伐へ赴いた騎士や兵士達が一人も帰って来なかった事にある。
そう考えると、セイ殿らが討伐兵を皆殺しにした事が原因なのだが、当然そんな言い訳が通用する訳もない。
なるべく彼らを怒らせないよう進めたかったのだが、彼らは理性も充分にあるからして…、仕方ないが、少々強引な手を取らせてもらう。

「どのみち、私は王として阿山康治郎に登城の命を出さねばならない」

「………なんだと?」

「貴殿らを従える程の者だ。私自ら見極める必要がある。……既に気付いていると思うが、阿山康治郎のもとへ視察を送った。報告によると、『重力操作』を使ったと」

「………………」

「…だから? 言っとくけど、コージを傷付けたりしたら万単位でこの国のヒトを殺すからね」

決してハッタリなんかでは無い。そう思わせるほどの殺気を私にぶつけ、オウ殿が言い放った。
しかしここで怯む訳にはいかない。王としての務めは、果たさなければならない。

「無論、そちらに害意が無いと分かれば、阿山康治郎を傷付けぬ事は勿論、帝国への対応も協力しよう」

「…………………………」

「…………………………」

「…………………………」



「……………はぁ~。コージ、巻き込んじゃったね」

数分の沈黙の後、諦めたかのようにオウ殿がため息を吐いた。

「…我らが守れば問題は無い。………が、周囲のヒト達には恨まれるだろうな。特に…、あの、ガレとか言う盗賊と、ロイとか言う冒険者には」



「………ロイ…?」




阿山康治郎に執着を見せているという男達の名前をセイ殿が出した時、今まで黙っていたアルバートが小さな声で反応した。

「…そー言えば……、お前、アルバートって言ったっけ? あの冒険者の名字、ビーターだったんだけど、身に覚えは?」

…ロイ・ビーター? それは…アルバートが、前に話してくれた…。




「………………弟、です…」





********************



はぁい(* ̄∇ ̄)ノ
メルです。


お偉い人達の口調なんて、分かりません。


GWなんて存在しなかった作者に、遅い五月病が襲ってきました。


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