異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

文字の大きさ
90 / 160
死闘続発★ホモら共存編

懐水浸しだよコレ

 
 
 
いやぁ、ヒュドラの肉が美味いなんて、知らなかったなぁ……。

あ、こんにちは。コージです。
セキが狩ってきたヒュドラを見て、ギルドが一時大騒ぎになりましたが、セキの『…数百年前に一度食ったが…、美味いぞ?』という言葉により、解体職員が総動員され、ギルドでヒュドラパーティーが行われました。

…………とても美味しかったです。



「ヒュドラを料理したのなんて、初めてだ…」

「……だろうな。肉に毒が無かったのは驚きだったが…」

「その他、食べられない部分はギルドに譲ってくれるそうだ……」

「………………懐が潤うな……」


ワーナーさん、リイサスさん、ルークさん、ジャックさんが遠い目をして、解体されたヒュドラを見詰めている。
それもそのはず。
ヒュドラは世界に10体しかいない、非常に強力で貴重な多頭龍の1体だ。
このヒュドラがセキに殺された事によって、また新たなヒュドラが世界のどこかで生まれるので、絶滅の心配は無い。

…………………無い、が………。

さっきも言ったけど、ヒュドラは超強い。
ヒュドラを含む多頭龍が人の住む場所に接近してきた時は、なるべく人を移動させて、多頭龍には手を出さずに去るのを待つのが一般的だ。
しかし…、どうしても移動出来ない場合。例えば、多頭龍が王の住む王都なんかに接近してきた時は、やむを得ず、実力上位の騎士を500人、S級冒険者を可能な限り動員して、討伐に当たる。
それでも絶対に討伐出来る訳でも無く、過去に何度か討伐出来なかった多頭龍によっていくつもの都が滅んだケースも……。


えっとな、つまり…。多頭龍はマジヤバい。
毒撒き散らす系のヒュドラはもっとヤバい。


そんなヒュドラの素材を丸々1体分確保出来たとなると、『やったー金持ちだー』どころの話じゃない。
小国の国家予算に匹敵するのだ。


「………忙しく、なるだろうな…」


………お疲れ様ですっ!!





********************



~3日後~




「ギルマス!! ドラスモス共和国の研究機関が血液2リットル、金貨10万枚で買い取ってくれるそうです!!」

「8万枚で構わない!! 今後も関係を続ける方針で対応に当たりたまえ!!」

「はいっ!!」

「ギルマス! 商人ギルドの『ディープ・ホワイト』が眼球2つを金貨2千万枚で譲って欲しいと!!」

「眼球はオークション形式で買い手に競わせる!! 入札は現在21! 今の最高額は眼球2つで『トライアングル』の6千万枚と伝えなさい!!」

「はい!!」

「リイサスさんんん~! 帝国の騎士が討伐時の状況を教えろってぇ~!!」

「『どこかの古龍が気まぐれにボッコボコにしたヒュドラを偶然見付けて、大量のA級・S級冒険者で袋叩きにした』ってシナリオだ全員覚えておけ!!」

「「はい!!」」

「シャムロック家が頭の1つを魔剣と交換して欲しいと!!」

「腕の良い鑑定士を雇って連れて来い!! 貴族は全てルークが相手する!!」

「はいっ!」



……多忙の極み。

あ、ちなみに、金貨1枚が大体1万円くらいだからな?
つまり、ヒュドラの血、2リットルで8億円。
ヒュドラの眼球、2個で6千億円。
頭が9つあるので、ヒュドラの眼球は全部で18個だけど…、全部に同じような値が付くなんて、正直あまり考えたくない。

ギルド内を大勢の人が駆け回っていて、俺は邪魔にならないよう、すみっこのテーブルでじゃがたんの薄揚げをパクついている。
そろそろ昼食の時間帯だけど、みんな急がし過ぎてそれどころじゃ無いみたいだ。
じゃがたんの薄揚げを作ってくれたワーナーさんも、世界中の多くの飲食関係者が所属する、『料理研究会』とやらの対応に当たっているらしい。ヒュドラの素材で、料理に使えそうな部分を売ってくれ、だって。
ジャックさんは強面を活かして噂を聞き付けてギルド前にたむろする一般人や、冒険者…、盗賊なんかを追い払っている。盗まれたりしたら、損失が半端無いから。
ロイは倉庫にて、多くの素材を冷やし中。氷結属性の冒険者達が、大集合中らしい。最近、ちょっと暖かいから、生モノの管理には気を付けないとな。




………………暇だなぁ…。





下手に手伝ったりすると、かえって迷惑かもだし…。…もぐもぐ……ポテチ美味い。


……………あ、ガレのところ行こ。







********************



トントン…ガチャ

「…あれっコージさん!?」

ギルドから徒歩15分。リイサスさんの家から徒歩10分の豪邸。昔、殺人事件があってから、手付かずで完全な空き家。
ガレ達はそこを拠点の1つにして、暮らしていた。

ダークブラウンの扉を軽く叩いて出てきたのは、ピコピコお耳が素敵な狐さん。

反射的に、お耳をもふってしまうのは…、もう仕方がない。もふもふをもふもふするのは俺のDNAに組み込まれている事なんだ。

「はぅっ///」

「もふもふ…// ……はっ! ごめんなさい!」

「い、いえ…。あの、コージさん、どうされたんですか? ギルドにいるはずじゃ…」

「みんな忙しそうだったので…。近くの職員さんに行き先を伝えて、来ちゃいました! ガレいますか?」

「はい、いますよ! 午前中はちょっとバタバタしていましたけど、今は雑務をこなしています。コージさんが来てくれたって知ったら、とても喜ぶと思いますよ!」

『じゃあ行きましょうか』、と言って歩き出した狐さんのあとについて行って、俺達は一際大きなドアの前に立った。

「…お頭のこと、甘やかしてあげてくださいね」

狐さんがそう言って、その意味を聞く間もなく、ドアがノックされた。

「誰だ」

「コナーです。コージさんがいらっしゃいました」

ガタッドサドサドサッバタバタッゴトンッ
ガチャンッ


「よぅコージ。お前の方から来るなんて、珍しいな」

「………ギルド、忙しそうだったからさ」

突っ込まぬが花。
恋人がいきなり来た時の男子高校みたいな反応だなんて…うん、この自信満々色気ぷんぷんな様子からは想像出来ないな……。

「こっちも、さっきまで大忙しだったんだぜ? 『ギルドだけでは捌けない』って血液と腎臓と頸椎の一部を貰ったんだがよ……。………エグい金額が入ってきてンだよ…」

少し隈の出来た顔で、ゲンナリとしつつも笑うガレ。
この様子じゃ、結構お疲れみたいだな。…あ、狐さんのさっきの言葉、これの事かな?

「んじゃ、膝枕でもするか? 最近頑張ってくれてるし、セキ達の時も協力してくれたから、ご褒美あげちゃうぞーー、なーんて…」

軽い、冗談のつもりだったんだ。
いや、協力してくれたお礼とかはちゃんとするつもりだぜ? けどさ、まさか本気で…、ご褒美にいちゃラブセッセを要求されるなんてさ……。


「コージの1日を、俺にくれ」


見たことも無いような爽やか綺麗な笑顔で、俺はガレにそう言われた。

「……な、何するつもりだよ…」

「そーだなァ…。夕暮れ時に来たとして、まずは2人きりで晩飯を食おう。その後、2人きりで風呂に入って、上がったら軽くダラダラしよう。甘々なセックスをしたら、2人で眠って…。朝も一緒だぜ? 午前中は読書でもして…、午後は剣の練習でもしようか。教えて欲しかったんだろ?」

「そうだけど…、ここに泊まるって事だろ? リイサスさん達がなんて言うか…」

ルークさんなんて、この家を『ケダモノの巣窟』なんて言ってたし、『絶対にダメ』って言われる未来しか想像出来ない…。

「アッチはあと数日は忙しいと思うぜ? 『一段落ついたら、リイサスさん達にもご褒美あげますよ』~とでも言えばイチコロだろ。あ、アイツらへの褒美ではセックスすんなよ」

「ルークさん、熊さんだからなぁ…。匂いでセッセしたってバレそうだなぁ…」

そんな俺の一言はスルーされ、あれよあれよとガレがルークさん宛に手紙を書き、伝書鳩を飛ばして、俺は今日1日だけ、プリストファーさん家の子になったのだった。



…尻を掘られると分かっていてもガレにご褒美をあげたいと思う優しい自分が憎いぜっ!





感想 963

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。